社会人のための専門職大学院進学完全解説!進学のメリット・デメリットと選び方を解説します!

Summary

専門職大学院は職業に必要な高度な専門知識・スキルを学べる場となっており、社会人のキャリアアップやキャリアチェンジに最適です。実務に即したカリキュラムが提供されており、例えばMBAや法科大学院、公共政策学など、多様な分野で活躍できる専門職を育成しています。働きながら通学できる社会人向けプログラムも豊富に用意されているのもポイントですよ!

社会人の学び直しには大学院進学が一番!

変化の激しい現在、社会人の方が「学び直し」や「生涯学習」などの目的で大学院進学するケースが増えています。

社会人が大学院に進学すると、自分の現職の専門性を高め昇給・転職というキャリアアップが可能になるほか、異業種への転職や大学教員などキャリアチェンジも可能になります。

世の中的にもリスキリングやリカレント教育が注目されている今、社会人の大学院進学は今やホットなテーマとなっています。

(私が住んでいる札幌ではそこまで盛り上がっていないが残念な限りです…)

「いまさら学校に行っても…」と思っていませんか?

「でも、仕事しながら大学院に通うなんて難しそう…」
「大学出たての若者と一緒に今さら学ぶなんて、なんかイヤ…」

なかにはこういう思いになる方もいらっしゃるかも知れません。

「いまさら学校に行ったところで何も変わらないよ…」

そんな諦めを持っている方もいらっしゃるかも知れません。

たしかに、一般の大学院は「研究者養成」を目指しているのでこういった場所に行っても昇給・転職は難しいかも知れません。

(もちろん、技術者やメーカー勤務の方の場合、研究者養成系の大学院に行くことが昇給・転職につながるケースもあります)

こういった一般の大学院は大学4年生からそのまま進学してくる学生も多く、社会人のあなたが入ると「浮いた」印象になってしまうこともあるかも知れません。

それに、一般の大学院は平日昼間に授業があるため、朝から夕方まで仕事をしている社会人の方には通学が難しい側面があります。

ですが、大学院の中には研究者養成を目指す一般の大学院とは別に「専門職大学院」があります。

社会人のキャリアアップに直結!専門職大学院があるじゃないか。

専門職大学院は一般の研究者養成の大学院とは違い、職業における専門性向上を目指して設置された大学院です。

こちら、学生の約半分は社会人となっています(専門職大学院によってはほとんどが社会人、というケースもあります)。

文部科学省が実施した令和4年度「学校基本調査」では専門職大学院の社会人比率は約50.7%です。



また、社会人が通うことを想定しているため、専門職大学院のなかには平日夜間に授業開講されているものや週末の通学で修了できるものもあります。

1年間休職して通学できるよう、通常2年間の修士課程を1年間に圧縮した「1年制修士課程」が設置されているケースもあります。

こういった専門職大学院であれば、さきほどの3つの悩みはすべて解決します!

1)「でも、仕事しながら大学院に通うなんて難しそう…」
→平日夜間や週末の通学が可能なケースもあります!

2)「大学出たての若者と一緒に今さら学ぶなんて、なんかイヤ…」
→専門職大学院の約50.7%は社会人です!

3)「いまさら学校に行ったところで何も変わらないよ…」
→職業の専門性直結のため、学んだことをそのまま現職で使える!昇進・転職に役立つ!

今回は社会人のキャリア形成に最適な専門職大学院の特徴を見ていきます。

専門職大学院とは?

専門職大学院は、特定の職業に必要な高度な専門知識や技術を習得するための教育機関です。

一般的な大学院が研究や学問を追求する場であるのに対し、専門職大学院は実務に即した教育を提供し、専門職としてのスキルを高めることを目的としています。

例えば、ビジネスリーダーを育成するMBA(経営管理修士)や、弁護士を目指すための法科大学院(ロースクール)などがこの専門職大学院に含まれます。

日本においては2003年の学校基本法改正によって「専門職大学院制度」が新たに設置されませした。

産業界と連携しながら、バラエティ豊かな専門職大学院が設置され、多様な分野で専門職を育成するためのプログラムが導入されています。

この記事では、専門職大学院の概要、制度、そしてどのような大学院があるのかについて詳しく見ていきます。

専門職大学院の特徴

1. 実務重視のカリキュラム

専門職大学院の大きな特徴は、実務に直結したカリキュラムを提供している点です。

学問的な理論を学ぶだけでなく、現実の職場での問題解決や、実際に使えるスキルを身につけることが重視されます。

例えば、ビジネス分野ではケーススタディやプロジェクト型の授業が多く取り入れられ、現場で役立つ経験を積むことができるよう設計されています。

2. 資格取得をサポート

多くの専門職大学院は、修了することで特定の資格を取得できるプログラムを提供しています。

例えば、法科大学院を修了することで司法試験の受験資格が得られたり、教職大学院を修了すると、教育職員専修免許状を取得できたりします。

これにより、卒業後 専門職として活躍する準備が整います。

3. 社会人向けのプログラム

専門職大学院の多くは、働きながら学ぶ社会人を対象にしたプログラムを提供しています。

平日夜間や週末に講義が行われる場所であればフルタイムの仕事を持ちながらでも通学可能です。

また、オンライン講義を取り入れている大学院も増えており、場所や時間にとらわれず学ぶことができます。

4. 高度専門職の育成

専門職大学院は、単に職業に必要なスキルを提供するだけでなく、リーダーシップや戦略的思考など、職業人としての高い能力を持つ専門職を育成することを目指しています。

経営者、法曹、教育者など、特定分野でリーダーシップを発揮できる人材を育成するための教育を提供しています。

専門職大学院の種類

専門職大学院はさまざまな分野に特化しています。

以下のような主要な種類があります。

1. ビジネススクール(MBA)

MBA(Master of Business Administration)は、経営管理に関する専門知識を学び、リーダーシップや戦略的思考を身につけるためのプログラムです。

日本国内では一橋大学大学院、早稲田大学大学院、慶應義塾大学大学院などが有名です。
(早稲田は「早稲田ビジネススクール」を略してWBS、慶應も「慶應ビジネススクール」を略してKBSということがあります)

ビジネスリーダーを目指す方や企業の経営層を目指す方にとって非常に人気のある進学先です。

逆に、すでに企業経営をなさっている方が進学し、自身の企業をより大きく飛躍させているケースも多いです。

また、起業を志している方が進学し実際の起業につなげているケースも多くあります。

2. 法科大学院(ロースクール)

法科大学院は、法律の専門職(法曹)を育成するための大学院です。

2003年の大学制度改革において目玉とされたのがこのロースクール制度です。

修了後は司法試験の受験資格を得ることができ、弁護士や検察官、裁判官としてのキャリアを目指すことができます。

日本では中央大学や一橋大学、京都大学、早稲田大学などが有名です。

ロースクール制度は設立以降多くの紆余曲折がありました。
当初の理念と現状のギャップもあり、一時期はロースクールのあり方が疑問視された時期もありました。

ですが、今はようやく落ち着いてきた状況です。

3. 教職大学院

教職大学院は、現職教員やこれから教員を目指す方を対象に、教育の専門性を高めるための大学院です。

教育職員専修免許状の取得が可能で、将来は教育現場でのリーダーシップを発揮できる教員を育成することを目指しています。

北海道教育大学、東京学芸大学、広島大学などのほか、早稲田大学・創価大学・多摩川大学などが代表的な教職大学院です。

(基本的に「●●教育大学」と名がつくところにはたいてい設置されています)

4. 公共政策大学院

公共政策大学院は、国家や地方自治体、国際機関などで政策立案や行政運営に携わる人材を育成するための大学院です。

現在「新しい公共」が言われ、官民連携が模索されている今、「公共政策」の視点を持った人材育成が求められています。

主に行政職や国際機関でのキャリアを目指す方が進学します。

東京大学や一橋大学、北海道大学、早稲田大学、明治大学などが有名です。

5. 医療系専門職大学院

医療系の専門職大学院は、公衆衛生や助産学など医療分野で高度な専門知識を身につけたい人に向けたプログラムです。

東京大学・帝京大学・聖路加国際大学では公衆衛生学の専門職大学院が設置されています。

また、京都大学には社会健康医学の修士課程、九州大学には医療経営・管理学の修士課程がそれぞれ設置されています。

ほかにも、北海道の天使大学には助産修士という専門職大学院が設置されています。

なお、本ブログで紹介することが多い専門看護師(CNS)養成は専門職大学院ではなく、一般の大学院の枠で育成されているケースがほとんどです。

ただ、専門看護師養成課程を設置した大学院の場合 現職看護師の方も多いので、ある意味で専門職大学院に近い、と考えていただけましたら幸いです。

専門看護師を目指される方は以下の記事リストの内容も参考にしてみてください。

6. 会計大学院(アカウンティング・スクール)

会計大学院は、税理士や公認会計士など、会計・財務分野で専門職として活躍する人材を育成するためのプログラムです。

主に会計学、税法、監査論などを学び、国際的な会計基準に基づいた高度な会計知識を身につけます。

この大学院の特色は税理士試験や公認会計士試験の科目免除を受けられるケースがあること。

何年もかけて独学し続けるより、こういった会計大学院に進学し科目免除の特権を活かすだけでなく税務や会計の専門知識を身につけることは今後のキャリア形成に直結していきます。

日本では、北海道大学や東北大学、早稲田大学や青山学院大学などに設置されています。

なお、北海道では札幌学院大学大学院だけが税理士試験の科目免除の対象校となっています↓

ほかにも専門職大学院には多様な分野があります。

詳細はこちらをご覧ください。

専門職大学院のメリットとデメリット

それでは専門職大学院で学ぶメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

  1. 実務に即した学び
    専門職大学院では、理論だけでなく実践的な知識が学べるため、職場での即戦力として期待されます。
  2. 資格取得が可能
    多くの専門職大学院は、特定の資格を取得できるプログラムを提供しているため、修了後すぐに専門職としてのキャリアを築くことができます。
  3. 社会人向けの柔軟なプログラム
    夜間や週末、オンラインでの講義など社会人が通学しやすい工夫をしているところが多くあります。
    そのため仕事をしながら学ぶことが可能(なことが多い)です。

デメリット

  1. 学費が高い
    専門職大学院の学費は、通常の大学院に比べて高額なことが多いです。
    (国立大学の場合、通常の大学院と同程度のケースも多いです)

    特に私立のビジネススクールやロースクールでは、年間数百万円の学費がかかることがあります。

    ですが、教育訓練給付制度の対象校である場合、学費の実負担をグッと抑えることも可能です。
    詳細はこちらをご覧ください↓

  2. 時間的な制約
    社会人が専門職大学院に通う場合、仕事との両立が求められます。
    時間的な制約が大きくなるため、勉強と仕事のバランスを取ることが難しい場合もあります。

専門職大学院の選び方

専門職大学院を選ぶ際には、自分のキャリア目標や学びたい分野に合わせた選択が必要です。
以下のポイントを考慮して選ぶと良いでしょう。

  1. キャリア目標に合ったプログラムとなっているか
    自分が目指す職業やキャリアに直結するプログラムを提供している大学院を選ぶことが重要です。

    例えば、経営者を目指す場合はMBAプログラム、法律関係の職業を目指すなら法科大学院を選びます。
  2. 社会人向けのプログラムかどうか
    働きながら学びたい場合、夜間や週末の講義、オンライン授業を提供しているプログラムを選ぶと、仕事との両立がしやすくなります。
  3. 学費と費用対効果
    学費が高額な専門職大学院も多いため、自分の予算や将来のキャリアに見合った費用対効果を考慮しましょう。
    日本学生支援機構の奨学金制度の活用を検討するのもいいかも知れません。

  4. 卒業後のサポート体制
    専門職大学院によっては、卒業後のキャリアサポートやネットワーキングの機会が豊富に提供されるところもあります。
    これにより、就職や転職がスムーズに行えるようになります。

専門職大学院に通う価値とは?

専門職大学院に通うことで、専門知識やスキルの習得はもちろん、社会でのリーダーシップを発揮するための能力を身につけることができます。

特に、ビジネスや法律、教育でのキャリアを目指す人にとって専門職大学院は非常に有益な選択肢となります。

また、実務経験を持ちながら学ぶことで、理論と実践の両方を深く理解できるため、キャリアチェンジやキャリアアップを目指す社会人にとっても大きな武器となります。

最終的には、自分のキャリア目標に合った専門職大学院を選び、学び続ける姿勢が成功への鍵となるでしょう。

専門職大学院は、知識だけでなく実践的なスキルやネットワークを得る場として、多くの人にとって価値ある進学先となっています。

まとめ。専門職大学院で夢を実現しよう!

専門職大学院は、特定の職業に必要なスキルや知識を養うための場所であり、社会人やキャリアチェンジを目指す人にとって非常に有益です。

MBAや法科大学院、公共政策大学院など、さまざまな分野で高い教育を提供しており、実務に直結した学びができるのが特徴です。

将来のキャリアを見据え、自分に最適な専門職大学院を選んでいきましょう!

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