大学院の批判的コメントで心折れそうなとき、知っておくべきこと!

今回のポイント

たとえ自分の研究がめちゃくちゃに批判されても、
あなたの人格は一切批判されていない事実。
研究と自分の人格は別であると意識しよう!

大学院でめちゃくちゃに批判を受けて心折れそう…。

 

「こんな研究じゃダメだよ!」
「もっと考えないと…!」

 

大学院の授業のなかでは
今後の研究計画の他
授業レポートなどで批判的なコメントを受けることも
多くあります。

これは大学院の授業だけではなく
受験時からもありうる話です。

実際、面接試験の際に
研究計画について徹底的にツッコまれ

 「もう泣きそうになりました・・・」

という感想を受講生の方からしばしばうかがうことがあります。

受験時からけっこう
批判的なコメントって聞く機会があるのが
大学院のちょっとツラいところですね。

 

 なお、面接試験のなかで
 徹底的にツッコミがあるケースのほうが
 合格しやすい傾向がありますので
 言い添えておきます

 

批判的コメントで心折れる…。

「こんな研究じゃダメだよ!」

「もっと考えないと…!」

 

こういった批判的なコメントやダメ出しを受ける機会は
大学院で日常茶飯事です。

 

そんなとき
「ああ、自分が否定された…」
と思っているとなかなかツラくなります。

 

かくいう私も大学院時代、
ゼミなどの機会に論文のダメ出しを受け
落ち込む機会もありました。

いまから思うと
自分の知識が不足していたり、
あるいは今後の研究についての有益なアドバイスであったりしたなと
思える内容なのですが、

当時は「自分が否定された」ように思うことも
時折あったのです。

 

…それも要因となって
大学院修士2年のときに
うつ傾向がひどくなりました。

 

 

批判的コメントを受けた際、知っておくべき対処法!

さて、私のように落ち込まないためにも、
ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

 

それは
「研究とあなたの人格は全く別物」
ということです。

 

なぜあなたの研究は進まないのか?
という本があります。

この本は大学院生、
なかでも博士後期課程に在籍し
大学の研究者を目指している人を対象に書かれた
研究の「教科書」です。

 

この本は大学院に入った「後」、
どのように研究に取り組むか、
研究生活をどのように続けていくかの
示唆に富んだ本となっています。

「大学院生のころ、
 この本を読んでいたら良かったな…」

そう思う箇所がたくさんある本です。

評価されるのは「あなた」ではない。

この本には
「評価されるのは「あなた」ではない」
という箇所が出てきます。

 

この内容が結構役立つのです。

引用しますね↓


「まず論文がReviewer(注 評価者)に
 評価されるというプロセスですが、
 重要なのは評価の対象が「あなた」ではなく「論文」
 あるいは「研究成果」だと意識的に区別することです。
 
 ケチをつけられても、それは「あなた」への非難ではなく、
 研究結果そのものに問題があるのではないかと意見されている、
 ということです。

 また批判ではなく批評(criticism)であって、
 これは実際研究をより良いものにするために重要な過程です。

 総じて、論文がReviewerに認められることは、
 「私自身」の研究目的を果たすために必要であると同時に、
 研究そのものをより良くするために重要であり、
 子どもが親から認められたいと思うような
 原始的な承認欲求とは次元の違う話です」

佐藤雅昭, 2016,『なぜあなたの研究は進まないのか』メディカルレビュー社, 12ページ

 
この部分は
大学院の授業で先輩・同僚・指導教員からの
「ダメ出し」をどのように受け止めたらいいか、
というアドバイスとなっています。

 

まず大前提として、
どんなに批判的なコメントも
「この研究についてだけ」に対しての批判であって、

いくら批判があったとしても
「自分の人格とは一切関係ない」
と考えることがポイントなのです。

 

自分が書いた研究計画書が
めちゃくちゃ批判されていても、

「ああ、これはこの研究計画書の内容に
 不足があるから批判されているだけであって、
 私自身についての批判ではない」

と考えることが
精神衛生以上 重要なのですね。 

むしろ、批判的なコメントをしてもらえるということは

「これでこの研究計画書を
 もっといいものに仕上げることができる!」

「自分では気づけない視点をタダで教えてもらっている!」

前向きに捉えたほうがいい、
ということなのです。
 

『悩みの9割を消す技術』

この引用箇所を見ていると、
私が前の職場で悩んでいた時
非常に役立った本を思い出します。

 

それは『悩みの9割を消す技術 』です。

 

 

 

必要以上に傷ついてしまうのは日本語のせい。

この本では
日本語という言語をつかっていると
仕事などで傷つきやすい理由を明らかにしています。

それは日本語では
主語を明確にせずに話せるので

「これはダメだよ」

というと

「これ(=いま取り組んでいる論文についてだけ)は
 ダメだ」

という意味で発言した内容が

「これ(=あなた、という人格そのもの)が
 ダメだ」

人格否定を受けているように聞こえてしまう、
という内容です。

なので、日本では自分の研究計画やレポートについて
批判的なコメントを受けると
「自分の人格が否定された」
と考えてしまいやすいのですね。

こういうことで心折れないためには
批判的なコメントを受けた際、

「コメントされているのは
 私の研究やレポートであって
 私自身には一切批判されていない」

と捉えたほうがいいのです。

 

ちょっとした思考の習慣ですが、
これだけでホント大学院生活はラクになるものなのです。

 

今回のポイント


たとえ自分の研究がめちゃくちゃに批判されても、
あなたの人格は一切批判されていない事実。
研究と自分の人格は別であると意識しよう!

科学の発展に「批判」はつきもの。

 

研究をする以上、
「批判」されるのは避けられません。

 

これは研究というものの本質です。

これまでの研究に
「批判」をすることで
いまの学問は発展し続けているからです。

そのため、大学院に行くと
「批判」されることが多くなります。

そのたびに
「ああ、自分が批判された…」といちいち考えていると
気持ちがどんどん下がっていきます。

そうではなく、
今回のように

「批判されているのは自分の研究であって
 自分の人格は一切批判されていない」

という意識を自覚的に持っていく必要があります。

単純なことに思えますが、
この「批判されているのは自分ではない」と考えていないと
けっこう心が折れやすいのが大学院生活なのです。

ぜひあなたの大学院生活を充実させるため
このことを実践してみていだければ幸いです。

『なぜあなたの研究は進まないのか』、オススメです!

なお、今回の内容に限らず、
今回紹介した『なぜあなたの研究は進まないのか』は、
大学院ではじめて「研究」をするに際しての
役立つ視点が満載です。

 

研究者を目指す人はもちろん、
CNS(専門看護師)やMBA(経営管理修士)取得を目指し
大学院で研究をしている人にとっても
役立つ本となっています。

 

ぜひお手にとってみてくださいね!

ではまた!

(ただし、本書が対象としているのは
 理系の研究がメインなので
 文系の大学院の場合はすこし勝手が違いますのであしからず)


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