長年 大手生命保険会社に勤務。勤務をしながらキャリアコンサルタント資格を取得。社内において資格を活かして活動する中でキャリアコンサルタント資格の普及・拡大の方途を探るため北海道大学公共政策大学院に2024年に入学。勤務を続けながら通学中。

インタビュー実施:2025年5月16日 @Zoom上
「働きながらも充実した大学院生生活を送っています」
―― 今回インタビューをご快諾いただき、本当にありがとうございます。
佐々田:こちらこそよろしくお願いいたします。
――自己紹介をお願いできますか。
佐々田:はい、私は現在 北海道大学公共政策大学院に在学しています。
この4月から2年生になりました。
仕事をしながらの大学院チャレンジということで、自分自身、大学と仕事の両立ができるのかと非常に心配していましたが、1年経過してかなり充実した私生活を送れたと感じています。
事前の職場への相談のおかげで無事進学。
―― 充実した1年を過ごしてらっしゃるんですね! どのあたりに充実を感じていらっしゃいますか?
佐々田:実は入学前に不安に思っていたことがいくつかあったんです。
それは仕事をしながら学校に通えるのか、勤務先に大学院進学が認められるかという点です。
この点についてなんですが、進学の目処が立った時点で、上司や同僚に相談をし、大学院に通うことへの承諾をもらうことができました。
上司からも「就業規則に沿っていれば問題ない」と了承いただけましたし、同僚もとても理解があり、応援してくれました。
そのため充実して過ごすことができています。
――佐々田さんは業種としてはどのようなお仕事をなさっているのですか?
佐々田:現在 生命保険会社に勤めています。
―― フレックスタイムなどで通学しやすい環境だったのでしょうか?
佐々田:おっしゃるとおりです。
ただ、確かにフレックスタイムなど柔軟な働き方は可能ですが、私の場合は定時勤務(9時〜17時)だったため、その中で授業の時間をどう確保するかは悩みました。
――仕事をしながら通学なさっているなかで、特に充実している点はどういったところでしょうか?
佐々田:今までは365日、勤務先での業務が生活の中心でした。
ですが、大学に入ってからは自分自身について考える時間や学ぶ時間、研究する時間ができたのがとても嬉しいです。
また、仕事だけでなく、違う世界を見ることができた点も大きかったです。
「大学院で違う世界が見えるようになりました」
―― 違う世界、というのは?
佐々田:金融関係の業務を深掘りすることはしてきました。ですが大学院では、福祉や環境という、人が生きていく上で本当に大切な分野に触れることができています。
そのおかげで違う世界が見えてくるようになってきました。
まさに新しい扉を開いてしまったような感覚です。

その上、学ぶ楽しさや仲間とのふれあいもあって、良い影響をたくさん受けていると感じます。
入学のきっかけは?
――大学院を目指されたきっかけを教えて下さい。
佐々田:入学のきっかけは、キャリアコンサルタントの資格を取得したことです。
キャリアコンサルタントの資格を仕事しながら取ったんですが、キャリアコンサルティングというものがイマイチ世の中に浸透していないという現実を実感しました。
ですのでキャリアコンサルティングをどう広めていけるか研究したいと思い、大学院の門を叩きました。
今年はリサーチペーパーにも取り組んでいて、担当教授と相談しながら進めています。
就職先をはじめとしたトータルなキャリア(職業)相談に乗るのがキャリコンサルティングです。
キャリアコンサルタント資格は現在国家資格となっており、キャリアコンサルタントとしての業務はキャリアコンサルタント資格がなければ実施できない名称独占資格となっています。
―― 北海道大学の公共政策大学院(通称:HOPS ホップス)を選んだ理由はなんだったのでしょうか?
佐々田:会社の同僚がすでにHOPSで学んでいたことが大きなきっかけです。
その方が大学院での学びや活動について丁寧に教えてくれて、実際に大学院で訪れた場所にも案内してくれたんです。
―― 実体験に基づいて紹介してくれたんですね。
佐々田:はい、同僚が「HOPSは面白いよ」と伝えてくれて、それにすごく心を動かされました。
ちょうどこの話を同僚としていたのは北海道大学の近くの居酒屋だったんです。
そうしたところ、その居酒屋にいた若者が同僚に話しかけてきていたんです。
なんでもこの若者もHOPSに通っているそうで、「いろんな年齢層の人がいるんだな」と驚いたのを覚えています。
―― それは面白い体験でしたね!
いろんな年齢層がいることに、不安はありませんでしたか?
佐々田:職場ではさまざまなバックグラウンドを持つ方と仕事をしていたので、それ自体には不安はありませんでした。
ただ、実際に大学院のガイダンスに出席したとき、社会人だけでなく、留学生や学部卒の若い方々など本当に多様な人がいて、正直ちょっとたじろぎました。
「どう関わっていけばいいのか…」と。
―― 実際にはどうやって関わっていかれたんですか?
佐々田:HOPSには大学院の用意してくれた自習室があるんです。
院生全員にそれぞれ机が割り当てられているんですが、そこを使う中で自然と他の方と話す機会ができてきました。
先輩たちもとてもフレンドリーです。
ちょうど自習室で横の席だった人がいるんですけど、その人も色々話しかけてきてくれたんです。
この先輩は大学を出てすぐに進学した方なので、いわば年下の先輩ですね。
今年卒業なさって就職した際も、「こういう仕事を今やっているんですよ」と連絡してくれるなど、今でもつながっています。
――いいですね〜!
後編はこちら↓
「社会人大学院生インタビュー」はこちら!
現在、北海道大学公共政策大学院修士課程に通う佐々田千鶴絵さん。大手生命保険会社に勤務中にキャリアコンサルタント資格を取るのですが、キャリアコンサルティングがそれほど活かされていない現状を研究したいと思い進学なさったそうです。そんなインタビューをお届けします!