
インタビュー実施:2025年5月16日 @Zoom上
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目次
「レポートの提出に苦労しました」
――ここまでは大学院生活の「良かったこと」について伺ってきましたが、反対に「ここは良くなかった」という点はありますか?
佐々田:はい、レポートの提出には本当に苦労しました。
社会人だと報告書は日常的に書いていますが、大学のレポートは全然違うんですね。
教授がレポート作成の作法を教えてはくれるんですが、それを自分のものにするのは本当に難しくて…。
―― どんな工夫をされたんですか?
佐々田:自分で本を買って、レポートの書き方をイチから勉強しました。
締切は決まっているのに、なかなか書き始められないという時間配分の難しさもありました。
でも、これまでなんとか単位は取れていますし、期日までにルールに沿って書くという練習になっています。
寒くて暗くて大変な冬の授業。
―― 他にも大変だったことはありますか?
佐々田:冬の夜の授業ですね。
6限目を取る社会人は多いんですが、冬の北海道で18時からの授業に出席するのはなかなかつらいです。
雪をかき分けながら通うのは大変でした。
―― 北海道ならではですね(笑)
「院生協議会にも参加しています」
―― 北海道大学の公共政策大学院には院生による自治組織がありますよね。
「院生協議会」というものなのですが、佐々田さんはこちらにも参加されているとのことですが、どんな活動をされているんですか?
佐々田:院生協議会というのは、学生の自治組織です。
公共政策大学院の院生全体を支える役割を持っています。
教授と連携しながら、学生生活に関して月に1回の会議を通じて意見をまとめたり、イベントを企画したりしています。
―― どんなイベントを?
佐々田:印象的だったのは「ジンギスカンパーティー」、略して「ジンパ」です。
北海道では定番ですが、道外から来た方には珍しいらしくて好評でした。
協議会のメンバーはみんなおおらかで楽しい雰囲気です。
―― 院生協議会では会計も担当されているんですよね?
佐々田:はい。でも最初は手封筒で管理していて、少し心配な部分もありました。
今では銀行口座を活用するなど、きちんと管理する体制に移行しています。
長期履修で4年かけて研究していきたい。
―― 佐々田さんは、修士課程の修了を何年計画で考えていらっしゃいますか?
佐々田:はい、勤務との両立を考えて、4年かけて修了できる長期履修制度を選びました。
多少余裕を持って授業を選べますし、無理なく進められるのがありがたいです。
―― 今後の研究はどのように進めていく予定ですか?
佐々田:現在、キャリアコンサルティングの有効性について研究しています。
指導教員としてはT先生にお願いしたいと思っています。1年目の前期にT先生の授業を受けて、実務家の視点からのお話ととゲストスピーカーのお話がとても印象に残ったんです。
まさに自分がどこに興味を持てるかを教えてもらったような感覚でした。
やはり現場にいた方だからこそ持っている情報があって、実務家教員ならではの視点から多くの学びがありました。
今後の展望は?
―― 今後の佐々田さんの展望を伺えますか?
佐々田:はい、今後 自分でもキャリアコンサルティングで人のお役に立てるようになりたいと思っています。
ちょうどキャリアコンサルタント資格についての研究をしていますので、卒業後はこの知見を元にキャリアコンサルタントとして実際に活動していきたいです。
―― お仕事の方はどうされる予定ですか?
佐々田:今の会社の仕事も、そろそろ終了の時期が近づいています。
これまでは「どう両立するか」という視点で考えてきましたが、仕事が終了したあとは大学院一本に集中する形になります。
まずこの前期の期間はリサーチペーパー(修士論文)の執筆に特化し、その後は並行して授業の履修とは別に取り組めることを模索していきたいです。
藤本さんのように起業やフリーランスのような道も視野に入れています。

大学院を目指している方への2つのポイント。
―― ありがとうございます。
最後に、大学院への進学を考えている方に、メッセージがあればお願いします。
佐々田:はい。私自身もとても悩みながら、大学院の門を叩きました。
進学を検討している方には、まず次の2つの準備をおすすめしたいです。
まず1つ目は「心に決めること」です。
大学院を検討したタイミングで、藤本さんのブログ(本ブログ)を見ることをおすすめします。
心構えや具体的な進学準備の情報が詰まっていて、とても参考になります。
可能であれば、藤本さんの指導を受けるのもいいと思います。
私自身もお力添えをいただき、十歩も百歩も進むことができました。
特に、藤本さんが北大の公共政策大学院に在籍なさっているからこそのアドバイスをしてもらえた事が大きいです。
―― うちの宣伝、ありがとうございます…!
佐々田:2つ目は、「会社で協力者を得ること」です。
周囲に理解してもらえると大手を振って通学できるようになりますし、自分自身も気持ちの上でとても楽になります。
協力者の存在は、本当に大きいと実感しています。
―― 佐々田さんが生活面で工夫されたこがあれば、ぜひ教えてください。
佐々田:大学院では1年間のスケジュールがあらかじめ開示されます。
それに沿って「この期間はこう過ごそう」と事前に計画を立てることで、自分の時間をうまく使えるようになりました。
長期休みもあるので、遊びの時間も取れます。
メリハリをつけることが大切ですね。
私自身、札幌に転勤してきた方と一緒にキャンプをしたり、会社の植樹祭のイベントに参加したりもしました。
院生協議会のメンバーとパーティーを開いたりと、交流の場も多いです。会
社と学校の両方で人とのつながりを持てたのが、本当に良かったと思っています。
―― 充実した学びと交流の両立ですね。本日、ありがとうございます!

インタビューを終えて
佐々田さんは私と同じく北海道大学公共政策大学院(HOPS)に通学なさっています。
実は私と研究テーマが近いこともあり、私もリサーチペーパー(修士論文)執筆にあたり一度ご相談に乗っていただいたのを覚えています。
インタビュー内でもおっしゃっていましたが、仕事が終了となる年代で大学院進学を志し、挑戦なさっているのが本当に素晴らしいことと思います。
今後もぜひ佐々田さんから私自身も学ばせていただければ幸いです!
「社会人大学院生インタビュー」はこちら!
佐々田千鶴絵さんインタビューの後編。キャリアコンサルタント資格についての研究をもとに起業やフリーランスでの活動を考えていらっしゃるという展望を伺いました!