社会人大学院生インタビュー12後悔するくらいならリスクを取って進学を!理系大学院修了Yさん後編

Summary

社会人として大学院で学んだ経験を持つ方々へのインタビューシリーズ。今回紹介するYさんは一度断念した大学院進学に再挑戦し、理系大学院で自然言語処理を研究しました。その経験がキャリアアップにつながり、現在は大手メーカーで研究職として活躍中です。進学を検討している方に対し、リスクを抑えながら果敢に挑戦することの重要性を語っていただきました!(後編)

(インタビュー実施日:2024年8月26日@Zoom)

Yさん(仮名)

大学卒業後、一般企業で勤務。向学心止みがたく、休職をして理系大学院に進学。修士課程修了後は復職をした上で大手メーカーに転職し現在研究職分野で活躍中。

前編はこちら↓

大学院に入って良かった点・悪かった点

――実際に大学院に入ってみていかがでしたか? 良かった点・悪かった点から教えて下さい。

Y:大学院に進学して一番良かったのは、やっぱり「自分の世界が広がった」と感じられたことです。

大学院での経験がなければ、今の自分のキャリアにはつながっていなかったと思います。

実際、大学院で学んだことが転職につながり、今の仕事にも非常に役立っています。

特に、以前から企業の研究職として勤務したいと思っていたので、以前から考えていた理想が実現した状態と言えそうです。

もともと自分はすごく大学院にいきたかったんですけど、諦めていたところがあったんです。

このまま行かないままだったら「研究したかったな」と後悔していたと思います。
なので思い切って進学して良かったです。

一方で、悪かった点としては経済面での負担が大きかったことですね。

休職状態での進学だったので、保険料の負担が大きく、経済的に大変でした

クラスメイトを見ていますと、もともと転職が多い業界でもあるので退職して来ている人のほうが多い印象です。

日本の社会保険と税金は前年の所得をもとに額が決まります。
なので退職して進学した場合、1年目は社会保険料(退職しているので国民健康保険に切り替わります)と税金が重くかかってきますが、2年目は所得がゼロのため社会保険料・税金負担が軽くなります。

休職状態の場合、国民健康保険への切り替えがない関係で2年目も社会保険料の金額はそのまま。

社会保険料だけを見ると、休職のほうが支払い負担が重くなります

――それは大変でしたね…。
休職と退職、どちらで通っていたほうが良かったと思いますか?

Y:今から思うと、休職で良かったと思います
退職していた場合、大学院修士課程2年で修士論文執筆と就職活動が重なってきて大変だったので…。

私は在学中に国際会議にも参加できたんですが、就職活動していたら行けなかったなと思います。

博士課程(博士後期課程)への進学は?

――博士課程への進学は考えられましたか?

Y:悩みましたが、修士課程修了後に復職することにしました。

それは学振(日本学術振興会)に落ちてしまったり、受け入れ先の教員が異動になったりしたことが理由です。

それでも、いまも社会人として博士号を取りたいと思っています

博士後期課程では授業があまりないし、職業がいま分野が近いのでなんとかならないかな、と思っています。

色々ありましたが、全体を通して考えると、大学院での経験は非常に価値があったと感じています。

日本学術振興会(学振 がくしん)というのは日本学術振興会の特別研究員のことを言います。

博士後期課程の大学院生など若手研究者に対し、2〜3年間毎月一定額の科学研究費や奨励金が支給される制度です。

ただ採用率が20~30%前後なのでなかなかの狭き門となっています。
(参考:Horizon

☆学振制度の詳細はこちらをご覧ください。

――Yさんの今後の展望について教えて下さい。

Y:今はエンジニア職として研究開発職に就いています。
エンジニア職として働いているのですが、前職と全然違いますね。

やりたかった研究に取り組める環境にいるので、とてもよかったな、と思っています

これから、可能であれば社会人として働きつつ博士号も取得したいなと思っています。

それも視野に入れて専門的な研究を進めていきたいと思っています。
今の職場で研究を続けながら、自分の専門分野をさらに深めていきたいですね。

「進学したいなら、リスクを抑えて果敢に挑戦を!」

――大学院を目指している社会人の方にメッセージをお願いします。

Y:もし、やりたいことがあるなら、リスクを最小限に抑えながら挑戦することが大事です。

もし、進学前に悩んでいたかつての自分にアドバイスできるなら「やりたいんだったらやったほうがいい」と言いたいと思います。

強く「やりたい」と思ったら、その思いはついてくるので。

でも、進学にはお金のほか2年間という時間がかかってしまうのでできるだけリスクを軽減できるような形で挑戦するのが必要です。

そうすると道が開けてきます。

私自身も、研究への強い思いがあったからこそ、進学を決意しました

…でも私は優柔不断なので「やりたいな」と思っていてもウロウロしていた時期がけっこうありました。

「進学したいな」という思いがあるなら、最短距離でその目標を目指したほうが良かったなと思っています。

――Yさん、インタビューへのご協力、ありがとうございます! 

インタビューを終えて

大学在学中に一度断念した大学院進学への道に、再度挑戦したい。

お話を聞いていて、進学に対するYさんの熱意を実感しました。

就職後も進学への意欲を持ち続け、挑戦し続けられたことが本当に素晴らしいと思います。

その挑戦が、結果的に転職の成功にもつながったほか、以前から自分が研究したかった内容を企業で仕事として行えるという現在の状況にもつながったのだと思います。

挑戦で道が開けるということをYさんの話から実感しました。

Yさん、今後のご活躍も応援しています!

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