(インタビュー実施日:2024年8月26日@Zoom)
大学卒業後、一般企業で勤務。向学心止みがたく、休職をして理系大学院に進学。修士課程修了後は復職をした上で大手メーカーに転職し現在研究職分野で活躍中。
「理系大学院で自然言語処理について研究したい!」
――Yさん、今回インタビュー記事へのご協力をありがとうございます!
Y:いえいえ、以前から1対1大学院合格塾の存在を知っていたので一度お話伺えればと思っていました!
今回よろしくお願いします。
――よろしくお願いします! 早速ですが、ご自身のご専門について教えて下さい。
Y:はい、私は会社を求職して理系大学院に通いました。
専門は情報系で、自然言語処理について研究していました。
進学を決めたのは、この大学院にどうしても学びたい先生がいたからですね。
その先生の研究に惹かれて、ここで学びたいと思いました。
自然言語処理とは人間が話したり書いたりする言語をコンピュータで処理する技術のことをいいます。現在、ChatGPTなど言語生成AIが登場していますが、まさにこれは自然言語処理の研究の賜物(たまもの)です。
一度は断念した大学院進学に再挑戦。
――大学院進学を目指した理由ときっかけについて教えて下さい。
Y:もともと、自然言語処理にはずっと興味があったんです。
ただ、このテーマに興味を持つようになったのは大学4年生の頃。
当時、大学院進学をしたかったのですが、家庭の事情もありやむなく就職することにしたんです。
社会に出て仕事をしていると、自分が本当にやりたい研究テーマが見つかってきたので、せっかくなら「進学に挑戦してみよう」と思ったんです。
それまで私は企業でふつうに仕事をしていたのですが、働く上で見えてきた課題を解決できるのはいままで自分が興味を持ってきた研究分野だと思ったのもあり、思い切って大学院に進学することを決意しました。
どうやったら大学院に進学できるか様子見。
Y:…実は実際に進学するまでには何年か様子見の時期があったんです。
――様子見、といいますと?
Y:最初は休職という手段を考えていなかったので、仕事を続けながら頑張って進学するか、辞めてから進学するしかないな、と思っていました。
最初は仕事をしながら大学院に通う方法はないかと考え、それこそ夜間大学院など社会人のプログラムが無いかを探しました。
ただ、私が研究したい分野にはどうしても昼間の授業のプログラムしかありませんでした。
特に工学系の大学院ですと夜に授業を開講しているところはほとんどないんです。
ちょうど「ふつうに昼間働いて夜間で研究できるのかを試してみたほうがいいよ」というのを大学時代の研究室の先生から言われたこともあり、最初は出身大学の研究生になりました。
研究生として昼働いて夜 研究するのが実際に可能かを実験してみたんです。
ーーどうでした?
Y:ムリでした(笑)。
そもそも機材のある研究室まで職場から移動するのも大変ですし、研究の進度が早すぎて研究トレンドがどんとん変わってしまうんです。
また、本職が研究と関係しているわけではないので「このままではキツイかな」と思っていたんです。
辞めるかどうかあれこれ考えたうえで辞める覚悟で職場に相談したところ、2年間休職して進学できることになりました。
ーーそうだったのですね! Yさんの大学院生活の様子を教えて下さい。
Y:大学院生活は本当にハードでした。
朝から晩まで研究に没頭していました。
「ワークライフバランス」ではなく「ワーク、ワーク、ワーク」でした。
私が行った大学院は課題も多く大変だったんです。
日によりますが、授業があった際は朝9:00から夜12:00くらいまで大学院で研究していました。
だんだん生活リズムが夜型になってきて、朝11:00に登校してから夜12:00までやって、さらに家でも研究していました。
修士論文もそのようなペースで研究していました。
大変でしたけど、アカデミアの世界に触れて、研究の作法を学ぶことができたのは大きな収穫でした。
自分の研究を深められたことで、知識もスキルも一段と成長できたと感じています。
(後編に続きます)
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社会人として大学院で学んだ経験を持つ方々へのインタビューシリーズ。今回紹介するYさんは一度断念した大学院進学に再挑戦し、理系大学院で自然言語処理を研究しました。その経験がキャリアアップにつながり、現在は大手メーカーで研究職として活躍中です。進学を検討している方に対し、リスクを抑えながら果敢に挑戦することの重要性を語っていただきました!(前編)