社会人大学院は人生の化学反応の場。「大学院での学びをもとにハンドメイドブランドを立ち上げました」ルナブランYUKIさん 社会人大学院生インタビュー22前編

summary

社会人大学院は人生が思わぬ方向に動き出す「化学反応の場」でもあります。CAを経て専業主婦となったYUKIさんは研究員として大学院に通う中で対話や学びに触れ、自己肯定感と幸福をテーマに気づきを得ました。その経験が、社会貢献型ハンドメイドブランド「ルナブラン」誕生につながります。大学院での学びがキャリアや生き方を大きく変えた実例を語るインタビュー前編です!

YUKIさん

CAとして勤務後、出産を機に専業主婦に。向学心からフェリス女子学院に聴講生として通った後ある私立大学院に研究員として通学。そのなかでの気づきをもとに、社会貢献できるハンドメイドブランドであるLUNA・BLANC(ルナブラン)を立ち上げる。現在、しあわせが循環するハンドメイド作品を制作・販売中。
☆公式ブログhttps://ameblo.jp/coolsnowman/
☆YouTube「ルナブランYUKIログ
☆インスタグラムhttps://www.instagram.com/yukiconnection/

(ご本人SNSより)

(インタビュー実施:2026年2月23日Zoom上にて)

「大学院に行っていなければいまの活動はありませんでした」

――:今回はルナブランというハンドメイドブランドをオンライン上で展開なさっているYUKIさんにお越しいただきました。

本日どうぞよろしくお願いします。

YUKI:はい、よろしくお願いします。

――:YUKIさんはCAとして勤められた後 出産を機に専業主婦となり、そこから大学院に通われたそうですね。

その際、正科生ではなく研究員としての通学だったそうですね?

YUKI:実はそうなんです。

私はいまから10年以上前に研究員として関東の大学院に通っていました。

ブログやFacebookのヒストリーなどにも少し書いていたのですが、いま私がやっている手作りブランド、実はその際の大学院の研究室で生まれたブランドなんです。

そこに行っていなかったら、いまの活動はなかったと思います。
ただ、入学したときはまさかこういうところに着地するとは思っていませんでした。

ちょっと特殊なケースかもしれませんが、参考になる部分もあるかもしれませんのでお話しますね。

――:よろしくお願いします。

ひょんなことから研究員として進学。

――:まずは研究員とはどういう立場なのかを伺えますでしょうか。

YUKI:はい、本来であれば大学院に通う場合、いくつかある研究室のなかから1つを選び、受験をして入学するのが通常ですよね。

私の場合、そこをスキップして研究員という立場での通学となりました。

研究員は正規の大学院生ではないものの、ほかの大学院生といっしょに授業を受けたりゼミに参加したりするという立場です。

一般的には大学院を修了した後も大学院に残って研究したい人が研究員になるのですが、私の場合お世話になったM先生のおかげで最初から研究員として大学院に入ることができました。

――:そうだったのですね!

YUKIさんが大学院を目指したきっかけは何だったのでしょうか?

YUKI:きっかけは幸福学の第一人者でいらっしゃるM先生の本をたまたま読んだことがきっかけでした。

私がハンドメイドのブランドを立ち上げる9年前に研究員になりました。

もともと私はCAをしていました。
CAの後輩の中には、大学院に行って学び直す人が出てきていて、大学院に行くことで女性のセカンドキャリアを切り開いていくという流れが当時ありました

元CAの後輩から、「修士課程で勉強していくと客員教員として学校で教える道もある」と聞き、自分も少し興味が出てきたんです。

CAって退職した後セカンドキャリアをつくるのが難しい職種で、当時はマナー講師や企業研修講師になるのがメジャーでした。

ちょうど当時私は子育てで長く専業主婦をしていたため、ブランクが相当ありました。

短大を出てCAになっていたこともあり、大学にはずっと行きたいと思っていたんです。

そのためM先生の大学院に入る前、フェリス女学院大学の聴講生として授業に参加することにしたんです。
子どもの手がまだ離れていないタイミングでしたので、家から通える範囲で心理学を学べるところとしてフェリスの聴講生を1年やりました。


そこでは心理学の授業を、前期2コマ、後期2コマ取りました。

そこをステップにして、大学で学び直したいと思ったんです。

聴講生を終えてもっと学びたいと思ったとき、CAの後輩から「大学院に進学するという道もある」と教えてもらいました。

――:そうだったのですね!

YUKI:フェリスで学ぶのは楽しかったのですが、大学院に行くということには正直プレッシャーがありました。
なのでフェリスと同じように「聴講生なら気楽に入れるかな」と思ったのです。

大学院では自己肯定感を高めるためのツールをつくれたら面白いなと思い、大学院の聴講生として申し込みました。

その道で、いずれ正科生として大学院に行こうと思っていたんです。

大学院の聴講生の申し込みでは大学教員との面接試験がありました。
短大時代の成績表も提出しました。

先生方と面接をしたとき、「なぜ聴講生として入りたいんですか?」と聞かれました。

当時私は本当は大学院に興味があるけれど、自信がなくて揺れていた時期でした。

また家庭においても主人が海外単身赴任で、ワンオペ育児中。
学習に余裕がある状態ではありませんでした。

おまけに、私はゴリゴリの文系で、数字も苦手です(笑)。
ロジカルシンキングもパソコンも得意ではありませんでした。

そういう私の状況を先生方は察してくださったようで、

「せっかくチャレンジしてくれるのはウェルカムだけれど、
大学院院生の皆さんは寝ずに論文を書いたり、
数学的な考え方に基づいて思考をしたりしています。
本当に大丈夫ですか?」


と質問されました。

その時私は
「自信がないので今回は諦めますが、
M先生のもとで、後々は大学院に行きたいと思っています」
とお伝えすることにしたんです。

すると先生方が「だったらM先生に直接話してみてください」と
M先生と繋いでくださったのです。

――:そういうことが面接であったんですね。

YUKI:実際にM先生にお会いしてみますと、先生はとても器の大きい方でした。

ちょうどM先生の本を拝読していたことや、自己肯定感を高めるような子育てを自分が考えてきた経験から、M先生のもとで自己肯定感に関する研究をしたいと話しました。

すると先生は、「いいじゃないですか、主婦だって」「主婦であっても研究していきましょう」と言ってくださいました。

結果、大学院に研究員として所属することになったんです。

――:いい先生ですね!

YUKI:本当にそうなんです(笑)

最初は大学院に面食らいました

YUKI:ただ、その後が大変でもありました。

私が入った大学院は学費がとても高いですし、皆さん仕事をしながら研究している方ばかりでした。

そこに何も知らない主婦がポコっと入ってしまったような感じになりました。

ありがたいことに研究員として「決めたからには頑張ります」と身の引き締まる思いでしたし、先生のためにも頑張らなきゃ、と思っていました。

そして初日を迎えたのですが、正直、いきなりショックでした。
「なんだここは?」という感じでした。

――:といいますと?

YUKI:教室はすり鉢状で、自分の研究についての発表をなさっていたんです。

その方が英語で、まるでTEDのようにプレゼンをしていたのです。
何を言っているのか分からないんですが、そのプレゼンをみんなパソコンを打ちながら聞いているんです。

「場違いなところに来てしまった」と感じました。
いきなり登校拒否になりそうな気持ちでした。

ただ、この様子から皆さんが真剣に取り組んでいるのが肌で分かりました。

「この人、何しに来ているんだろう」と思われるのが嫌で毎回授業には行くのですが、
「私のことには触れないで」と思いながら座っていました。

でも、M先生のお人柄があったからだと思いますが、
研究室の皆さんは本当に心の広いいい方ばかりでした。

自分が最初から勝手にバリアを張っていただけで、皆さんはとてもウェルカムにしてくださっていました。

当時、学力的にも雰囲気的にもついていけない感覚はありましたが、
自分のできることとして、体を動かすことで貢献しようと思いました。


なので毎回 会場設営で椅子を並べたり、準備をしたりしていました。

なんとか学力以外のところで自分の居場所をつくろうとしていたんです。

――:そうだったのですね!

「ゼミの夏合宿で、みんなに溶け込めました」

YUKI:ちょうどその頃、夏合宿がありました。

長野県での合宿です。
単に勉強だけする真面目な合宿というより、大人の遠足のような雰囲気もありました。

合宿の中で皆さんと距離が近くなり、「自分も仲間に入れてもらえている」という感覚が芽生えてきました。

M先生の研究室には「対話(ダイアログ)」の研究をしている方がいらっしゃいました。

ある日、先生が
「今日は授業の前にみんなで対話をしよう。一人ひとり素直なことを話していって」
と言われました。

次々とみんなが発言するのを聞いていて、とうとう自分の番が回ってきました。

そのとき、私も勇気を出して話したんです。

「私は自己肯定感を高める研究をしたいと思っているんですが、自分自身の自己肯定感が高くないと思っています」

こういうことを話すことで自己開示ができたように思います。

それからは、授業の中だけでなく授業外で行われていて対話の場にも参加するようにしました。

…実はこの中から生まれたのがいまのハンドメイドブランドなんです。

――:そうなのですね!

YUKI:対話の場において、自分が幸福を感じるときについて話した事があったんです。

私は当時からハンドメイドで作品を作っていたのですが、
作品が完成したとき、とても幸福感を覚えていたんです。

話しながら「自分が無理せずできる幸せはこういうことなんだ」と実感しました。

「自分が等身大でできる、身近な幸せづくりをしていこう、
そして、もし販売して買ってくださる方がいたら、
その一部を寄付して循環する仕組みをつくったらどうだろうか」
と考えたんです。

そう思いついてこのアイデアを話したとき、先生も周りの方も背中を押してくれました。

ちょうど毎回授業の会場設営などを実働でやっていたこともあり、やるんだったら自分は実働でやっていくしかない、と思っていました。
とにかく実際に動いてみようと。

こうやって大学院の研究員として大学院に通いつつハンドメイドに取り組んだことが今のブランドに繋がったんです。

いま思えば、
あれだけ無防備に飛び込んだ自分を評価したいと思います。

――:大学院での気付きが今のお仕事に直結なさっているということ、素晴らしいですね!

YUKI:大学院の研究員になれたのはまさに想定外でした。

もともとはどこかの大学に行き、そこから大学院に進み、自分のセカンドキャリアを考えようと思っていました。
そこからいまのハンドメイドブランド立ち上げにつながるなんて、思ってもみませんでしたね。

(インタビュー風景)

(後編に続きます)

「社会人大学院生インタビュー」はこちら!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください