社会人大学院生インタビュー7 経営者こそ大学院で新しい知識獲得を!兵庫大学大学院現代ビジネス研究科・湊亨さん 後編

社会人として大学院で学んだ経験を持つ方々へのインタビューシリーズ
第7弾は、㈱北日本消毒 代表取締役として仕事をしながら兵庫大学大学院現代ビジネス研究科で学んでいる湊亨(みなと・とおる)さんのお話を伺います。

経営者が自ら大学院で学ぶ意義はどこにあるのか…。今回は後編をお届けします。
(インタビュー実施日:2024年5月7日Zoom実施)

(本人提供)

湊亨さん

㈱北日本消毒 代表取締役。小樽・札幌周辺エリアにおいて害虫害獣駆除・消毒というペストコントロール業を営む。社長業のかたわら2023年度より兵庫大学大学院 現代ビジネス研究科修士課程に進学し地域活性化に関して研究を行う。

☆前編はこちら↓

忙しくて飲みに行けない…?!

ーーここまで大学院に入って良かったことを聞いてきましたが、逆にあまり良かったことは何でしょうか?

湊:良くなかったことといえば、大学院に行くのが忙しくて飲みに行く時間が減ったことですね。

ーーでもこれ、大学院の視察でも飲んでますよね(笑)。

湊:まあそうですね(笑)

視察して現地調査をする際、地元の方々と関わらないとわからないことがあるのでやっぱり飲みに行きますね。

この場所にどういう飲食店があるのかとか、どういうお酒が飲めるのかっていうのもやっぱり大事な部分ですね。

地域ビジネスの分野ですと観光にも関わってきますので、飲みに行く必要もあります。


ーー仕方なく、ですよね。

湊:そうです、仕方なく飲んでいるわけです。
飲む時間がないと思っていたら、やっぱり色々絡めて飲むようになっているという(笑)

 

ーー大学院生同士の交流はたくさんあるのでしょうか?

湊:色んな地域から通っている人が多いので、あまり頻度は多くないですね。

年に一回のスクーリングの中でお会いしたりですとか、いま修士論文を書いているのでお互いの論文を読んでアドバイスし合ったりすることが今後増えていくと思います。

ーーこれから益々交流が楽しくなるという感じですね。

経営者が現場から離れられる体制に。


ーー現在 湊さんは仕事が忙しくとも大学院に通えているのはある意味経営者だからこそ時間をつくりやすいってところもあるかもしれないんですけど、そのあたりはいかがでしょうか?

湊:時間を作るのってなかなか難しいんです。

なので経営者自身が現場からいかに離れられるかが大事だと思っています。

私の場合、受験する1年ちょいぐらい前の時期から「この大学院に入る」と決めていました。

そこから逆算し、自分が会社にずっといなければならない状況を少しずつ直していきました

自分がいなくても・自分が指示をしなくても社員さんが仕事を回せるようにルールや環境を作っていきました。

 

ーーなるほど〜! そういう工夫をしてきたからこそ、礼文島に行けるような時間を作り出されたんですね!

湊:4・5日に会社にいなくてもスマホで社内の状況をチェックできるっていうような環境を作っていきましたね。

 

常に新しい情報が手に入る仕組みづくりを!

ーーちょうど今、こうやって大学院での学習を聞いているわけなんですけれども、経営者として大学院に行くことの意義って、どういうところにあると思われますか?

湊:自分も20数年前に大学に行ってましたけども、その時の知識と経験はもう全く役に立たないっていう感じをもっています。

そのとき大して勉強してなかったというのももちろんあるんですけども、いまや「何十年前にどこの大学を卒業しました」という肩書きって全く役に立たないものなんですよね。

だから、常に新しい情報を手に入れられる仕組みや習慣を身につけていかなきゃいけないんだろうなと思っています。

やっぱり過去の自分がどうだったかよりも、いま自分が何を勉強しているかということのほうが重要なんです。

その勉強の場の一つに大学院があるんだろうなって思います。

 

ーーいいですね〜!
湊さんは来年の3月で大学院修士課程修了となりますね。

大学院修了後の展望や目標を伺えますでしょうか?

 

経営者が論文を書くメリット

 

湊:今、大学院で修士論文を書いているんですが、そのテーマが5S活動なんです。

整理・整頓・清掃・清潔・習慣化」の頭文字をとって5Sとよんでいます。

この5Sを自社で長年取り組んできました。

 

(整理整頓の実践写真。引き出しではなく壁面に備品をしまうことで無駄な在庫を防ぐ工夫)

この経験を元に、現在自社では地元の食品工場に対し5S活動の導入のお手伝いを行っているところです。

修士論文では「食品工場に5S活動を導入することが経営理念の浸透にどうつながるか」をテーマに研究をしています。

食品工場において整理・整頓などの5Sは衛生環境を整える意味でも重要な意味を持っています。

5S活動を行うことは安全性・効率性も高まるだけでなく、会社の現状を見つめ直し日々改善をしていくことにもつながります。

ですので、5S活動の推進によって会社が目指す理念や方向性を社内で確認し深めていくことにもつながるのではないかと考えています。

このことを修士論文で明らかにすると、今後自社が食品工場さんに5S活動の導入を提案する際にお客様へお勧めするためのツールとして使えるのではないかと思っています。

経営者にとって論文を書くことはお客様に根拠立てて企画や提案をお伝えする際に役立つ側面があります。

お客様にサービスを提案する際の根拠として論文が非常に役立つと考えています

ーーめちゃくちゃ考えられているんですね!

確かに、自分の修士論文を提案のためのツールとして使うことはのちのちの事業発展にもつながりますし、お客様の信頼にもつながりそうですね!

大学院を目指す経営者へのメッセージ

ーー最後になりますが、これから社会人大学を目指している方、さらにいえば経営者で大学院進学を考えている方に、何かアドバイスをお願いします。

湊:これからの時代、すぐに世の中が変わってしまうので今までの知識だけでは全然役立たなくなってしまいます。

なので学び続けることが非常に大事になってくると思います。

経営者の場合、学び続けている姿勢を社員さんも見てくださってるんじゃないかと思います。

だから、経営者が自ら勉強していくということ。

また、勉強するにしても時間を作らなければいけないので、学ぶための環境を作っていくことも重要ですね。

それが社員さん自身の成長にもつながりますので。

だから大学院進学は経営者にとってすごく大事なことでもあるし、やったほうがいいんじゃないかなと思います

大学院進学、経営者にお勧めです。

 

ーー素晴らしいメッセージをありがとうございます!
今回のインタビューへのご協力、大変にありがとうございます!

※㈱北日本消毒さんのサイトは札幌エリアの広告賞も受賞した、観ていて楽しいサイトとなっています。

特に特撮ヒーローとか好きな方、是非見ていただければ幸いです。

 

インタビューを終えて

 

湊さんの会社では5S活動を徹底的にやっていらっしゃいます。

特徴的なのは椅子がないところ。スピーディーに無駄なく業務がこなせるようにスタンディングデスクがあったり、物の整理整頓を続けムダをなくしていたりするなど、日々工夫して実践なさっています。

こういう新しいことを実践するために社長の湊さん自身が積極的にセミナー出たり、勉強したりなさったりしていることが会社の成長の土台になっているのだと実感しています

湊さんの大学院での学びがますます北日本消毒さんの発展につながっていくんだろうと思っています。

 

湊さんの会社である北日本消毒さんに行くと思うのですが、毎回社内が「進化」しています。

整理・整頓・清掃・清潔・習慣化という「5S」を実施しているだけでなく、そのシステム自体を常に改善をつづけていらっしゃいます。

その取組がすごいので、現在社内見学会をなんと有料で実施なさっています(私もお金を払って見学しました 笑)。

日々会社の改善に務めるだけでなく、事業の拡大・応用にも積極的なのが湊さんです。

 

自分でブログ執筆を続けるだけでなく、道内の企業としては珍しく人材採用用のYouTube動画を作っていらっしゃるほか、「企業戦士カレンダー」というユニークな取組もなさっています。

2024年4月からは経済産業省から「DX認定」を受けるなど新しい取り組みにも前向きです。

 

こういう視野の広さ・積極性を持っていらっしゃる背景に、大学院進学などを通じて新しい情報を得続けようとする湊さんの工夫・努力があるように思います。

 

経営者勉強会でもご一緒させていただいる湊さん。

今後も色々お教えください!(ぜひ飲みの席などで 笑)

 

☆これまでのインタビューはこちら↓


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