働きながら大学院進学を実現する5つの方法。使える制度を知り、仕事を辞めずに進学しませんか?

Digest

仕事を辞めずに大学院に通う方法を知りたいですか?この記事では働きながらの大学院進学を実現するための5つの具体的な方法を紹介しています。学費、生活費、そして時間の確保方法まで、キャリアアップやキャリアチェンジを目指す社会人必見の情報が満載です。長期履修制度・日本学生支援機構奨学金制度・教育訓練給付制度・自己啓発休暇や企業派遣・1年への通学期間短縮の5つの制度を使いこなしてください!

仕事を辞めずに大学院に通う方法をお伝えします!

「キャリアアップするために大学院に行きたい。
 でも、仕事を辞めるのは難しいし、お金をどうやって捻出するかも悩ましい…」

そんな悩みをお持ちではないでしょうか?

大学院に行くと、自分の専門性を深めたり新たな仕事に挑戦したりしやすくなります。

キャリアアップもキャリアチェンジもしやすくなるのです。

実際、MBA(経営管理修士)の資格を取得し、転職を成功させた方も多くいますし、看護師の方がCNS(専門看護師)資格を入手し給料・待遇を大幅アップさせた事例もたくさんあります。

このために仕事を辞めて大学院に進学する方も多くいます。

仕事を辞めるとたしかに勉強に専念できますが、生活費などお金のことを考えるとなかなか大変かもしれません。

今回は「働きながら大学院進学を実現する方法」をテーマに見ていきます。

大学院進学には年間いくらかかる?

さあ、まずは大学院進学にはいくらお金がかかるかを見ていきましょう。

私が以前書いた記事「数字で読む大学院シリーズ」を見ていきましょう。

国立大学大学院は初年度約82万円!

国立大学大学院の場合、令和5年度データですが入学金が28万2,000円、前期/後期授業料がそれぞれ26万7,900円でした。

入学金と授業料を足すと81万7,800円となります。

つまり、国立大学大学院の場合、入学1年目は入学金と授業料で約82万円、2年目は授業料のみですので約54万円発生することとなります。

2年分の学費を足すと約135万3,600円かかってくる計算となりますす。

これは国立大学大学院のケースです。

公立は70-100万円、私立は80-260万円!

一方、公立大学大学院の場合は1年で約70-100万円程度となっています。

私立大学大学院の場合はけっこうバラツキがあり、学費が安いことで有名な法政大学ですと国立大学大学院と同程度、高いところは最大約260万円にまでなります。

学費負担だけで見ても、2年分の学費はクルマが買えるくらいの価格となっています。

生活費も考えよう!

…考えるべきは仕事を辞めて大学院進学をするばあい、生活費もかかることです。

例えばあなた(と家族)が1ヶ月生活するのに最低20万円かかる場合、1年で240万円が必要な計算となります。

また、大学院進学後に教材を買ったり仲間と飲み会に行ったりするのにもまあまあ費用がかかります。

仮に1ヶ月1万円を充てたとしても年間12万円です。

●退職する場合は社会保険と税金負担が重い…!

更にいいますと、退職する場合は社会保険料と税金負担が意外とネックになります。

社会保険料と税金は「前年度の所得」に関して発生します。

仮にあなたが現在年収500万円である場合、退職して進学すると年収500万円に応じた社会保険料と税金負担がかかってきます。

こちらのサイト(https://my-best.com/articles/1297)で調べてみたところ、年収500万円の人の社会保険料は年75万円、所得税が13万円、住民税が24万円となっています。

…この金額が、退職したあなたに直撃するわけです。


さらにいえば、社会保険料の半額は会社が負担しているため、実質的な社会保険料負担は2倍となります。

こう考えますと、退職して進学する際のの金銭的負担の大きさがわかりますね…。

実際には厚生年金などですと社会保険料負担が在職時と同じ金額で2年間継続できる「任意継続制度」というものがあります。これを使うのもアリですが、所得がゼロの状態であれば修士2年時の社会保険料負担はかなり安くなることを忘れずに検討してみてください。

結論 なるべくなら働きながら大学院へ通おう!

ここまで見てきたように、退職して大学院に進学すると学費以外に生活費や社会保険料・税金負担がかなり大きいことがわかります。

そのため、なるべくなら働きながら大学院に進学するのがオススメです。

私は「1対1大学院合格塾」でのべ200名を超える社会人の方の大学院合格をサポートしてきました。

その中で多様な学び方のアドバイスをしています。

働きながら大学院に通うための5つの方法!

この知識・経験を元にして働きながら大学院に通うためのパターンを下にまとめました。

名付けて「働きながら大学院に通うための5つの方法」です。

見ていきましょう!

(1)長期履修制度で通う!

(1)は長期履修制度を使って大学院に通う方法です。

長期履修制度とは通常修士課程は2年ですが、これを3年、あるいは4年に延長して通える制度のことです。

4年通うにも関わらず、学費は全く変わりません。

ということはたとえば国立大学大学院の場合、1年目で84万円かかる学費が【549,900円】にまで下がります。

(入学金282,000円は変わりませんが、学費負担が半額の267,900円に減額されます)

以下、2〜4年目には毎年267,900円がかかる計算になりますが、学費負担はグッと軽くなります。

4年かけて通う場合のもう1つのメリットは授業に出る時間を捻出しやすくなるところです。

修士課程の場合、前期・後期それぞれで週に7〜8コマの授業に出席することで卒業単位数を修得できます。

週に8コマで考える場合1コマ90分(1時間半)なので12時間となります。

週に仕事をしながら12時間授業に出席するのはかなりハードかも知れません。

ですが、長期履修制度を使う場合、週に3〜4コマの授業出席でも卒業要件を十分満たせます。
週に4コマで考える場合6時間となります。

12時間出席するよりは余裕を持って進学しやすくなるのです。

こちらの記事も参考にしてください。

(2)日本学生支援機構の奨学金制度を使う!

学費や生活費を捻出するためには日本学生支援機構の奨学金制度を使うのもオススメです。

修士課程に進学する場合、残念ながら貸与型、つまり返済義務のある制度しか日本学生支援機構の奨学金には存在していません。

ですが、それでもこの制度はかなり役立ちます。

第1種奨学金の場合は無利子、第2種奨学金の場合は利子はつきますが低利で借りることができます。

第1種奨学金の場合は月5万円または月8.8万円、第2種奨学金の場合は月5万円・8万円・10万円・13万円・15万円となります。

ただし、所得制限があり、第1種の場合は299万円まで、第2種の場合は536万円までとなっています。

(いずれも2024年8月現在)

注意すべきは、「家計所得」でみるため自分だけではなく配偶者の所得も計算対象となることです。

詳細は日本学生支援機構のサイトで確認してみてください。

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/yoyaku/tebiki/in.html

返済免除の裏技も!

また、これは「裏ワザ」的ですが、大学院在籍中に何らかの成果を出している場合、奨学金支給が終わる年度の12月に大学側に推薦依頼をすることで奨学金返済が免除されるケースもあります。

(意外と知られていないので、活用できるのであればやってみましょう)

こちらの詳細はこのサイトを見てみてください。

奨学金の返済を半額免除にしたい!免除の基準や手続き方法を解説!

(3)最大70%が還付される!教育訓練給付制度を使う!

あなたが進学したい大学院、ひょっとしたら「教育訓練給付金」制度の対象校かもしれません。

実際、小樽商科大学大学院アントレプレナーシップ専攻(MBAコース:うちの塾が合格実績No.1です)も教育訓練給付金制度の対象校となっています。

これはあなたが正規職員として勤務している場合、雇用保険に入っていると思いますが、この雇用保険料の財源を元に、進学にかかる費用が還付されるのが教育訓練給付制度です

教育訓練給付金制度には一般教育訓練給付専門教育訓練給付の2種類があります。

(厳密には「一般教育訓練」も存在しますが、こちらは大学院の授業は該当しません)

一般教育訓練給付では学費の20%、専門教育訓練給付では学費の50%が還付される制度です。

なお、専門教育訓練給付の場合、条件を満たせば学費の最大【70%】が還付される仕組みとなっています。

「自分の行きたい大学院が対象になっているか調べたい…」

そんなときはこちらのサイトから気軽に調べて見てください。

教育訓練給付制度検索システム

もし対象になっていた場合、専門教育訓練給付を使用する場合は入学の1ヶ月前までにハローワークでの申請と面談が必要となります。

忘れずに手続きしてくださいね!

なお、この制度、個人事業主などの経営者や公務員の方は対象ではありませんので注意してみてください(雇用保険料を払っていないので当然ですが…)。

(4)休職制度や職場派遣制度を使う!

(1)も(2)も(3)も、いまの仕事をそのまま続けながら進学を考える場合に使える方法を見てきました。

ただ、仕事をフルタイムで続けながら大学院にも通うのは気持ち的にもしんどいことが予想されます。

それを防ぐには職場の「自己啓発休暇」などの制度を使うのもいいかも知れません。

会社や行政職によっては「自己啓発休暇」という制度が用意されていることがあります。

これは2年間 休職をしながら大学院に通学できる制度です。

給料が発生する場合もあれば0の場合もありますが、在職しながら進学できるのはお金の負担を考えますと魅力的です。

さらに、職場によっては「派遣制度」が使えることもあります。

つまり、業務命令として大学院に進学する、というやり方です。

業務命令なので、当然給料が発生します。

この制度が使えるなら、めちゃくちゃ「美味しい」と言えるかも知れません。

私はいま北海道大学の公共政策大学院に通っています。
じつはこの大学院には毎年 北海道庁から1名が職場から派遣される形で通学できる制度があります。

北海道庁内で希望者を募り、1名を選出し、業務を免除される形で大学院に進学できる制度となります(当然 有給です)。

職場派遣制度には年齢制限もあるケースがありますが、挑戦できるならぜひとも取り組んでみるのをオススメします!

(5)修士課程2年を1年に短縮する!

ほかにも「修士2年分を1年にまとめて学習する」コースで修士課程を終わらせる、というやり方もあります。

通常2年のものを1年にまとめる。

これ、ハードなので仕事をしながらだとそうとうキツいことが予想されます。

ですけど、この制度を使えば休職や退職期間を2年ではなく「1年間」だけにまとめることができるので生活費と社会保障費の負担は結果的に軽くなります。

学費を1年でまとめて支払う負担は大きいですが、この制度も大きな力になるはずです。

5つの制度で進学の夢を実現しよう!

さあ、ここまで「働きながら大学院に通う5つの方法」について見てきました。

ぜひ、この内容を元にして、「働きながら大学院に通う」夢を実現してくださいね!

ではまた!


☆メルマガ登録後1通目が届かない場合はこちらをご確認ください。
メールが届かない場合

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください