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「大学院に入ったけどやめてしまった…」あなたへ。
満を持して大学院に進学した。
最初は希望を持って入学したものの、仕事や家庭の関係、あるいは指導教員との関係で通学が続けられなくなる…。
こういうことって残念ながらしばしばあります。
たとえば、以下のような理由が考えられます。
- 仕事が忙しくなってしまい、通学ができなくなった
- 転勤になり、物理的に大学院にいけなくなってしまった
- 通い始めたときに家族状況が変化し、通学どころではなくなってしまった
- 指導教員との相性が悪く、このままだと大学院を続けられないと感じた
このような事情から通学を続けることが難しくなり、退学を選ぶケースがあります。
もしあなたがこのような理由で大学院を退学してしまったとしても、「もう大学院に縁はない」と諦める必要はありません。
実は、すでに修得した単位は他の大学院でも使い回せることがあるのです。
今回は、退学後でもすでに修得した大学院の単位が活用できるという事実について詳しくご紹介します。
大学院で修得した単位を他の大学院でも使えるって本当?
大学院を退学してしまった後、「せっかく取った単位が無駄になってしまうのでは?」と心配になるかもしれません。
もしあなたがた修士1年の後期課程の途中で退学した場合でも、少なくとも修士1年の前期課程で修得した単位がいくつかあるはずです。
修士2年の後期課程中に退学した場合でも、修士1年と修士2年の後期分の単位を修得できているはずです。
このタイミングであれば、修士論文指導に関する単位以外はほとんど修得できているはずです。
実は、退学した場合でもすでに修得した単位を他の大学院でも使用できる場合があるのです。
たとえば、私は現在北海道大学大学院において2回目の大学院生活をしています(2度目の修士課程)。
現在の大学院入学時に「他の大学院で修得した単位のうち、本学で開設している授業科目については卒業科目に算入できます」という説明を受けました。
これは、多くの大学院で共通して見られる取り決めです。
この制度を使えば、一度別の大学院で履修していた単位を他の大学院でも使い回す事ができるのです。
ちなみに、私の場合1度目の大学院は教育系、2度目の大学院は公共政策大学院(法学系)のためかぶる単位が1つもありませんでした…。
例えば私が公共政策大学院をやめてしまった際、再度別の公共政策大学院や法学系の大学院に再入学した場合、単位が使い回せるケースが多いといえます。
上限は10単位まで。
ただし、すべての単位が必ずしもそのまま使えるわけではなく、「どの授業が対象になるか」については大学院側と個別に交渉する必要があります。
(後述する単位互換ポリシーや大学院の提携関係によって若干扱いがことなります)
さらに言えば、他の大学院の授業単位について卒業単位に参入できるのは「10単位まで」という取り決めが文科省でなされています。
「10単位」というと少ないようですが、修士課程の修了要件として文部科学省は「30単位以上の修得」を条件としていますので、実に1/3の単位を使い回せる計算になります。
(大学院によっては修了に必要な単位数の要件が異なるケースもあるので、ご自分が進学したい大学院の単位数を調べてみてください)
他大学院の単位を活かすための具体的な手続き
すでに修得した単位を他の大学院で使うためには、次のようなステップを踏む必要があります。
- 受験する大学院の単位互換ポリシーを確認する
各大学院によって、他大学院で修得した単位を受け入れる方針が異なります。
まずは、受験予定の大学院が単位互換を許可しているかを調べましょう。 - 単位の互換申請を行う
受験時に、他大学院で修得した単位を再度活かすためには、単位互換の申請が必要です。
これは、受験生の側から「前の大学院で取得した●●の授業単位、こちらの大学院の●●の授業単位に換算できるのではないか」と具体的に説明する形で行います。
自動的に大学院側で処理してくれるわけではないため、申請は忘れずに行いましょう。 - 大学院との面談や相談
単位の互換に関する申請を行った後、場合によっては大学院との面談や相談を求められることもあります。
具体的にどの単位が該当し、どのように再認定されるのか、事前に確認しておくと安心です。
退学を悩んでいる方へ。休学制度の活用を!
ここまで「もし退学した場合でもこれまで取ってきた単位は他の大学院でも使い回せる」ことをお伝えしてきました。
もし、あなたがいままさに「退学しようか」と考えている場合、いきなり退学するのではなく「休学制度」の活用を検討するのがおすすめです。
休学は、大学院に在籍しながらも授業履修を休むことができる制度です。
学費がかからないケースも多いです。
休学制度のメリット
- 学費負担が減る!
休学中は学費が発生しない(発生したとしても安い)事が多いため、金銭的な負担を抑えながら在籍を維持できます。
これにより、たとえば急に職場状況や家族状況が変化(妊娠・出産・介護など)した場合でも、退学せずに在籍状況を維持できます。 - 状況が整うまで在籍を維持できる!
たとえば、職場や家族の状況が一時的に厳しい場合、数か月から1年ほどの休学を経て状況が改善されれば、また大学院に復帰することが可能です。
また、指導教員との関係がうまくいかない場合、教員が異動し別の教員がやってくるケースもありえます。
状況が変われば復学するという選択肢を持ち続けることが可能です。 - 卒業を目指す意欲を失わないで済む!
いったん退学してしまうと、もう一度大学院に戻るのは心理的にも難しくなってしまうことがあります。
休学を選ぶことで、「卒業を目指す」という気持ちを保ちやすいのです。
休学可能年限の確認を!
なお、休学可能な年限について大学院で規定がなされています。
例えば東京大学のある大学院の規定では次のようになっています。
2.休学期間と修業年限及び在学年数(大学院学則第29条参照)
休学期間として認められる期間は2ヶ月以上で、博士課程においては3年、修士課程においては2年を超えることはできません。
休学・復学についてhttps://www.c.u-tokyo.ac.jp/graduate/procedures/absence-return/index.html
事前に大学院の休学規定を確認しておくのがおすすめです!
退学するのはもったいない!休学でチャンスを待つ
せっかく入学した大学院を辞めるのは、非常にもったいないことです。
どんな理由であれ、簡単に退学を決断する前に、休学制度を活用してみるのをおすすめします。
退学しないための具体的な対策
- 状況に応じて休学期間を調整
休学を利用する際は、家族の状況や仕事の状況に応じて期間を選べます。たとえば、2ヶ月や半年〜1年間の休学を選び、必要であれば延長することも可能です。
まずは休学を試し、その後の状況に合わせて復学のタイミングを見計らうのが得策です。 - 指導教員との折り合いをつける
指導教員との関係が悪い場合も、一時的に距離を置くために休学を利用することが考えられます。
状況が変わるのを待ちつつ、どうしても関係が修復できない場合は指導教員の変更を検討するのも手段です。
なお、パワハラ・アカハラの場合は大学院に設置された相談機関の活用も検討してみましょう。
単位を再利用して再チャレンジする方法
すでに退学してしまった場合でも、大学院進学の道は閉ざされていません。
他の大学院に再度入学し、これまで修得した単位を再利用することで、以前の努力を無駄にしない方法も検討してみましょう!
再チャレンジを検討する際のポイント
- 関連分野の大学院に再入学
たとえば、MBAを目指していた方が、一時的に退学したとしても、再度関連するMBAプログラムに再入学することで、以前取得した単位を活かしながら卒業を目指せます。
これは、同じ専門分野であるほど単位が移行しやすいためです。 - 新しい大学院での単位の互換申請
再入学する大学院において、以前取得した単位を適用するための手続きを行いましょう。
これにより、再度学び直す手間が省け、時間と費用の節約にもなります。
結論。再チャレンジはいつでも可能!単位を活かしてもう一度挑戦しよう
大学院をやめてしまったからといって、あなたの学びの道が閉ざされたわけではありません。
すでに取得した単位を使って別の大学院で再チャレンジすることができるのです。
また、今まさに退学を考えている方も、「休学」制度をうまく利用して、再度進学する道を探ってみてください。
「やっぱり大学院で学びたい」という気持ちがあるなら、いつでも再挑戦は可能です。
ぜひ、前向きな気持ちを持ち続けて、自分の夢に向かって進んでいきましょう!
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「大学院を辞めたけど再挑戦したい…」そんな方に朗報です!
取得した単位は他の大学院でも使い回せることがあります。
退学しても諦めず、再挑戦するチャンスを活かしましょう!
なお、「やめようか迷っている…」方はまずは休学制度の活用も検討してみてくださいね!