博士後期課程進学者はたった17,000人!そのうち4割は医療系!数字で読む大学院進学⑦

博士後期課程進学者は
毎年たった【17,000人】しかいません。

これ、北海道・余市町の人口と同じくらいです。

そのうち4割は医療系。
博士後期課程進学者って
かなり限られているのを実感します。

ほか、博士後期課程進学をする際
知っておくと得する情報を
後半でまとめました!

 
今回はそんなお話です。

数字で読む大学院進学シリーズ第7弾!

数字を元に大学院進学の
リアリティを掴んでいく
【数字で読む大学院進学】シリーズ。

7回目となる今回は
「博士後期課程入学者数」を
分野別にみていきます!

☆本やサイトでは「博士課程」「博士後期課程」と
 両方の書き方がありますが、
 今回は「博士後期課程」で表記を統一しています。

 大学院によっては
 修士課程も含めて5年間で博士課程を想定している
 ところもあるからです。

 そのため、
 今回は修士課程修了後に進学を行う
 3年間の博士後期課程を見ていくものとします。

前々回の記事では「修士課程入学者数」、
前回は「専門職課程入学者数」について
見てきました。

 

何分、こちらのシリーズは
私が毎回調査しながら書いているので
通常記事よりもけっこう時間がかかっています(汗)

ですが、皆様の何らかのお役に立てましたら
幸いです!

分野別・博士後期課程入学者数ランキング!

今回のテーマは
大学院 博士後期課程入学者数のランキングです。


修士課程を出た後に

「もっと専門性を極めたい!」
「研究者になりたい!」

と感じた場合、
博士後期課程に進学する方が
多くいらっしゃいます。

うちの塾でも
「修士を出た後
 博士後期課程に進学したいんです」
という社会人の方のご相談を
受けることがあります。

(修士課程の入試対策だけではなく、
 博士後期課程の入試対策の際も
 うちの塾にきてくださるケースもあります。 
 ありがたいことです

でも、博士後期課程って
どういう分野にどれくらいの人が進学しているか、
なかなかわからないですよね。

今回は令和4年度
博士後期課程の分野別入学者数を見ていきます!
(出典:文科省「学校基本調査」)

●1位 保健 6,608人



堂々の1位は保健分野です!

医学・歯学・薬学などの
分野となります。

お医者さんのことをドクターといいますが、
まさに保健分野(医療分野)こそ
博士後期課程の花形といえるでしょう。

保健分野だけで
博士後期課程進学者数の
37.7%を占めているのです。

●2位 工学 2,869人

2位は工学分野です。

機械工学や電気通信工学、
土木・建築工学など
まさに「理系研究者」というイメージ通りの分野です。

修士課程では工学分野の進学者が
ダントツ1位の42,571人でした。

修士課程では
工学分野だけで
35.29%を占めていました。


博士後期課程では割合は減りますが
それでも第2位であり、
入学者数の16.4%を占めています。

●3位 その他 2,361人

3位は「その他」。


ランキングの他の項目に入れづらい
自然科学分野、
社会・自然科学分野などが
含まれています。

●4位 社会科学 1,392人

4位は社会科学です。


文系分野ですね!

法学・政治学、
商学・経済学、
社会学などが含まれています。

文系分野で研究者を目指す人が
進学しているイメージですね!

●5位 人文科学 1,297人

5位は人文科学。

文学、史学(歴史学)、哲学など
こちらも「文系研究者」のイメージ通りの
項目となっています。


●6位 理学 1,144人

6位が理学となっています。

第2位の工学分野が応用科学なのに対し、
こちらの理学は基礎科学分野。


数学、物理学、化学、生物、地学など、
基礎的な分野での研究を行う方々が
進学しています。


●7位 農学 729人

7位は農学分野です。

農学、農業経済学や水産学、林学などほのほか
獣医学畜産学という獣医分野での研究者が
いるのがポイントとなっています。


●8位 教育 706人


8位は教育です。

私は前の大学院にいたとき、
当初 博士後期課程に進学を志望していました。

あの時進学していたら
このグループに入っていたことになります。

●9位 芸術 392人


9位は芸術です。

美術、デザイン、
そして音楽の研究者が多く含まれます。

●10位 家政 42人

10位は家政分野です。

食物学・被服学などの
分野で研究者を目指す方が
進学なさっているようです。

大学院 博士後期課程 分野別入学者数の一覧

さあ、ざっと博士後期課程の
分野別 入学者数を見てきました。

表・グラフにまとめるとこんな感じです↓

こうして見てみますと、
博士後期課程の進学者数って
本当に少ないことが実感できます。

修士課程では
12万640人、

専門職課程(修士課程)では
22,427人も入学者がいたことを思うと

合計で17,540人しか入学者がいないのは
すごく少数であるように思います。

(ちなみに、この人数は
 連ドラ「マッサン」の舞台である
 北海道の余市(よいち)町
 士別市芽室町あたりの人口と同じです)

で、この博士後期課程の入学者が
将来的に大学の教授や研究者に
なっていくわけですね。

そう考えると感慨深いです。


(なかなかアカデミックポストを獲得するのは
 大変ですが、
 やりがいがある挑戦だと思います)


今回のポイント


博士後期課程の進学者数はほんのわずか!
進学にあたっては目的意識を忘れずに!

博士後期課程にいくなら目的意識を忘れずに!

博士後期課程の進学者数は
修士課程や専門職課程と比べても
かなり少ないです。

だからこそ、
「なぜ博士後期課程に進学するのか」
「博士課程に進学して何を研究したいのか」
「修了後、どういったキャリアにするのか」
を考えていないと
なかなか大変です。


…私は前の大学院で

「せっかく修士課程に行くのだから
 博士後期課程にも進学したい!」

と安直に考えていました。

そうした結果、
修士2年のときに

「博士後期課程に進学しても
 アカデミックポスト(就職先)を見つけるのが
 めちゃくちゃ大変…」

という現実を知り
挫折した経験があります。

もし事前に「博士後期課程で何をしたいのか」を
明確にしていたら

「大変だけれど、
 いまから準備して
 博士後期課程後の仕事につなげよう!」

と前向きに捉えられていたことと思います。

だからこそ、
博士後期課程は修士課程の進学以上に
目的意識が必要なのですね。

専門職大学院卒でも博士後期課程に進学できる!

なお、たまに

「MBAコースなど
 専門職大学院で修士号を取った場合でも
 博士課程に進学できるのでしょうか…?」

とご相談を伺う場合があります。



これ、全く問題ありません。

修士課程でも
専門職課程でも、
修士号を持っているのであれば
博士後期課程に進学できるのです。

ただ、専門職大学院で
修士号を取る場合、
たいていの場所では上に「博士課程課程」の
コースがないケースがあります。

また、大学院の中に博士課程課程があっても、
指導教員が変わってしまうケースも多いです。



その場合、
博士後期課程の入試の前から
指導教員候補の先生のもとに
相談に行っていたほうがいいですね。

修士課程以上に
博士後期課程では
指導教員との1対1関係が
重要になってきます。

正直、博士後期課程には
授業らしい授業はほぼありません。

基本的には指導教員との
定期的な面談を受ける中で
博士論文を書き上げることが
求められるのです。

そのため入試の前から
指導教員になってほしい先生と
「自分はなぜ博士後期課程に進学したいのか」
「何を研究したいのか」
などをじっくり相談していたほうが

いいですね。


なにぶん、博士論文を書き上げるのは
なかなか大変ですので
早期からの準備をおすすめします!

ではまた!


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