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公衆トイレを掃除させる社員研修。
突然ですが、あなたは会社の社員研修でトイレ掃除をしたことはありますか?
え、トイレ掃除?
それがなぜ研修になるの?
中にはそういう思いを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
株式会社武蔵野という会社では、新入社員研修の一環として、内定者にトイレ掃除をさせるプログラムを導入しています。
ゴム手袋をしたうえで公衆トイレをピカピカにするのです。

単に聞くだけだと「なんでわざわざ研修でトイレ掃除なんか…」と思われるかもしれませんが、このトイレ掃除には多くの学びがあるそうです。
今回は「目は怖がるけれど、手は怖がらない」をテーマに「まずやってみる!」大事さをお伝えします!
トイレ掃除から学ぶ「行動の力」
「いったい何のためにトイレ掃除をするのだろう?」
そう感じる方も多いかもしれません。
実際、最初は多くの内定者が戸惑い、抵抗感を抱くそうです。
「汚い」「やりたくない」という気持ちが出てくるのも当然です。
ところが、実際に手を動かしているうちにこの気持ちは変わってきます。
勇気を出して汚れている便器に手を突っ込んで一生懸命掃除していく。
そのうち便器が少しずつきれいになってきて、最終的には顔が映るくらいピカピカになっていきます。
そうなると笑顔になるだけでなく、強烈な達成感を得ることができるそうです。

汚れたトイレを掃除するのは少し抵抗があるかもしれませんが、勇気を出して取り組むと自分の力でピカピカにすることができます。
「自分のしたことの結果が目に見えて分かると、やりがいを感じます。
そのうち、便器が自分の顔が映るくらい、ピカピカになります。
最初は手で触れるのも嫌だった便器が、最後はキスしたいくらいにきれいになる。
こんな奇跡が数十分のうちに体験できるから、誰もが夢中になります。」
(小山昇, 2017, 『小さな会社の儲かる整頓』日経BP, Kindle版 83/232頁)
だからこそトイレ掃除を通し、仕事においても勇気を出して取り組んでみることで大きな達成感を得ることができると伝えているのですね。

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目は怖がりだけど、手には勇気がある!
この研修の際には「目は怖がりだけど、手には勇気がある」(小山2017:83)と伝えているそうです。
「目は怖がるけれど、手は怖がらない。
目は臆病だけど、手には勇気がある。
私たちは、トイレ掃除に臨む内定者にいつもこう説明します。
人間の嫌悪感や恐怖感は、目から入った情報を基に脳で生まれます。
一方、人間の手足は、脳や目が感じるほど、嫌悪や恐怖を感じません。
つまり、「やる前に怖いと思っていたことも、実際に手を動かしてみると案外やれてしまう。そしてやっているうちに、むしろ楽しくなってくる」ということなのです。」
(小山昇, 2017, 『小さな会社の儲かる整頓』日経BP, Kindle版 83/232頁)
「目は怖がりだけど、手には勇気がある」。
目では「うわ、この便器、掃除したくない…」と思っていても、勇気出して手を動かしているとだんだん便器がキレイに輝きだします。
目で判断せず、まず手を動かす。
すると仕事は進むし、達成感が湧く。
おまけに誰かに感謝してもらえる。
このトイレ掃除研修から学べることは実に多いのですね。
仕事も勉強も「とりあえず手を動かす」から始まる!
「目は怖がりだけど、手には勇気がある」。
私自身も、この言葉に非常に共感しています。
たとえば、私の仕事には大量の書類作成があります。
受講生の方の出願書類添削、研修資料の作成、大学院のレポート、それに毎日更新しているブログ記事……。
ひとつやふたつなら何とかなりますが、それが5本、6本、10本……と積み上がってくると、頭の中がパンクしそうになります。
「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と目で見て(あるいは頭で考えて)ばかりいると、どうしても気が重くなり、やる気が湧いてきません。

でも、大事なのは「手を動かす」ことなのです。
目で見て「うわ、イヤだな…」と思っていてもなんにもなりません。
だからこそ、まずは勇気を出して手を突っ込んでみるのが大事なのですね。
まずは「書類のガワ」だけでも作ってみる
私が実践している方法の一つが、「とりあえず書類のガワ(外側)だけでも作る」というやり方です。
たとえばWordファイルを開いて、タイトルだけ入力して保存しておくわけです。
元になる資料があるなら、それをとりあえず貼り付けておく。
こうしてガワだけでも作っておくと、次に手をつけるときのハードルがぐっと下がります。
また、ガワを作っているとだんだん気持ちがノッてきて「あれ、これ、この場で作れんじゃないだろうか」作業が進んでいきます。
少しずつ手を動かしているうちに、思わぬ集中力が湧いてくることもあります。
気づいたら数時間経っていて、仕事が終わっていた、ということも実際にあるのです。

大学院進学や勉強にも応用できる考え方
この「手を動かす」大切さは、仕事だけではなく勉強にも当てはまります。
大学院の受験勉強やレポート作成でも、「どこから手をつけたらいいかわからない」「時間がない」「やる気が出ない」と悩むことがあります。
特に、社会人として働きながら学ぶ人にとっては、勉強の時間を確保するだけでもひと苦労です。
でも、そんなときこそ「目は怖がりだけど、手は勇気がある」の精神が活きてきます。
何もやる気が起きないときでも、とりあえずテキストを開いてみることです。
ノートを広げて、タイトルだけでも書いてみる。
あるいは単語集を開いてみる。
YouTubeで学習動画を5分だけ再生してみる。
それだけで、意外とスイッチが入ることも多いのです。
怖がっていないで手を動かす。
それが仕事でも勉強でも当てはまるのです。

「フロー状態」に入るコツは、手を動かすこと!
心理学では「フロー」という概念があります。
これは、チクセントミハイという心理学者が提唱したもので、何かに集中して取り組み、時間を忘れるほど没頭している状態を指します。
スポーツ選手が試合に入り込んでいるときや、職人が無我夢中で作業をしているときなどが、まさにフロー状態です。
このフロー状態に入るための第一歩もまた、「手を動かすこと」から始まります。
行動が意識を引っ張っていく──まさに「行動が感情を変える」好例だと言えるでしょう。

家事も仕事も、考える前に動く
これは家事にも通じる話です。
「掃除しなきゃ」「洗濯しなきゃ」と考えていると、どんどん腰が重くなっていきます。
でも、そういうときには一度考えるのをやめ、洗剤のボトルを手に取ってスイッチを入れてしまえばいいのです。
そうすると、後は意外とすんなり進むものです。
勉強も家事も仕事も、「よし、やるぞ!」という気合いが出てくるまで待っていたら、永遠に始まりません。
だからこそ、「とりあえずやる」ことが、何よりも大事なのです。

「やる気がないなら、まず動け!」
「目は怖がりだけど、手には勇気がある」。
この言葉は、一見すると不思議な響きかもしれません。
でも、実際に仕事や学習の場面で実践してみると、その意味がじわじわと理解できるようになってきます。
やる気がないときこそ、まずは手を動かす。
気分が乗らないときこそ、5分だけでもやってみる。
それだけで、状況は少しずつ前に進んでいきます。
そして気づいたときには、達成感があなたを待っているはずです。
あなたも、目で悩む前に、まずは手を動かしてみませんか?
「締切に負けない時間法」はこちら!
株式会社武蔵野では内定者研修でトイレ掃除をさせるそうです。その際、「目は怖がりだけど、手には勇気がある」と伝え、勇気を出して手を動かすと仕事は進み達成考えられることを実感させています。トイレ掃除の研修を通して学べるのは、考える前にまず動く大切さです。仕事も勉強も、まず手を動かすのがポイントですよ!