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「キャリアアップを科学する」第3弾!
「あと少しでいいから給料を上げたい…」
「もっと自分らしく活躍したい…」
そんな思いからキャリアアップを目指す方が多くいらっしゃいます。
キャリア形成を考える際、多くの場合は
「どうやったら転職が成功するのか?」と方法論だけに注視しがちです。
ですがそれだけではなく
キャリアに対する考え方を身につけることが
長期的なキャリア形成に役立つのです。
その思いから「キャリアアップを科学する」シリーズを
お届けしています。
前回は「キャリアアップに正解はない」として、
自分の今の状況や価値観によってキャリア形成の
最適解が変わってくることをお伝えしました。
今回はキャリアに対する自分自身の価値観や動機を
理解する際に役立つ「キャリア・アンカー」についてご紹介します!
自分の価値観理解に役立つ!キャリア・アンカーを活用しよう!
キャリアアンカーとは?
キャリアアンカーとは
アメリカの組織心理学者
エドガー・シャインが提唱した概念です。
船で航海に出る時、どこかで錨(アンカー)を下ろして船を停めます。
錨があるから船が固定されるのです。
船の錨同様、
キャリア・アンカーはキャリアにおける不動点を意味します。
つまり、「個人が自らのキャリアを形成する際に最も大切で、
他に譲ることのできない価値観や欲求のこと、
また、周囲が変化しても、自己の内面で不動なもののこと」をいいます。
(出典:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=45)
キャリアアンカーが明確になることで、
自分がどんな状況に置かれても揺るがない価値観や動機を知ることができます。
これを明確にすることで、
自分にとって最適なキャリアパス(キャリアの方向性)を
見つけやすくなるのです。
キャリアアンカーの8つのタイプ
シャインはキャリアアンカーを
以下の8つのタイプに分類しました。
自分のキャリアアンカーを知ることで、自分のキャリアに対する理解が深まり、
より納得のいくキャリア形成が可能になります。
それでは8つを見ていきましょう!
1 技術・職能志向
◦ 専門知識や技能を深めることに価値を置くタイプ。
◦ 専門職としてのスキル向上やエキスパートとしての地位を重視します。
2 管理職志向
◦ 組織の中で管理職としての役割を果たすことに価値を置くタイプ。
◦ リーダーシップを発揮し、組織の成果に貢献することを目指します。
3 自律・独立志向
◦ 自分のペースで働き、自由度が高い仕事を求めるタイプ。
◦ 独立して働くことやフリーランスとしてのキャリアを重視します。
4 安定・保障志向
◦ 職業の安定性や雇用の保障を最優先するタイプ。
◦ 安定した収入や福利厚生を重視し、リスクを避けることを求めます。
5 起業家的創造性志向
◦ 新しいビジネスやプロジェクトを立ち上げることに価値を置くタイプ。
◦ 創造性や革新性を発揮し、独自のビジネスを展開することを目指します。
6 奉仕・社会貢献志向
◦ 他者や社会に貢献することに価値を置くタイプ。
◦ 教育、医療、福祉などの分野での活動を重視します。
7 挑戦志向
◦ 困難な課題や目標に挑戦することに価値を置くタイプ。
◦ 常に新しいチャレンジを求め、自分の限界に挑戦することを楽しみます。
8 生活様式志向
◦ 仕事とプライベートのバランスを重視するタイプ。
◦ 仕事だけでなく、家庭や趣味、地域活動など、全体的な生活の質を向上させることを目指します。
どれが自分に当てはまる?
ここまで8つのキャリア・アンカーを見てきました。
あなたはこの8つのうち
どれが自分に当てはまっているように
感じますか?
この8つのどれを重視するかで
キャリアの方向性が変わってきます。
たとえば1の「技能・職能志向」を重視する人は
自分の専門性を高めるキャリアを選ぶことが
自分のやりがいに繋がります。
また、2の「管理職志向」を重視する人は
人を統率する立場につながるキャリアを選ぶことが
自分のやりがいに繋がります。
3の「自律・独立志向」を重視する人は
組織で働くキャリアよりも
自分で自由にできるキャリアを選ぶことが
やりがいに繋がるといえます。
このように、自分がどのキャリア・アンカーを重視するか
一度考えてみるのがキャリア形成に欠かせません。
ちなみには私は1・3を重視しています。
自分の専門性と独立を大事にするタイプなので、
自分の塾を自分で運営するのが性に合っているようです。
自分のキャリア・アンカーに近い仕事を行うことが
キャリアアップを考えるうえで有益です。
ぜひこの機会に自分はどのタイプか
考えてみてくださいね!
今回のポイント
キャリアにおける自分の価値観がわかる!
キャリア・アンカーを有効活用しよう!
キャリア・アンカーも変化する!
なお、このキャリア・アンカーですが、
「不動点」とは言われるものの、
ライフステージによって
重視するものが変わる場合も多いです。
例えば、これまで自分の専門性をひたすら高めること(1)を
重視してきた人であっても、
結婚-出産を機に「生活様式志向」(8)を
重視するようになることもあります。
定年退職を機に「奉仕・社会貢献志向」(6)を
重視するようになることもあります。
なので
現在の自分が何を重視しているか
把握した上でキャリア形成を考えてみましょう!
キャリア・アンカーでキャリアの価値観を明確化しよう!
今回のようにキャリアアンカーを理解することで、
自分のキャリアに対する価値観や動機が明確になり、
より納得のいくキャリア形成が可能になります。
自分がどのタイプに当てはまるかを考え、
今後のキャリアプランを立てる際の参考にしてみてくださいね!
次回の「キャリアアップを科学する」シリーズでは
「キャリアレインボー」という概念についてお話しします。
ではまた!
キャリアアップを考えるとき役立つのが「キャリアアンカー」です。
船の錨のように、キャリアを考える際の自分の「不動点」となる価値観を知れる便利なツールです。
①技術・職能志向、②管理職志向、③自律・独立志向、④安定・保障志向、⑤起業家的創造性志向、⑥奉仕・社会貢献志向、⑦挑戦志向、⑧生活様式志向という8つのうち、自分がどれに入るか考えてみるのをおすすめします!