人は15%上の相手に嫉妬する?!人に嫉妬されないキャリアアップのポイントとは?〜山本圭『嫉妬論』解説

藤本研一
Digest!
山本圭さんの『嫉妬論』を読むと、
人間の持つ嫉妬の感情の扱いづらさがよくわかります。
 
人間は15%上の存在に嫉妬するという指摘も
たいへん納得です。
 
キャリアアップを目指す際、下手をすると
周りから嫉妬を受けることもあるので
相談する相手を絞り、
情報発信などでふだんから
努力を伝えていくのがオススメですよ!

☆本日の内容は動画でもお伝えしています。
 動画にしかない内容もありますので
 気軽に聞き流してみてください。

山本圭『嫉妬論』、すごくいい本です1

いま『嫉妬論』という新書を読んでいます。



この本について
「今年一番の新書だよ」と教えてもらったのですが、

「これ、決していいすぎじゃないな…」

と感じました。

生産性がないくせして強大な力。それが嫉妬。


人間の感情のうちで
もっとも生産性がないくせして
もっとも強大な力を持つもの。

それが「嫉妬」です。




正直、YouTubeやSNSを観ると
出てくるのは「嫉妬」に基づく投稿の
オンパレード。


(いまでいうと某芸人さんのスキャンダルなどが
 溢れていますよね…)



あるいは観て思わず
嫉妬してしまうような投稿です。

(人が忙しく仕事しているときに
 ふとSNSで「いま南の島でバカンスしてます」
 という投稿とともに
 透き通るような海・真っ白い砂浜の写真が出ていると
 思わず嫉妬心が出てきてしまうものです)

この「嫉妬」という感情は
古代ギリシャの時代から
考察の対象となっていました。


キリスト教においても
「7つの大罪」のなかに「嫉妬」は入っていますし、
そもそも旧約聖書にはカインとアベルの例をもとに
人間の嫉妬が描かれています。

 カインとアベルという2人の兄弟が
 神様に捧げ物をしたのですが、
 アベルの捧げ物だけを神様が注目し
 カインのものには目もくれなかったそうです。

 それを受けカインは嫉妬心からアベルを殺してしまうのですね…。
 これが人類最初の殺人だと言われています。

そんな扱いづらい感情である「嫉妬」を
哲学者がどう考えてきたか。

社会においてどう取りあつかうべきか。

それを詳しく考察した
新書となっています。

なにに嫉妬を感じるかを通して自分がわかる!


基本的にいえば嫉妬って
「すごすぎる人」には感じません。

本書では
「自分は何に嫉妬を感じるか」という点を通して
逆に自分自身の人間性や傾向性を知ることができる、
と指摘しています。



「嫉妬に何かしら意味があるとすれば、  
 それはこの感情が「私は何者であるか」を
 教えてくれるからである。

 たいていの場合、
 私の嫉妬は他人には共感されない、
 私の嫉妬は私だけのものである。
  
 私は誰の何に嫉妬しているのか、
 なぜ彼や彼女に嫉妬してしまうのか。
 
 これは翻って、私がどういう人間であるか、
 私は誰と自分を比べているのか、
 私はどんな準拠集団のなかに自分を見出しているかを
 教えてくれるだろう。

 確かにそれは客観的な自己像とは
 言えないかもしれないが、
 ときに自分でも気づかない
 もう一人の自分を開示してくれることがあるのだ

 (Kindle版238頁/254頁)


例えば私は芸能人の誰が売れていて
誰と誰が結婚したというニュースに
なにも嫉妬をしませんし、

大企業の売上がいくら伸びようとも
まったく嫉妬を感じません。


ですが、自分同様

「ひとりで起業し、
 理念を元に人が集まってきて
 いま伸びつつある起業経営者」

には嫉妬を感じることがあります(笑)

つまり、自分がもう少し頑張れば達成できそうであり、
純粋に自分の努力不足とも思えるような状態に
人間は嫉妬を感じてしまうのです。

人間は15%上の存在に嫉妬する!

「確かに、私たちは自分より
 何百年も過去に生きた人に嫉妬することは稀である
 (ただし、未来世代への嫉妬は十分にありえる)し、
 あるいは自分よりほんの少し待遇の良い隣人を妬むことはあっても、
 ドナルド・トランプやビル・ゲイツのような大富豪を妬む人は少ない。
 
 ところで、この近さはどの程度のものだろうか。
 もちろん個人差もあろうが、
 たとえばあとどれくらい給料が上がってほしいかと
 人々に尋ねた研究がある。

 それによると、ほとんどの人が
 あと15%くらい上がってくれればと答えたという。

 つまり粗っぽく言って、
 これがおおよその嫉妬の範囲だと考えてよさそうである」
 
 (Kindle版42頁/254頁)

人間は
あと15%上の存在に対して嫉妬を感じる。



…そういうまとめかたをすると、
「たしかにそうだよな〜」
と感じられます。

嫉妬との向き合い方が学べる1冊!

ともあれ本書は
「嫉妬」という誰もが逃れがたい感情は
そもそもどういうものか、
どのように取り扱えばいいかを学べる良書となっています。


読んでみると面白いですよ!

 ☆『嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する (光文社新書 1297) 』の
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今回のポイント


人は自分の「15%上」の存在に嫉妬する。
嫉妬されないキャリアアップを目指そう!

嫉妬の凄まじさ。

こういう「嫉妬」の本を読んでいて思うのは
人間の「嫉妬」のすさまじさです。


SNSなどを観ると
人のあら捜しを熱心に行う人が時折観られますが、
その行動の根底には「嫉妬」があるのです。


キャリアアップを目指すなら「嫉妬」対策を十分に。

キャリアアップを目指す際、
人からの「嫉妬」は十分に対処を考えておくべきだと
思うのです。


転職したり起業したり
大学院に進学しようとする場合、
周りがみんな応援してくれるわけではありません。


嫉妬心から邪魔してくる人もいないわけではないのです。

(邪魔しても
 嫉妬している人には何の役にも立たないのですが…)

相談する人を絞り、努力を伝えていく!



それを防ぐには
(1)相談する人を絞ること、
(2)ふだんから努力を伝えていくこと
の2点が有効でしょう。


(1)の「相談する人を絞る」とは
だれかれ構わず転職や起業・大学院進学の
話をするのではなく、
信頼できる人にだけ話すほうがいいということです。


できれば相手のことを応援したいくらいまで
信頼関係が深い人のほうがいいですね。


けっこういいのは学生時代の友人など
いまリアルタイムで頻繁には顔を合わせていない人です。

リアルタイムで頻繁に顔を合わせている場合
相手の「15%」に自分が入っている可能性があります。



ですが、リアルタイムで顔を合わせていない相手ですと
仮に「15%」に入っていても
あまり気にならない事が多いですし、

仮に嫉妬を感じられたとしても
邪魔をするモチベーションは湧いてこないでしょう。


(なにしろ、ふだんはあまり顔を合わせないので…)


できれば相手も自分も応援しあえる関係の人に
相談できるのがベストですね!

情報発信をふだんから!

(2)の「ふだんから努力を伝えていく」というのは
要するに情報発信です。

私は365日まいにちブログを書いて
8年目です。



土日祝日ゴールデンウィークなど問わず
本当に毎日書いています。

これを普段から伝えているのがポイントです。



そうすると、仮に嫉妬を感じられる事があったとしても

「あれだけ毎日書いているから
 まあ当然だよな…」

と合理的に納得してもらいやすくなります。


(書く場合は実名でも匿名でも構いません。
 毎日情報発信している、という努力を
 客観的に証明できればいいと思います)


どうせなら嫉妬されない起業を!

以前、私は起業を目指す大学生たちの前で
「嫉妬されない起業をめざそう!」
というプレゼンをしました。



自分が一生懸命がんばって起業しても、
周りからやっかみが多く入ると
やる気を失ってしまうものです。

であれば普段からブログやSNSなどで
情報発信を続け、
日々努力している様子を伝えていくことが
周囲のやっかみを減らすのに役立つのです。


情報発信を続けていると
「これだけ毎日やっているなんてすごい…」
と評価してくれる人も必ず出てくるのですね。



こういう話を大学生たちに話したところ
とても共感してもらえたのが印象的でした。



なので私はキャリアアップをする際の
周囲からの嫉妬を防ぎ、
逆に応援してもらえる関係にしていくために
情報発信が大事だと考えているのです。


キャリアアップを目指すと嫉妬が入る…?!

これは断言できますが、
キャリアアップを目指そうとすると
必ずと言っていいほど
それを快く思わない相手が出てきます。


その時にまわりに理解してもらうためにも
(1)相談する人を絞ること、
(2)ふだんから努力を伝えていくこと
の2点を大事にしてみてくださいね!


(…まあ、いくら対策しても嫉妬する人は出てきます。
 それを諦めていくのもキャリアアップには大事だと思います)


ではまた!


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