目次
リーダーシップに対する誤解
「私はリーダーシップを取ることができます!」
「私がリーダーシップを発揮した経験は…」
就職や大学院進学の面接時など「リーダーシップ経験の有無」が聞かれることがあります。
リーダーシップ経験。
「リーダーシップ」という言葉を聞くと、多くの人は「他人を引っ張っていく力」をイメージするかもしれません。
組織の中でチームを率いるリーダー、会社の方向性を示す経営者など、まさに「誰かの前を歩く人」が思い浮かびます。
ですが、これはリーダーシップの一面に過ぎません。
他者に対してリーダーシップを発揮するには、まず自分自身に対してリーダーシップを発揮する必要があるからです。

今回は、私自身の反省も込めつつ、「自分に対するリーダーシップ」、つまりセルフリーダーシップの重要性についてみていきます!
自分を導けなければ、他人も導けない
リーダーシップを発揮する。
いうのは簡単ですが、実行するのはけっこう難しいです。
周りに対して呼びかけたとしても皆が動いてくれるとは限らないからです。
また、会社や組織などでは立場・上下関係上「言うことを聞く」ことはあっても、納得して動いてくれず「イヤイヤ」「ムリヤリ」動いてもらっていることも多いかも知れません。
リーダーシップを発揮するうえで重要なのは、言っている側の人間(リーダー)との関係性です。
いくら言っていることが正しくても「あの人の言うことなんか聞きたくない」と言われてしまえばなんにもならないのです。
アリストテレスの述べる弁論の3要素
古代ギリシャの哲学者にアリストテレスがいます。

(画像はWikipedia)
アリストテレスといえば人前で話す力、つまり「弁論」について考察をしたことで有名です。
アリストテレスは「弁論の3要素」として「ロゴス・パトス・エートス」の3つを述べました。
それぞれまとめると次のとおりです。
- ロゴス(Logos):論理・構成・内容
- パトス(Pathos):感情・情熱・訴求力
- エートス(Ethos):人柄・信頼・誠実さ
ロゴスというのは話す中身や論理性です。
何を言うか・どのような流れでいうかが問われる部分です。
パトスというのは英語で言うと「パッション」、つまり情熱です。
話すときの感情表現や相手の感情を揺り動かす話し方がパトスに当てはまります。
エートスというのは人間性です。
つまり、話す人の人柄や誠実性が問われているのです。
このロゴス・パトス・エートスいずれも重要ですが、人前で話す際 土台となるのがこのエートスなのです。
いくらロゴスとパトスが揃っていても、エートスがイマイチなら相手に響かないのです。
たとえば、いくら論理的に話しても、どんなに情熱的に語っても、その人が信頼できなければ、言葉は響きません。
マルチ商法やネットワークビジネスなどを見ると思いますが、「なんか胡散臭いな…」と感じる相手の話はいくら情熱を持って理路整然と話されたとしても全く響きません。
むしろ理路整然と情熱的に理路整然と語るほど「うわ、ゼッタイ契約したくない…」と反発されてしまうだけです。

ほかにも、ビジネスマナー講師がボサボサ頭でシワだらけのスーツを着て「第一印象が大事です!」と語っても、説得力はないでしょう。
エートスのポイントは「自分のやっていること」と「自分の言っていること」に一貫性があるかどうか。
自分自身がきちんとしたエートスでなければ相手は動いてくれないのです。
自分自身に対するリーダーシップを!
ここから言えることは、相手に何かを伝える前に、まず自分自身のエートスがどうなっているかを考える大事さです。
自分自身をきちんとコントロールできていなければ、エートスを高められません。
そこには服装などの身だしなみの他に、ふだんから「言ったことをやっているか」「誠実かどうか」が問われます。
言ってしまえば、自分自身を導くという「セルフリーダーシップ」をできていなければそもそも相手に動いてもらえないのです。
つまり、人にリーダーシップを発揮する前に、自分自身に対してのリーダーシップを発揮することが何よりも大事なのですね。

自分自身を反省…
こういう話を書くと私自身がセルフリーダーシップを発揮できているように見えてしまいますが、そんな事はありません…(苦笑)。
私自身、つついだらけてしまったり、計画通り進められなかったりとセルフリーダーシップの不足を実感することが多いです。
そのたびに「申し訳ない…」と感じ、反省しているところです…。
自分で自分をコントロールするセルフリーダーシップ。
これができなければそもそも人に動いてもらうことなどできません。
セルフリーダーシップを日々発揮し、自分のエートスをいかに高めていくか。
それこそが問われているのです。

原則中心リーダーシップという考え方
では、どのようにセルフリーダーシップを発揮すれば良いのでしょうか?
その際重要なのが「原則中心リーダーシップ」という考え方です。
この内容はスティーブン・R・コヴィーの著書『7つの習慣 原則中心リーダーシップ』に登場します。

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本書では人によっていろんな種類のリーダーシップに従っていることが指摘されます。
例えば、何をするか考える時、「自分の感情」を重視する人がいます。
感情がノッていたらやる。
ノッていなければやらない。
こういうのを「感情中心リーダーシップ」といいます。
一方、何をするか考える時、「儲かるかどうか」を重視する人がいます。
儲かるならやる。
儲からないならやらない。
こういうのを「金銭中心リーダーシップ」といいます。
ほかにも、何をするか考える時、「人間関係」を重視する人がいます。
●●さんがやるならやる。
●●さんがやらないならやらない。
あるいは「みんな」がやるならやる。
「みんな」がやらないならやらない。
こういうのを「人間関係中心リーダーシップ」といいます。
本書では人によってどういうリーダーシップを取っているかが異なることが説明されます。
周りを見ても「感情」だけに流されて行動している人もいれば「お金」だけに流されて行動している人がいるかも知れません。
あるいは周りの「人間関係」に流されて行動している人もいるかも知れません。
本書ではいろんなリーダーシップがあるなかで「どういうリーダーシップが一番いいか」を検討していきます。
最終的に提案されるのがタイトルにもある「原則中心リーダーシップ」なのです。
これは何かというと、原則=ルールをまず確立し、それに従って行動をする、というものです。
例えば会社でしたら「経営理念」や「ミッション」「ビジョン」「行動指針」に従って行動をすることをいいます。
会社の新事業を考える時、「感情中心リーダーシップ」を行うなら「やってみたいかどうか」だけで判断をすることになりますが、「やってみたい」からと言ってその新事業をしたほうが良いとは必ずしも限りません。
「金銭中心リーダーシップ」を行うなら「儲かるかどうか」で判断をしますが、儲かるからといってそれが反社会的な新事業ならやるべきではありません。
「人間関係リーダーシップ」を行うなら「みんながどう考えるか」で判断をしますが、皆が賛同しているものがうまくいくとは限らないのです。
そうではなく、本当に考えるべきは「原則=ルール」です。
つまり、この新事業は会社の経営理念に合っているか、会社のビジョンを実現するために役立つかを考えることで正しく意思決定ができるのです。
原則中心リーダーシップの良いところは、一度「原則=ルール」を紙に書いてしまえばもうその内容は変化しない、ということ。
感情や人間関係などは時々刻々と変化しますので、意思決定する際の土台としては不適切です。
儲かるかどうかだけを基準にすると、「儲かれば何をしても良い」と間違った意思決定をしてしまいがちです(バブル期の頃、どの会社も不動産取得に躍起となり、その結果バブル崩壊後に大損失を出していしまいました)。
そうではなく、「原則=ルール」に基づいて意思決定をする。
この「原則中心リーダーシップ」を実行することが何よりも重要なのです。

セルフリーダーシップの前提も原則中心リーダーシップ。
この原則中心リーダーシップはセルフリーダーシップを発揮する際にも大いに役立ちます。
人間は「感情」に流される生き物。
今日は疲れたからやらない。
モチベーションが出ないから後回しにする。
感情中心リーダーシップではやるべきことをやらないまま1日が過ぎてしまいます。
そうではなく、自分の中で「原則=ルール」を明確に立てておき、それを日々意識して行動することがセルフリーダーシップの土台となるのです。
例えば日々自分が何をするか、どういう意思決定をするかをあらかじめ決めてルール化しておくことです。
そうすることでセルフリーダーシップが発揮できるようになります。
アスペルガーな自分をいかにコントロールするか?
『アスペルガーですが、 妻で母で社長です。』という本があります。

本書ではアスペルガー症候群という障害をもつ著者がどのようにこの症状と向きあえるようになったかが描かれています。
アスペルガー症候群って「空気」を読むことが難しい上に、特定の「こだわり」が強い傾向があります。
そのため、人とコミュニケーションをしたり、細かな作業をしたりするのが極端に苦手な反面、自分の得意とするところではとことんまで突き抜けられるという特徴があります。
※現在は発達障がいの診断基準が変わり「アスペルガー症候群」ではなく「自閉症スペクトラム障がい」という名称に切り替わっています。
著者のアズ直子さんはさいしょ自分が上手くいかない状態に直面し絶望します。
ですが、自分なりにルールを決めることでアスペルガーな自分を受け入れ、逆にアスペルガーの特性を活かして仕事・家庭をうまく回せるようになっていったのです。
朝7:00にスタバに行くルール
アズ直子さんがやったルールは「朝7:00にスタバに行って手帳を開く」というもの。
アスペルガー症候群って時間管理なども苦手なので、締め切りや予定を忘れてしまうことがザラです。
また、家にいると家事などあれこれやることが多く、「何からやっていいかわからない」とパニックになってしまいがちです。
これを一挙に対応するために考えたルールが「朝7:00にスタバに行って手帳を開く」というルール。

自宅でも出張先でも、近くにはたいていスタバがあります。
朝7:00に行くと決めると、その時間に起きて身支度をする必要があります。
7:00にスタバで手帳を開くと、スケジュールをイヤでも確認できるのでアポや締め切りを忘れないで済みます。
家を離れ、手帳とパソコンを広げることでとりあえず今やるべきことだけに集中できます。
結果、「朝7:00にスタバで手帳を開く」ルールを日々守ることで仕事も家庭もうまく回せるようになっていったのです。
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自分だけの「原則=ルール」を持とう!
アズ直子さんの「朝7:00にスタバで手帳を開く」ルールはまさに「原則中心リーダーシップ」の発揮例だと言えます。
このルールを日々実践することで自分も周囲もうまくいく流れに乗っていけるからです。
こういう自分自身を見つめたうえでの「原則=ルール」を作り、それに日々従っていく。
これが自分の未来につながっていくのです。
私自身もいろいろと「原則=ルール」を決めています。
私にとっての原則のひとつは、「毎日ブログとメルマガを書く」こと。
ブログとメルマガを書くためには、日々何らかの勉強をする必要があります。
またブログ・メルマガを書く中でイヤでも文章力が鍛えられます。
日々書く中でインプット・アウトプット両方を深めることができますし、ブログやメルマガを見た方から講義のご依頼が入ることも多いので仕事の発展にもつながります。
また、受講生の方などがご自身の学び・気づきに役立ててくださっているところもあります。
毎日ブログとメルマガを書くことを続けるなかで、「自分への信頼」も高めることができます。

ポイントは、体調が悪かったとしても、メンタルが最悪であったとしても「原則=ルール」を続けていくこと。
私自身、風邪やインフルエンザでダウンしたときも、妻の不倫が発覚して離婚が決まった日も、長年可愛がってくれた祖父がなくなった日もブログとメルマガを書き続けていました。
おかげで365日まいにちのブログ更新が現在9年目になっています。
自分で立てた「原則=ルール」を愚直に続けていくことが自分の未来にもつながっていることを実感しています。
原則中心リーダーシップは「自分のエートス」をつくる
アリストテレスのいう「エートス(人柄)」は、日々の行動の積み重ねによって育まれます。
・どんな状況でもルールを守る
・自分のルールを大切にする
・ブレずに努力を続ける
そういった行動の積み重ねが、「あの人の言うことなら聞いてみよう」という信頼につながっていきます。
リーダーシップとは、他者を動かす前に、自分の中の信頼を築くことなのです。
ここまで読んでくださったあなたに、ぜひ問いかけたいと思います。
それは
「あなたにとっての「原則=ルール」はなんですか?」
という問いです。
大きなものでなくてかまいません。
「朝は必ず5分だけ読書をする」
「週に1回は振り返りをする」など、小さなもので良いのです。
もし、まだ見つかっていないのであれば、今日からひとつ、決めてみませんか?
それは、きっとあなた自身を導いてくれる「リーダーシップの第一歩」になるはずです。
この「原則=ルール」を続けていくことであなたの未来は少しずつ良くなっていくはずです。
それがやがてはキャリア形成や自分の目標・夢実現にもつながっていきます。
私もまだまだ不十分な点ばかりですが、「自分との信頼を少しずつ積み重ねていく」ことを意識し、「原則中心リーダーシップ」をさらに深めていきたいと思っています。
どうぞ今後ともよろしくお願いします。

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リーダーシップとは、他者を導く前にまず自分自身を導く力のことです。原則中心のルールを持ち、日々守り続けることで信頼が生まれ、周囲を動かす力となります。自分で決めた「原則=ルール」を日々実行する先でキャリア形成や夢実現も可能となるのです。