大学院修士課程が卒業できるか不安な人必見!修士課程は「出るだけ」なら案外ラク?でも目指すなら修士論文も高みを目指せ!

 

summary

大学院の修士論文執筆って不安を感じますよね。実は修士論文は思ったよりも対応が幅広く、ペラペラの論文でも受理されることがあります。ですが、博士後期課程進学を目指すなら少しでも質を高めていたほうがいいです。せっかくならベストを尽くしていきましょう!

「修士課程を卒業できるか」という不安はありませんか?

「どうしよう、大学院には入りたいけど、自分が大学院修士課程に入ってもちゃんと卒業できるだろうか……」

こういう思いを持つこと、ないでしょうか?

これは大学院進学を目指している方から時折いただくご相談です。

大学院受験の準備をしている方だけでなく、すでに大学院に合格した方からも「修士課程を本当に修了できるだろうか…」と不安に思う声を聞くことがあります。

そんなとき、私がよくお伝えすることがあります。

それは「出るだけなら、大学院はそれほど難しくありませんよ!」という事実です。

今回は「修士課程、出るだけなら案外ラク!」とのテーマでお送りします!

修士論文の水準には“幅”がある

大学院修士課程の最大の山場は修士論文です。

大学院の修士課程は通常2年間ですが、究極的に言えば「修士論文を書き切る力を2年かけて身につける場が修士課程」ということもできます。

修士課程における最大の難関が修士論文。

こういう側面があります。

ですが。

実のところ、「これが修士論文の合格基準である」という明確なラインってあまり決まっていません。

いうらならば修士論文の水準はピンキリということ。

つまり、非常に質の高い修士論文もあれば、恐ろしく質の低い修士論文も存在する、ということです。

A4用紙数枚のペラペラ修士論文で早稲田大学大学院を卒業したケース

実際、私が在籍していた早稲田大学大学院・教育学研究科では「A4用紙数枚の修士論文で修了した先輩がいる」という事実を教えてもらったことがあります。

A4用紙10枚って、ヘタをしたら大学のレポートでもこれくらいの枚数に達することがあります。

「本当に数枚で出れるのだろうか…?」

試しに大学の図書室で過去の修士論文を調べてみると……、本当にありました!

他の修士論文がそれなりの分厚さがあるなか、1つの修士論文だけがペラペラでした(笑)。

「ホントに数枚の修士論文があったんだ…!」

中を見て驚いたのは、目次と「はじめに」「参考文献」のページも入っているため、実質的な本文は8ページほど、という事実。

それでも、この方はしっかり早稲田大学大学院の修士号を取得していたのです。

ちなみに、私がいま在学している北海道大学の公共政策大学院の規定を見ますと修士論文(リサーチペーパー)の分量の目安として「6,000~8,000文字」と書かれています(2単位の場合であり、8単位の場合は20,000文字という目安があります)。

6,000〜8,000文字と書かれていてもそれ以上書くことが奨励されていますので念のため。

修士論文がそのまま出版されるケースも!

もちろん、すべての修士論文が簡単に済まされるわけではありません。

通常の修士論文はA4用紙50枚を超えることもザラですし、人によっては「200枚(20万字)」というケースもありえます(社会学系の修士論文に多いです)。

水準が高いとされる修士論文の場合、A4用紙100枚程度(9~10万字)になることが多いです。

これ、実は字数的には新書1冊分と同じです。

新書と同じ文字数ということで、出来が良い修士論文の場合はそのまま新書や単行本として出版されるケースも時折あります。

私の専門である教育社会学では鈴木翔さん(一度 勉強会でご一緒したことがあります)の修士論文が『教室内(スクール)カースト』という新書になっていますし、貴戸理恵さんの修士論文も『不登校は終わらない』という単行本になっています。

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私がホントすごいなと思うのは現在 慶應義塾大学教授の小熊英二先生のケース。

小熊英二先生は出版社(岩波書店)勤務を辞めて大学院に入り直したという「社会人大学院生」でもあります。

小熊英二先生は(これまでの蓄積もあったと思いますが)修士論文として執筆した本がそのまま『単一民族神話の起源』という単行本になりました。

この『単一民族神話の起源』、なんと文系研究書最高の栄誉とも言える「サントリー学芸賞」を取っています…。

(修士論文がそのままサントリー学芸賞を取れるケースってほとんどないはずです)

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その後、小熊英二先生は博士論文を書いていますが、こちらも『〈日本人〉の境界』としてそのまま出版されています。

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こういうふうに、質の高い修士論文はそのまま出版されるケースもあります。

「本になるほどの修士論文」は確かに理想的ですが、すべての大学院生がこのレベルを目指す必要はありません。

(というか、そんなに目指せません…)

大事なのは、修士論文は「ペラペラ」でも受理されるケースもある反面、可能なのであれば少しでも高みを目指したほうがいい、ということです。

博士後期課程を目指すか否かが判断のポイント

もしあなたが博士後期課程進学を目指す場合、「ペラペラ修士論文」では不十分です。

修士論文執筆は研究者の入口でもある以上、ある程度のレベルの修士論文を書けなければ今後の発展は見込めません。

なので博士後期課程を目指すならできるだけ修士論文の水準をあげるべき、といえます。

ですが、逆に博士後期課程の進学を考えていないケースや「とりあえず修士課程だけ出れればいい」ケースであればそんなに構えなくてもいいと言えます。

さすがに「ペラペラ修士論文」では物足りないですが、自分なりのベストを尽くしていれば修士論文が受理されるケースも多いのです。

なので、修士論文でどの水準を目指すかは「博士後期課程の進学を目指すかどうか」から考えてみるのをおすすめします!

指導教員とのやり取りを密に…!

実は、修士論文としてどの水準が求められるかは指導教員の考え方・価値観によっても変わります。

どんな論文でもとりあえず受理して修了させる先生もいますし、反対に「修士課程を4年くらいとりくんだレベルでないと修士論文を受理しない」先生もいます。

ある大学院の話になりますが、大学院生と教員が修士論文の内容で対立し、最終的にはその学生が修了目前で大学院を辞めてしまったというケースもあります。

この方は学部から直接進学した方であり、大学院修士課程がおわる直前に退学しそのまま就職することになったそうです。

ここまでこじれるケースは稀とはいえ、指導教員との相性や期待値のすり合わせは非常に重要なのです。

まとめ!

ここまでをまとめますと次の3点が言えます。

① 修士論文の水準には高いものも低いものもあり、状況によってはペラペラな修士論文でも受理されるケースがある

② 修士課程のあと博士後期課程進学を目指すなら、修士論文はある程度の水準のものが求められる反面、進学を目指さないならそれほどの水準でなくても受理されるケースがある

③ 修士論文については教員の考え方・価値観によっても求められる水準が変わってくる

大事なのは修士論文を仕上げる際はできるかぎりベストを目指すべき、ということです。

「とりあえず出る」だけなら数枚の修士論文でもいいかもしれませんが、それだけで満足してしまうのはもったいないです。

なぜなら、修士課程というのは“自分の力で深く学ぶ経験”ができる貴重な時間だからです。

せっかく入学したのであれば、時間とエネルギーを使って、自分の興味あるテーマを深掘りしてみるのも良いでしょう。

ですが、状況が切羽詰まってきた場合や、どうしても筆が進まなくなった場合(また、以前の私のようにうつを発症した場合など)は、「とりあえず卒業できるラインでまとめる」ことも選択肢に入れてよいと思います。

無理をしすぎて挫折するより、「出るだけ出る」という柔軟さも、大学院生活では大切だと思うのです。

最初から「手を抜こう」と考えるのはおすすめできませんが、追い込まれたときの“逃げ道”として、「修士論文は最低限でもOKなケースもある」ということを知っておくだけで、心が軽くなるのではないでしょうか?

ぜひムリのない範囲でいいので「ベストを目指す」姿勢を大事にして修士論文執筆と修士課程修了を目指してくださいね!

完璧主義の人がよく陥るのは「完璧な修士論文を書けないなら潔く辞めてしまう」ケースや「修士課程を延長する」ケースです。

社会人として進学する場合、自分の中で全力で取り組もうにも時間やエネルギーが取れないケースがあります。

その場合、下手に完璧主義を目指すより「とりあえず修士論文だけは提出する」「とりあえず卒業を目指す」のもありだと思うのです。

(私は早稲田の修士課程2年のときうつを発症して半年間なにも出来ませんでした。そこから「とりあえず卒業だけはしよう」と開き直ったからこそ無事修了できました)

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