あの西郷どんが愛した『言志四録』に学ぶ、文章上達の方法とは?

 

今日のポイント
文章を書いたら、
必ず読み直す!
佐藤一斎もいう文章上達のポイントとは?

 

 

大河ドラマ「西郷どん」(せごどん)、
流行っていますね!

うちにはテレビがないのでわかりませんが、
きっと面白いんだと思います!

 

日本の明治維新の立役者・西郷どんこと
西郷隆盛。

 

歴史を動かした偉人です。

 

偉人でありながら気さくな人柄だった、
といいます。

主君に命がけで意見したり、
島流しにあったりとエピソードに事欠かない人ですが、
「逆境」にあっても諦めなかった姿勢が
多くの人の共感を呼んでいます。

 

 

そんな西郷隆盛が
大好きだった本があります。

 

あまりに好きすぎで
「抜粋集」を自分で作ってしまいました。

常に持ち歩き、
ボロボロになるまで読み続けていた本が
あるのです。

 

 

何だと思います?

それが『言志四録』(げんし・しろく)です。

 

 

江戸時代の漢学者・佐藤一斎(さとう・いっさい)による
本です。

佐藤一斎が
日々の思索を書き連ねていった
思索書なのです。

この『言志四録』を
いま私は読んでいます。

 

『言志四録』(げんし・しろく)とは?

 

『言志四録』は1813-1851年にわたり、
佐藤一斎が自らの哲学的思索を書き留めたものです。

 

「言志」とは「志を言う」という意味。

人間として生きるのに必要な
「志」を立てることについて
その大事さを指摘していきます。

 

なお、『言志四録』は
佐藤一斎が書いた4冊の本の総称です。

『言志録』(52歳)、
『言志後録』(67歳)、
『言志晩録』(78歳)
『言志耋録』(げんし・てつろく)(80歳)と、
その年齢の時点での思索的体系が
まとめられています。

 

講談社学術文庫で
四冊本というボリュームです。

 

固い本というイメージに反し、
中身はすごく読みやすいです。

(本来は漢文なのですが、
現代日本語に翻訳してあるのです)

 

 

ちょうど私は
森信三(もり・しんぞう)先生の
『修身教授録』読書会を行っています。

☆4/20(金)開催です!
https://www.facebook.com/events/985116551656724/

『修身教授録』も、ちょっと「読みにくい」本です。
ですが、
「人として、どのように生きるか」
というテーマが詳しく論じられているのです。

 

昨年も『君たちはどう生きるか』という
吉野源三郎の本が流行りました。

(マンガにもなりました)

 

情報技術の発展が著しい
いまの時代だからこそ、
「どう生きるか」を考えることに
意味があるように思うのです。

 

実際、『言志四録』にも
「人としてどう生きるか」
「リーダーとしてどう振る舞うか」
という話が盛り沢山です。

 

読んでいて、いちいち勉強になります。

『言志四録』に学ぶ、江戸時代の文章作成法

 

そんな『言志四録』を読んでいると、
【文章作成法】についても
記述がありました。

 

こんなものです。

 

☆ページ数は講談社学術文庫版
『言志四録』の2巻(言志後録)からです。

 

3つの内容がありました。

(1)193項 急ぐほどゆっくりと

 

「大急ぎで文章を作るには、
必ず立案して草稿をまとめ、
その後、改めてゆっくり写すがよい。
この方がかえって完成も早く、誤りもない」(229)

ここでは、
「下書き」の大事さを訴えています。

急いでいるときほど、
まずは【下書き】をする。

あるいは「どんな内容を書くか」
メモを作成する。

こうすると早く書けるようになるのです。

 

急いで文章を作るときほど、
「何を書くか」をメモしてみる。

すると早く原稿を仕上げることができるのです。

 

(2)194項 手紙の文は慎重に

 

「自己の意思を遠方に送ったり、
後世に伝うるには手紙または書き物に及ぶものはない。
だから一時的なその場限りのやりとりの文字でも必ず慎重に、
ゆるがせにしてはならない。
写し終えたならば、注意して一度読み、
それから完全に封をしなければならない。
自分はかつて人のために硯(すずり)のふたの銘を作った。
銘の意味は「言葉は時にあやまっても跡が残らない。
手紙はいつまでも残るものであるから慎重に書かないと、
後から悔いても改め難いものである」ということである。
つまり、これは上述の書き物を大事にせよ
ということをいったのである」(229-230)

手紙を出す際には
「もう一度読み直そう」という内容です。

 

これはSNS時代だからこそ
意識したいことですよね。

FacebookメッセンジャーやLineで
先方に送った後

「あ、送り先を間違えた!」

ということって、意外とありますしね。

 

おそらく、佐藤一斎の頃から
似たようなことがあったんだと思います。

もう一度「読み直す」習慣を大事にしたいと思います。

(3)207項 文章鍛錬の法

「まず原稿を作り、
次に是非・当不当を検討し、
次に文を練り、
最後に磨きをかける。
これが、鄭国の外交文書作成の順序でその精妙なることは、
ただ四人の賢人の長所を取ったばかりでなく、
文章をきたえる上においても、また精密を尽くしたのであった」(242)

これは【推敲】(すいこう)の大事さを
説いた内容です。

 

原稿を作成した後、
「この文章が本当に必要かどうか」
いま一度考え、
内容をさらに修正していく、
というものです。

 

先程の(2)同様
「読み直す」ことの大事さを訴えた内容だと言えるでしょう。

 

…いかがでしょうか?

今回、西郷隆盛も愛読した
『言志四録』から、
文章作成法についてお伝えしました。

 

江戸時代の人も
文章を「読み直す」ことを
重視していたことがよくわかりますね!

 

さっそく私も、
人に文章を送る際は
「読み直」し、「修正」する習慣を
付けたいと思います。

 

ではまた!


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