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ご相談「博士後期課程に進学したいんですけど…」
「社会人で博士後期課程に進学したいのですが、藤本さんはどう思いますか?」
時折、こういったご相談をいただきます。
私は「大学院合格請負人」としてこれまで200名を超える受講生の方を1対1で大学院合格まで導いてきました。
私自身も早稲田大学大学院教育学研究科の修士課程を出た後、いま仕事をしながら北海道大学公共政策大学院(通称:HOPSホップス)に通っています。

こういう経歴なのでよく「博士後期課程に進学したいです」というご相談をいただきます。

私の回答としては
「大学教員など研究者を目指すなら進学しましょう!」
というもの。
いま、大学教員のポストを見つけるには博士後期課程への進学がほぼ必須となっています。
中でも教授・准教授を目指すのなら博士後期課程を終えて博士号を持っていなければポストは見つかりません。
(非常勤講師なら修士号でも見つかりますが、専任講師のレベルになると博士後期課程に行っていないと見つかりません。
それに博士号を持っていたほうが圧倒的に採用に有利となります)
だからこそ、大学教員を目指すなら博士後期課程への進学をおすすめしています。

そうではなく、純粋に「知的好奇心」や「自分への箔付け」(自信付け)のために博士後期課程への進学する場合
「メリット・デメリットを書き出してじっくり考えたほうが良いですよ」
とアドバイスしています。
なぜかというと、博士後期課程進学はけっこう「不確実性が高い」からです。
いうならば「茨の道」ですね(笑)
修士課程の場合、確実性が高い!
修士課程の場合、入った2年後にはほぼ確実に卒業(修了)を想定できます。
一部研究がうまくいかなかったとしても、大体は1年程度留年すれば修了が見込めます。
また、社会人の場合「長期履修制度」を使うと2年の学費で3〜4年かけて通学することも出来ます。
☆こちらの記事で「長期履修制度」を解説しています。
こういうふうに比較的確実性が高いので、たとえば
「大学院は大変だけど、2年だけ歯を食いしばって頑張ろう!」
と見通しを立てられます。
「2年間は仕事をセーブし研究に打ち込もう」
と計画を立てやすいのです。
同時に
「2年で修了するから待っていてほしい」
「修了したら家族でハワイに行こう」
と家族にも見通しを相談しやすいのです。
博士後期課程は不確実!
ところが。
博士後期課程の場合こういう確実性がありません!
博士後期課程の修了年限は3年ですが、理系はともかく文系の場合 確実に3年で終えられるという見込みがありません。
博士後期課程は授業がほぼないのに学費は修士課程とほぼ変わりません。
たとえば私が通っている北海道大学大学院の場合、博士後期課程の学費は年間約53万円(53万5,800円 令和7年度)です。
3年通うと約160万円。
しかも、3年で終えられるという必然性がないので4年目・5年目に延長する場合さらに学費がかかります。
博士後期課程になると、基本的には指導教員からの指導を受けつつゼミの中で研究をブラッシュアップするのが大学院の授業の中心となります。
論文投稿や学会発表を繰り返しつつ、博士論文を仕上げ、審査に出す。
それが通ってようやく博士号取得となるのです。
(博士論文を提出するためには査読付き論文を一定数出していないと審査すらしてもらえないことも多いです)
これ、相当時間と手間がかかります。
仕事をしながら博士号取得をする場合、いかに時間を作り出すかが課題となるのです。
教員をしながら博士後期課程で研究をしていた先輩の事例
私が早稲田大学の大学院在学中、教員をしながら博士後期課程に在籍している先輩がいました。
この方は私立高校でバリバリ働きながら研究をしている方でした。
聞いてみると、大学院のゼミがある水曜日には休みをもらい、学校で仕事をしているということでした。
毎朝4時に起き、6時までの2時間が研究時間。
それをコツコツ続けて研究を続けてこられたそうです。
…こういうコツコツした姿勢がないとなかなか大変だなあ、と実感したのを覚えています。
改めての問い「なぜ博士後期課程に進学したいか?」
博士後期課程って、仕事をせず1日中研究をしていてもなかなか大変です。
『博士号の取り方』というイギリスの有名な本がありますが、この本では〈平日1日8時間の研究を3年続けたら博士号を取れる〉と書かれています。
これ、要するに「仕事をせず1日研究に時間を使えても3年はかかる」という意味と同じです。
仕事をしながら研究する場合、もっと時間がかかってしまうわけですね…。
☆こちらの記事で『博士号の取り方』を解説しています。
ここから言えることは、博士後期課程に進学し、博士号を取得するには「時間と手間とお金が相当かかる」という事実です。
しかも、博士後期課程に進学しても博士号を取らずに「退学」する人も多くいます。
正直、この負担の重さと「博士号」の価値が釣り合うかと言うと微妙なように感じます。
(修士号を取るのも大変ですけど、修士号は「2年でほぼ取得可能である」という予測可能性が高いこと・修士号を持つ重みもそれなりあることから私は価値的だと考えます)
もちろん、研究者を目指すなら話は別です。
博士後期課程に行かずに研究職のポストを見つけるのは大変なので、行くだけの価値があるといえます。
でも、そうではなく「自己実現」などを目的に進学するのはリスクも結構あるように感じるのです。
リスクを正しく認識したほうが、決断は価値的になる!
さあ、ここまで博士後期課程進学の「リスク」について見てきました。
今回あえて「暗くなる」内容もお伝えしたのは、リスクを正しく知っていたほうが後悔のない意思決定が出来るからです。
例えばたまに「俺はお笑い芸人になる!」という人がいます。
話を聞いてみると「たとえ食えなくても、自分は笑いで天下を取りたい!」と熱く語る方がいらっしゃいます。
「食えない」リスクを正しく認識しているなら、たとえうまくいかなかったとしても納得ができます。
特にお笑い芸人の場合、「売れる」場合のリターンはものすごく大きいです。
お笑い芸人になるリスクとリターンを正しく認識している場合、納得したキャリアをたどることが出来るのです。
大学院博士後期課程進学も同じ図式が当てはまります。
進学しても博士号を取れないリスクや「博士号が役立たない」というリスクは存在しますが、研究職ポストを見つけられた場合、大学教授・大学教員の社会的威信や所得などのリターンってけっこう大きいです。
そもそも「好きな研究をして一生を過ごせる」というメリットもあります。
リスクとリターンを正しく認識することが後悔しないキャリア選択の基本なのですね。
なので今回の記事を参考に、改めて「自分は本当に博士後期課程に進学するべきなのか」を検討してみるのがオススメです!
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「社会人で博士後期課程進学したいのですが…」。こういうご相談に対しての結論は「研究者・大学教員を目指すなら進学をおすすめします」。博士課程は時間・お金・労力の不確実性が高く、修士課程のような見通しは立ちにくいのが現実です。だからこそ、リスクとリターンを正しく理解した上で判断することが重要です。