第二のメンデルになるな!タイトルで差がつく!論文を見つけてもらうための工夫【研究論文の書き方13】

summary

研究論文のタイトルは読まれるかどうか・検索で見つけられるかを左右する最重要ポイントです。遺伝学の祖・メンデルの論文が一旦忘れ去られたように、内容が素晴らしくても、地味なタイトルでは埋もれてしまいます。過去の論文タイトルを分析し、分野ごとの文体を理解することが大切です。ChatGPTなどAIを活用して、検索されやすく自然なタイトルを作りましょう!

研究論文の書き方シリーズ第13弾!

研究の進め方から解説する「研究論文の書き方」シリーズ、今回もお届けします!

前回は論文全体を仕上げた後 最後につくるアブストラクト(抄録)の書き方をお伝えしました。

アブストラクト(抄録)は「読んでもらえるかどうか」「見つけてもらえるかどうか」を決める重要な要素です。

今回はそんなアブストラクト以上に重要な「タイトル」をテーマにお伝えしていきます!

地味だけど大事!タイトルですべてが決まる!

論文タイトルって、地味に見えますが研究成果の運命を左右するほど重要な要素でもあります。

たとえ論文の中身がどれほど素晴らしくても、文献データベースで検索時に見つからなければ読まれません。

見つけられなければ存在しないのと同じなのです。

だからこそタイトルづくりにこそ気合を入れるべきなのですね。

タイトルは“読まれるかどうか”を決める最初の関門

いま論文などの先行研究を調べる際、たいていは文献データベースを活用します。

これまでの記事でも文献データベースの重要性についてお伝えしてきましたね。

今の時代、日本語文献が見つかるCiNii(サイニー)や手軽に使えるGoogle Scholar(グーグルスカラー)などの文献データベースを使うことで手軽に先行研究の調査ができるようになりました。

この時、キーワードを打ち込んで検索をします。

このとき、タイトル(および抄録など)にキーワードが含まれていなければ検索に引っかかりません。

適切なタイトルでなければ自分の研究を知ってもらう事ができないわけです。

つまりタイトルは「読者との最初の接点」であり、見つけてもらうためにも極めて重要なのです。

論文は世界中で日々大量に発表されています。

日本語論文だけでも膨大な数ですし、英語論文まで含めればさらに増えます。

その中であなたの研究を見つけてもらうには、「伝わりやすく・検索されやすいタイトル」を意識することが必要なのです。

メンデルの失敗事例に学ぶ「タイトルの重要性」

ここでタイトル付けに失敗した事例を見ていきましょう。

それは遺伝の法則を発見したグレゴール・メンデルの話です。

(写真はWikipedia

遺伝子の分野においてメンデルの存在は極めて大きいです。

高校の教科書にも掲載されているくらい重要な人物です。

メンデルは19世紀に、エンドウ豆の実験から遺伝の基本原理を発見しました。


ですが、当時メンデルの研究はまったく注目されませんでした。

理由は論文がマイナーな雑誌に掲載され、しかもタイトルが地味すぎたからと言われています。

メンデルは1865年に「ブルノ自然史学会会報」というローカルな学術雑誌に論文を投稿しました。

そのタイトルは「植物雑種に関する実験」というもの。

植物雑種に関する実験」。

このタイトルを見て植物の遺伝に関する研究をしているとは思いませんよね(笑)。

実はメンデルの研究はこのあと一旦忘れられてしまいます。

数十年後、別の学者たちが「遺伝の法則」を再発見します。

その時先行研究を検討しているなかで発見されたのがメンデルの論文だったのです。

この時、メンデルはもう亡くなってしまっていました。

もしタイトルや掲載誌が適切だったら、メンデルの名はもっと早く歴史に刻まれていたかもしれません。

だからこそ、適切なタイトルを付けるのが必要なのですね。

現代でも「埋もれる研究」は無数にある…!

このメンデルの話は決して昔のことではありません。

現代でも“第二のメンデル”は数多く存在します。

たとえば研究内容は斬新で社会的意義も高いのに、タイトルがあいまいすぎて誰にも見つけられない。

そういう研究が現に存在しているかも知れません。

だからこそ、タイトルをつける際は読者に見つけてもらうことを意識してつけるようにしましょう!

単に「研究の名前」をつけるだけではなく、「研究を見つけてもらうためのキーワード」も意識するのがポイントです。

良いタイトルとは「内容が一目で伝わる」もの

では、良いタイトルとはどんなものでしょうか?

それは内容が一目で伝わるものです。

たとえば
「地域コミュニティにおける高齢者支援の一考察」
というタイトルを見たとき、どんな研究か想像できますか?

確かにテーマはわかりますが、内容が抽象的すぎます。


「何を明らかにしたのか」「どんな方法で」「どんな対象を扱ったのか」という要素が入っていないため、読者が認識しにくいのです。

これを改善すると――

「地方都市における高齢者の地域支援活動に関する実証的分析」

このように書くだけで、「地域」「高齢者」「支援活動」「実証的分析」などの検索に引っかかるキーワードが自然に含まれるようになります。

タイトルの役割は、単に研究に名前をつけるだけでなく読者が見つけやすくなるため・どういう研究か理解してもらいやすくするためでもあるのです。

“トリッキーなタイトル”は研究論文では避ける

さて、タイトルを付ける時ビジネス書や新書などでは印象的なタイトルが歓迎されます。

さおだけ屋はなぜ潰れないか?』というベストセラーがありますが、こういうタイトルは一般書だからこそ適切なタイトルと言えます。


学術論文では、奇をてらったタイトルは逆効果となります。

もちろん、アメリカの論文では「Can We Save Democracy?」のように疑問形タイトルを使う論文もありますが、日本語論文ではあまり好まれません。

日本の学会誌では、疑問形タイトルは「軽い」「主張があいまい」と見られてしまう傾向があるからです。

そのため、日本語論文では「〜に関する分析」「〜の影響に関する研究」といった定型的かつ明快な表現が好まれます。

タイトル作成の第一歩は「過去の論文を分析する」こと

タイトルをつけるとき、いきなり自分で考え始めるのではなく、まず投稿予定の学会誌や論文集の過去のタイトルを分析することをおすすめします。

これはまさに「投稿雑誌の言語」を理解する作業です。

過去3〜5年分の論文タイトルをざっと眺めるだけでも、その学会誌が好む言葉づかいや構成の癖が見えてきます。

たとえば社会学系の雑誌では「〜の社会的要因」「〜の意識構造に関する分析」など、
比較的フォーマルで説明的なタイトルが多い傾向があります。

一方で教育学系の雑誌では「〜の実践的検討」「〜を通じた学びの展開」など、
“現場性”や“教育効果”を強調する言葉がよく使われています。

このように、タイトルにも学問分野ごとの文体文化があるのです。


その特徴を理解することで、査読者や読者に違和感を与えないタイトルを作ることが出来ます。

生成AI(ChatGPT)をタイトルづくりに活用しよう!

今の時代、タイトルを付ける際に強力な助っ人が存在します。

それがChatGPTなどの生成AIです。

私自身は論文本文の執筆に生成AIを使うのはあまり良くないと思っています。

ですが、ことタイトルやアブストラクト(抄録)づくりに関して生成AIを活用したほうが良いなと思っています。

たとえば、あなたの研究テーマ・目的・方法を箇条書きで入力し、「これにふさわしいタイトル案を5つ出してください」と依頼するだけで、複数の候補を瞬時に提案してくれます

さらに、過去の投稿雑誌のタイトルをまとめてChatGPTに学習させ、「これに合う自然な日本語タイトルを作ってください」と依頼すれば学会誌のトーンに合ったタイトルを自動生成できます。

AIの助けを借りることで、あなたの研究が“検索で埋もれない”可能性が高まるわけです。

日本語タイトルと英語タイトルの「ズレ」に注意

意外と見落とされがちなのが日本語タイトルと英語タイトルの関係です。

多くの論文では日本語と英語のタイトルを併記しますが、そのまま直訳すると、英語として不自然になる場合があります。

たとえば前回もお伝えして言いますが、日本語で「〜の一考察」を直訳して「A study of…」などと表現しても伝わりにくいところがあります。

このように、言語ごとに「学術的に自然な表現」が異なります。

なのでChatGPTなどを使って英語タイトルを修正していくのも有効だと言えるのです。

第二のメンデルにならないために

タイトルの重要性を軽く見ていると、本当にメンデルのように“埋もれた天才”になってしまうかもしれません。

研究の内容は素晴らしくても、「誰にも届かない」「読まれない」ことになるなら、せっかく研究しても無意味です。

だからこそ、いま一度タイトル付けの意義を確認し、読んでもらえる・見つけてもらえる論文タイトルを付けていきましょう!

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