大学院入試に出題される小論文/論述試験3つのパターン解説〜社会人が大学院進学をめざすなら?⑨〜

今回のポイント

小論文/論述試験、
どのタイプの出題が多いか
過去問でチェックを!

「大学院進学って、
 どうやって進めればいいの…?」

そんなお悩みにお応えするシリーズ
第9弾。

今回も
「小論文/論述問題対策」をテーマに
お届けします!

大学院入試にはどのような小論文/論述問題が出るのか?

前回は小論文試験対策として
「過去問」を元にテキストを見ながら書いていく、
という方法をご紹介しました。

小論文の具体的な書き方に入る前に、
まずは

「小論文試験には
 どのような問題が出るのか」

をテーマに観ていきましょう。

3タイプの出題

大学院入試の小論文試験には
主に以下のような出題形式の問題が
問われます。

  (1)課題文を元に自身の意見・考えを述べるもの

  (2)志望理由を書かせるもの

  (3)専門用語の知識を答えさせるもの

だいたいこの3通りの出題が問われます。

 

それぞれ詳しく観ていきましょう。

 

出題形式1)課題文を元に自身の意見・考えを述べるもの

 

(1)はきわめて一般的な出題形式です。

 

 

論文の抜粋や新聞記事を掲載したのち、
その内容をもとに
自分の意見や考えを書かせるタイプの出題です。
 

場合によっては
本文の「要約」を求められるケースがあります。

 ※要約問題の解き方として
 うちの塾では「3色ボールペン方式」を
 オススメしています。
 詳しいやり方はこちらをご覧ください↓

課題文の主張と自分の考えを明確に分ける!

こういった課題文を元に自身の意見・考えを述べる際、
ポイントとなることがあります。

それは「課題文の主張」と「自分の考え」を
明確に分けて考えること、です。

 

ときおり、これに失敗するケースがあります。

 

つまり入試当日に焦ってしまい、
本文を読むより先に
自分の考えを一方的に小論文にまとめてしまう。
 

そういう「失敗談」が実際にあるのです。

 

これをやってしまうと、
完全にピントのずれた答案に
なってしまいがちです。

 

なので課題文が出された際は
「課題文の著者は何をいいたいのか」を
考えながら読むことをオススメします。

 

落ち着いて、
課題文の著者の「主張」を
正しく理解していくのです。

その上で、
筆者の意見に対し「ツッコミ」を入れていきましょう。

 「この部分は論理が飛躍しているのではないか…」

 「ここの説明は納得ができない…」

 「この部分、私のいまの勤務先で言う
  こういう事例が当てはまるのでは…?」

課題文に対して思ったこと・気づいたことを
課題文の余白に直接書き込んでいくのです。

こうやって書き込みながら読んでいくと
自分なりの意見を見つけやすくなるのです。

小論文は時間配分が命!

小論文の試験で大事なのは【時間配分】です。

いきなり課題文も読まずに突っ走って
原稿用紙に文字を書く人がいますが、
こういう場合落ちるリスクが高まります。

まずは設問を熟読し、
課題文の内容を読み取る。

その後、自分が何を論じるか
軽くメモをする。

だいたい15-20分くらいは
こういった時間を取ってから
本文を書き出したほうが
いい答案になるのです。

出題形式2)志望理由を書かせるもの

小論文試験の中には
自分の志望理由や研究計画について
答えるタイプの問題も存在します。

たとえば試験の中で

「あなたが本学で研究したい内容について
 自由に論じてください」

「あなたがこれまでの勤務経験の中で 
 培った専門性について説明しなさい」

などという出題があるケースもありえます。

(社会人向けの大学院だと
 わりと出題されることがあります)

また、あるMBA(経営学修士)の大学院ですと
設問の一部で

「あなたのこれまでの職務経験のなかで
 イノベーションを実現した事例、
 もしくはこれからイノベーションを実現したいと考える事例について
 1,000文字以内で論じなさい」

などという問題が出たこともあります。

このように、自分の経験・自分の意見を
ダイレクトに答えさせる問題も時折出題されます。

「志望理由書そのままの内容を回答しても大丈夫ですか?」

大学院で「志望理由」など自分自身に関する出題があった場合、

 「この回答、大学院に出した志望理由書と一緒でいいのかな…?」

と悩む人がいらっしゃいます。

 

もし「志望理由」などに関する出題があった際は
すでに大学院に提出している
志望理由書や研究計画書同様の回答をするだけでなく
できれば「プラスアルファ」の内容も
記述できるといいでしょう。

 

たとえば志望理由書には書ききれなかったエピソードや
自分の思いなどを盛り込んで記載するわけです。

 

そうすると
試験官へのPRもしやすくなるはずです。

 

出題形式3)専門用語の知識を答えさせるもの

 

このタイプの出題は
研究系の大学院に多い出題です。 

たとえば北海道大学大学院の
教育学院修士課程では
こういった出題がなされたことがありました。

 

 「地域における子育て支援の現代的課題について述べなさい」

 「次の用語から2つ選び、簡潔に説明しなさい。
   1,詳察的学習
   2,アニマシオン
   3,放課後子供教室
   4,銀行型教育」
  (平成29年度 大学院教育学院修士課程 社会教育学 過去問)

この問題、
知識がないと全く書けませんよね(笑)

 

「子育て支援の現代的課題」についても、
何も知らないで書くと
的はずれな回答になってしまいがちです。

 

このタイプの出題がある場合、
前々回述べた
「過去問で出題された部分を
 テキストでマーキングする」
という学習法が有益です。

 

 

 

その後、テキストを見ながら
問題を解く練習をしていくと
だんだんと論述のコツが見えてくるのが
このタイプの出題です。

 

テキストを学習する際にも
「もしこのキーワードが出題されたら
 どういった回答をしようか…?」
などとアウトプットを意識しながら学ぶのをオススメしますよ!

今回のポイント

小論文/論述試験、
どのタイプの出題が多いか
過去問でチェックを!

3パターンが混在するケースも!

ここまで(1)〜(3)の
3タイプの出題を見てきました。

 

この(1)〜(3)のタイプの出題、
場合によっては混ざって出題されるケースもあります。

 

たとえば(1)の課題文の設問で
(2)の志望理由を問う問題が問われたり、

はじめに(3)の専門用語の知識を尋ねた後に
(1)や(2)の出題があったりするわけです。

 

 

過去問分析を忘れずに!

いずれにしても
過去問を手に入れて分析してみると
どのタイプの出題が多いか
見えてくるはずです。

なので、なんとしても
過去問を入手する「努力」を

怠らないようにしてみてくださいね!

 

今回の内容、
参考にしていただければ幸いです。

 

次回はより具体的な書き方を説明していきますね! 

 

ではまた!


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