研究は「制約」との戦いである!研究計画を立てる上でのポイント、お伝えします!




今回のポイント

研究計画は「制約」との戦い。
いまの自分の資源的制約の中でもできる
意味ある研究を考え出そう!

知ると面白い!『経済史・経営史研究入門』

 

いま『経済史・経営史研究入門』という本を
読んでいます。

これ、けっこう面白い本です。

東大大学院で講義されている内容の
エッセンスが詰め込まれた本なので、
大学院の授業内容を知るヒントにもなる書籍となっています。

経済や経営がいかに発展してきたか。
かつての経済はどうなっていたか。
昔の企業ではどんな経営が行われてきたか。

 

これを研究するのが
経済史・経営史と言われる分野です。

 

 

江戸時代、簿記もないなかいかに帳簿をつけていたか?

 

本書の中でも面白いのは
江戸時代の商家の経営状況についての
研究です。

 

第8章
「日本の企業資料(2)中小企業」という章で
詳しく書かれています。
 

/

この章では当時の商家がのこした資料を元に
「帳簿」の付け方などが分析されていたのです。

 

いま、私も塾経営の際
複式簿記を使っていますが、
この概念が日本に入ってきたのは明治の初期です。

 

(ちなみに英語で「Book Keeping」と読んでいたものを
 英単語の発音も活かして「簿記」と訳したのは
 慶應義塾大学の創始者・福沢諭吉です)

 

ただ、この簿記が紹介される前からも
商家では経営の記録(帳簿)が付けられていました。

 

「大福帳」という帳面に
売上額や売掛金といった各種取引を
筆で書き込んでいたり、

商品在庫や生産数などを
記録に残したりしていたのですね。
 

 

現在同様 年度末には決算を出し、
プラスなら「」、
マイナスなら「不足」と表記されています。

江戸時代の日本にマイナスを表す言葉があったのも
はじめて知ったので
大変勉強になりました。

昔の経営状況を知ると面白い!

経済史を学ぶと、
たとえば織物業が
江戸時代にどのように広まっていったか、

当時の商家では
どのように経営が行われていたかなどを知れるので
「歴史好き」な私としてはたいへん面白いのです。

 

 

制約の中でいかに研究をするか?

ただ。

 

本書を読んで痛感するのは
「制約の中でいかに研究をするか」
という視点です。

 

たとえば、
先程あげた内容は
企業の過去資料や帳簿などを元にしての
経営史研究なんですけど、

会社の情報をどこまで教えてもらえるか、
資料がどこまで公開されているかによって
研究できる内容は大きく変わります。

 

いくら研究のためとはいえ、
またいくら過去のデータであるとはいえ
全くの他人に会社の売上データや取引先などを
見られるのはけっこう抵抗があります。

 

(私は拒否しますし)

 

個人的にその企業と繋がりがあれば
情報を教えてもらえることもあるかも知れませんが、
それを研究して公開することに
OKがもらえるとは限りません。

 

 

いくら研究したくても、データが集められないと不可能。

いくら自分が

「江戸時代の●●業の状況を
 帳簿を元に研究したい!」

と決意していても、
個人的にツテもないなら
そもそものデータを集められないことも多いのです。

 

郷土資料館や図書館などに
資料が寄贈されているケースがあったとしても、
必要な資料がそろっているわけでは
必ずしもないのです。
 

自分が研究したい内容であっても
データに制約があるとそもそも研究できません。

 

制約の中で「なんとか調査できる」テーマを選び直す!

そんなときは
制約があるなかでも
「なんとか調査できる」テーマを
選び直さなければならないのです。

 

これは大変ですが、
だからこそ研究ってやりがいがあるのですね。 

研究は制約との戦い!

研究というのは
「制約」との戦い、でもあります。

たとえば大学院進学の際の研究計画で
「ゼッタイ個人では無理」な計画を
立てる方がいらっしゃいます。

たとえば全国対象の
1万人レベルのアンケート調査を企画したり、

その分野の「大物」へのインタビュー調査など、
自分の資金力や人脈では
実施できないレベルの研究を考える方がいらっしゃいます。

(1万人レベルのアンケートだと
 紙で答えてもらったアンケート用紙を
 PCに打ち込むだけでも一苦労です)

大事なのは
研究したい内容に対し、
自分が使える資金力・人脈などの資源的制約の中で
いかに「意味のある研究」「新しい研究」をできるかどうか、

です。

これは大学院に入ってからも
ずっと付きまとう内容ですね。

心理学の実験が大学生対象に行われ続けている真の理由。

 

…余談ですが、
心理学の本を読むと

「●●大学の学生に対して行った実験データ」

がたくさん出てきます。

 

(代表例は「ハーバード大学」です)

 

1つの大学の学生に対しての実験なのに
「これは人間の心理上の本質だ」
と明言しているケースもあります。

 

このことに疑問を持った人はいらっしゃらないでしょうか?

「なんで大学生にしか
 実験していないのだろうか?」

こういう疑問です。

 

実はこれも研究上の「制約」が理由なのですね。

 

なにかの調査・実験に
協力してくれる人を見つけるのって、
けっこう大変です。

 

(みんなそんなにヒマではないですし)

 

まして謝礼を払って協力者を見つけていると
研究者のサイフが底を尽きてしまうかも知れません。

 

なので、研究者にとっては
目の前にいる学生に協力を依頼し
実験・研究するケースが多いのですね。

 

(これが「●●大学の学生に対して」行われている
 研究が多い理由でもあります。

 一部例外もありますが、
 別に大学生年代に対して調査をしたいから
 行っているのではなく、
 調査をしやすいから行っているだけでもあるのです)

 

「制限」のなかでもできる調査テーマを。

…この研究方法が本当にいいかどうかは
わかりませんが、
研究って常に資源的制約の中で行われることを
如実に教えてくれるケースであると言えるでしょう。

 

たとえば看護の大学院で研究をする時、
いちばんやりやすいのは

「自分の友人看護師に友人を紹介してもらい、
 看護師に対してのアンケート調査や
 インタビュー調査をする」

というタイプの研究です。

 

大学院のゼミ生に
協力をお願いするのもやりやすいでしょう。

あるいは勤務する病院の許可をとった上で
院内で調査・研究をするというのも
(比較的)実施しやすいです。

(逆に縁もゆかりもない病院に
 調査・研究の協力を得るのはけっこう骨が折れます)

研究とは「制約」との戦いである!

なお、大学院に入った後
「科研費申請」(科学研究費申請)をするケースも
人によってはあることでしょう。

実験・調査に必要な
アンケート調査の印刷や入力作業費、
現地への出張費用などを自費で用意するのは大変なので
「科学研究費」の申請を行うわけですね。

これもやりたい研究が
「お金」などの制約で行えないのを
「なんとかする」ための取り組みなのです。

いずれにしても研究というのは
「制約との戦い」なのだと言えますね。

今回のポイント

 


研究計画は「制約」との戦い。
いまの自分の資源的制約の中でもできる
意味ある研究を考え出そう!

制約の中ででも、やって意味ある研究を!

大事なのは
【資源的制約の中ででも
 やって意味がある研究計画をいかに作るか】
です。

 

これには研究方法についての知識のほか、
専門分野への知識が欠かせません。 

もし1人で考えるのが難しければ
私がお力になれれば幸いです。

 

 

お気軽にお声がけくださいね!

 

 

ではまた!


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