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研究の型は大事、でも…。
「どうやって研究したら良いのかよくわからない…」
大学院を目指す社会人の方から
よくこういったお悩みを伺います。

どうやって研究したら良いかわからないと、
そもそも何を努力したら良いかもわからないので
困ってしまいますね…。
そんなお悩みにお応えするため
「研究の型」をこれまで紹介してきました。
具体的には、
研究とは「原因→結果」という
因果関係に基づいた仮説を検証するものであること(1回目)、
介入研究の型がPICOフレームワークであること(2回目)、
観察研究の型がPECOフレームワークであること(3回目)を見てきました。
これらを使うことで、研究の問いを整理し、
因果関係を明確にすることができます。
ですが、ここで重要なポイントがあります。
それはPICOやPECOに当てはまれば
それだけで良い研究になるとは限らない、
ということです。
大学院修士課程で行う研究には
「良い研究」もあれば「良くない研究」もあります。
PICOやPECOに当てはめていても、たとえば
自分一人では絶対にできない研究や
修士課程2年間で終わらない研究、
解いても意味がない研究であると
全く「意味がない」ことになるのです。
こうしたテーマを選んでしまうと、
研究が行き詰まってしまいます。
そこで今回は
私が1対1大学院合格塾において
社会人の方へのアドバイスでお伝えしている
「大学院修士課程で求められる研究の3つの条件」
についてお話しします。

大学院修士課程で求められる研究の3つの条件とは?
それでは3つの条件をひとつずつ見ていきましょう!
条件1)「一人で解ける研究」であること
まず最も重要なのが、
研究を自分一人で完結できるか
という点です。
修士論文は基本的にひとりで書きます。

工学部などではチームで研究をすることもありますが、
基本的に文系の大学院や看護・医療系の大学院では
データ収集(アンケート・インタビュー・フィールドワークなど)から分析、
そして論文執筆を
すべて自分1人で行うことが求められます。
論文執筆を一人で行うのは当然ですが、
インタビュー先やフィールドワーク先の選定や
データ分析についても自分で行うことになります。
言ってしまえば
「自分一人でできない研究計画だとNG」
ということなのです。
なので、
例えば「日本全国の起業家1,000人を訪問してインタビュー調査をする」
ような研究計画ですと、
自分で1,000人の起業家にインタビュー調査できるアテがなければ
一人では出来ないですし、
物理的にも一人で行うのは難しいと言えます。
また、
「内閣総理大臣にインタビュー調査する」
という計画についても、
よっぽど自分に特別なコネがなければ
基本的には実行できないですよね。
なので、いまの自分のスキル・人脈で
実行できる研究でなければ意味がない、ということになります。

ここでよくある誤解があります。
それは
「大学院に入れば、大学院の先生が調査先を紹介してくれるのでは?」
というものです。
もちろん全く支援がないわけではありませんが、
大学の教員は多忙ですし、
研究フィールドを用意してくれるケースは多くありません。
なので
フィールドや調査対象を自分で確保できるか
も重要なポイントになります。
例えば現職看護師の方なら、
勤務先の同僚や以前の職場でのネットワーク、
学会や勉強会のつながりなどを活用して
実行できる研究かどうかがポイントになるのです。

特に、大学院受験では面接試験が必ずありますが、
「アンケート調査をするということですが、
どういう対象者にアンケートを行うのですか?」
「そういうツテを持っているんですか?」
と聞かれることがあります。
もし聞かれて答えられない場合、
研究計画としてはかなり厳しくなります。
(研究費を出せるのであればネット上で広くアンケート調査を依頼できるのですが、
修士課程の研究では研究費を出せないことも多いのです。
なので「自分の人脈を活用する」研究が中心となります)
逆に言えば、
自分自身がすでにフィールドを持っていると
研究はめちゃくちゃやりやすくなります。
いうならば自分の職場や同僚に
研究協力を得られる場合、
修士課程での研究は一気に進めやすくなるのです。
実際、スポーツクラブを運営している方が
そのクラブ内で調査研究を行うことで
修士論文を執筆したケースがあります。

自分のフィールドを持っている人は強いといえますね!
条件2)「2年で解ける研究」であること
次に重要なのが、
修士課程の期間で完結できるか
という視点です。
修士課程は通常2年間です。
データ収集に何年もかったり、
分析に長期追跡が必要であるなど
2年で終わらない研究テーマを定めるのは
修士課程の研究としては現実的ではありません。
(博士後期課程レベルのテーマになってしまいます)
なので2年で終わる見込みがある研究かどうかが
重要なのです。

面接対策として押さえていただきたいのは
研究スケジュールの見通しを説明できるかということ。
例えば面接試験のなかで
「修士課程2年間での研究の流れを説明してください」
と言われることがあります。
このとき絶句していると
「ああ、この研究、2年で終わらないのではないか」研究
と思われてしまいます。
そうではなく、
次のように見通しを語れるといいですね!
「はい、私はまず修士1年前期に先行研究レビューを行います。
その後1年後期で研究計画の練り直しと倫理審査を行う予定です。
修士2年前期ではインタビュー調査を行い、
夏季休暇中にデータ分析を行います。
その後修士2年後期に論文執筆を行っていきます」
こういうふうに見通しを語れると
面接官としても安心ですね!
なお、1年制修士課程の場合、
当たり前ですが「1年間で終わる研究か」という点が
シビアに見られることになります。
すでにデータをあらかた集めているのであれば
その旨をアピールすることが合格に直結するはずですよ!
条件3)「解く意味がある研究」であること
さあ、いよいよ最後の部分です。
最後の条件は、
「その研究をする意味を説明できるか」
「解く意味が本当にあるかを説明できるか」
という点です。
研究を1人で・2年で終えられるとしても
既に十分研究されていたり
社会的な意義・学問的貢献が乏しかったりする研究は
「それ、やる意味ないんじゃないですか?」
と言われかねません。
だからこそ、
「なぜこの研究を自分がやるのか」を
具体的に説明できるのが求められているのです。

例えば先行研究が行っていない視点を提示したり、
「この研究により、今問題になっている〜〜を解決する示唆が得られる」
などと説明したりすることが求められるのです。
事例)藤本の研究テーマ
「3つの条件は分かったけど、
具体的にはどんな研究をしたら良いんだろう?」
そういう疑問を持つ方もいらっしゃるかも知れません。
なので、私自身が1回目の修士課程で行った研究の例を紹介します。

私は1回目の修士課程(早稲田大学大学院)において
通信制大学の学生会組織
を研究テーマにしました。
通信制大学って基本的には個人学習が中心ですが、
地域ごとに学生会組織が結成されていることがあります。
その学生会組織のなかで情報交換や学習支援が行われています。
しかし、この学生組織については学術研究がほとんどありませんでした。
そこで私は
(1)これまで学生会組織についての学術研究が皆無に近いこと(条件3)
(2)学生会組織のあり方を調べることは今後の通信制大学における
学生支援のあり方を考えるうえで重要な示唆になること(条件3)
を修士論文内で書くほか指導教員やゼミ仲間にも説明しました。
学生会組織の研究は
通信制大学の学生の方へのインタビュー調査を行ったほか
実際の学生会組織に参加させてもらい参与観察を行いました。
これは1人でも出来ますし(条件1)、
基本的にインタビューと参与観察をするだけなので
2年間で終えられます(条件2)。
なので3つの条件に当てはまる研究となりました。

…ただ、このテーマ設定、
大学院入学時点で考えていたわけではなく、
修士課程2年の前期にテーマを設定して
大急ぎで研究を行うことになりました。
結果的に、修士2年の間に終えられる研究でホッとしているところです…。
(修士2年は鬱にもなった時期なので、
鬱期間がもう少し長引いていたら修士3年目を迎えるところでした…)
PICO・PECOと3つの条件を組み合わせよう
ここまで整理すると、
研究の型にただ当てはまるだけでなく
「1人で解けるかどうか、2年で解けるかどうか、解いて意味があるかどうか」
を現実的に考えることが重要、
ということが出来ます。
オススメなのは適当でも良いから
仮説をあれこれたくさん考えたあと
3つの条件に当てはめていくこと、です。
どれだけPICOやPECOにキレイに当てはめられても
3つの条件に合わなければ意味がありません。
なのでぜひ「3つの条件」をもとに
あなたの研究をブラッシュアップしてみてくださいね!

今回の説明はなにも修士課程だけに当てはまるのではなく
博士後期課程の研究など研究全般に当てはまります。
中でも条件3に適さない「意味がない研究」も
世の中には溢れていますので「3つの条件」に注意が必要ですね…!
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研究の型(PICO・PECO)は研究計画の整理に役立ちますが、それだけで良い研究になるとは限りません。修士課程では「一人で解けること」「2年で完結できること」「解く意味があること」という3条件が重要です。型だけでなく3つの条件にも当てはまるか考えるのが研究のポイントです!