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なんと!母校での講演の機会をいただきました!
「藤本さん、本学の学生に進路に関する話をしてもらえませんか?」
その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなりました。
今年5月、早稲田大学大学院時代の恩師・吉田文先生の研究室に久しぶりにご挨拶に伺った際のこと。
早稲田大学教育学部の卒業生を招いて、教育学部の生涯教育専攻3年の学生さんに対し、進路・キャリアに関するお話をする機会を毎年実施なさっているそうですが、今回私にご依頼をくださったのです。
思いがけないお話に、私は即座に「ぜひ!」とお返事しました。
実際に登壇するのは12月中旬。
早稲田大学教育学部の3年生を対象に、進路・キャリアに関するお話をさせていただく予定です。
自分の母校で、しかも恩師の授業で学生の前に立てる!

ホント、ありがたいなあ、と思います。
10年前に掲げた「夢」が現実に
私は今から10年前に高校教員をやめて独立しました。
そのとき、いくつか目標を書き出していました。
そのリストの中に「母校・早稲田大学で講演をする」という項目がありました。
当時は正直、「そんな日が本当に来るのだろうか」と半信半疑でした。
会社を立ち上げたばかりで、仕事もお客様もゼロ。
そもそも起業が成功するかもわかりません。
目の前の生活に必死で、母校で講演するなんて想像の彼方の夢でした。
それが今回、恩師から直接お声をかけていただき、まさにその夢が現実となることになりました。
思い描いた10年後の未来が、こうして現実になるというのは本当に感慨深いことです。

テーマ:「地方×手に職起業」で夢を広げる!
せっかくいただいた貴重な機会。
お話するからには、学生さんたちにとって「何か新しい発見」や「将来を考えるきっかけ」になる内容にしたいと考えています。
そこで設定したテーマが「「地方×手に職起業」で夢を広げる」です。
なぜこのテーマにしたのか。
そこには、今の日本の大学教育、特に首都圏の大学が抱える課題と深く関わる理由があります。
首都圏大学の「地域偏在」という現実
かつての早稲田大学は、まさに「全国区」の大学でした。
北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から学生が集まる群雄割拠の場でした。
ところが近年、事情が変わってきています。
データを見ると、早稲田大学をはじめとする首都圏私立大学の約7割以上が関東圏出身者となっており、その比率は年々上昇しています。
要因はさまざまです。
長期不況による家計負担の増加、私立大学の高額な学費、そして地方にも魅力的な国公立大学が増えたこと——。
こうした背景の中で、地方から東京に進学する学生が減っているのです。
その結果、早稲田を含む多くの私大では「東京圏生まれ・東京圏育ち・東京圏で就職・東京圏で生活」というキャリアパターンが多数派となっています。
つまり、「地方で働く」という発想がキャリアの選択肢にほとんど入っていないのです。

キャリアは「選択肢の多さ」で豊かになる
私は、人生の幸福度を決めるのは「選択肢の数」だと思っています。
多くの選択肢を持っていれば、自分に合う働き方・生き方を選ぶことができます。
けれども、若いころの私はまさに“選択肢が狭い側”の人間でした。
関西から早稲田に進学し、「東京圏で働き、東京圏で生きる」ことを当然のように考えていたのです。
「地方に移住して働く」など、想像すらしていませんでした。
当時は親への反発もあり、「地方で働く=実家に帰る」という選択肢を認めることになるので無理にでも東京圏に居続けることを前提にキャリアを考えていたのです。
そんな私の人生を大きく変えたのが、札幌勤務の辞令でした。
「札幌に行け」と言われた日から人生が変わった
大学院の修士課程2年の時。
東京圏で仕事をしたいと思っていた私は神奈川県に本拠地を持つ私立高校に採用されました。
内定通知書を見て「やった内定だ!」と喜んだ矢先、辞令に書かれていたのは「札幌学習センター勤務を命じる」という一文でした。
「え、神奈川じゃなくて札幌なの?!」
まさに青天の霹靂(へきれき)。
当時は正直「札幌かよ…」と内心イヤイヤの赴任となりました。
なにせ当時は東北地方より北には一回も行ったことがなかったので、「北海道で自分は生活できるのだろうか…」「札幌に映画館はあるのだろうか…」とヤキモキしていました。
来てみると、北海道の生活は思った以上に快適でしたし、映画館もちゃんとありました(札幌に失礼ですが…)。
東京圏でのキャリア展望しか考えていなかった私の視野が、札幌移住で根本から変わったのです。
東京の視点を地方に持ち込むだけでチャンスが。
札幌に来て感じたのは、「東京と地方の差」です。
たとえば教育関係のイベントを開くにしても、東京では同業者が無数にいます。
私は大学院生の頃、自分であれこれ教育系イベントに参加したり、自分で企画したりするなど割合にアクティブに動いていました。
ですが、同時に「自分以上の存在が常にいる」ことを痛感していました。
どんなに頑張っても、自分の「代わり」はいくらでもいる。
なので「がんばっても仕方ないのではないか」という限界も感じていたのです。
そもそも早稲田大学出身と言っても首都圏にはたくさんいますし、慶應義塾や東京大学など早稲田「以上」の学校もたくさんあります。
ですが、札幌ではどうでしょうか。
東京で身につけた知識や経験を持つ人が少なく、それだけで価値を感じてもらえる場面が多いのです。
同じことをしても、東京では“数多いうちの一人”にすぎませんが、札幌では“第一人者”になれるのです。
その上、札幌で実績を出せれば「札幌No.1」の実績で東京進出すらできてしまいます。

また、「早稲田出身」というブランドも、実は地方のほうがより有効に機能します。
なにせ周りに早稲田出身者が少ないからこそ、ただ地方に行くだけで「すごい人」であるように見えてしまうのです(学歴が役立つ数少ない瞬間です)。
つまり、「場所を変える」ことでキャリアが花開くことがあるのです。
私はこの経験を通じて、「東京で修行し、地方で活かす」というキャリアモデルの可能性を強く感じました。
特にこの経験は東京でくすぶっている人にこそ実感していただきたいと思うのです。
専門性を活かして起業する場合でも、東京だと「たくさんいるうちの一人」にしかなりません。
ですが、地方だと「その分野の第一人者」としてイキナリ話ができます。
地方新聞から取材されることも多いです。
だからこそ、地方で「手に職起業」をすることに大きな可能性があるように思うのです。
早稲田大学教育学部は「中途半端」!
早稲田大学教育学部の学生って、良くも悪くも「中途半端」なところがあります。
早稲田大学のなかでも学部の序列があり、法学部・政治経済学部に比べ教育学部の威信はかなり低いです。
しかも「第一志望が早稲田大学教育学部」という人はけっこう少数であり、多くは「第二志望以下」で進学しています。
(ちなみに私は第5志望が早稲田の教育学部でした)

(写真:早稲田大学教育学部のある16号館)
教育学部というくらいなので「教員になろう」と決意しても、教育学部なのに教員志望者はそれほど多くない現実があります。
(教職課程を取らなくても卒業できるという側面も強いです)
かといって教員育成に熱心でないとも言い切れないところがあるので、教育学部の学生は進路的にも「教員になるかならないか」「教職課程を取るか取らないか」でけっこう悩みます。
世間的には「早稲田大学に通っていてすごい」といわれても、他学部の友人と会うとなんとなく「負けた」気がしてしまうのも教育学部生の特徴です(藤本調べ)。
そのため、進路を考える際も「教員を目指すか目指さないか」「民間就職をするとしたらどの業種が良いか」をあれこれ迷うことになります。
最初から「教員養成」の色が強い学部であればここまで悩まないと思うのですが、そうでないからこそ悩む学生も多いのです。
このように教育学部は「中途半端」な存在だからこそ、鬱屈した感情を持っている学生も少なくないのではないかと思っているのです。
(私もそうでしたし…)
「地方で独立する」というもう一つの選択肢
東京で働いていると「起業」や「独立」は“特別な人がやること”というイメージがつきまといます。
「起業して大成功した事例」がありすぎるので、「自分には無理」「天才しかできない」と思いこんでしまうのです。
特に私の修士課程在学中の話ですが、早稲田大学出身で1学年上の村上太一さんが「最年少で東証一部上場」を実現したことが話題となりました。
「同じ大学に、こんなすごい人がいるなんて…」
そういう思いから自分を卑下してしまっていました。
実際、起業して若くして大成功している人はたくさんいます。
そういうのを見て「自分なんかじゃとても無理だ…」と思ってしまうことも多いかも知れません。
ただ、これはいずれも東京圏の話。
地方に行くとそのハードルがかなり下がります。
たとえば行政書士や社会保険労務士といった資格職。
あるいは、私のように「講師業」「研修業」「教育ビジネス」といった知識を提供する仕事。
地方に行くと分かるのはこういう仕事でふつうに活躍している人がたくさんいる事実です。

「起業した会社が東証一部上場」なんてことは絶対にないのがこういう「手に職起業」の世界。
正直、東京圏だと「行政書士資格をとって独立しました」といっても「それが何?」というレベルでしょう。
「アロママッサージのお店を開業しました」といっても「まあ、そういう人ってたくさんいるよね」と言われます。
でも、地方だと新たに開業することだけでも「すごい」と言われるケースがあります。
正直、なんら特殊なことをしていなくても「この分野なら〇〇さんが第一人者」と思ってもらうことも可能です。
もちろん東京にも「手に職起業」の人はたくさんいるのですが、あまりに東京圏がキラキラしすぎていて、こういう「地味」な起業モデルに目が届かないのです。
東京でくすぶるくらいなら地方に行け!
「人口減少」が言われる中でも、いまだに人口が増えているのが東京です。
東京でくすぶっていても、地方に行けば「第一人者」として活躍できることも大きいのです。
私自身、札幌で「1対1大学院合格塾」を立ち上げて仕事をしています。
ありがたいことに「社会人の大学院進学」の第一人者として扱っていただけることも多いです。
ですが、東京圏にいたとしたら正直 起業できなかったように思います。
それは東京なら「自分以外にももっとできる人がいるから…」と尻込みしてしまってただろうからです。

ちなみに私は札幌で起業していますけど、いまネットのお陰で東京圏からも受講生の方がいらっしゃいます。
また、「文章作成能力向上研修」や「ロジカルシンキング研修」、最近ですと「政策形成研修」講師としてもご依頼を頂いています。
東京圏ならそれこそ「自分以外にも適任者がいる」と尻込みしていたと思いますが、札幌・北海道だとふつうにご依頼いただけるのがありがたいところです。
なので早稲田大学教育学部3年生の方にも、「東京でくすぶるくらいなら、東京圏で修行して地方で活躍する」道があることをお伝えしたいのです。
「地方で働く=選択肢が少ない」ではなく、地方だからこそ自分の強みを活かせる道があるのです。
学生たちに伝えたいメッセージ
ここまでのことをまとめます。
12月の講義の際に早稲田大学の教育学部3年生の方にお伝えしたいと思っているのは「東京圏以外にもキャリアの可能性は無限に広がっている」ということです。
こういうと一般的には「海外展開」を勧めるように見えますが、要は東京圏以外の地方にも多くの可能性があるという事実をお伝えしたいのです。
もちろん、首都圏でキャリアを築くのも素晴らしい選択です。
けれども、「地方で働く」「地方で起業する」「地方で生きる」という道も、同じくらい魅力的で意義のある生き方だと私は思います。
特に東京圏でくすぶっているくらいなら地方でバリバリ活躍するほうが楽しいと思うのですね。
地方にこそ、自分の力を発揮できる舞台があります。
自分の専門性を活かした起業、「手に職起業」をすることで、どこでも生きていける自信が生まれます。
「地方×手に職起業」という可能性があることを、これから社会に出る早稲田大学教育学部3年生の方に知っていただければ、と思うのです。
キャリアは「正解」ではなく「発見」
学生の頃は「どの道が正解か」を考えがちです。
ですが、社会に出て10年・20年経ってわかるのはキャリアには正解がないということです。
その時に「選択肢がない」よりも「いろんな選択肢を知っている」ほうが人生は豊かになります。

私も、社会に出たときは「高校教員」として生きるつもりでいました。
修士課程で鬱になり、途中でキャリアを「投げた」こともありますが、「まあ、高校教員として行きていくんだろう」という思いがあったのです。
ですが、気づけば自分で塾を経営したり研修講師になったり、また再び大学院に行ったりするなど思いもしなかった方向に人生が広がっていました。
これは、地方での経験があったからこそです。
「自分が思っていた以外のキャリアに出会えた」ことが、私にとって最大の財産です。
だからこそ、いま想定している「東京圏での就職」以外の選択肢も知っておいていただければ、と思うのですね。
恩師への感謝と未来への誓い
今回の機会、恩師への恩返しの機会でもあります。
院生時代、研究や進路で悩んでいたとき、吉田先生が温かく支えてくださいました。
あの頃の自分がいたから、今の自分があります。
吉田先生の授業の中で、今度は「次の世代」に向けてお話ができるのがホントにありがたいです。
12月の講演では、
「地方で生きるという選択肢」
「手に職を持つというキャリア」
「夢を形にするという生き方」
この3つをキーワードに、学生さんたちの未来が少しでも広がるようなお話をしたいと思います!
吉田先生、貴重な機会を本当にありがとうございます!
準備して臨みますね!

2025年12月11日の講演の様子はこちらの実施報告記事をご覧ください↓
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母校・早稲田大学教育学部で講演する機会をいただきました。テーマは「地方×手に職起業で夢を広げる」とする予定です。いま、東京だけがキャリアの選択肢ではなく、地方にも活躍の場があります。私自身、札幌で起業して感じているのは「場所を変えることでキャリアが開ける」ということ。12月、学生の皆さんにこのメッセージを届けたいと思います!