北海道・芦別の「カナディアンワールド」を訪問しました。かつて閉鎖されたテーマパークを振興会の人々が復活・再生させている姿にとても感銘を受けました。キャリア形成においてもゼロから起業する以外に、別の事業を受け継いだり閉鎖されたものを復活させる「再生型」ともいえるキャリアがあります。再生型キャリアも魅力があるなあ、と感じました。
目次
芦別のテーマパーク「カナディアンワールド」に行ってきました!
先日、北海道芦別(あしべつ)市にある「カナディアンワールド」に行ってきました。

☆カナディアンワールド公式サイトはこちら→https://www.canadianneworld.com/
ここは『赤毛のアン』の世界観を再現したテーマパーク。
ちょうど晴れた日であり風景や建物がとても「映え」ていました!
園内では古き良き時代のカナダの雰囲気が再現されていました。

「赤毛のアン」は活発な少女の成長を描いた作品ですが、その世界観を北海道・芦別の山の中に再現しているのが印象的です。

園内はあまりに広大なのでクルマで内部を移動する形となります。


クルマで移動するので、なんだかサファリパークのようで面白いです。
『赤毛のアン』が学んでいた学校へ!
『赤毛のアン』は主人公アンの成長物語。
アンが通っていた学校も再現されていました。

こちらがその学校です↓



カナダの古い学校を再現しているのが面白いですね!
黒板と教卓があったので私も教員役をやってみました。

自分の塾には黒板がないのでなんだか「懐かしい」感じがします。
ちなみに『赤毛のアン』の続きの物語においてアンは教員になっています。
「元高校教員」の私としてもこのキャリア形成、とても興味深いなと思います。
このカナディアンワールド、芦別の街なかからクルマで10分ちょっとで着きます。


参加料はなんと「無料」。
クルマでしか回れないので「駐車場代」として500円が徴収されているだけです。
思った以上に楽しめる場所でした!
カナディアンワールド再生の歴史
このカナディアンワールドですが、実は2度ほど閉鎖しています(1回は未遂)。
カナディアンワールドが開業したのは1990年。
(ギリギリバブルの時期であり、この時期は各地でテーマパーク建設が進められました)
1991年には27万人も入場する人気スポットでしたが、その後 入場者数 減少が続き1997年に休止。
1999年から市営公園になるも入場者数の減少が続いていきました。
(ここまで2020年6月5日の北海道新聞記事)
「市は建物の老朽化で入場者の安全を担保できないなどとして昨秋(注 2019年)で閉鎖の予定だった。
しかし、存続を求める同振興会が市から土地や施設を無償で借りて運営することになり、電気設備の点検や警備などで年間運営費を150万円と見込み、クラウドファウンディングで254万円を集めた」
(2020年6月5日付け「北海道新聞」記事「カナディアンワールドあす開園 運営継承の振興会 交流人口拡大狙う」)

(園内に貼られていた新聞記事より)
この記事にあるように、カナディアンワールドは現在「カナディアンワールド振興会」によって営が行われています。
私、恥ずかしながらカナディアンワールドって「閉鎖」された施設だと認識だったので、いまこういう形で運営されていることに驚きました。
それがいま“再生”されつつあると知りとても興味深く感じます。
建物の多くはきちんと手入れされているほか、いまもあちこち修復工事をしていました。
振興会の人たちがテナントとしてお店を開いたり、手作りの案内をしたりと、温かい雰囲気に満ちていました。
当然、いわゆる「テーマパーク」のように整備がきちんとしているわけではありませんが、手作り感のある運営がなされていて好印象でした。
「また行ってみたい」という思いにもなる場所でした!

いまカナディアンワールドは春〜秋の土日祝日のみ運営されています。
(2025年度は4/26〜10/25)
ぜひ芦別方面に行かれた際、行ってみてはいかがでしょうか?
(ただし、立地上と運営上の理由でクルマでなければ絶対に行けないのでご注意を…)
再生から見える、新しいキャリアの形
このカナディアンワールドは「未遂」も入れて2度閉鎖しています。
カナディアンワールドのように一度閉鎖されたものを再び蘇らせるというのは並大抵のことではありません。
一度閉鎖されたテーマパークを再生するには、経済的な負担、人員の確保、広報戦略など多くの課題があります。
しかし、だからこそ価値があるように思います。
なにしろ、すでに建物や物品のほか運営経験がある人員がいる状態なので「ゼロから何かを始める」よりもやりやすい可能性があるのです。
このカナディアンワールドも建物などを振興会が市から無償貸与する形で運営されていますが、市からしても単に場所と建物を遊ばせておくよりは無償でもいいので使ってもらったほうが有益、と言えます。
運営している振興会からしても、ムリのない範囲で運営しているので持続可能だといえます。
こういう「再生型」の運営、すごく面白いと思います。
ゼロから何かを始めるキャリア形成だけが全てでない!
ところで、キャリア形成を考える際、「ゼロから何かを始める」選択をするケースも多いです。
例えば脱サラしてラーメン屋を始めたり(全国チェーン天下一品の創業者はこのパターンです)、自分で喫茶店を始めたり(CoCo壱番屋創業者もこのパターン)、私のように教員を辞めて塾を始めたりするのがこれです。

新しいものをゼロから作り上げるのもいいキャリアの選択肢だと言えるでしょう。
ですが、カナディアンワールドのようにすでにあるもの、過去にうまくいかなかったものを再び生き返らせるという「再生型」のキャリアも十分にありえます。
たとえば、親から家業を継いだり、後継者がいない企業を引き継いだり、閉鎖寸前の店舗や事業を再建したりするのがこれに当てはまります。
これらはまさに「再生型」のキャリアであるとも言えます。
実際、私の大学時代の先輩も会社員をしていたところ、親が急に体調を崩したことから家業を継ぐ道を選び地元に帰っていました。
こういうのはゼロから起業するのとは違い、すでに建物やモノ・働き手などがある状態でのキャリア形成となります。
ゼロから作り上げるよりもやりやすいところがある反面、大変なところもたくさんあります。
ですが、うまく行うと大きな結果を作り上げることも可能となるでしょう。
カナディアンワールド再生の挑戦はまだまだ始まったばかりだと思いますが、うまく挑戦し続けるなかでかつて以上の結果を成し遂げることもできるかも知れません。
だからこそ、再生型のキャリアにも大きな意味があるように思うのです。
そもそも現在の日本では「後継者がいないために廃業せざるを得ない」会社が多数存在しています。
なので再生型キャリアを考える意味も大きいと言えるでしょう。
ゼロから何かを始めるだけがキャリア形成ではありません。
場合によっては「再生型」のようなキャリア形成も十分ありえます。
ぜひ多様なキャリア形成のあり方を考えてみてはいかがでしょうか?
ただし、「再生型」のキャリアにおいては「経営」の知識がなければうまく行かないことが多いと言えます。
特にカナディアンワールドのように一度は失敗した場所を再生する際、適当にやっていてもうまくいくわけがありません。
その時には大学院進学などで経営学の知識や人脈づくりをしておくことが大きなカギとなります。
ぜひMBA(経営管理修士)なども取得したうえで、こういう「再生型」キャリアにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?

かつて3年間、芦別市で働き暮らして、カナディアンワールド公園にもよく行きました。建物は老朽化していても、考えてみれば減価償却はとっくに終わっているわけで後はゲイン一択ですよね(^^)。大観光地の富良野市からも車で30分、温泉ホテルやキャンプ場も近くにあります。潜在能力はまだまだ高いと見ています。
コメントありがとうございます!
芦別で暮らしていらっしゃったんですね!
たしかに「ゲイン一択」という見方でみると可能性がつまっていますね!