目次
「ChatGPTに任せればいいや…」と安易に考えていませんか?
「ChatGPTに任せれば文章を書いてくれるんだから、もう作文力は不要だよね?」
いまChatGPTをはじめとした生成AIが普及しています。
ちょっとした文章やイラスト・画像でしたら一瞬で作成してくれます。
また業務上の報告書などもすぐ作ってくれるようになっています。
そういういま「文章はAIが書いてくれるから、もう人間がライティングスキル(作文力・書く力)を身につける必要はないのでは?」という声を耳にすることが増えました。
ですが、これ、大きな誤解です。
AI時代だからこそ、逆に人間の側がライティングスキルを高める重要性が増しているのです。
私自身、大学院受験対策の個別指導塾(1対1大学院合格塾)を運営するなかで、その重要性を痛感しています。
今回は、AI時代にライティングスキルを高めるべき3つの理由をお伝えします。
AI時代こそライティング・スキル(書く力)を高めるべき3つの理由
理由1)AIを使いこなすには「指示文を書く力」が必要!
ChatGPTを始めとする生成AIは、どんな指示にも何らかの返答を返してくれます。
ですが、どんな指示をするかによって回答のレベルは大きく変わってきます。
回答内容が「使えるかどうか」は、入力する指示文(プロンプト)に大きく左右されるのです。
たとえば、
「転職に役立つ自己PR文を書いて」
という曖昧な指示よりも、
「あなたはベテランキャリアコンサルタントです。私は社会人5年目の営業職で転職を希望しています。外資系金融企業に提出する自己PR文を作成したいです。以下の3つのポイントを盛り込んでください……」
などと明確な明確な指示を出すことで、より的確な文章が得られます。
つまり、AIにわかりやすく伝える力=ライティング力が求められるのです。
また、句読点の使い方や主語・述語の関係、接続詞の整理など、基本的な日本語力のある人ほどAIを上手に扱えるという現実があります。
『アテンション・エコノミーのジレンマ』という本にも次の指摘があります。
「生成AIを使いこなすためには、人工知能にどう入力するか――プロンプトという言い方をします―――が重要です。
普通の人は大体ひと言・ふた言ぐらいしか書き込みませんが、それでは実は生成AIの良さをほとんど引き出せないのです。
入力するところには数千字、GPT-4 に至っては数万字、書けます。
より適切に細かく書けば、その分だけ巧妙に答えてくれるわけです。
つまり、生成AIを使うためには、ちゃんとした文章を書かないといけない。
「アナログは古い、これからはデジタルだ」という時代が久しく続いていましたが、生成AIが登場してきたいま、なんと蓋を開けたら、「最新型の人工知能を使うには超アナログな能力が必要だった」ということです。」
(山本龍彦ほか『アテンション・エコノミーのジレンマ』KADOKAWA, 2024, Kindle版269/393頁)
つまり文章力がある人ほどChatGPTをはじめとする生成AIを適切に使用できる、と言えるわけです。
ChatGPTの指示文(プロンプト)にはペルソナパターン設定やトリガープロンプトという技術があるとよい結果が出力されるようになります。
先程の例ですと「あなたはベテランキャリアコンサルタントです」と出力する文章の書き手がどういう人格かを定めています。これをペルソナパターン設定といいます。
また、「以下の3つのポイントを盛り込んで…」と指示をしています。こういう細かな設定をトリガープロンプトと言います。
ChatGPTを使いこなすにはペルソナパターン設定やトリガープロンプトなどの技術を身に着けるのが有益です!
理由2)AIの出力結果を正しく判断・修正するためにも必要!
ChatGPTなどの生成AIは、まるで「それらしく」文章を書いてくれます。しかしそこに落とし穴も。
AIはあくまで言葉と言葉の前後のつながりを学習しているに過ぎません。
なので、ときにとして事実と異なる情報(ハルシネーション)を堂々と提示してしまうことがあります。
つまり、AIの出力を「鵜呑みにする」のではなく、
- この情報は正しいか?
- 表現は適切か?
- 日本語として自然か?
といった批判的な目で内容をチェックし、必要に応じて修正できる力が必要になります。
たとえば、いま大学や大学院で問題になっているのはChatGPTが出力したレポートや志望理由書をそのまま提出してしまう学生の存在です。
これ、一見すれば分かりやすく論理的に書けているように見えますが、大学教員から見れば「あ、これはAIが書いたものだな」とすぐにわかってしまうのです。
整いすぎた表現であったり、曖昧な主張であったり、「取ってつけた感」のあるように感じられたりするなど、ChatGPTで作った文章には「AIっぽさ」が漂うのです。
こういう要素があると、せっかくのレポートも評価が下がってしまいます。
これは業務における報告書や企画書などにも当てはまります。
だからこそ重要なのはChatGPTが出力した内容を自分でチェックし修正する力があるかどうか、です。
AIの表現の違和感に気づき、修正できるのは人間のライティングスキルだけです。
このスキルが無ければChatGPTを使うことがマイナス評価につながってしまうのです。
理由3)「手書き」で評価される機会が増えてくる!
逆説的ですが、生成AIが当たり前になったことで、「手で書くこと」による評価が重視される傾向が強まっています。
たとえば、大学院入試や就職試験の一部では、今もなお「小論文」や「作文」を紙に書かせる試験が行われています。
これは、AIの使用を防ぐという目的もあるでしょうし、「パソコンやスマホを使わずに、正しく思考できるか?」という根本的な能力を見ようとしているといえます。
また、近年では書類審査やエントリーシートの内容についても、「これは自分の言葉で書かれているのか?」がチェックされています。
ChatGPTで作った文章かどうかは、意外と伝わってしまうものなのです。
それに、たとえば出願書類にAIを使って「整った文章」にしていても、当日の小論文入試でグチャグチャな文章を書いているなら、出願書類自体の評価も下がってしまうことになるのです。
つまり、AI時代であっても、いやAI時代だからこそ、「自分の力で書ける人」が評価される時代に突入しているのです。

だからこそ、「大人のためのライティングスキル講座」開講!
このように、AIに指示をするためにも(理由1)、AIの出力結果をチェック・修正するためにも(理由2)、手書きでの能力試験に合格するためにも(理由3)、AI時代こそ自分の力で書く力(ライティング・スキル)が求められていると言えるでしょう。
そのため、私が運営する「1対1大学院合格塾」では単に大学院の合格だけを目指すのではなく、受験合格後・大学院修了後にも役立つライティングスキルをお伝えしているわけです。
ます!
AIに頼りきりになる前に、あなたの文章力を磨こう!
AIは私たちの強力なパートナーです。
ですが、使いこなすのはあくまで人間であるあなた自身となります。
ライティングスキルはあなたの人生のあらゆる場面で活かされる「一生ものの武器」になります。
生成AIが発達すればするほど、それを活用し、正しく判断し、自分の言葉に変えて発信できる力が問われるようになります。
AI時代に埋もれないために、あなた自身のライティングスキル、今こそ高めていきませんか?
ChatGPTなど生成AIの普及により、逆説的ですが人間のライティングスキルを高める必要性が増しています。それは適切にChatGPTに指示するためにも、また出力結果をチェック・修正するためにもライティングスキルが必要ですし、試験の際にAIを使わずに説明する能力が判定される機会も今後深まるからです。ぜひ今の間にライティングスキルを高めませんか?