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「大学」ではない「省庁大学校」の謎!
「大学校ってなんだろう…?」
日本には「大学校」と呼ばれる学校が存在します。
これは文部科学省が管轄をしている「大学」ではなく、文科省以外の省庁が設置・管轄する「大学」的な教育機関となっています。
それぞれの省庁が特定の分野での専門教育を提供する場所となっています。
(こういった学校を「省庁大学校」と呼んでいます)

中には卒業時に「学士相当」として扱われるものもあり、一般の大学と同等の資格を得ることができるものもあるほか、在学中から「給料」が支払われる場所もあります。
今回は、文科省以外が設置した学校の中で「学士相当」とされる7校を紹介します!
1. 防衛大学校(防衛省)
概要
防衛大学校(防大)は、防衛省が設置している大学校です。
将来の幹部自衛官を養成することを目的としています。
神奈川県横須賀市に位置し、一般の大学と同じ4年間の教育課程を提供しています。
設立は1952年です。
4年間の教育課程のある「本科」は「大学」扱い、その後の「理工学研究科」「総合安全保障研究科」は大学院相当とされています。

写真はWikipedia
特徴
- 学生は「学生」ではなく「防衛大学校生徒」として扱われ、「学生手当」の名称で給与が支給されます。学費徴収もありません。
- 入学試験ではなく「採用試験」と呼ばれています。採用試験なので受験料は無料。なお、採用試験では身体検査も課せられます。
- 卒業後は幹部候補生として陸・海・空自衛隊に配属されます。卒業後1年目は幹部候補生学校に1年入校し将来の幹部自衛官となるなることが期待されています。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
2. 防衛医科大学校(防衛省)
概要
防衛医科大学校(防医大)は、防衛省が設置している医療系の学校です。
将来の自衛隊医官を養成するための教育を行っています。
医学科(6年制)と看護学科(4年制)のほか、大学院相当の医学研究科の3つの学科から構成されています。
埼玉県所沢市に所在しています。
設立は1973年です。
医学科では6年間の教育課程を修了後、国家試験に合格すれば医師免許を取得できます。

写真はWikipedia
特徴
- 防衛医科大学校でも学生は「学生」ではなく「防衛大学校生徒」として扱われ、「学生手当」の名称で給与が支給されます。学費徴収もありません。
- 国家試験合格後は、自衛隊の医官として勤務する義務があります。
- 防衛大学校同様、受験料は無料です。
出典:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E5%8C%BB%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
3. 海上保安大学校(国土交通省)
概要
海上保安大学校(海保大)は、国土交通省が設置した学校です。
将来の海上保安官、特に幹部職員を養成することを目的としています。
広島県呉市に位置し、4年間の教育課程を提供しています。
1951年に海上保安庁の附属施設として設置されました。

写真はWikipediaより
特徴
- 学費は不要な上、学生には給料が支給されます。
- 卒業後は海上保安庁に就職し、幹部候補生としてキャリアをスタートします。
- 海洋法、船舶運航技術、海難救助、環境保護などの専門教育を受け
- 海上保安庁の訓練船を用いた実習が豊富です。
出典:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E4%BF%9D%E5%AE%89%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
4. 気象大学校(国土交通省)
概要
気象大学校(気大・気大校)は、国土交通省が設置した学校で、気象庁の技術職員を養成するための教育を行っています。
千葉県柏市に所在し、4年間の教育課程があります。

写真はWikipedia
特徴
- 気象学、地球科学、環境科学などの専門知識を学びます。
- 卒業後は気象庁に採用され、天気予報や災害対策業務に従事します。
- 学費納入は不要な上、給料も支給されます。
出典:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E8%B1%A1%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
5. 水産大学校(水産庁)
概要
水産大学校は、水産庁が設置した学校です(水産庁は農林水産省の外局)。
日本の水産業を支える人材を育成することを目的としています。
山口県下関市に所在し、4年間の教育課程があります。
ほかに修業年限1年の専攻科と修業年限2年の研究科(大学院修士課程に相当)が存在しています。

写真はWikipedia
特徴
- 船舶運航、漁業技術、水産資源管理、食品加工など幅広い分野を学びます
- 実践的な海洋実習が豊富で、漁業船を活用した訓練が行われます。
- 卒業後は水産業界や公務員として活躍する道が開かれます。
- なお、学費納入が必要となります。
出典:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%94%A3%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%A0%A1
6. 職業能力開発総合大学校(厚生労働省)
概要
職業能力開発総合大学校(能開大)は、厚生労働省所管の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する学校です。
職業訓練指導員や技術者の育成を目的としています。
東京都小平市に位置し、4年間の教育課程があります。

写真はWikipedia
特徴
- 工学系の高度な専門技術教育を提供しています。
- 卒業後は企業や職業訓練施設で活躍することが期待されています。
- なお、学費納入が必要となります。
7. 国立看護大学校(厚生労働省)
概要
国立看護大学校は、厚生労働省所管の独立行政法人国立国際医療研究センターが設置した学校です。
将来の看護師や看護教育者を養成することを目的としています。
東京都清瀬市に所在しています。
4年間の教育課程があります。

写真はWikipedia
特徴
- 看護学を専門的に学びます。看護師国家試験の受験資格を得ることができます。
- 国際的な医療・看護分野での活躍を視野に入れた教育を実施しています。
- 一般の大学の看護学部と同等の学歴とみなされます。
- なお、学費納入が必要となります。
まとめ
これらの「大学校」は、一般の大学とは異なる設立背景を持っていますが、いずれも高度な専門教育を提供し、多くの卒業生が社会で重要な役割を果たしている学校です。
行政機関や独立行政法人による運営であるため、卒業後の進路がほぼ確定している点が大きな特徴です。
特に、通うことで「給料が支給される」というのもすごいですよね…!
進学を考えるとき、文科省所管の「大学」だけでなく「大学校」も視野に入れることで自分に合ったキャリアの道を見つけることができるかもしれませんね!
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大学ではない教育機関である「大学校」。文科省所管でない「省庁大学校」は防衛大学校・防衛医科大学校・海上保安大学校・水産大学校・商業能力開発総合大学校・国立看護大学校などがあります。なかには学費無料・給料支給の場所もあるのが面白いですね!