福沢諭吉の勉強法。適塾でのむさ苦しい学びが明治の知識人を生み出した!

一万円札の顔・福沢諭吉。

福沢諭吉は若い頃、
大坂の適塾で学んでいました。

それも「寝る時以外は全部勉強」という
壮絶な勉強を行っていたのです。

 

福沢諭吉は適塾のトップになりますが、
そういう努力が明治の知識人を生み出したのですね。 

 

今回はそんなお話です。

福沢諭吉の壮絶な勉強法。

一万円札の顔・福沢諭吉。




慶應義塾大学を作ったことでも有名ですし、
明治の日本を支えた知識人としても
高名な人物です。


そんな福沢諭吉は若い頃、
どんなふうに勉強していたか
ご存知でしょうか?




福沢諭吉の自伝『福翁自伝』には
江戸時代末期における福沢の勉強方法が
克明に描かれます。

  

若き福沢諭吉は故郷・大分県の中津を離れ
大坂(のちの大阪)の適塾で学んでいました。

適塾とは
蘭方医・緒方洪庵(おがたこうあん)が開いた
蘭学の塾です。

オランダ語の学習のほか、
オランダ語を通じた科学技術・医学を
学んでいた場所だったのです。

寝ている時以外は常に勉強!


適塾において福沢諭吉は
【寝ている時以外は常に勉強】
という勉強漬けの毎日を送っていました。

その証拠とも言える描写が
『福翁自伝』には残されています。




ある時、福沢諭吉が少し風邪気味になり
体力回復のために布団で寝ようと考えます。

ところが、
探しても枕が見つかりません。

(当たり前ですが、江戸時代の枕はこういうのではありませんので念のため)


そこで気づいたのは
ふだん布団も枕も使わないで
生活していた、という事実です。



福沢諭吉は
1日中勉強していました。

寝る暇も惜しんで勉強に没頭していたのです。

あまりに疲れ切ったら
そのまま机に突っ伏して眠り、
起きたらまた勉強する。


そんなリズムを
ずっと続けていました。




なのでこれまで枕を使う機会が
まったくなかったことに
改めて気づいた、というエピソードです。

…正直、「本当なの?」と
ツッコみたくなるエピソードですが、
本人が言っている以上 真実なのだと思います。

オランダ語の辞書の争奪戦。

さて、この適塾には
オランダ語の辞書が1冊しかありませんでした。

鎖国体制下では
なかなか教材が揃わない上、
当時は現在のような出版制度がないので
本や辞書は貴重品だったのです。

塾に1冊しかないこの辞書、
皆が使えるタイミングを狙っていました。



そういう点でも
寝ているヒマが無かったのです。



適塾のテスト


この適塾では10日に1回
輪読(りんどく)が行われます。

オランダ語のテキストのうち
自分が担当する場所について
正しい解釈ができるかが
輪読の中でテストとして行われます。



成績がいいものは上のクラスに進むことができます。




福沢諭吉はこの適塾で
一番上のクラスに進み、
トップの成績を修めていました。

その努力が福沢諭吉の実力を
高めていったのでしょう。

適塾での勉強はむさ苦しい・・・。



ちなみにこの適塾、
いまも大阪に残っています。

大阪大学が管理しています)

適塾は2階建てであり、
福沢諭吉たちが生活したのは
この2階にあたります。

基本的に大部屋です。

塾生のスペースは大部屋の
畳1〜2枚程度のスペース。


そこに机を置いて
ひたすら学んでいたわけです。

夏場は裸で勉強を…。

私も見学にいったのが夏の時期だったのですが、
適塾の2階は相当蒸していました。

福沢諭吉たちがいたときも
同じような状況だったのでしょう。



なので『福翁自伝』には
夏場はほぼ裸で勉強した、
というエピソードも
書かれています。

…当たり前ですが
エアコンも扇風機もない
夏場の大阪の2階で

汗をダラダラ流しながら
若者がほぼ裸で1日中勉強しているというのは
ちょっとグロテスクです(笑)



その苦労があったからこそ
福沢諭吉は明治の日本を代表する
知識人に成長できたのだと思います。

今回のポイント


江戸時代の勉強風景を知ると
今の時代のありがたさがよく分かる!

今の時代、学習環境はムチャクチャ良くなっている!!


こういう江戸時代末期の勉強環境を見ると
いまの私たちの学習環境は
非常に恵まれているのを実感します。

部屋にはエアコンなり扇風機なりがありますし、
辞書も本屋さんに行けばいくらでも売っています。

何だったら
お風呂に入りつつ
スマホで講義動画を観て勉強することもできます。


なので江戸時代の強烈な学習環境を知ると、
「もっと勉強しないとな…」
という思いが湧いてきます。


勉強に飽きた時は
「江戸時代の人たちは
 どうやって勉強していたのだろう…」
と想像すると

やる気も高まって
楽しいと思いますよ!

ではまた!


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