目次
クラーク博士「少年よ、大志を抱け」の名言の裏側。
北海道大学の前身・札幌農学校。
その札幌農学校の初代教頭として活躍したクラーク博士の活躍は現在の北海道大学にも伝わっています。

クラークといえば「少年よ大志を抱け」という名言が有名ですが、この名言、どんな状況で話されたかご存知でしょうか?
今回は「少年よ大志を抱け」との名言がどんな状況で話されたのかを見ていきましょう!
クラーク博士と札幌の絆
クラークは、1876年に札幌農学校(現在の北海道大学)に初代教頭として招かれました。
クラークはアメリカのマサチューセッツ農科大学の校長。
そんなとき、明治政府に請われて新設の札幌農学校で勤務することになります。
大学には「サバチカル」という研究休暇があるのですが、クラークはサバチカルを利用して来日し教頭職を全うしたのです。
農学を中心にクラーク自身も授業を行いました。
その際には専門知識の教育だけではなく、キリスト教主義に基づく教育など人格育成にも注力していました。
休みの日には自ら聖書講義をするほか、学生に声をかけて近隣の山々へのフィールドワーク(登山)をすることも。
登山中に新種の植物を発見することもあるなど、研究者としても熱心に取り組んでいました。
他にも日常から学生と関わり、寒くてポケットに手を突っ込んでいる学生には雪玉をぶつけ「どうだ、体を動かして暖かくなったろう」と話すなど、ふだんから茶目っ気があった人物でした。
(ちなみにクラークの投げる雪玉はものすごく固くて痛かったそうです…。
この雪玉、「クラーク玉」と言われています)
こうした授業内外での関わりがあったからこそ、札幌農学校1期生とクラークとの絆は深いものになりました。
島松の別れ
そんなクラークにも別れの日が。
規定の期間を終え、クラークが日本を去ることになるのです。
1877(明治10)年4月16日。
クラークは札幌農学校から教え子とともに街の外れ・島松(しままつ)まで道を歩んできました。

ここからはクラークは教え子たちに最後のあいさつをします。
それが有名な言葉
「Boys be ambitious, like this old man!」
です。
「少年よ、大志を抱け!この老人のように!」
馬上、こう教え子に語ったクラークが一人去っていくのです。
最後の挨拶でも強烈な印象を教え子に与えたクラーク。
おそらく感動的な光景だったことと思われます。
帰国後も関わり続けたクラーク博士
クラークはアメリカ帰国後も手紙などで当時の教え子と交流を重ねていきました。
「札幌で過ごした9ヶ月間こそ、私の人生で最も輝かしいときだった」
晩年にそう言っている通り、クラークにとっても札幌農学校での1年は人生に大きな影響を与えたわけです。
(アメリカ帰国後のクラークは事業の失敗など挫折を繰り返すことになりますが、札幌農学校の金の思い出は晩年まで残り続けたようです)
現代に生きるクラーク博士の遺産
今でも、クラーク博士の名前は北海道の人々の心に深く刻まれています。
実際、札幌の北海道大学キャンパス内にはクラーク博士の銅像が立っています。
この銅像は、博士が学生たちに与えた影響と、その後の日本の教育に対する貢献を象徴しています。

クラーク像(筆者撮影)
(羊ケ丘展望台にあるものとよく混同されています・・・)
さらに、札幌ドーム近くにある羊ケ丘展望台では、博士が手を広げた姿を模した像があり、訪れる人々にその精神を伝えています。

この像の前で記念写真を撮る人も多いです。
かくいう私も10年以上前に撮りました。

(なんか若い…)
クラークの精神を学べたような気がしています。
教え子が記録して初めて有名に!
“Boys, be ambitious!”
この名言、実は最初まったく有名ではありませんでした。
一説には、札幌農学校1期生の大島正健(おおしま・まさたけ)の著書『クラーク先生とその弟子たち』が出るまでは誰もこの名言を知らなかったといいます。

実際、クラークが来日していた期間はたった8ヶ月間でしたし、クラークはそんなに道外あちこちにいったわけではないのでクラークの存在を知らない人も多くいました。
クラークの教え子が日本中で活躍し、クラークとの関わりを本にまとめたからこそこの名言は蘇ったのです。
しかも、本書が出たのはクラークが離日して10年以上経ってからのこと。
クラークが語った一言が、長い年月にも耐えて冊子にまとめられ、いまや日本中の人が知るようになりました。
こういうことを考えると、教育の意義を実感します。
まとめ!クラークの精神を受け継ぐ!
クラーク博士の「少年よ、大志を抱け」という言葉は、時を経ても色あせることなく人々に影響を与え続けています。
その精神は、今も北海道大学などに息づいています。
北大キャンパス内にも「クラーク会館」という建物や大学案内にクラークのイラストが描かれるなどクラークの存在はいまも大きいです。

(クラーク会館)
クラークが残した言葉を胸に、私たちも自分自身の大志を見つけ、挑戦し続けていくことが求められていますね!
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クラーク博士は札幌農学校の初代教頭として、「少年よ大志を抱け、この老人のように!」という名言を残しました。この名言は彼が日本を去る際、教え子たちへの別れの言葉でした。最初、まったく有名でなかったこの名言、教え子の大島正健の本で紹介されたことで日本中の人が知る名言となったのです。ここに教育の意義を実感します。