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大学院は単に知識を得るだけの場所ではない!
大学院進学を考える際、多くの社会人の方は単に専門知識の習得やキャリアアップを目的にしています。
ですが、これは大学院で学べることの一部に過ぎません。
大学院というのは結局のところ、自分で論文を書き上げる力、それも「修士課程」修了者に求められるレベルの論文を自力で書き上げる力を身につけるところです。
大学院がカルチャーセンターや資格取得の専門学校と違うのは自分で論文を書ける力、言い換えれば「研究力」を身につけられるところです。
大学院で情報生産者になる!
元・東大教授の上野千鶴子(うえの・ちづこ)さんは『情報生産者になる』という本を書いています。
大学院に通うことは単に情報・知識を受け取るだけの人間から情報・知識を「生産」する側の人間に成長することを意味します。
情報・知識を「生産」する側になることで、情報・知識をより深く理解できるようになるのです。
また「生産」する側になるからこそ気付けること・見いだせることが必ずあるのです。
研究手法を学ぶことは仕事や今後のキャリアに直結する!
実は、大学院で研究手法を学ぶことがどのように仕事や今後のキャリアに役立つかについては、見落とされがちです。
研究手法を学ぶことは単なる学術的なスキルに留まらず、ビジネスや日常の問題解決能力にも大きな影響を与えるからこそもったいない限りです。
この記事では、研究手法を学ぶ意義と、それがキャリアにどのように貢献するかについて解説していきます。
1. 問題解決能力が向上する!
研究手法を学ぶことで、論理的かつ体系的に問題を分析し、解決策を導き出す能力が身につきます。
これは仕事において複雑な課題に対して根拠に基づいたアプローチを行う際に非常に役立ちます。
例えば、業務上のデータを適切に収集・分析して意思決定に活かすことができれば業績の向上やプロジェクトの成功に貢献することができます。
他にも、なにか職場で解決したい問題がある場合、大学院で身につけた研究手法を用いることで客観的かつ論理的に必要なデータを見出すことができます。
大学院で学んだ方法を応用することで、問題を解決することができるのです。
以前、私はある社会人の方に大学院進学の意義をインタビューしました。
その方が話していたのも、「アカデミアの世界に触れて、研究の作法を学ぶことができたのは大きな収穫でした」という内容でした。
職場ではなかなか研究手法や作法を学ぶ機会がありませんが、大学院では「イヤ」というほどこれらを身につけることができます。
特に、問題解決に向けた論理的な思考とデータの活用は、現場での意思決定にも直結していきます。
大学院で学ぶ研究手法が仕事でも大いに役立つのです。
2.大学院では量的調査・質的研究を身につけられる!
大学院では研究手法として、文系分野では量的調査(統計・アンケートなど)や質的調査(インタビュー・参与観察など)を学習することになります。
実はこの分野、いまビジネスにおいても重視されていることです。
(1)量的調査はデータアナリストに必要不可欠!統計に強くなれば職場で大活躍できる!
特に量的調査について、近年その価値はますます高まっています。
『統計学が最強の学問である』というタイトルの本があるように、近年 統計分析の重要性は飛躍的に高まっています。
「ビッグデータ」や「データアナリスト」という言葉をよく聞くことがありますが、まさに統計分析をし今後の意思決定をできる人材が近年急速に求められているのです。
現代のビジネス環境では、データに基づいた意思決定が非常に重要です。
大学院で学ぶ統計学や定量分析などの研究手法は、日々の業務や長期的なプロジェクトにおいて、データを適切に活用する力を養います。
例えば、マーケティングデータや顧客のフィードバックを基にした市場分析、経営戦略の策定においても、データドリブンなアプローチは欠かせません。
実際、「リスキリング」目的で大学院に進学する人の一定数は統計分析の知識を身に着け、データアナリストとして活躍することを目指しています。
こういう統計分析の専門家として活躍できるのも大学院に行く価値の1つです。
(2)質的調査の価値も年々高まっている!
量的調査の価値が上がるのと同時に、そうではない調査、つまり質的調査の価値も上がっています。
質的調査というのは統計やアンケートと違い、直接は数字で表せない分野の研究のことを言います。
インタビューで話された内容、調査している集団の人たちの考え、調査をする自分自身の変化の研究など、「数字で表せない」ことのなかに多くの真実が隠れているのです(社会学や文化人類学ではこういった分野を重視します)。
実はいま、「テキスト分析」の形で文字情報を機械的に研究できるようにもなってきました。
数字ではなく文字で書かれた情報の関連性を数字で分析することが可能となったのです。
この研究の成果が、ChatGPTなどの生成AIに活かされています。
テキスト分析が存在する状況、一見すれば質的調査の価値が下がるように見えますが、そうではありません。
こういった数字的処理だけでは言い表せない部分を言語で研究する意義が逆に高まっているのです。
例えばアンケート調査において自由回答欄に書かれた内容を読み込む場合を考えてみましょう。
背後にある内容を推測し考察することで隠れた事実が明らかになることもあるのです。
こういうスキルを身につけられるのも大学院に行く価値であると言えます。
(質的調査が天才的にうまい人はこういう背景への考察がめちゃくちゃ優れています。
東大の見田宗介先生がまさにこういう方でした。
『まなざしの地獄』などの作品に描かれています)
3. 批判的思考力の養成
研究手法を学ぶことで、物事を批判的に考え情報の信頼性を評価する力が身につきます。
仕事の現場では、多くの情報が飛び交い、その中で正確な判断を下すことが求められます。
研究手法を通じてデータや情報を批判的に捉える力を養うことで、リスクを減らし正確な意思決定を行うことが可能になります。
例えば、新しいプロジェクトに取り組む際、直感だけに頼るのではなく、客観的なデータや過去の研究を基にした判断を行うことが求められるでしょう。
様々な手法を批判的に検討することで最適な手法を見出すことができます。
研究手法を学んだことで、このような視点を持ち続けることができ、信頼性の高い結果を生み出すことができます。
4. 学術的リソースを活用した新たな視点
大学院で学ぶ研究手法は、業務に直結する学術的な知識を活用する力も与えてくれます。
学術論文や最新の研究成果を基に、業務に役立つ知見を得ることが可能です。
たとえば、ある分野における最先端の技術や理論を取り入れたプロジェクトの企画・運営において、学術的なリソースの活用が大きな成果を生むことがあります。
場合によっては「産学連携」のような形で企業と大学とが連携して研究を進めることもできるのです。
5. 長期的なキャリア形成にも役立つ!
大学院で学ぶ研究手法は、修了後のキャリア形成にも大きな影響を与えます。
例えば、リーダーシップを発揮する場面では、論理的かつデータに基づく意思決定が非常に重要です。
チームやプロジェクトを成功に導くための戦略を練る際、研究手法を活用することで、客観的かつ効果的なリーダーシップを発揮できます。
研究手法を学んだ経験は、リーダーとしての信頼性を高めるだけでなく、将来的なキャリアの多様化にも繋がります。
たとえば、コンサルタントとしてのキャリアを目指す際、分析能力や問題解決力は非常に高く評価されるはずです。
まとめ!大学院で研究手法を学ぶことは仕事にもキャリア形成にも役立つ!
大学院で研究手法を学ぶことは、学術的な知識だけでなく、仕事やキャリアにおける重要なスキルを育むことにも役立ちます。
問題解決能力や調査方法、批判的思考力を身に付け、学術的なリソースを活用する力が今後のキャリアアップや新たな挑戦に大きな武器となります。
研究手法の学びは、あらゆる職業や業務において応用できるスキルであり、長期的なキャリア形成にも貢献するものです。
ぜひ、この機会に大学院での学びを通じて、自己成長とキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか?
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大学院で学べるのは単なる専門知識やスキルだけではありません。研究手法を学び「情報生産者」になれることが最大のメリットです。研究手法を学ぶことは問題解決力や批判的思考力を養い、仕事やキャリアアップに大いに役立ちますよ!