目次
受講生からのうれしい報告
先日、私の塾の受講生の方からとても嬉しい連絡をいただきました。
その方は社会人として大学院の修士課程に進学。
無事修了された後も研究を続けていらっしゃる方です。
ご連絡の内容は、この夏に行われた全国学会で発表をなさったというものでした。
大学院を修了した後も研究活動を続け、学会という公の場で発表されているということ。

これ、本当に素晴らしいなと思いますし、修了なさってからもご連絡をいただけること、とても嬉しく感じています。
こうした知らせをいただくと、大学院の持つ社会的な意義、そして研究の成果を社会に還元していくことの大切さを改めて感じます。
全国に約2,000の学会が!
さて、日本には研究者が100名以上 会員として参加しており、対外的にも「学術団体」として認められている学術学会(学会)が約2,000存在しています。

文系・理系問わず、多くの分野に学術学会が存在しています。
さらには会員数が100人名未満のミニ学会も多数存在しています。
(こちらはニッチなテーマの学会であることや「北海道〇〇学会」のように地域性の強い学会である事が多いです。
また、「学会」といわず「◯◯研究会」という名称で活動しているケースもあります)
これらの学会ではそれぞれ年に1回以上「全国大会」を実施しています。
実際、私が通っている北海道大学でも各学会の全国大会が開催されています。
正門前に「日本◯◯学会 全国大会」などという看板が掲げられていることも多いです。

学会発表のメインは大学院生。
学会発表について考える時、
「こういう学術学会って、発表するのは偉い先生が中心ですよね?」
という考えを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、学会発表の中心は修士・博士課程の大学院生です。
もちろん大学教員や研究職の人も発表しますが、特に多いのは「これから研究者を目指す人」の発表です。
それは学会発表がアカデミックキャリアにおける実績として重視されるからです。

学会発表・論文投稿がアカデミックキャリアに直結する!
学術学会で発表をすることや学術論文をこれらの学会に投稿・掲載することが研究者としての「実績」に直結します。
大学・大学院で講師/教授などのアカデミック・ポストに採用されるためには、こういった実績をどれだけ積んでいるかがポイントとなるのです。
そのため、大学院在籍中に積極的に学会発表に挑戦することは、研究を広げるだけでなく、自分のキャリアを切り拓く重要な一歩となるのです。
特に「大学院修了後は社会人をしながらどこかの大学で非常勤でもいいから教えてみたい…」という思いを持っている方は、ぜひとも学会発表に挑戦すべきなのです。
(非常勤講師によっては学会発表・論文投稿の経験無しで採用されることもありますが、専任講師や准教授・教授などを目指す際はこういう経験がなければ採用されません)
だからこそ、せっかく大学院に進学したならどこかの機会で学会発表に挑戦してみることでキャリアの選択肢を広げていけるわけです。

学会発表の時に知り合った研究者とのつながりで非常勤や専任講師の仕事が決まることも実際にあります。
学会発表に必要な長期的準備
「大学・大学院で教える仕事もしてみたいから学会発表にチャレンジしたい!」
そう思う場合、まず気をつけるべきは学会発表には長期計画が必要だということです。
学会発表というと、「研究内容があればすぐできる」と思われがちですが、実際には半年〜1年くらいの準備が必要です。
なぜなら、多くの学会では発表の半年ほど前に研究題目(タイトル)の提出が求められ、さらに数か月前には抄録(研究の要約)の提出が必要になるからです。
つまり、発表の1ヶ月前に思いつきで準備したとしても発表はできませんし、計画的に取り組むことが求められるのです。
長期計画が必要という点は、学術論文の投稿とも共通しています。
論文の場合も半年ほど前に論文タイトルの提出などが求められることも多いので計画的に仕上げていく必要があるからです。
おすすめのパターン
「いつか学会発表に挑戦したい…」
その場合にやるべきことをステップごとにご紹介します。
ステップ1)各学会の全国大会に参加する!
「学会発表をいつかやりたい」と思った場合、まずやるべきことはその年に行われる各学会の全国大会に申し込むことです。
学会のサイトを調べてみると、全国大会の日程がまとめてあるはずです。
まずは調べてみて、参加してみるのをおすすめします!
(全国大会なので場合によっては遠方で行われることになりますが、臆せず参加してみるのがおすすめです)
別にまだ大学院に入っていない状態であっても問題ありません。
まずは各学会の全国大会に参加してみましょう!
(学会発表に参加するだけなら学会の「正会員」でなくても参加できます)
学会の雰囲気や研究内容をみたうえで「自分はこの学会で発表できそうかどうか」を探ってみるのが良いでしょう。
なお、あなたが修士課程に在籍している場合、自分の指導教員が参加している学術学会を教えてもらい、その学会の全国大会に参加するのが一番早いです。
また、指導教員に質問して「自分の研究テーマに合いそうな学会はどこか」教えてもらうのもいいでしょう。
ステップ2)学会の正会員になる
実は学術学会で学会発表をするには各学会の「正会員」になる必要があります(例外もありますが)。
正会員になる場合 年会費が必要となります(数千〜数万円)。
そのため、まずはステップ1で示したように一度その学会の雰囲気を探ってみたほうがいいでしょう。
さらに、正会員になるには「他の正会員からの推薦」が必要になることも多いです。
その点、一度全国大会に参加し何らかの人間関係を作ることができていれば推薦もしてもらいやすくなるでしょう。
ステップ1において指導教員に相談してみることをお伝えしたのは指導教員から推薦をもらいやすくなるからです。
学会発表するにも論文投稿をするにも、正会員でなければ受け付けてもらえません。
なのでこのステップ2を大事にしてみて下さい。
ステップ3)学会発表を申し込む
正会員になったあと、初めて学会発表に申し込むことが可能となります。
ぜひ臆せずチャレンジをしてみましょう!

ステップ4)論文を用意したうえで学会発表をする
実際に学会発表をする際、おすすめなのは「論文投稿」もセットに行うことです。
せっかく学会発表をしたのに論文投稿をしないのはもったいないです。
なので、「学会発表した内容をもとに論文を作成し、論文投稿をする」ようにしてみて下さい。
一番いいのは論文の形で発表内容をまとめ、その論文を元に発表をすることです。
その場合、発表の形で論文にまとめた内容についてダメ出しを受けたりアドバイスをもらえたりできるからです。
指摘を受けた内容をもとに論文を修正すれば、投稿する論文のクオリティを高めることもできるのです。
ステップ5)学会発表での指摘をもとに修正したうえで論文投稿する
ステップ4でお伝えしたように、学会発表で指摘された内容をもとに論文を修正してから論文を投稿してみましょう。
そうすると論文が掲載されやすくなるはずです。
各学会が発行する学術雑誌は「査読」(さどく)を行っています。
査読というのはその学会に参加している研究者が匿名で論文の内容を批評する制度のことをいいます。
匿名で論文を判断し、その学会の学術雑誌に掲載してもいいかどうかを判断していくわけです。
全国大会で学会発表をする場合、他の研究者からアドバイスを受けることで査読を突破しやすくなることでしょう。
ステップのまとめ
いかがでしょうか?
「いつか学会発表をしたい」と思っていても、突発的に挑戦できないのが学会発表の大変なところです。
この5ステップを参考に、計画的に学会発表に挑戦してみてくださいね!
フジモトの学会発表経験
ちなみに私も、これまでにいくつか学会発表を経験してきました。
特に印象に残っているのは、大学院を修了した後 通信制高校で勤務しながら行った日本通信教育学会での発表です。
自分の教育実践をもとに研究をまとめ発表をしました。
その際はこのステップ4・ステップ5に書いたように、発表内容を論文にまとめそのまま論文投稿にもチャレンジしました。
無事掲載されたとき、大きな達成感を得ることが出来ました。
全国大会が東京の四谷だったため、土日の休みを活かし札幌から飛行機で参加したのも印象に残っています。

もちろん、学会発表と論文投稿の準備はまあまあ大変でした。
発表準備をし、それをもとに論文を書き直す作業は時間も体力も必要でした。
ですが、その経験を通じて得られた学びやフィードバックは、今でも私の財産になっていますし、本業においても役立ちました。
一方で、うまくいかなかった学会発表もあります。
独立・開業して3年目のときに参加したある学会では、その学会の主要な研究テーマと異なる学会発表をして「場違い」な感じになってしまいました。
案の定、投稿した論文もリジェクト(却下)されてしまいました。
それでも、失敗を含めた経験がいまの研究や仕事に活きているように感じています。
学会発表の魅力とメリット
学会発表の魅力は多岐にわたります。
- 研究の客観的評価を得られる
発表を通じて、研究の穴や不足点を指摘してもらえます。これは独学では得にくい学びです。 - ネットワークの拡大
同じテーマや関連分野の研究者とつながることができます。
特に大学院在学中、または修了直後の研究者にとって、人脈形成の貴重な機会です。 - モチベーションの向上
自分の研究を他者に伝えることで、「もっと深めたい」という意欲が湧きます。 - 社会的な還元
研究成果を社会に伝えること自体が、学びを還元する重要な行為です。
こうした点から考えると、大学院に進学した以上、学会発表に挑戦しないのは非常にもったいないと言えます。
社会人大学院生こそ挑戦を!
特に社会人大学院生にとって、学会発表は大きな価値を持ちます。
仕事や家庭と両立しながら研究を進めるのは大変ですが、その中で得た知見や実践は、多くの人にとって新鮮で貴重なものです。
例えば、教育現場での実践研究、企業での実務経験を活かした調査研究などは、社会人ならではの強みとなります。
そうした研究を学会で共有することは、アカデミックな世界に新しい視点をもたらすことにつながります。
(実際、教育実践を学会発表で報告する現職教員は多くいます)
自分のやっている研究を他の専門家に知ってもらえること、アドバイスをもらえること。
これは非常に役立つ知見につながるはずですし、自分のやってきた研究を社会に還元する取り組みにもなります。

また、学会は全国大会だけでなく、地方大会や分科会もあります。
比較的小規模な場から始めることで、発表の経験を積みやすくなるはずです。
大学院内部でも研究発表会があることが多いため、まずはそうした場で練習するのも良いでしょう。
学会発表は8〜9月/2〜3月に集中する!
ちなみに学会発表が多く行われるのは大学院の授業が休みに入る夏(8〜9月)や冬(2〜3月)の時期が多いです。
この時期は全国規模の学会が集中して開催される傾向があります。

なので社会人の方が学会発表に挑戦する場合、夏や冬の時期にあらかじめ予定をあけておくと良いかもしれません。
また、発表のための参加費も大学院生であれば割引が適用される場合が多く、社会人学生にとっても参加しやすい制度になっています。
ぜひ、こうした機会を積極的に活用してみてくださいね!
まとめ!学会発表に挑戦する意義
今回、受講生の方から「学会で発表しました」という報告をいただき、改めて学会発表の意義を考える機会となりました。
学会発表は時間も労力も必要ですが、その分だけ得られる学びや成長は大きなものです。
社会人として大学院に進学すること自体が挑戦ですが、その先にある学会発表はさらに自分を鍛え、キャリアを広げるチャンスとなります。
自分の研究を多くの人に知ってもらい、議論を通じてさらに磨きをかけていく。
これこそが大学院で学ぶ醍醐味のひとつではないでしょうか。
ぜひ、大学院に在籍している方、あるいは進学を考えている方は、学会発表という新しいステージに挑戦してみてください。
その経験は、必ずやあなたのキャリアと人生を豊かにしてくれるはずですよ!

「大学院受験の対策方法をもっと詳しく知りたい…」
そういうあなたのために、
「本当に知りたかった!社会人が大学院進学をめざす際、知っておくべき25の原則」という小冊子を無料プレゼントしています!
こちらからメルマガをご登録いただけますともれなく無料でプレゼントが届きます。
データ入手後、メルマガを解除いただいても構いませんのでお気軽にお申し込みください。
なお、私ども1対1大学院合格塾は東京大学大学院・早稲田大学大学院・明治大学大学院・北海道大学大学院など有名大学院・難関大学院への合格実績を豊富に持っています。
体験授業を随時実施していますのでまずはお気軽にご相談ください。
(出願書類の書き方や面接対策のやり方のほか、どの大学院を選べばいいのかというご相談にも対応しています!)
お問い合わせはこちらからどうぞ!
























先日、受講生の方から「学会発表しました」との嬉しい報告をいただきました。大学院を修了しても研究を続け、発表をすることって本当に素晴らしいですね!学会発表は修士・博士課程の学生が中心に行い、研究実績がキャリア形成に直結します。発表には半年程度の準備が必要ですが、論文投稿や他の研究者とのつながりも得られ、社会人大学院生にとっても大きな成長の機会となります。挑戦する価値は十分にありますよ!