未来予測の方法!10年前のデジタルガジェット本はいま読んでも役に立つか?

藤本研一

Digest!
本棚や図書館で時折目にするのが
デジタルガジェットについての古い本です。

10年くらい前に書かれた『iPad徹底活用術』のような本、
一見すると今読んでも役立たないような気がしますが、
【10年で何が変わり、何が変わっていないか】に着目すると
未来予測をするのに大変役立ちます。

ドラッカーがいう「すでに起こった未来」に着目するこのやり方、
ぜひやってみてはいかがでしょうか?

デジタルガジェット系の古い本、本棚に眠っていませんか?

本棚をふと見ると、
10年前に買った
「iPad徹底活用術」や

「iPhone活用ガイド」などという本が
いまだに眠っている…。



そういうことはないでしょうか?

私、引越しが趣味なので
ほぼ1~2年に一度引越しをしています。


その度に本棚の裏側あたりから
こういうデジタルガジェットについて書かれた
古い本を見つけることがあります。

10年前の本は賞味期限切れ?!

本棚に限らず、
ブックオフや図書館などには
時折10年くらい前に書かれた
「iPad徹底活用術」や「iPhone活用ガイド」
などが置かれていますよね。

一般的に観て、10年前のデジタルガジェット本なんて
賞味期限が切れているように思えてしまいます。


ですが、決してそうではありません。

10年前の技術を知ることで
これからの時代の変遷を
なんとなく予想できからです。


タイムトラベル読みを実践しよう!

「タイムトラベル読み」を知っていますか?

以前、私は記事のなかで
「新聞のタイムトラベル読み」という方法を
紹介しました。



大きめの図書館に行くと、
過去の新聞が縮刷版として
保存されているコーナーがあります。

そこに行き、
今日の新聞→10年前の新聞→20年前の新聞などと
10年ごとにさかのぼりながら新聞を読んでいく、

という方法です。


たとえば今日が2024年の2月25日なので、
(1)きょうの新聞
(2)2014年2月25日の新聞
(3)2004年2月25日の新聞
(4)1994年2月25日の新聞
(5)1984年2月25日の新聞
…と10年ずつさかのぼりながら新聞を見ていくのです。



内容を意識して読む必要はありません。

ただめくっていくだけでも構いません。



こういうふうにただめくっていくだけでも
意外と発見があるものです。

タイムトラベル読みで、変化する部分・変化しない部分を知る!

私もいぜん「タイムトラベル読み」を行った時、
意外と10年経って変わらない部分と
一気に変わった部分の差に気づき
印象的でした。



新聞のタイムトラベル読みは
デジタルガジェット系の古い本を読む際にも
有効なやり方です。

デジタルガジェット関係の
古い本を読むのは

「ここ10年間で何が変わり
 何が変わっていないか」

を知るうえで役立つのです。


オトバンク社長の『ノマド出張仕事術』

ちょうど手元に
『ノマド出張仕事術』という本がありました。

オーディオブック事業大手の
オトバンク社長の上田渉さんが
2010年に出した本となります。


テーマは
【スマホ・ノートパソコン・iPadをフル活用し、
 出張先をオフィスにしよう!】
というもの。

当時はスマホ(iPhone)とiPadが
じわじわ普及し始めた時期です。


その時期に
デジタルガジェット活用により
いつでも・どこでも・出先でも
仕事をスムーズに行う方法を
説明した本です。



なかには
「出先ではコンビニのコピー機をプリンターとして使う方法」の
ようにいまでは「定番」となった方法のほか、

「出先でFAXを受け取る方法」など、
いまではあまり重要性が下がった方法も書かれています。


ほか、出先でWifiを使うのも
「当たり前」になったので、
オススメのWifi接続サービス一覧のような特集記事などは
賞味期限が過ぎてしまっています。


こういう場所には「古さ」を感じるのですが、
【スマホ・ノートパソコン・iPadをフル活用し、
 出張先をオフィスにしよう!】
という主張自体は現在も通用します。

むしろiPadの技術が高まり、
ノートパソコンを使わなくてもiPadだけで
仕事が成立するようにもなっていますので

「ここ10数年で一気に状況が変わったんだな〜」
「著者が言っていることが一般化したんだな〜」

としみじみ実感します。

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古い本から今後の変化を予測する!

こういう古い本を読むと
10年でどういう変化があって
逆にどういう部分に変化がないのか
イヤでも気づきます。


そこをもとにすると
これから10年後
世の中はどう変化するか、
逆にどういう部分が変化しないのかも
考えやすくなるのです。

今回のポイント


デジタルガジェットについての古い本も、
これからの変化を予測する意味で役に立つ!

ドラッカー流 未来予測の方法!

経営学者ピーター・ドラッカーは
未来予測について興味深い意見を述べています。

それは未来を予測するには
「すでに起こった未来」に着目すべき、
という意見です。

多田治『旅と理論の社会学講義』では次の説明が書かれています。


「『ドラッカー×社会学』をテキストに使った授業で
 学生の反応が多かったのは、
 井坂さんのこのイラストです。

 「前向き」は、未来ではなく過去を向く、
 というものです。

 未来のことは誰もわからず、
 わかっているのは過去です。

 だから通念とは逆に、
 我々は過去の方へ、
 前を見ているというのですね。

 過去はすでに起こったことであり、
 反省して理解することができます。

 未来を知るために、
 むしろ過去を活用する。

 歴史を知ることの重要性にもつながります」
 (多田治. 旅と理論の社会学講義. 公人の友社, 2023年. 33-34頁)

☆イラストはこちらを参照↓


(多田治『旅と理論の社会学講義』33頁より引用)

   ☆『旅と理論の社会学講義』の詳細とお求めはこちら
    

「すでに起こった未来」に着目する!



未来のことは誰もわからない。

だからこそ、未来を知るためには
「すでに起こった未来」である
現在・過去に注目する必要がある、とドラッカーは述べます。

現在・過去の事例を分析することで
今後どのような変化が生じるかを
知ることができるからです。

なので
デジタルガジェット系の古い本を読むのも、
今後の変化を知るために意外と役立つのです。

本棚に古いデジタル技術の本が眠っている方、
パラパラとで構いませんので
読んでみるのがオススメですよ!

意外と発見がありますので!


ではまた!


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