あなたの職場、チームワークはどうですか?
突然ですが、
あなたの職場、
チームワークはいかがですか?
職場において
メンバー間のチームワークが良いと
仕事もしやすいですよね。
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成果も上がりやすいですし、
何より楽しく仕事が出来ます。
ただ、このチームワークについて
興味深い研究が行われています。
有能なチームほどミスが多い事実。
以前もご紹介した
『恐れのない組織』のなかに
次の話が紹介されています。
著者であるエイミー・C・エドモンドソンさんが
病院内において職員のミスに関して調査をしていたときのこと。
病院内での
医療者チームのチームワークの良さ(有能さ)
ミスの報告件数を分析していきました。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/03/hospital2-1-1024x678.jpg)
その中であることに気づいたのです。
「ミスについてのデータとアンケート調査のデータが
すべて集まった当初、私は胸を踊らせた。統計の分析を始めたところ、
別個に集められた誤り率(注 ミスの報告率)と
チームの有能さの程度との間に有意な相関関係のあることが
すぐにわかったのだ。ところがその後、詳しく検討して、
おかしなことに気がついた。相関関係の方向が、予想と全く逆だ。
どうも、有能なチームほど、
そうでないチームに比べてミスを多く
(少なく、ではなく)
しているように思われる」
(Kindle版33/346ページ)
病院においてチームワーク能力が高い
有能なチームほどミスを多くしている…!
これ、不思議といえば不思議です。
…この話を聞くと
「チームワークがいいと
メンバー間で雑談ばかりしているから
集中力が欠けてミスに繋がるのではないか」
と思われるかも知れません。
あるいは
「チームワークがいいと
雑な仕事をするようになるのではないか」
と思う人もいるかも知れません。
有能なチームほど正直にミスを報告していた!
このデータを分析していて
著者はあることに気づきます。
「その後、私はハッとひらめいた。
有能なチームには率直に話す風土があって、
気軽にミスを報告したり話し合ったりできるのだとしたら
どうだろう。
不意に私は思った。優秀なチームは、ミスの数が多いのではなく、
報告する数が多いのだ、と」
(Kindle版34/346ページ)
チームワークが良いチームほど
正直にミスを報告していたのではないか…?
逆に、チームワークが良くないチームほど
ミスをほとんど報告しなかったのではないか…?
この仮説を確かめるべく、
別の研究者も交えて
再度検討してみました。
「優秀なチームのメンバーは、
ミスの可能性について率直に話していた。ミスに気づいて回避するための
新たな方法を見つけようとしているケースも
多々あった。数年後、私はこの風土の違いに、
「心理的安全性」と名前をつけた」
(Kindle版35/346ページ)
※引用にあたり一部カットした部分があります
チームワークのいいチームほど、
ミスを隠そうとせず
率直に話をしていたのです。
仮説が見事に証明されたわけです。
ということは…。
チームワークが良くないチームでは
ミスを隠す傾向がある、
ということも明らかになりました。
よく考えるとこれ、
すごく怖いことですよね…。
実際、ミスしたことを
ただ叱責されるようなチームだと
よほどの大きなミスでなければ
隠そうとしてしまうことでしょう。
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その結果、深刻な医療事故が起きるなど
大きな問題が発生してしまうことになるのです。
ハインリッヒの法則によると。
「ハインリッヒの法則」というものがあります。
これは労働災害の分野においての
事故の発生についての法則です。
1件の重大な事故の背後には
重大事故に至らなかった
29件の軽い事故が隠れているといいます。
さらにその背後には300件の軽いミス、
いわゆる「ヒヤリハット」(ヒヤッとしたりハッとしたりする異常状態)が
隠れている、というものです。
(参考:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=115)
チームワークがいい組織では
軽いミスのレベルから
報告・相談がなされているので
結果的に大きな事故はあまり起きません。
一方、チームワークがよくない組織では
軽いミスや事故は隠されていき、
大きな事故が起きてしまうことになるのです。
さあ、あなたの職場、
ミスを報告しやすい環境に
なっているでしょうか?
大きな事故を防ぐためにも
一度考えてみてくださいね!
今回のポイント
ミスを叱責する組織だと
ミスはどんどん隠される…!
ミスを聞いた時、あなたはどうは反応していますか?
人間、生きて仕事をしていれば
かならずミスをしてしまうものです。
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でもそのときに
チーム内で報告・相談しやすい組織か
すぐに隠してしまう組織かで
ミスをした後の結果は大きく異なります。
ミスをしたときに
叱責される組織だと
往々にして人はミスを隠すようになっていきます。
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ご自身がリーダーの方は
ミスの報告を聞いた時
どのように対応しているか考えてみると
良いかも知れません。
「何をやっているんだ!」
と叱責していると、
だんだん周りはミスを隠すようになり、
最終的には重大事故が発生してしまうことでしょう。
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イヤな報告ほど笑顔で受けよ!
ミスの報告をまずは笑顔で受け止め、
「どうやったら解決できるか」
「どうやったらミスを防げるか」
一緒に考えていけることが
重大事故を防ぐことにもなるわけです。
要するに、
イヤな報告ほど笑顔で受ける度量が
リーダーには求められるわけですね!
リーダーの方もそうでない方も、
仕事の質を高めるため
「イヤな報告ほど笑顔で受ける」習慣、
つけてみてはいかがでしょうか?
(私も身につけたいです…)
ではまた!
Digest!
『恐れのない組織』には
チームワークが良い組織ほど
ミスの報告件数が多いという
事実が書かれています。
こう聞くと、チームワークが良いほど
雑な仕事をしているような印象ですが、
実際はチームワークが良いほど
細かなミスもみなで共有するという流れが
存在しているようです。
ミスを隠さず共有できる。
それが後々の重大事故を防ぐ上でも有益ですね!