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フジモトが大学・大学院時代に研究してきた内容は?
私は大学/大学院において
脱学校論という分野を研究していました。
脱学校論というのは
イヴァン・イリイチという思想家が
『脱学校の社会』という本を出したことに
端を発する研究分野です。
教育について考える際、
私たちは無意識的に
「学校をどうやって変えれば教育は良くなるか」
と学校の存在を前提にして考えています。
イヴァン・イリイチはこの発想を
批判的に考えました。
実は学校がない方が
本来的な学びや
本来的な教育が可能になるのではないか。
そのように提案したのです。
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イヴァン・イリイチ(写真はWikipediaより)
教育における権力関係。
イヴァン・イリイチが脱学校論を
提唱した背景には「権力関係」の存在があります。
教育においては
何らかの権力性が発生します。
それは教員が生徒の成績や学習態度を評価し、
その評価が進学・就職先の試験にも
活用されることからもわかります。
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学校において生徒が自由に学ぼうとしようとしても
成績評価づけという権力関係が
必ず存在します。
こういう権力が発生する場合、
なかなか楽しく学んだり
自由に勉強したりしにくくなってしまうのです。
このように学校の存在はある意味で
「権力関係」を背景にしています。
その権力から抜け出て
より自由な学びのあり方を考える。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2023/04/learn-1024x684.jpg)
これを考えるヒントとなるのが
脱学校論です。
つまり、脱学校論においては
学校というものを前提とせず、
「学校がない場合
どのような教育的関係が可能か」
を考えていくわけなのです。
☆脱学校論についてさらに知りたい場合、
孫泰蔵さんの『冒険の書 AI時代のアンラーニング』が
入門書として役立ちます!
脱学校論を研究してきたことが、いまの塾につながっている。
さて、大学・大学院生時代に
脱学校論について研究していたこともあり、
私はいぜんから教育の持つ権力性が
気になってきました。
どうやったら権力関係を超えた
教育や学びが可能になるのだろうか…?
この思いが強かったことが、
高校教員をやめることにもつながりました。
独立して塾を作ってからも
この思いは続きました。
当初 小中学生を想定した塾を運営していましたが、
いまでは社会人の方の大学院進学対策の塾に
変化していったのも
教育の持つ権力性を考え直すためでもあります。
小中学生向けの塾の場合、
学ぶ人とお金を出す人は分かれます。
保護者がお金を出し、
子どもが塾で学ぶことになります。
なので子どもからすると
「親が行けというからしぶしぶ塾に行く」
という権力的な関係性になりやすいのです。
(うちの塾ではそうならないように
努力はしていましたが…)
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ところが、社会人向けの塾の場合、
学ぶ人とお金を出す人は同じです。
誰かに言われてしぶしぶ勉強するのではなく
自分の意志で学ぶことになります。
自分が勉強をしたいからこそ、
自分の意志で塾に通う。
そうなると
権力関係を乗り越えた
学びが可能となります。
学び手とお金を出す人が一致し、
自分の目標や夢実現のために進学する人ばかりなので
権力的でない形で
学びが成立するのです。
結果的に現在の自分の塾での取り組みが
権力関係を乗り越えた学びのあり方に
近づけていればいいな、
と思っているところです。
自分なりの答えを見出した件。
権力的関係を超えた
自由な学びのあり方をつくるには
どうすればいいか。
大学・大学院時代に
ずっと考えてきたことが
現在 自分の塾の運営につながっているとすれば
ありがたいことです。
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これは私が大学・大学院時代に
脱学校論という分野を研究してきたことへの
1つの答えであるようにも
感じています。
今回のポイント
自分がもっと深く追求したい内容。
大学院進学を機に研究していきませんか?
大学院進学は今後の生き方を考えるのに役立ちます!
自分がじっくり考えたいことを深めるチャンスが大学院進学!
今回、私が大学・大学院で研究してきたことと
現在の塾での取り組みの連続性について
書いてきました。
大学院に進学することは
自分の専門性を深めることにつながります。
それが出世や転職などの
キャリアアップにつながるわけですが
大学院に進学する目的は
決してキャリアアップだけにあるのではありません。
自分が興味関心を持っているテーマについて
深く考えて
「今後自分はどうしていったら良いか」
を考える機会にもなるのです。
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…今回の記事、ずいぶん
「硬い」内容になってしまいましたね(笑)。
大学院院進学を目指す際
単にキャリアアップ目的で進学するのではなく
自分の生き方につながる内容をテーマにおいて
研究していけると楽しくなるものです。
自分がもっと深く考えたいことや
何らかの答えを出したいテーマについて
大学院で研究していく。
この点からも大学院進学、
考えてみていただけましたら幸いです。
ではまた!