大学院時代の研究内容が、いまの塾運営につながっている件。

藤本研一

フジモトが大学・大学院時代に研究してきた内容は?



私は大学/大学院において
脱学校論という分野を研究していました。


脱学校論というのは
イヴァン・イリイチという思想家が
『脱学校の社会』という本を出したことに
端を発する研究分野です。

教育について考える際、
私たちは無意識的に
「学校をどうやって変えれば教育は良くなるか」
と学校の存在を前提にして考えています。

イヴァン・イリイチはこの発想を
批判的に考えました。

実は学校がない方が
本来的な学びや
本来的な教育が可能になるのではないか。

そのように提案したのです。


イヴァン・イリイチ(写真はWikipediaより)

教育における権力関係。

イヴァン・イリイチが脱学校論を
提唱した背景には「権力関係」の存在があります。

教育においては
何らかの権力性が発生します。

それは教員が生徒の成績や学習態度を評価し、
その評価が進学・就職先の試験にも
活用されることからもわかります。

学校において生徒が自由に学ぼうとしようとしても
成績評価づけという権力関係が
必ず存在します。


こういう権力が発生する場合、
なかなか楽しく学んだり
自由に勉強したりしにくくなってしまうのです。


このように学校の存在はある意味で
「権力関係」を背景にしています。

その権力から抜け出て
より自由な学びのあり方を考える。

これを考えるヒントとなるのが
脱学校論です。


つまり、脱学校論においては
学校というものを前提とせず、
「学校がない場合
 どのような教育的関係が可能か」
を考えていくわけなのです。

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脱学校論を研究してきたことが、いまの塾につながっている。


さて、大学・大学院生時代に
脱学校論について研究していたこともあり、
私はいぜんから教育の持つ権力性が
気になってきました。

どうやったら権力関係を超えた
教育や学びが可能になるのだろうか…?

この思いが強かったことが、
高校教員をやめることにもつながりました。


独立して塾を作ってからも
この思いは続きました。


当初 小中学生を想定した塾を運営していましたが、
いまでは社会人の方の大学院進学対策の塾に
変化していったのも
教育の持つ権力性を考え直すためでもあります。


小中学生向けの塾の場合、
学ぶ人とお金を出す人は分かれます。

保護者がお金を出し、
子どもが塾で学ぶことになります。

なので子どもからすると
「親が行けというからしぶしぶ塾に行く」
という権力的な関係性になりやすいのです。

(うちの塾ではそうならないように
 努力はしていましたが…)

ところが、社会人向けの塾の場合、
学ぶ人とお金を出す人は同じです。

誰かに言われてしぶしぶ勉強するのではなく
自分の意志で学ぶことになります。

自分が勉強をしたいからこそ、
自分の意志で塾に通う。

そうなると
権力関係を乗り越えた
学びが可能となります。


学び手とお金を出す人が一致し、
自分の目標や夢実現のために進学する人ばかりなので
権力的でない形で
学びが成立するのです。



結果的に現在の自分の塾での取り組みが
権力関係を乗り越えた学びのあり方に
近づけていればいいな、

と思っているところです。

自分なりの答えを見出した件。


権力的関係を超えた
自由な学びのあり方をつくるには
どうすればいいか。


大学・大学院時代に
ずっと考えてきたことが
現在 自分の塾の運営につながっているとすれば
ありがたいことです。

これは私が大学・大学院時代に
脱学校論という分野を研究してきたことへの
1つの答えであるようにも
感じています。



今回のポイント


自分がもっと深く追求したい内容。
大学院進学を機に研究していきませんか?
大学院進学は今後の生き方を考えるのに役立ちます!

自分がじっくり考えたいことを深めるチャンスが大学院進学!

今回、私が大学・大学院で研究してきたことと
現在の塾での取り組みの連続性について
書いてきました。

大学院に進学することは
自分の専門性を深めることにつながります。

それが出世や転職などの
キャリアアップにつながるわけですが
大学院に進学する目的は
決してキャリアアップだけにあるのではありません。



自分が興味関心を持っているテーマについて
深く考えて

「今後自分はどうしていったら良いか」

を考える機会にもなるのです。



…今回の記事、ずいぶん
「硬い」内容になってしまいましたね(笑)。



大学院院進学を目指す際
単にキャリアアップ目的で進学するのではなく
自分の生き方につながる内容をテーマにおいて
研究していけると楽しくなるものです。

自分がもっと深く考えたいことや
何らかの答えを出したいテーマについて
大学院で研究していく。

この点からも大学院進学、
考えてみていただけましたら幸いです。


ではまた!


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