「言うべきなのになかなか言えない…」をどう解消するか?『恐れのない組織』にみる心理的安全性の作り方!

藤本研一

Digest!
仕事の中で言うべきことがあるのに、
相手との関係が気になってなかなか言えない…。

これってよくありますよね。
エイミー・C・エドモンドソン『恐れのない組織』には
こういったことで重大なミスが起きる事例が
たくさん書かれています。

防止するには「心理的安全性」をいかにつくるか。
結果的に雑談に時間とお金を投資していたほうが
職場における重大な指摘もしやすくなりますよ!

「言うべきことがなかなか言えない…」と悩んでいませんか?


会議中、気になることがあっても
周りの顔色が気になって
なかなか発言ができない…。

上司が問題発言をしていても
それを正せない…。

こういうことって
ないでしょうか?

上下関係がしっかりしている組織であればあるほど
なかなか自分の意見って
口に出しにくいですよね…。

私も高校教員として組織で勤務していた時
実感することがけっこうありました。

また、いまもいろんな会に参加する中で
こういったことが気になることが
しばしばあります。


組織って色んな人がいるからこそ
なかなか言うべきことが言えないことって
多いです。

『恐れのない組織』で心理的安全性についてを学ぶ。

…ただ、
それが大問題を発生させることがあります。

いま『恐れのない組織』という本を読んでいます。

職場など組織の中に
〈何を言っても問題がない〉という
「心理的安全性」があるかどうかで
組織のパフォーマンスが大きく変わってくることを
述べた著作となっています。


タイトル通り、
組織内のメンバーへの信頼感があり
人間関係への「恐れのない」組織をいかに作っていけるかを
研究している本なのです。

読んでいて
「ああ、こういうことってるよな…」と
たいへん勉強になる本です。

  ☆『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』
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「言うべきこと」が言えなくて、赤ちゃんに命のキケンが…?!

『恐れのない組織』のなかには
新生児集中治療室(NICU)にいる
赤ちゃんを担当する看護師(クリスティーナ看護師)の
事例が出てきます。


早産児である赤ちゃんを
現在担当するクリスティーナ看護師。

クリスティーナ看護師は最近の研修で
「NICUの早産児に対して
 肺の発達を促すサーファクタントという薬を
 できるだけ早く投与することがベスト」
であると学んでいました。

ですがドレーク医師はクリスティーナ看護師に対し
サーファクタントの投薬を指示していませんでした。

「あれ、この状況だと
 肺の発達を促すサーファクタントを投与すべでは?」

とは思うものの、なかなか医師に言い出せない…。


こういう事例が冒頭に出てきます。

このときクリスティーナ看護師はこう思います。

「クリスティーナは自分に言い聞かせた
 ーーなにか理由があってドレークは
 サーファクタントを使わずにいるに違いないし、
 いずれにせよ、判断するのは医師であるドレークだ、と」

(『恐れのない組織』Kindle版25/346ページ)

本文はこう続きます。

「そして彼女は、問題を提起するという考えを
 追い払ってしまった。

 それに、ドレークは朝の回診のために、
 白衣をひらめかせ、
 すでにきびすを返してしまった」

(『恐れのない組織』Kindle版25/346ページ)


本当はサーファクタントと投与すべきであると
わかっているのに、
医師との関係性が気になってなかなか口に出せない…。


この事例はあくまでフィクションですが
似たような状況、あなたの職場でもないでしょうか?

相手との関係が気になって、言うべきことが言えない…。

看護師の立場から医師に対し
なかなか言いづらいというのはよくわかります。


(私も前の職場で経験があります)



でもこういう状況が頻発していると
患者の命が危うくなります。




もし、この状況の時に、
職場の中で「何を言ってもよい」という
心理的安全性があれば話は変わります。

気軽に

「ドレーク先生、
 こういう状況において
 サーファクタントを投与したらいいのではないかという
 論文を読んだことがあるのですが、
 こちらの投与の指示もご検討いただけますでしょうか?」

などと言うことができるかもしれません。

あるいはもっとくだけて

「先生、肺の発達を促す
 サーファクタントも投与しておきましょうか?」

と伝えられるかも知れません。

どちらにしてもコミュニケーション1つで
赤ちゃんの命が左右されてしまいます。

改めて、コミュニケーションしやすいかどうかという
「心理的安全性」の重要性を感じます。

今回のポイント


あなたの職場、心理的安全性はありますか?
業務の遂行は日頃のコミュニケーションの質にかかっている!

個人レベルでもできることはある!

『恐れのない組織』のなかには
心理的安全性を作るための
リーダーシップのあり方などが描かれます。

心理的安全性のある組織に変えられるかは
組織を変えていきたいという
リーダーの思いがあるかどうかが大きいようです。


ですが、
個人のレベルであっても取り組めることは多くあります。

例えばふだんビジネスライクな会話しかしていない相手なら
相手の趣味や休日の様子のほか、
これまでの仕事での取り組みや
場合によっては家族構成を聞くのも
いいかも知れません。

逆に自分の方から自分の趣味や家族構成などを
雑談的に話すのもいいですね。

仕事以外の話もできると、深い仕事の話もしやすくなる!

こうやってその人と仕事以外の話もできると
結果的に仕事においての重要な指摘
(先の事例でいうサーファクタントを投与すること)も
言いやすくなります。

仕事において重要な指摘をするには
ふだんの人間関係のあり方が
大きく問われているのです。

つまり、雑談のようにくだらない内容を話せる関係性のほうが
重い内容も伝えやすくなることも多いのです。

雑談に時間とお金を投資する!

なので仕事においては
「雑談する」「相手と何でも話せる人間関係を作る」ことに
時間とお金をある程度投資していたほうがいいのだろうと思います。


すっかり昭和的な仕事のあり方になりましたが、
職場で関わる人と飲みにいくという
「飲みニケーション」も
お酒が好きな人であれば人間関係を深める上で
有効ですよね。

(甘いものが好きな人と
 スイーツを食べに行くのも有効です)

正直、こういう関わりを意識的にしていたほうが
イザ仕事において何か重要なことを話すときにも
やりやすさが変わってきます。

心理的安全性のある関わりをするために、
意識的に仕事の関係者と
雑談や食事をする。

これも大事ですね!

ぜひ何か参考にしてみてください。

(私も心がけます…!)

ではまた!


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