ドラッカー『チェンジリーダーの条件』Part4 1章〜2章 読書会レジュメ

本書は『はじめて読むドラッカー』シリーズ
三部作の2冊目です。

「自己実現編」
「マネジメント編」
「社会編」と続く「マネジメント編」が本書です。

 

「企業はマネジメントが大事だ」

とよくいいますが、
そもそも「マネジメント」という概念を
作り出したのがドラッカーなのです。

読書会の中で
ドラッカーのマネジメント理論を
一緒に学んでいければ幸いです!

 

ドラッカー『チェンジ・リーダーの条件』読書会vol.3

2018年12月21日(金)13:00-15:00
@札幌駅前 作文教室ゆう
☆お申込み・詳細はこちら

【範囲】
Part4 1章〜2章(113-158ページ)

Part 4 マネジメントの基礎知識

1章 マネジメントの常識が変わった(113-)

 

出典:『明日を支配するもの』(1999)
「第1章 マネジメントの常識が変わる パラダイム転換」

☆この部分については
こちらのレジュメも参考にしてみてください。

▼パラダイムは不変ではない(113)

・「社会科学では、
前提や仮定がそのままパラダイム、
すなわち支配的な理論となる」(113)

→このパラダイムが現実を規定する

→パラダイムの前提について
分析も研究もされず、疑問も抱かれない。

→そのため実務家は
パラダイムに従って行動する。

・そもそも人間社会には
不変の法則はない。
「昨日有効だった前提が突然無効となり、
さらには間違いとなる」(113)

・「マネジメントのような社会科学において重要なことは、
何を前提とするかである。
しかも、前提となるものが変化するということである」(114)

・これまで真実とされてきたマネジメントの前提:

(1)組織運営上の前提
1−1 マネジメントとは企業だけのためのもの
1−2 組織の正しい構造は1つ
1−3 人をマネジメントする正しい方法は1つ

(2)事業経営上の前提
2−1 技術と市場のニーズは不可分
2−2 マネジメントの範囲は法的に規定される
2−3 マネジメントの対象は国内に限られる
2−4 マネジメントの領域は組織の内部にある

▼マネジメントは企業だけのためのものか(114)

・マネジメントは企業だけを指す、という誤解は
大恐慌下において起こった

・「マネジメントも企業のマネジメントだけではないことを
確認しなければならない」(115)

・マネジメントについて当然とすべき第一の前提:
「あらゆる組織にとっての体系であり、
機関であるということである」(115)

▼組織の正しい構造は1つか(116)

・マネジメント研究において
「正しい構造とされるものは何度か変わった」(116)

・しかし「もはや万能の構造などというものは、
存在しえないことを認識しなければならない」(116)

「組織の正しい構造は1つ」という考えは間違いである

・組織が守るべき原則
(1)「組織は透明でなければならない」(117)
→「誰もが自分の働く組織の構造を知り、
理解できなければならない」(117)

(2)「組織は最終的な決定を下すものを必要とする」(118)

(3)「権限には責任が伴わなければならない」(118)

(4)「上司はひとりでなければならない」(118)

(5)「階層の数を少なくしなければならない」(118)

・これらの原則の教えるもの:
「何をなすべきかについては教えない。
何をなすべきでないかを教える」(118)

→「個々の人間が、同時にいくつかの
組織構造のなかで働くことが必要になるということである」(118)

☆あるときは父親、あるときは経営者、
あるときはボランティア参加者

・「すなわち、組織とは、
一人ひとりの人間にとって、
あくまでも道具に過ぎない」(118)

・「それぞれの組織構造の強みと弱みを知っておかなければならない」(118)

・組織構造で特に研究を要するもの:トップマネジメント

→トップマネジメントとは名ばかりで
「個人崇拝」となっているところも。
(☆さいきんのゴーン社長を思い出す)

・これまでの組織の研究は
「正しい構造は1つ」ということを前提としたため
多くの間違いを犯した

▼人をマネジメントする正しい方法は1つか(120)

・人をマネジメントする方法は1つという前提は
人のマネジメントにかかわるほとんどあらゆる理論の根底にある

→X理論・Y理論など
(☆X理論は「外発的動機づけ」による「アメとムチ」、
Y理論は「内発的動機づけ」による「機会の提供」)

・人をマネジメントする正しい方法は1つという前提は、
人とそのマネジメントについての、
その他諸々の前提と関わりがある

→その一つが
「組織のために働く者はすべて、
その組織に生計とキャリアを依存する
フルタイムの従業員であるとする前提である」(120)

→もう一つが
「組織のために働く者はすべて、
その組織において誰かの部下であるとする前提である」(120)

・しかし、いまや
フルタイムの従業員やパートタイマーだけでなく
アウトソーシングや派遣社員も増えている。
つまり、前提が当てはまらなくなっている

・知識労働者は
上司よりもその内容に詳しい。
しかし仕事の方向性は上司の指示を
仰ぐ必要がある

・上司と知識労働者との関係:
かつての上司と部下の関係よりも
「オーケストラの指揮者と楽器演奏者の関係に似ている」(122)

→「つまるところ、
フルタイムの従業員さえ、
これからはボランティアのように
マネジメントしなければならない」(122)
→組織を移る力もあるし、
やめることもできる上、
知識という生産手段を持っている
(☆マルクスの考える労働者像とは全く違う)

→ボランティア同様、
仕事の報酬だけでなく
「仕事そのものから
満足を得なければならない。

何よりもまして挑戦の機会が与えられなければならない。

組織の使命を知り、それを最高のものとし、
献身できなければならない。

より良い仕事のための訓練を
受けられなければならない。

成果を理解できなければならない」(123)

・「人のマネジメントの仕方は
いつも同じではないということを意味する」(123)

・「人をマネジメントすることは、
仕事をマーケティングすることを意味する」(123)

→「マーケティングの出発点は
組織が何を望むかではない。
相手が何を望むか、
相手にとっての価値は何か、
目的は何か、成果は何かである」(123)

・「すなわち、行うべきは、
人をマネジメントすることではなく、リードすることである。
その目的は、一人ひとりの人間の強みと
知識を活かし、生産的なものにすることである」(123-124)

▼技術と市場とニーズは不可分か(124)

・かつて:技術と市場は不可分だと考えられた

・いま :「自らの産業や企業にもっとも大きな影響をもたらす技術は、
自らの世界の外からのものであると考えなければならない」(125)

☆デス・バイ・アマゾン(アマゾンによる死)も起きています

・「聞いたことのない技術が、
突然、産業と技術にイノベーションを起こす。
新しいことを学び、手に入れ、使い、さらには
ものの考え方まで変えることを必然とする」(126)

・「今日の基本的な資源は情報である。
情報は他の資源と違い、稀少性の原理に従わない。
逆に、潤沢性の原理に従う(…)
情報は売っても残る。むしろ大勢がもつほど
価値が上がる」(127)
→情報という資源がある以上、
経済理論そのものの前提を変える必要がある

・「あらゆる技術が、あらゆる産業にとって重要であり、
重大な関わりをもつ可能性があることを前提としなければならない」(127)

・このことが意味するもの:
(1)「顧客でない人たち(ノンカスタマー)が、
顧客以上に重要になった」(127-128)

→☆なぜノンカスタマーのままでいるかを
知っていくこと・聞いていくことが必要だ(後述)
→「変化はつねにノンカスタマーから始まる」(128)

(2)「もはや自らの製品やサービスを中心に置いては
ならないということである」(128)

→「中心とすべきは、顧客にとっての価値である」(128)

☆あなたにとって「お客」(顧客)とは誰ですか?

☆いまの自分からスタートするのではなく、
「顧客が求めているものは何か」から考える!
これは起業の基本だ!

▼マネジメントの範囲は法的に規定されているか(128)

・「マネジメントの範囲は法的に規定されるとする」(128)
考え方が強い
→法人格として扱われる

・しかし「すでに100年も前に、
マネジメントの範囲を法的に定義することは
妥当ではないことが明らかにされていた」(129)

→トヨタの「系列」など。
もともとアメリカ発祥の「系列」は
シアーズ・ローバック(☆2017に破綻)や
マークス・アンド・スペンサーも活用していた

・現代では系列さえ十分ではなくなっている

→「経済連鎖の概念のもと、
対等な力と独立性をもつ者との間に、
真のパートナーシップが生まれつつある」(130)
→例:医薬品メーカーと大学の生物学科

・新技術を持つパートナーは小規模で資金難にあえぐことも多い。
しかし「成功の鍵となる技術をもっているのは
彼らの方である」(131)
→弱小ベンチャーのほうが主役に!

(☆話は違いますが
トヨタとソフトバンクの提携もこれに近いかもしれません)

・「今日必要とされているものは、
マネジメントの範囲の見直しである。
マネジメントはあらゆるプロセスを対象としなければならない。
企業において、それは経済的プロセスの全体で
なければならない」(131)

▼マネジメントの対象は国内に限られるか(131)

・以前からのマネジメントの理論:
マネジメントの範囲は「国内」

→いまではグローバルなシステムとしてマネジメントするようになった

→「今日のグローバル企業、および変身中のかつての多国籍企業にとって、
国はコスト・センターにすぎない」(133)

(☆だからこそタックスヘイブンへ本社を移す)

▼マネジメントの世界は組織の内部にあるのか(133)

・間違った前提:
「マネジメントの領域は組織の内部にある」(133)

→「この前提があるために、
マネジメントと起業家精神の区別などという、
わけのわからないことが起こった。
もちろん、そのような区別にはまったく意味がない。
企業にせよ、いかなる組織にせよ、
イノベーションを行わず、
起業家精神を発揮することなく、
永続することなどありえない」(133)

・マネジメントと起業家精神は
コインの裏表である

・「起業家精神は、組織の外に始まり、
組織の外に焦点を合わせる。
それは、これまでマネジメントの領域とされてきたものに
収まらない。
起業家精神が、マネジメントと対立はしなくとも、
異質のものとして受け止められてきたのは、
そのためである」(133-134)

・「組織の内部に存在するものは努力だけである。
組織の内部で発生するものはコストだけである。
成果は、組織の外部にしかありえない」(134)

・「マネジメントの役割は、
組織としての仕事ぶりと
成果をあげることにある」(134)

→「マネジメントとは組織の外部において
成果をあげるためのものであり、
したがって、まずそれらの成果を明らかにし、
次にそれを実現するために、
手にする資源を組織しなければならないということである」(135)

→「マネジメントとは、企業、社会、大学、病院、
あるいは女性保護協会のいずれであれ、
自らの外部において成果を上げるための機関である」(135)

・今日の社会・経済・コミュニティの中心は
「成果を上げるための社会的機関としての組織である」(135)

→「この組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関が、
マネジメントである」(135)

→もう1つの前提とすべきパラダイム:
「マネジメントが対象とし、責任を負うべきものは、
組織の仕事ぶりと成果に関わることすべてである
といことである」(135)

2章 『道具としての情報』を使いこなす(137-)

出典:『未来への決断』(1999)
「第12章 エグゼクティブが必要とする情報」

▼企業のコンセプトが変わった(137)

・コンピュータが登場して以来、
「われわれは情報の重要性を過大評価し、
かつ過小評価してきた」(137)

・かつてはマネジメントを
コンピュータだけでできると考えられていたが、
そうではないことが明らかになった。

・「われわれはコンピュータを過大評価したり、
過小評価しただけではなかった。
コンピュータが、われわれが取り組むべき問題
そのものを大きく変えることに気づかなかった」(137)

・「すでに、コンピュータという新しい道具によって、
企業についてのコンセプトは次のようにとらえることが可能となり、
かつ必然となった」(137)

(1)企業とは資源の加工者である。
コストを成果に転換する機関である。

(2)企業とは経済連鎖の環である。
コストを管理するには経済連鎖全体を
把握しなければならない。

(3)企業とは富を創出する機関である。

(4)企業とは物的環境によってつくられる
被創造物である。
と同時に、物的環境をつくる創造的主体である。

・現在、「道具としての情報は、
いまだ適切に設計されていない」(138)

→「しかしようやくわれわれは、
道具としての情報の使い方の
おおよそはわかるようになった。
必要な情報のおもな部分についても、
かなりのことがわかるようになった。

これに伴い、明日の企業のコンセプトについても、
かなりのことがわかるようになった」(138)

▼原価計算から成果管理へ(138)

・企業と情報の再設計がもっとも進んでいるもの:会計の世界

・新しいコスト管理の仕方:
「価値分析(VA)、プロセス分析、品質管理、原価計算など、
これまでそれぞれ独立した分析手法として使っていたものを
統合する。
そのようにして、新しいコスト管理は
製造コストを大幅に引き下げる。
三分の一以上引き下げることがある」(139)

・新しいコスト管理が最大の成果をもたらすもの:
サービス活動の分野。
→これまでコスト管理どころか
コストについての情報さえ手に入れていなかったため

・なぜ伝統的な原価計算が
サービス業で使えなかったか:
→前提が間違っていたから。
→「サービス業では、
製造業と違い、
個々の作業を基礎として
コスト管理を行うことはできない。
サービス業では、コストは一種類しかないことを
コスト管理の前提としなければならない」

☆どういうことか?

・「一定期間の総コストが固定しており、
かつ資源間の代替が不可能であるという事実こそ、
事業の全プロセスをトータルなものとしてとらえ、
コスト管理しなければならない理由である」(140)
→新しいコスト管理は、この現実を前提とする
→「新しいコスト管理の導入によって、
われわれは初めて、
サービス業においても、コストに関わる情報を手に入れ、
成果を管理することができるようになる」(141)

・銀行の例:いかなる作業が銀行のコストの中心になっているか?
→「答えは、いずれも顧客へのサービスである」(141)
→「顧客一人あたりのコストは固定費」
→「顧客一人あたりの成果、
すなわち顧客一人あたりのサービスこそ、
銀行のコストと利益を左右する」(141)

・小売のディスカウントストアの例:
→陳列棚は固定費
→「一定量の陳列棚からの収益を最大にすることが、
マネジメントの主たる仕事」(141)

・こんご10〜15年の間にサービス活動の
ほとんどの領域においてコストを測定し、管理し、
かつそれらのコストを成果と関連付けることが可能になる

→顧客を獲得し維持するためのコストについて
新しいものの見方が可能となる

・GMなどの例:
新しいコスト管理を行っていたら
最近流行りの新車購入者への大幅値引きなどの
過当競争の不毛さも認識できたはず

☆サービスにかかるコストを自覚せよ!
日本の場合、「サービス」がタダと認識されいる。
これが「ブラック企業」や「サービス残業」の温床に。
ヘタにサービスを追加して「サービス残業」をもたらすなら、
省サービス化するのも「コスト」計算上は重要になる。

▼経済連鎖全体のコストを管理する(142)

・「自社だけでなく
経済活動の連鎖全体についてコストを把握し、
その連鎖を構成する他の企業との連携のもとに、
コストを管理し、
成果を最大化しなければならない」(142)


【参考】バリューチェーン表 出典はこちら

・自社だけでなく、経済連鎖全体のコスト管理へと
重点が移動している。

・「新規参入者は、個々の事業活動のコストではなく、
経済連鎖全体のコストを把握し管理している」(143)

・供給業者や販売店のコストまで把握し管理するのに成功した例:トヨタ
→系列として生産・販売・サービスのコストを一つの流れとして把握している

☆企業だけでなく、個人の活動も
一人では成立しません。
であれば、関わる人の「連関」をよくし、
なおかつ最もコストが安くなる方法を考えるのが
必要です。

【参考】ボトルネック実験

☆ここでボトルネック実験をやってみましょう!

【パターン1】
1工程→3秒に1個完成
2工程→5秒に1個完成
3工程→2秒に1個完成

【パターン2】
ボトルネックの2工程の処理速度を上げてみる
1工程→3秒に1個完成
2工程→秒に1個完成
3工程→2秒に1個完成

→ボトルネックの処理速度を上げると全体の速度があがる

【パターン3】
ボトルネック以外(3工程)の処理速度を落とす
1工程→3秒に1個完成
2工程→4秒に1個完成
3工程→秒に1個完成

→ボトルネック以外の処理速度を落としても
全体の生産量に影響しない

→ボトルネックがある場合、
他の処理能力を下げても
ボトルネックの処理能力を上げるべきである
(部分最適でなく全体最適)

▼価格主導のコスト管理が不可欠(144)

・1890年代のアルフレッド・マーシャル以来、
経済学は経済連鎖全体のコスト管理の重要性を解いている
→しかし、今日でも
それを単なる理論として聞き流す企業が多い。

・「経済連鎖全体のコストを管理するということは、
コスト主導の価格設定から
価格主導のコスト管理に移行することを意味する

→☆まずは価格から考えるべき!

・「いかなる障害があるにせよ、
経済連鎖によるコスト管理を行わなければならない。
さもなければ、いかに社内で生産性の向上を図ろうとも、
競争力を喪失していく」(146)

 

▼富を創出するための情報(146)

・企業は富を創出することに対して代価の支払いを受ける
→コスト管理には支払いを受けるわけではない
→「この自明なことが、伝統的な原価計算には反映されていない」(146)

・企業は富を生み出すためにマネジメントをしている
→意思決定のための4つの情報が道具として必要

(1)基礎情報
(2)生産性情報
(3)卓越性情報
(4)資金情報と人材情報

▼基礎情報(147)

・経営の判断道具としての情報
・キャッシュフローや流動性など
・病院でいう体重・脈拍など

▼生産性情報(147)

・肉体労働だけでなく
知識労働にも生産性の測定が必要

付加価値分析(EVA)
→「EVAは、コストに付加した価値を測定することによって、
生産要素の生産性を測定する」(148)
→「何か行うべきことがあるか、
何を明らかにしなければならないかを教える。
また、何がうまくいっているかを教える」(148)

→資金コストを超える利益を生み出さない限り、
事業は赤字である

・生産性についての情報を得るために
最近使われるようになった手法:ベンチマーキング
→「自社の仕事を同一業界における
他社の最高の仕事と比較すること」(148)
→前提:「ベンチマーキングは、
ある組織にできることは他の組織にもできるはずであるとの
前提に立つ」(148)

▼卓越性情報(148)

・「自社の強み(コア・コンピタンス)に関する情報である」(148)


【参考】コアコンピタンスの説明(出典はこちら

・「リーダー企業となるには、
市場や顧客の価値と、
生産者や供給者としての自らの特別の能力とを、
結合する能力が必要である」(149)

・日本の場合は「電子機器を小型化する能力」

・リーダーの地位に必要な強み:

「何をすでにもっているか」

「何を手に入れなければならないかを、いかにして知るか」

「自らの強みが、向上しているか低下しているかを、
いかにして知るか」

「自らの強みは、現在でも適切か、
いかなる変化が必要かを、
いかにして知るか」(149)

☆自分の棚卸しです。
一度考えてみましょう!

・自分/自社の強みを知る方法:
「自社および競争相手の仕事ぶりを丁寧にフォローし、
予期せぬ成功を見つけ、さらには、
当然成功するはずだった領域での
予期せぬ失敗を見つけることである」(149)

・「強みは、企業によって異なる。
それはいわば企業の個性である。
しかし、あらゆる企業、
さらには、あらゆる種類の組織が持つべき
共通の強みというものがある。
すなわちイノベーションの能力である」(150)

→「あらゆる組織が、イノベーションに関わる
自らの業績について記録し、
評価するためのシステムを
もたなければならない」(150)

・イノベーションの分析の仕方:
(1)自社の仕事ぶりからではなく、
一定期間における業界全体のイノベーションの
実績を調べる。
そして、「それらのイノベーションのうち、
本当に成功したものはどれか」
「それらのうち、わが社のものはいくつか」を調べる

(2)「我社の実績は、当初の目標に見合っていたか」
「市場の方向性合致していたか」
「市場地位に見合っていたか」
「研究開発費に見合っていたか」を分析する

(3)「わが社が成功したイノベーションは、
成長力や機会が最大の分野におけるものだったか」などを
分析する

(4)「わが社は、商品化にどれくらい成功したか」を問う

・これらの問いの多くは
「答えを出すと言うよりも、
新たに問題を提起するものである」(151)

☆質問の大事さ

▼資金情報と人材情報(151)

・2つの希少な資源:資金と人材
→「この2つの資源こそ、
企業が優れた業績をあげるか、
貧弱な業績しかあげられないかを決する」(151)

・ここまでの4つの資源すべてを考えて
投資案件を考えるべきである

・投資案件を考える際の基準:
(1)「採用した投資案件が約束した成果を
もたらさなかったとき、何が起こるか」(152)
(2)「採用した投資案件が成功し、
あるいは予想以上の成果をもたらしたとき、
次に何をしなければならないことになるか」(152)
(3)「もたらすべき成果に期限を設けなければならない」(152)

☆これは人生全体にも活用できます。
勉強も実は「コスト」ですし、「投資」です。
投資した分があまり役立たないなら
別の投資先を考えることも必要です。

・資金よりも稀少な資源:
「組織にとって、もっとも稀少な資源は人材である」(153)

▼事業の成果はどこにあるか(153)

・これら4つの情報も、
現在の状況を教えてくれるだけ。
戦術については教えてくれるが、
「戦略については、
企業の外部環境についての
組織的な情報が必要である」(153)

・「組織のなかには、
コストセンターしかない。
唯一のプロフィットセンターは、
小切手を渡してくれる顧客である」(154)

・「変革は、組織の外からやってくる」(154)
「圧倒的な大部分は、顧客でない人たち、ノンカスタマーである。
そして基本的な変化が始まり、
それが重大な変革に発展していくのは、
顧客でない人たちの世界である」(154)

☆『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』にも、
「なぜ他社ではなく、弊社で購入を決めましたか?」
「これまで購入をしなかったのは何にひっかかっていたからですか?」
みたいな質問が載っていました。

・「事業の失敗を招くにいたる
致命的な誤りは、
税制、社会規制、市場選好、
流通チャネル、知的財産権などの企業環境が、
自分たちの考えるようなものであるに違いない、
あるいは少なくとも、
そうでなければならないと安易に仮定し、
決め込んでしまうことにある」(155)

→「そのような仮定に対し、
つねに疑問を投げかけてくれる情報を得るための
システムが必要である」(155)

→「期待する情報を提供してくれるだけでなく、
正しい疑問を提起してくれる情報システムが必要である」(155)

☆ドラッカーも「正しい疑問」を考えることを
重視している

・「情報の入手には、大企業といえども
外部の助けを必要とする」(156)

→「情報源は多様たらざるを得ない」(156)

☆勉強会に出るのも「外部」から情報を得るためのものですね!

・「情報は、戦略に疑問を投げかけ、
問題を提起するものでなければならないからである」(156)

・「今日、特に中小の企業にとって人気のある情報システムが、
コンサルタントである。
コンサルタントとは内部化したアウトサイダーである」(156)

▼情報を一つのシステムに統合する(157)

・技術の発展でデータ処理能力は向上した

・「重要なことは、
(情報などの)道具に関わることではない。
道具の背後にあるコンセプトに関わることである」(157)

→「新しいコンセプトが、
かつては別々の目的のために
個別に使われていた諸々の手法を、
一つの情報システムに統合しようとしている。
そのようなシステムだけが、
企業の診断、企業の戦略、
事業場の意思決定を可能とする」(157)
→「未来の活動のための情報」として活用できる

・1870年代に現れた組織(企業):
殻によって維持される有機体に例えられる

今日出現しつつある組織(企業):
「骨格、システム、関節としての情報を
中心として設計される」(157)

・これからの企業観:
「企業は、価値を付加し、富を創出するものとして
とらえなければならない」(158)

 

 

 


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