ドラッカー『チェンジリーダーの条件』Part1 読書会レジュメ

本書は『はじめて読むドラッカー』シリーズ
三部作の2冊目です。

「自己実現編」
「マネジメント編」
「社会編」と続く「マネジメント編」が本書です。

 

「企業はマネジメントが大事だ」

とよくいいますが、
そもそも「マネジメント」という概念を
作り出したのがドラッカーなのです。

読書会の中で
ドラッカーのマネジメント理論を
一緒に学んでいければ幸いです!

 

ドラッカー『チェンジ・リーダーの条件』読書会vol.2

2018年10月12日(金)13:00-15:00
@札幌駅前 作文教室ゆう
☆お申込み・詳細はこちら

【範囲】Part1(3-20ページ)
Part2後半(47-76ページ)

 

 

Part 1 マネジメントとは何か

1章 マネジメントは理解されていない(3)

出典:『現代の経営』(1954)
「第1章 マネジメントの役割」
「第2章 マネジメントの仕事」

▼現代社会における不可欠の存在(3)

・「マネジメントとは、
事業に生命を与えるダイナミックな存在である」(3)
→マネジメントこそ、
企業持ちうる唯一の意味ある優位性である

・マネジメントは「基本的かつ
支配的な機関として存在する」(3)

→現代社会の信念の具現

→「資源を組織化することによって、
人類の生活を向上させることができる
という信念である」(4)

・以前、資源は「神からの授かり物」であり「不変」のもの(4)だった。
しかし、現代社会では
資源を活用し、環境に働きかけていくことが
求められるようになった。

→資源を生産的にする、つまり
「経済発展の責任を託された機関としてのマネジメントは、
現代の基本理念を反映する存在である」(4)

▼経済発展を支える鍵(5)

・「今後数十年にわたって、
マネジメントの能力・真摯さ・仕事ぶりが
決定的に重要な役割を果たすことになる」(5)

→「長期の冷戦による重い経済負担に耐えるには、
経済発展を継続して進めなければならない」(5)

・アメリカが世界にリーダーになった

→「頂上に踏みとどまるには、
そこにいたるに要した倍の能力と努力が要求される」(5)

→すでにアメリカでは
「いまあるものを守ろうとする姿勢が見られる」(5)

・マネジメントはますます重要な役割を担うようになる

→国家が「民主主義国家として経済発展に成功するか、
あるいは共産主義国になるかも、
責任感に富む有能なマネジメントを
早急に育成できるかどうかにかかっている」(5)

▼マネジメントは理解されていない(6)

・その重要性にもかかわらず、
マネジメントは最も知られず、最も理解されていない

→「企業のなかの人間さえ、
マネジメントが何をしているか、何をすべきか、
いかに活動しているか、なぜ活動しているかを知らない」(6)

・【マネジメントとは何か?】に対する2つの答え

答え1)「マネジメントとはトップマネジメントである」(6)

→ボスと同義

答え2)「人の仕事をマネジメントする者であり、
他の人間に仕事をさせることをもって
自らの仕事とする者」(6)

・どちらの答えも、
マネジメントとは何か、何をするものかについて答えていない。

・この問いへの答えは「マネジメントの役割を分析する」ことによって
はじめて得られる
→「なぜなら、マネジメントは機関だからである」(6)

・「組織はすべて、法的な構造の違いにかかわらず、
生きた存在として機能するためにマネジメントを必要とする」(7)

2章 社会的機能および一般教養としてのマネジメント(9)

出典:『新しい現実』(1989)
「第15章 社会的機能および一般教養としてのマネジメント」

☆ソ連の崩壊を予告した有名なベストセラーだそうです

▼成功がもたらした問題(9)

・マルクスが『資本論』を書き始めた頃、
マネジメントの概念はなかった

・「歴史上、マネジメントほど急速に発展し、
社会に大きな影響を与えることになったものはない」(9)

→しかし「マネジメントの地位にある者のほとんどは、
マネジメントのもたらした途方もない影響を理解していない」(9)

・マネジメントの役割は変化していない:
共通の目標・共通の価値観・適切な組織・訓練・研鑽によって
人々が共同で成果を上げられるようにすること

→「ところが今日、
マネジメントの役割の意味そのものが、
急激に変化しつつある」(10)

→マネジメントが、肉体労働者を対象としたものから
知識労働者を対象としたものに変わったから

☆この章では文明史的視点からの
「マネジメント」像を見ている

▼知識を生産資源に変える(10)

・「史上初めて、
高度の知識と技能をもつ
膨大な数の人たちが生産的な活動に従事している」(10)

→可能になったのはマネジメントのおかげ

・「知識、特に高度の知識は、
つねに専門家している」(11)

→しかし、単独では何ものも生み出せない
→組織抜きで成果を上げられるものはいない

・「現代のマネジメントは、
知識の基盤が存在しなければ成立しえない」(11)

▼教育訓練がもたらした大変化(12)

・企業活動に重大な影響を与える新しい発展:
教育訓練の発展

→「教育訓練の力によって、
低賃金国が、賃金を据え置いたまま
生産効率を上げることに成功した」(12)

☆司馬遼太郎の『花神』を思い出す。
大村益次郎は生まれが農民でありながらも、
武士を近代兵学で組織するに至る。
これが「知識」の力である

▼知識を仕事に適用する(14)

・「これらマネジメントの革新はすべて、
知識を仕事に適用することから生まれた。
すなわち、システムと情報が、
当て推量や体力や汗の代わりとなった」(14)

・「われわれは同時に、マネジメントが
企業だけのものではないことも理解するにいたった。
マネジメントは、多様な知識と技能をもつ人たちが
共同して働く事業すべてのためのものである」(14)

→社会セクターの機関もマネジメントの対象になった:
病院・大学・教会・芸術団体・NPOなど

→これらの機関も
「目標と戦略を明らかにし、
自らが提供するサービスを
マーケティングし、
成果を評価し、
人を育てなければならない」(15)

☆『プロフェッショナルの条件』のPart1を思い出す

▼マネジメントと起業家精神はコインの裏表(15)

・「マネジメントが、
起業家精神とイノベーションの領域を
含むようになった」(15)

→マネジメントと起業家精神 両方が必要

・「イノベーションの欠如こそ、
既存の組織が凋落する最大の原因であり、
マネジメントの欠如こそ、
新しい事業が失敗する最大の原因である」(15)

・イノベーションの時代が再びはじまった

・「イノベーションと起業家精神は、
新しい事業とともに、
既存の組織にも適用されるものであり、
企業と企業以外の機関、
政府を含むあらゆる機関に適用されるものであることが
明らかになっている」(16)

▼マネジメントが直面する問題(16)

・今日、マネジメントは重大な問題に直面している:
「マネジメントは、誰に責任を負うべきか」
「いかなる責任を負うべきか」
「その力の根拠は何か」
「正統性の根拠は何か」(16)

→これらは経済学的問題ではなく、
政治学的な問題である

・マネジメントの重大な危機:敵対的企業買収
(☆現代と同じである)

・敵対的企業買収の根底にある思想:
企業の唯一の機能は、
株主に可能なかぎり多くの金銭的利益をもたらすこと

→永続的な事業体としての企業を解体し、略奪していく。

→「短期的な目先の利益のために、
真の富を生み出す能力を犠牲にしていく」(17)

▼マネジメントとは何か(17)

・「マネジメントとは」「ものの考え方である」(17)

(1)「第一に、マネジメントとは、人間に関わることである」(17)

→「人が共同して成果をあげることを可能とし、
人の強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」(18)

→これこそ組織の目的である

(2)「第二に、マネジメントは、
人と人との関係に関わるもの」(18)である

→国・地域によって、
同じマネジメントの原理でも
伝統・歴史・文化を考慮に入れるべきことがある

(3)「第三に、あらゆる組織がその成員に対し、
仕事について共通の価値観と目標を持つことを要求する」(18)

→「あらゆる組織が、
人を結集できる単純明快な目的をもたなければならない」(18)

→「マネジメントの責務は、
これらの目的、価値観、目標について検討し、
決定し、組織の成員に示すことである」(18)

(4)「第四に、マネジメントは、
組織とその成員を成長させなければならない」(19)

→「組織はすべて、
学習と教育のための機関である。
どの階層でも、訓練と啓発の仕組みが
確立していなければならない。
訓練と啓発に終わりはない」(19)

(5)「第五に、組織は、
異なる仕事をこなす異なる技能と知識をもつ人たちから成る」(19)

→「意志の疎通と個人の責任が確立していなければならない。
組織の成員すべてが自らの目標についてよく考え、
皆がそれを理解しているか確かめなければならない」(19)

→期待されているものなども理解しているか確かる必要がある

(6)「第六に、組織とそのマネジメントにとって、
成果の評価基準は、
産出量や利益だけではない。
マーケティング、イノベーション、生産性、
人材育成、財務状況などのすべてが、
組織の成果として、また組織の存続に関わる問題として
重要である」(19)

→図るには多様な尺度が必要。
→「成果を組織とマネジメントのなかに組み込み、
つねに測定できるようにしておかなければならない」(19)

☆成果をはかる仕組み、
用意していますか?

(7)「第七に、」「組織はつねに外部に存在する」(19)

→「企業の成果は顧客の満足であり、
病院のそれは患者の治癒であり、
学校のそれは生徒が何かを学び
10年後にそれを使うことである。
組織の内部には、コストが発生するにすぎない」(19)

・これら(1)〜(7)を想定していくことで
マネジメントで成果をあげることができる

▼マネジメントは人間学である(20)

・「マネジメントとは、仕事である。
その成否は、結果で判定される。
すなわち、それは技能である」(20)

・「マネジメントは人に関わるものであり、
その価値観や成長に関わるものである」(20)

・「マネジメントとは、
人間の心、すなわちよかれ悪しかれ
人間の本質に関わるものである」(20)

→「まさに伝統的な意味における
リベラリズム、すなわち一般教養である」(20)

・「かくしてマネジメントたる者は、
心理学、哲学、倫理学、経済学、歴史など、
人文科学、社会科学、自然科学の広い分野にわたる
知識と洞察を身につけなければならない」(20)

→「まさにそのような過程を通じて、
再び人間学としての人文科学が、
注目され、認められ、影響をもち、意味のある存在となっていく」(20)

☆今後、あなたは何を学んでいきますか?

 

 

☆ほか、10/12の読書会では
Part2の後半(47-76ページ)も
扱います。

Part2後半のレジュメはこちらをご覧ください。


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