本書は『はじめて読むドラッカー』シリーズ
三部作の2冊目です。
「自己実現編」
「マネジメント編」
「社会編」と続く「マネジメント編」が本書です。
「企業はマネジメントが大事だ」
とよくいいますが、
そもそも「マネジメント」という概念を
作り出したのがドラッカーなのです。
読書会の中で
ドラッカーのマネジメント理論を
一緒に学んでいければ幸いです!
ドラッカー『チェンジ・リーダーの条件』読書会vol.1
2018年9月14日(金)13:00-15:00
@札幌駅前 作文教室ゆう
☆お申込み・詳細はこちら!
目次
Part 2 マネジメントの課題
1章 マネジメントの役割とは何か(23)
出典:『マネジメント』(1973=1975)
「第4章 経営者の課題」
☆「もしドラ」の元ネタ!
ドラッカーの数ある本でも最も読まれているものです。
そして最も挫折されている本でもあります 笑
▼果たすべき3つの役割(23)
・企業も公的機関も、社会の機関である。
→それぞれの機能を果たすことによって
社会や地域や個人のニーズを満たすために存在する。
・組織は目的ではなく手段である
→問題は「組織は何をなすべきか。使命は何か」である
・組織の中核となる機関がマネジメントである
・マネジメントを役割によって定義しなければならない
・組織が社会に貢献する上で
果たすべきマネジメントの役割
(2)組織に関わりのある人が
生産的な仕事を通じて生き生きと働けるようにすること
(3)組織が社会に及ぼす影響を処理する・
社会の問題の解決に貢献すること
▼組織の使命を果たす(24)
・第一に、マネジメントは組織が使命を果たすために存在する
→企業の場合、経済的な成果をあげること
・企業のマネジメントたるものは
まず経済的な成果をあげることを考えなければならない
→できなければ失格である
☆マネジメントが役割なのか役職なのかわかりにくい
▼働く人を活かす(24)
・第二に、マネジメントは
仕事を生産的なものにし、
働く人たちを生かす役割がある
→「企業でも企業以外の組織も、
真の経営資源は一つである。人である。
組織が成果をあげるのは、
人的資源の生産性を上げることによってである」(24)
・「今日、働く人たちを生かすことは
特に重要な意味をもつ」(25)
・難しいのは「仕事を人に合わせることである」(25)
▼社会的責任を果たす(25)
・第三に、マネジメントは
社会の抱える問題の解決に貢献するという役割がある
・いかなる組織もそれ自体が目的ではない。
あくまで社会の機関であり、社会のために存在する
2章 われわれの事業は何か(27)
出典:『マネジメント』
「第6章 企業とはなにか」
「第7章 企業の目的と使命」
「第8章 目標の威力と狙い マークス・アンド・スペンサー物語」
「第9章 戦略、目標、優先順位、仕事の割当」
▼利益と社会貢献は矛盾しない(27)
・企業にとって利益は
「目的ではなく制約条件である」(27)
→利益を出すのは当たり前。
「利益は、企業の活動や意思決定にとって、
原因や理由や根拠ではなく、
その企業の活動の妥当性を判定する基準である」(27)
・「利益の極大なる概念は、的外れどころではない。
害を与えている」(28)
→誤解をもたらしている
・利益と社会貢献は矛盾しない
→「実際には、企業は高い利益をあげて、
初めて本当の社会貢献を行ったことになる」(28)
▼企業の目的は1つ 顧客の創造(28)
・「企業の目的は、それぞれの企業の外部にある。
企業は社会の機関であり、その目的も社会にある」(28)
→「企業の目的の定義は一つしかない。
それは、顧客を創造することである」(28)
・「企業とは何かを決めるのは、顧客である。
なぜなら、財やサービスを手に入れるために代金を払うという
自発的な行動だけが、
経営資源を富に、
物質を財に変換するからである」(29)
→「顧客が価値を認め、購入するものは製品ではない。
それは、製品やサービスが提供するもの、
すなわち効用である」(29)
☆ドリルを買う人がほしいのは穴である。
・企業の目的が顧客を創造することであるために
企業が持つ2つの基本的な機能:
マーケティングとイノベーション
→成果を生むのはこの2つだけ
▼顧客から出発せよ(29)
・マーケティングを行っていない企業があまりに多い
→「消費者運動が企業に求めているものこそ、
まさにマーケティング」である。
→消費者運動によって企業は
「マーケティングを企業活動の中心に
おかざるをえなくなる」(29)
・通常の考え方:
いまある製品から出発して
市場を探す
「われわれは何を売りたいか」
⇔真のマーケティングの考え方:
顧客から出発する
→「すなわち人間、現実、欲求、価値から出発する」
「顧客は何を買いたいか」を問う
・「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、
製品やサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである」(30)
▼新しい経済満足を生み出す(30)
・マーケティングだけでは成功できない!
企業は「変化を当たり前とする経済にしか
存在しえない」
(☆暗に社会主義を批判している)
・「企業の第二の機能は、イノベーションである。
新しい経済的満足を生み出すことである」(30-31)
・「イノベーションの結果もたらされるものは、
新しいよりよい製品や、
新しい便利さで、
新しい欲求である」(31)
→新しい用途を見つけること
例 イヌイットに冷蔵庫を売る
・「イノベーションとは、人的資源や物的資源に対し、
より大きな富を生み出す新しい能力をもたらすことであると
定義できる」(32)
→「したがってマネジメントは、
社会のニーズを、
利益をあげる事業機会としてとらえなければならない。
これこそ、イノベーションの定義である」(31)
・「企業の活動とは、
マーケティングとイノベーションによる
顧客の創造である。
したがって、企業をマネジメントするということは、
起業家的な活動である」(32)
▼われわれの事業は何か(32)
・「あらゆる組織において、
共通のものの見方、方向付け、
活動を実現するには、
「われわれの事業は何であり、
何であるべきか」を定義することが不可欠である」(33)
→これこそトップマネジメントの第一の責任である
▼顧客は誰か(34)
・企業の目的の出発点はこの1つだけ:顧客
→「顧客によって事業は定義される」
・顧客の関心は価値や欲求や現実である
→「「誰が顧客か」との問いこそ、
企業の使命を定義するうえでもっとも重要な問いである」
▼われわれの事業は何になるか(36)
・「われわれの事業は何か」の問いでさえ
10年が限度となる
→マネジメントが考えるべきこと
「「われわれの事業は何になるか。
事業の目的や性格に影響を与えるおそれのある
環境の変化は認められるか」
「それらの予測を、
われわれの定義すなわち
事業の目的、戦略、仕事にいかに組み込むか」を
問わなければならない」(36)
→スタートは市場。
特に「人口構造の変化」
→これによって起こる「市場構造の変化」も
重要
→消費者の欲求のうち
「満たされていない欲求は何か」を
問わなければならない
・「われわれの事業は何であるべきか」
との問いも不可欠
→考慮すべき要因は
社会・経済・市場の変化であり、
イノベーションである
▼何を放棄するか(37)
・新しいことを開始するのと同じくらいに重要なこと:
「企業の使命に合わなくなったり、
顧客に満足を与えなくなったり、
業績に貢献しなくなったものを
計画的に廃棄すること」(37)
・明日を作り上げるためには、
「エネルギーは昨日を防衛するために使い果たされる」
のを防ぐことが必要だ
・事業を定義することで「初めて、
企業は目標を設定し、
戦略を開発し、
資源を集中し、
活動を行うことができる。
事業の定義があって、
初めて業績をあげるべくマネジメント
できるようになる」(38)
▼目標を具体化する(38)
・「事業の定義は目標に翻訳しなければならない」(38)
・目標の条件1)「われわれの事業は何か。
何になるか。何でなければならないか」という問いから
導き出される具体的な目標
→「目標とは、使命を実現するための公約であり、
成果を評価するための基準である」
・目標の条件2)「目標は行動のためのもの」
→「仕事のターゲットと割り当てに
そのままつながるべきもの」
・目標の条件3)「目標は、
資源と行動を集中するためのもの」
→メリハリをつけ、資源を集中させる
・目標の条件4)「目標は1つではなく、
複数たるべきもの」
・目標の条件5)「目標は、
事業の成否に関わる領域すべてについて
必要なもの」
・企業の行うべき行動と立てるべき目標:
(1)顧客を創造する:マーケティングの目標が必要である
(2)イノベーション:イノベーションの目標が必要である
(3)人的資源:
(4)資金:
(5)物的資源:
これらについての補給・利用・開発の目標が必要である
(6)資源の生産性を向上させる:
生産性についての目標が必要である
(7)社会的な責任を果たす:
社会的責任についての目標が必要である
(8)利益を上げる:
→あらゆる活動にかかるコストをカバーするため
→「利益自体は目標でない。
しかし企業の戦略・ニーズ・リスクに応じて
設定すべき必要条件である」
・これら(1)〜(8)の目標が必要である
→「目標は絶対のものではない。
方向づけである。
拘束ではない。検診である。
未来を決めるものではない。
未来をつくるべく資源を動員するための道具である」(40)
☆以下はここであげた目標についての詳細です
▼マーケティングの目標(40)
・目標設定の中心:マーケティングとイノベーション
→「顧客が代価を払うのは、
この2つの分野における成果と貢献に対してだからである」
・マーケティングの目標を立てる際の2つの基本的な意思決定
(1)集中の目標:
「われわれの事業は何か」という問いに対する答えとして重要である
(2)市場地位の目標:
別にリーダーにならなくても良い
→新市場は供給者が1つよりも
複数のほうが早く拡大する
→市場において目指す地位は「最大ではなく最適」である
▼イノベーションの目標(42)
・これは「われわれの事業は何であるべきか」との定義を
具体的な行動に移すためのものである
・3種類のイノベーションがある:
(1)製品におけるイノベーション
(2)市場・消費者行動・価値観に関わるイノベーション
(3)製品を市場にもっていくまでの間におけるイノベーション
→小さいイノベーションから大きいイノベーションまである。
どれを重視すべきかは業種で違う。
☆あなたの仕事ではどんなイノベーションが
期待できますか?
▼経営資源の目標(43)
・経営資源:人的資源(労働)・資金(資本)・物的資源(土地)
・人的資源と資金の入手にはマーケテイングの考え方が必要:
(1)「われわれが欲しかつ
必要とする種類の人材を引きつけ、
留めておくためには、
わが社における仕事をいかなるものとしなければならないか」
(2)「いかなる種類の人材を獲得できるか。
それらの人材を引きつけるには、
何をしなければならないか」
(3)「われわれが必要とする資金を引きつけ
留めておくには、わが社への資金の投入を、
いかにして魅力あるものにしなければならないか」を問うこと(44)
☆「選ばれる企業」であり続けることが必要だ。
特に人材はどこでも「不足」しているので
この視点が必要である
・自らの需要と、これら3つの経営資源の市場の状況から
目標を考えていく必要がある
▼生産性の目標(45)
・経営資源を生産的なものにすることが重要な課題である
・「生産性の向上こそ、
マネジメントにとって重要な仕事の1つである。
また、困難な仕事の1つである」
→労働の生産性も、資本などとの兼ね合いで考えるべきである
「労働の生産性の向上が、
他の経営資源の生産性の低下と引き換えにもたらされたのであれば、
全体の生産性は低下しているかもしれない」
・「生産性の目標がなければ、
事業に方向性がなくなる」(45)
☆生産性とは、自社の場合、
どういうものになるのだろうか?
▼社会的責任の目標(45)
・「企業にとって、
社会との関係は、まさに自らの
存立に関わる問題である」(45)
・「組織は、社会や経済の許しがあって存在している」
→「したがって、社会性に関わる目標は、
単なるよき意図の表明ではなく、
組織の戦略としなければならない」(46)
☆社会への還元という考え方だけでなく、
「企業はあくまで社会に属するもの」という発想が必要である
▼利益の目標(46)
・これらの目標を徹底的に検討し設定してはじめて
「利益がどれだけ必要か」という問いに取り組めるようになる
・目標達成のために利益が必要である
☆通常と逆である。
利益からスタートするのではない!
〜以下は次回10/12(金)13:00-15:00の読書会にて開催します〜
3章 事業を定義する(47)
出典:『未来への決断 大転換期のサバイバル・マニュアル』(1995)
「第1章 事業の定義」
▼もはや前提が時代遅れだ(47)
・大企業・大組織の低迷が見られる
→「原因は、マネジメント方法が
下手だからではない」
→「これまで事業の定義としてきたものが、
現実にそぐわなくなったためである」(47-48)
・次の点が時代遅れになっていないか?
(1)環境としての市場(顧客・競争相手)
(2)自らの目的・使命
(3)自らの強み・弱み
・「あらゆる組織が、自らの事業についての
定義をもたなければならない」
▼IBMが直面した現実(48)
・アップルの出現でIBMは大きく変わった
→しかしIBMはパソコンの登場を現実として受け入れた」
→世界最大になった。しかしまた苦労するようになった。
▼GMはなぜ失敗したのか(50)
・GMは昔から不案内の事業を成功させる能力を維持している。
しかし、本業では惨めに失敗している。
▼現実が前提を変えてしまった(50)
・IBMやGMの今日の現実:
「両者は、現実が変化したにもかかわらず、
事業の定義を変えられなかった」
▼成長市場を無視したツケ(51)
・GMはほぼ70年間、
ほとんど障害にぶつからなかった
・GMの事業の定義:
市場や顧客についての前提と、
自らの強みと組織構造についての前提をクモの巣のように織り上げていた
→モデルチェンジを減らし、
大量生産によって1台あたりの固定費を最小にする
→各車種の事業部がそれぞれの所得層に対応させるようにした
・1970年代から、「所得層」という概念が
「ライフスタイル」という気まぐれなものによって
区分されるようになった
→各事業部がより良い所得層に合う車を作りはじめた。
→結果、ディーラーや従業員・顧客を混乱させた
▼事業の定義(53)
・事業の定義は3つの要素からなる
(1)組織をとりまく環境:社会と構造・市場と顧客・技術の動向
→組織が何によって対価を得るかを明らかにする
(2)組織の使命すなわち目的
→組織が何を意義ある成果とするかを明らかにする
(3)使命を達成するために必要な
強みについての前提
→リーダーシップを維持するためには
いかなる分野で抜きん出なければならないかを
明らかにする
・事業の定義が有効であるには
次の4つの条件を満たさなければならない
▼4つの条件(54)
・(1)環境・使命・強みについての前提が
それぞれの現実に合致しなければならない
・(2)事業の定義に関わる3つの前提が
互いに合致していなければならない
・(3)事業の定義は、
組織全体に周知徹底しなければならない
・(4)事業の定義は、たえず検証していかなければ
ならない
→自己変革の能力そのものを定義の中に
組み入れていなければならない
▼定義は必ず陳腐化する(55)
・事業の定義もやがて陳腐化し実効性を失う
・事業の定義が陳腐化してきた時の最初の対応は防衛的である
→兆候が出たら
前提が古くなったことを認識し
現実に照らし合わせてみる必要がある
→そのためにモニターし検証するシステムが必要である
・具体的な2つの予防策:
(1)体系的廃棄:
3年おきにすべての製品・サービス・流通チャネル・方針を
根本的に見直す
→これを行わない限り
単に仕事に追われるだけになる
(2)顧客でない人たち(ノンカスタマー)について
知ること
→最初の兆候は、
ノンカスタマーに現れる
▼問題を早期に発見する(58)
・問題の発見を早期に発見するには
状況の変化に注意しなければならない
→目標が達成されるときとは
定義を考え直すべきときである
▼予期せぬ成功と失敗(59)
・事業の定義が有効でなくなったことを示す2つの兆候:
(1)予期せぬ成功
(2)予期せぬ失敗
▼定義を見直す(61)
・組織の蘇生に必要なもの:
「天才ではなく、勤勉さ」
「賢さではなく、問題意識である」
・CEOとはそのための存在である
・やり方:診断と分析から始める
→目的の実現や急速な成長には
事業の定義の見直しが必要である
→予期せぬ失敗を部下のせいにせず、
システムの欠陥の兆候と見る
4章 NPOは企業に何を教えるか(63)
出典:『未来企業 生き残る組織の条件」(1992)
「第28章 非営利組織が企業に教えるもの」
フジモト一言要約:
NPO同様、企業も仕事で「やりがい」を提供せよ!
▼もっとも進んだマネジメント(63)
・今日アメリカで最も多くの一つが働いている組織がNPOである
・すべてが上手くいっているわけではないが、
にもかかわらずアメリカのNPOは
生産性・活動範囲・社会貢献に置いて
この20年間に急成長した
▼組織の使命からスタートする(64)
・NPOの成功の底にあるもの:
マネジメントの導入である
・組織のマネジメントは
組織の使命からスタートすべきことを知っている
・「企業がNPOから学ぶべきことの第一が、
使命を持つことである」(65)
→使命を持つことで
行動に焦点をあわせることができる
→目標達成に必要な戦略も、
規律をもたらすこともできる
・「一流のNPOは、
使命すなわち目的の定義に力をそそぐ」(65)
▼成果に焦点を合わせる(65)
・「一流のNPOは、
経営環境、コミュニティ、潜在顧客からスタートする」(65)
→多くの企業のように
内部の世界、すなわち組織や利益からスタートすることはないのである
例)教会に行かない人(潜在顧客)のニーズにあった教会を作った
・「一流のNPOは、
顧客を探すためだけでなく、
自分たちがどの程度成功しているかを知るために、
外の世界に目を向ける」
・使命を明らかにし、
成果に焦点を合わせる
→自分たちが得るべきものではなく、
外の世界、つまり市場にもたらすべきもの、
すなわち使命から考え方をスタートさせている
▼取締役会の手本とすべき理事会(68)
・「機能する理事会」をNPOは持っている
→さらに稀なものも持っている:理事会に対して責任を負い、
仕事ぶりが評価されるCEO
→もう1つ稀なものを持っている:事前に設定された基準に照らして
自らの仕事ぶりを評価する理事会
・企業がNPOから学ぶべき第二のもの:取締役会のあり方
→CEOがどれほど望もうとも
理事会がCEOの言いなりになることはなかった
→NPOの理事が自ら寄付し、また寄付者をつれてきたから。
また、理事の多くが献身的にNPOの使命に検診しているから
・マネジメントの能力を回復するには、
取締役会を活性化しなければならない
▼無給だからこそ満足を求める(71)
・ますます多くのNPOが、
「ボランティアは無給だからこそ、
大きな貢献をなし、
仕事に満足してもらわなければならないとしている」
→善意のアマチュアから、
スペシャリストとしての無給のスタッフに移行した
→企業にとっても大きな意味を持つ
・仕事は「生活の資」のために行う知識労働者
→社会貢献の仕事(ボランティア)でも
知識労働者たることを欲する
→NPOが彼らを引きつけるためには
彼らの能力や知識を活用し、
意義ある成果をあげる機会を提供しなければならない
(☆第3章の人的資本の話と違い)
▼無給スタッフが必要とするもの(72)
・無給のスタッフが求めているもの:
(1)活動の源泉となるべき明確な使命
(2)訓練
→古参ボランティアのやる気を起こし、
引き止めるための最も効果的な方法:
古参の能力を認め、
それを新人教育に使わせる
(3)責任
→自らが目標を検討し設定する責任を与えられること
→より困難な仕事と責任を求めるようになる
→ボランティアの活動すべてを支えるものが責任である
・ある大協会の牧師の声
「この協会には、平信徒はいない。
わずかな数の有給の聖職者と、
大勢の無給の聖職者がいるだけである」
→NPOもこれと近くなっている
☆企業からは得られない心の充足を
ボランティアはNPOから得ているのではないか。
▼やりがいの問題 企業への警告(75)
・家族やコミュニティの崩壊・解体、価値観の喪失が起きている
→NPOがこれに対抗する強力な流れを作りつつある。
「NPOが、コミュニティの絆を生み出し、
行動する市民性や、社会的な責任や、
価値に対する献身をもたらしつつある」
・企業の課題:知識労働者の生産性を向上させること
→NPOのやり方が参考になる
→「それは、使命を明らかにし、
人材を的確に配置し、
継続して学習を施し、
目標によるマネジメントを行い、
要求水準を高くし、
責任をそれに見合うものとし、
自らの仕事ぶりと成果に責任をもたせること」(75)
・利益の追求だけではなく、
やりがいや成果・責任が十分にあるという
企業のあり方が求められる。
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