目次
ドラッカー『明日を支配するもの』読書会、開催しました!
こんにちは、
文章アドバイザーの
藤本研一です。
9/15(金)、
作文教室ゆうにて新たに
「ドラッカー読書会」をはじめました!
ドラッカー晩年の著書
『明日を支配するもの』の読書会です。
「作文教室なのに、
なぜ経営の本の読書会を行うの?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私は作文教室や各種講座・研修では
「書くことは未来を変える!」
ということをお伝えしています。
そのための書く力をお伝えしているわけです。
書く力を高めるには、
「読む」力を高めることが必要です。
なぜなら、人間は「読む」ことのできるレベル以上の文を
書くことはできないからです。
そのため、「書く」力を高めるには
必然的に「読む」ことが必要になるのです。
でも、なかなか本を読むのは大変です。
だからこそ、
私は読書家イベントを多く開催しているのです。
読書家イベントを通じて、
「みんな」で本を読めば、
面白いだけではなく、
「イヤでも本を読む」ことが可能となります。
「書く」力を高め、
自分の人生・自分の未来を変えていく。
そのために「読む」機会を提供する。
そんな流れから
作文教室ゆうとして多様な読書イベントを行っているのです。
http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/book
http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/morishinzou
http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/reeding
ドラッカー読書会、第一回開催!
第1回にあたる9/15は
第1章「マネジメントの常識が変わる」を
もとに議論しました。
「ドラッカーにとってのマネジメントの定義とは?」
「ドラッカーの主張を、仕事にどう活かすか?」
などなど、議論をしながら
経営について理解が深まる内容となりました!
ドラッカーは
基本的に「文章」のみで
説明します。
図表や写真が入りません。
箇条書きもほとんどしません。
だから、
一つひとつの言葉の説明が
けっこうややこしくなってしまいがちです。
おまけに翻訳なので、
何を意味しているか、
イマイチつかみにくい所も多いです。
でも、
読んでいて、
ドラッカーの経営学は
「仕事に役立つ!」内容の宝庫です。
読書会を通じて学ぶことで
ドラッカーの意図していたことが
少しずつ見えてくるのです。
「起業したけど、なんかうまくいかない」
「経営って、何からすればいいの?
そんな方、
ぜひ一度参加してくださいね!
ドラッカー『明日を支配するもの』読書会@札幌駅前(2)
【日時】平成29年10月13日(金)13:00-15
【場所】作文教室ゆう札幌駅前校
〒060-0807
北海道札幌市北区北7条西5丁目6-1
ストーク札幌201
JR札幌駅北口徒歩1分。
☆ヨドバシカメラ様 道向かい。
ミアボッカ札幌駅北口店様 上。
【内容】
ドラッカー『明日を支配するもの』第2章を元にした読書会
・内容の解説
・意見・感想・ディスカッション
お申込み・お問い合わせはこちら、
またはFacebookイベントからどうぞ!
第2章レジュメ
さて、このあとは
次回の範囲第2章のレジュメです。
「ドラッカーの考え方を知りたい」方、
「経営を勉強したい」方、
ぜひみてみてくださいね!
なお第1章のレジュメはこちらです。
第2章 経営戦略の前提が変わる 21世紀の現実(48-80)
「あらゆる組織が、自らの事業についての定義をもつ。
すなわち、自らの事業、目的、成果、顧客、価値についての
前提をもつ」(48)
経営戦略:
「事業の定義を現実の成果に結びつけるもの」
「組織をして、機会志向たらざるをえなくする」
「事業の定義の適切さを明らかにする」
経営戦略の目的:
「組織をして、
その望む成果を上げさせること」
21世紀はこれまでに比べ
大幅に変化する。
しかし、それでも確実なものは次の5つである。
1 先進国における少子化
2 支出配分の変化
3 コーポレート・ガバナンスの変容
4 グローバル競争の激化
5 政治の論理との乖離
以下ではこの5つを1つずつ見ていく。
☆ドラッカーは何事も「定義」をキチッとすることを
指摘する。
1 先進国における少子化(49-)
先進国で少子化が深刻化する。
「今や、先進国ではあらゆる組織が、
人口、とくに若年人口の減少という
まったく新しい現実を前提として、
経営戦略をたてなければならなくなっている」(51)
高齢化・人口増加・環境汚染は、
ある程度解決策が見えている。
そのため、少子化こそが大きな問題となる。
少子化は人口構造を大きく変え、
政治の不安定さをもたらし、
退職の意味合いを大きく変える。
「このような状況のもとにあって、
仕事と雇用に関して、
とくにイノベーションが必要とされているのが
ヨーロッパと日本である」(54)
「いずれにせよ、これからの経営戦略は、
仕事のますます多くの部分、
しかも重要な部分が、
今日定年年齢をすぎた人たち、
幹部でもなければ肩書もない人たち、
従業員でもない人たち(…)によって
行われるようになることを当然の前提としなければならない」(55)
少子化は逆にチャンスとなる。
・「少子化は教育の充実のための機会となる」(56)
・「子供用品のメーカーにとってさえ機会となる。
(…)親の可処分所得のうち、
子どもに使う分が増えるということである」(56)
経営戦略策定には、
「人口構造の変化、とくに先進国における
出生率の低下を前提とすることが不可欠である」(57)
2 支出配分の変化(57-)
「ほとんどの企業が本当に重要な数字を知らない。
すなわち顧客の全支出のうち、
自社が提供するカテゴリーの製品やサービスに
使ってもらっている割合についての数字である。
支出配分の変化こそ、あらゆる情報の基本である」(57-58)
「今日、医療、教育、余暇が財とサービスの
大きな消費者である。しかしいずれも、
そのもたらすものは経済的な満足ではない」(59)
→この3つに政府を加えた4つの部門は
今後大きく変化する。
そのためこの4つの部門に注目することが必要である。
・特に中心となる医療と教育の変化
教育:
「学校教育から継続教育への重心の移行が起こる」(60-61)
医療:
「あらゆる先進国において、さらに激しい変化が起こる」(61)
▼今日 成長産業となっているものは何か
・金融サービス産業
(新しく登場した投資家と、それに伴って生まれた新しい個人金融サービス)
・情報産業
▼今後のマネジメントの仕方:
成長産業・成熟産業・衰退産業のいずれかにあるかによって変わってくる
・成長産業:
「自らが未来をつくるという姿勢での経営が必要となる」(65)
・成熟産業:
「いくつかの的を絞った重要な分野、
とくにコストと品質が意味をもつ分野で
リーダーの地位にたつ経営が必要となる」(65)
・衰退産業:
「コスト削減と品質向上のための
体系的な努力による産業内での
地位の確立を目指すことが重要となる」(66)
3 コーポレート・ガバナンスの変容 (66-)
コーポレート・ガバナンスとはステークホルダーによって企業を統制し、監視する仕組みのことをいう。企業統治。情報開示のあり方や、監査役や社外取締役を含む取締役会など会社の機関のあり方などを指すことが多い。(コトバンク)
「ドイツ、フランス、日本その他あらゆる先進国において、
将来の年金受給者が企業の所有者となりつつある。
そしてこの財産権の移行に伴い、
今日、力の移行が起こりつつある」(67)
→この変化がコーポレート・ガバナンスにかかわる
問題の背後にある。
▼会社は何のためのものか?
【これまでの考え方】
・企業は株主のもの
・従業員の利益のため
・社会的な調和のため
→いずれも成り立たなくなりつつある
【コーポレート・ガバナンスを定義し直すべき】
・「株主優先の短期的利益と、
長期的繁栄とのバランスをはからなければならない」(69)
「われわれは経営の概念そのものを
変える必要がある」(69)
「今やあらゆる組織が、
自らにとっての成果の意味を
徹底して検討する必要がある。
(…)組織としての経営戦略を、
その成果についての新しい定義を
前提として組み立て直さなければならなくなっている」(69)
4 グローバル競争の激化(70-)
「あらゆる組織が、
グローバルな競争力の強化を経営戦略上の
目標としなければならない」(70)
「もはや賃金コストの優位性によって、
企業の発展や一国の成長をはかることは
不可能になったということである」(70)
「世界のリーダー的存在と同水準の生産性を
達成しないかぎり、繁栄するどころか、
生き残ることさえできない」(70)
「組織としての経営戦略の策定にあたっては、
グローバル競争という新しい現実を
考慮に入れなければならない。
企業にかぎらずあらゆる組織が、
世界のリーダーが事実上設定した基準に照らして、
自らのマネジメントを評価していかなければならない」(72)
5 政治の論理との乖離(72-)
グローバル化は進んでいくけれど
「政治的な国境はなくならない。
それどころか、EU、NAFTA、南米のメルコスールなどの
地域経済共同体の成立が、
国境の意味を減ずることはとうてい考えられない」(73)
▼現在重なっている3つの世界
・「金と情報にかかわる真にグローバルな経済の世界」(74)
・「物の移動が自由であって、サービスと人の移動の障害が大幅に除去された地域共同体の経済の世界」(74)
・「国とそのそれぞれの地方からなる、経済的というよりも優れて政治的な世界がある」(74)
→「企業にせよ、大学その他の非営利組織にせよ、これら三つの世界から逃れることはできない」(74)
▼行ってはならないこと
(1)「誘惑に負けて、経営上の判断をおろそかにすること」(75)
「政治との乖離に関して肝に銘じておくべき原則は、
経営上の理由以外の行動は一切慎むということである」(76)
→政府の減免税による優遇や関税による保護などの誘惑に負けてはならない。「ただほど高いものはない」(76)
(2)「自らの事業の定義と経営戦略に合致しない
事業に進出すること」(76)
▼行うべきこと
(1)グローバル化に対応するため、
「事業の発展」を「法的、政治的な枠組みではなく、
あくまでも経済的な枠組みのもとにおいて実現」(77)すること
(2)「為替変動への対応」(78)
→「完全な地場産業でさえ、
グローバル経済の荒波にもまれる時代である」(78)
→「今日では、為替レートの変動に無縁でいられる通貨はない」(78)
☆発行年が1999年であり、
グローバリゼーションが言われ始めた時期である。
そのため、今からすると「当たり前」な提案が多い。
「本章で述べた二一世紀の現実を検討することなくして、
経営戦略をもつことは不可能である。
(…)それらの問題に対処しえないかぎり、
この乱気流の時代、構造変化の時代、
経済、社会、政治、技術の転換期にあっては、
いかなる組織といえども、繁栄することはもちろん、
生き残ることさえできない」(80)
…レジュメは以上です。
ではまた!
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