この前、江別周辺で作文塾をやっている「大先輩」に会いに行ってきました。
私が「作文教室ゆう」をやることをご報告すると、
とても喜んでくださいました。
「頼りにされる作文塾にしたい」
そんな思いを高めました。
その「大先輩」から教わったこと。
それを私流にまとめると次のようになります。
「作文において大事なのは、終わりなき問いを大切にすること」
「終わりなき問い」って、なんでしょう。
それは「自分は何をしたいか」「自分はどんな人間か」という「根本的な問い」です。
それを考える上で、次の歌がヒントになります。
皆さんよくご存知の「アンパンマン」の歌。
なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!
今を生きる ことで
熱い こころ 燃える
だから 君は いくんだ
ほほえんで(・・・)なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
わからないまま おわる
そんなのはいやだ!
忘れないで 夢を
こぼさないで 涙
だから君は とぶんだ
どこまでも
(アンパンマンのマーチ)
考えても答えの出ない問いです。
そして、あんまり考えたくない問いです。
ですが、この問いにはどうしても答える必要があります。
昨年度、私は高校で3年生を担任していました。
高校3年生は「進学」か「就職」か、
自分なりの「答え」を出す必要があります。
そして「進学」にしても「就職」にしても、
「どこに行きたいか」「何をしたいか」を決める必要があります。
「決めたくない・・・」
「考えたくない・・・」
「何をしたいか分からない・・・」
そんな3年生もたくさん居ました。
そこからが、教員としての腕の見せ所!
「昔、将来なりたかった仕事は何だった?」
「もし、時間もお金も能力も無限にあるとしたら、何がしたい?」
質問のワザ(私は「魔法の質問」カードマスターなので、こういう「質問」の仕方をします)を用いながら、相手から思いを引き出していきます。
その結果、こういうことを言った生徒がいました。
「昔、おじいちゃんと関わるのが好きだった。そのとき、介護の仕事につきたい、と思っていたんだった。その方向を探してみようかな」
結果、その生徒は介護の資格の取れるニチイ学館に通学し、介護初任者研修の資格を取る道を選びました。
彼にかぎらず、「自分は何をしたいか」「自分はどうやって生きていくか」決めるのは大変なことです。
自分一人で考えると、うつ気味になる人もいます。
そういう時は誰かに相談しアドバイスをもらうか、
作文用紙に向かい考えてみると良いでしょう。
具体的には、次のテーマに自分なりに答えてみることです。
(1)自分が昔なりたかった職業は? その理由は?
(2)自分がいちばんこれまで「頑張ってきたこと」は?
(3)自分がいままで一番感動したことは? その理由は?
(4)自分が笑顔になるのはどんなとき?
(5)もし、時間も能力もお金も無限にあるとしたら、自分は何をしたい? その理由は?
大変ですが、書いていくなかで少しずつ
「自分は何をしたいか」「自分はどうやって生きていくか」見えてきます。
私の作文塾でもそういった課題も行っていきます。
なお、この問いは進路を考える上でも大切です。
やみくもに「とにかくトップ校へ!」を目指しトップの大学に行っても、
「自分は何をしたいか」不明確なままではただダラダラ過ごして終わってしまいます。
あるいは、うつになります。
ただバイトとサークルだけで過ごし、「大学の4年間は遊んだだけでした」になってしまいます。
そしていざ卒業の際「何も就職先が決まらない」ということになってしまいます。
(こういう現状、『ルポ塾歴社会』にも掲載されています。
書評はこちらからお読みいただければ幸いです)
話を冒頭に戻します。
作文塾の「大先輩」が言っていたのも、要はそういうところ。
ただ、作文を書けるようになるのなら意味が無い。
書くことを通じて、「自分」への問いを深めることに目的がある。
これ、私の「作文教室ゆう」のテーマにしていこうと思います。
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