作文の書き方54 意外と深い「 」(カギカッコ)の使い方

 

今日は文章の名脇役「 」(カギカッコ)のお話をします。

「 」、ふだんどう使っていますか?

(1)会話文

「昨日、こんなことがあってね・・・」
「へー、そうなんだ!」

これは普通の使い方ですね。

(2)何かの強調

私は昨日から「あの人物」のあとを追いかけていた。
「あの人物」とはつまり、◯◯市長のことである。

通常では目立たない言葉を目立たせる役割があります。

(3)引用

チャップリンの名言に「人生に必要なのは勇気と想像力と、それと少しのお金だ」という言葉がある。私が好きな名言だ。

 

さて、ここで「 」に『 』が追加されるパターンを見ていきましょう。
これは(1)と(2)、あるいは(1)の中にさらに(1)の時に使われます。

「 」のなかにさらに「 」を使うとき、『 』 になるのでした(小学校の復習です)。

「え、君は『あの人物』と昨日会っていたのかい?」
「ええ。彼は『今日会ったことは2人の秘密だな』といっていましたけどね」

大変なのは(3)でさらに(2)や(1)を使うとき。
例を見てみましょう。

「ある人の名言に、『ニーチェは「神は死んだ」と言っているけど、結局ニーチェは死んだよね』っていうのがあったんだけど、これって誰の言葉だっけ?」
「うーん、僕もどっかで聞いたんだけど、『あの人』なら知ってるんじゃないかな?」

こういう会話、社会学を学び始めた大学院生がよくしているタイプのものです。

会話の「 」内に、引用の文章が続き、その引用がさらに引用・・・という入れ子の会話。

学者・研究者の文章によくあるものです。

 

私もこのタイプの文章を書かざるをえないことがあります。
そんなときどうするか、ずっと迷っていました。

 

そんなとき、出会ったのが竹中労の方式です。

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ジャーナリスト・竹中労は引用文を「 」でなく〈 〉で書きます。
よく「 」でなく【 】を使います。

これだけで、さきほどの問題は解決するのです!

やってみましょう。

 

「ある人の名言に、〈ニーチェは【神は死んだ】と言っているけど、結局ニーチェは死んだよね〉っていうのがあったんだけど、これって誰の言葉だっけ?」
「うーん、僕もどっかで聞いたんだけど、【あの人】なら知ってるんじゃないかな?」

私もいろんな方式を試しましたが、一番しっくり来る書き方は、この引用を〈〉で書く、という方法です。

ぜひやってみると、スッキリするはず!


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