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イライラ・落ち込みの正体は「性格」ではなく「血糖値」?
最近読んだ本の中で、久々に「これはすごい!」と思った一冊があります。
それが、小池雅美さんの『気分の9割は血糖値』という本です。

私のブログ仲間が絶賛していたことから読み始めましたが、この本、とてもいいですね!
単なる健康の話だけではなく、人間の感情・判断・集中力・人間関係までも血糖値によって左右されているという、非常に興味深いテーマを扱った一冊でした。
私自身、「イライラする」「なんとなくやる気が出ない」「集中できない」といった状態を、「意志の弱さ」「性格の問題」と思い込んできた部分がありました。
でも本書を読むと、それは血糖値の乱高下が原因だったのかもしれない、ということに気づかされます。
つまり自分自身の「心の問題」だと思っていたことの多くに「血糖値」が関わっているかも知れないことに気付いたのです。
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医師が語る「血糖値と気分の深い関係」
著者の小池雅美さんは医師として長年勤務してきました。
そのなかで栄養学の重要性に気づいたと言います。
自分自身なぜかやる気が出ず、体がダルい状態が続いているなかで〈実は栄養のとり方が間違っているのではないか〉と気づいたと言います。

現代社会では皆なにかと忙しく、短時間で一気に食事を体内に詰め込んだり、食事を抜いたまま遅くまで残業を続けたりします。
あるいは気合を入れるためコーヒーやエナジードリンクを何杯も飲みながら仕事をこなすこともあります。
これにより発生するのが血糖値の乱高下です。
血糖値が急激に増えたり減ったりすることは体にとって危機的反応。
その結果、体を防衛するためにインスリンなどのホルモンを過剰に出して対応します。
それがイライラやダルさをもたらすことになるのです。

本書では医学的な根拠に基づき、血糖値が人間の思考や感情に与える影響を科学的に解説しています。
実際、空腹時にイライラしている人を見ることがありますが、あれもまさに空腹により血糖値が低下したことによりストレスホルモンが分泌されイライラが発生している様子であると言えます。
「お腹が空いて機嫌が悪くなる」のは単なる気のせいではなく、生理学的に当然の反応なのです。
本書では、そうした血糖値の上下をできるだけ穏やかに保つことが、「心の安定」と「パフォーマンス向上」につながると説かれています。
「小さなおにぎり」があなたを救う
印象的だったのは、「空腹の時間を長くしすぎないこと」が大切だという話です。
たとえば、仕事が立て込んで昼食を抜いたまま夕方まで作業していると、血糖値は大きく下がります。
その状態でさらにカフェインを摂ると、血糖値は一時的に上がっても、すぐにまた急降下してしまう。
結果として、集中力が途切れる・判断力が鈍る・怒りっぽくなるといった負のスパイラルに陥ります。
そんなとき、著者は「小さなおにぎり」「みそ汁」など、少量の糖分・たんぱく質を組み合わせた補食をすすめています。
これによって、血糖値の下がりすぎを防ぎ、脳が安定して働けるのです。

言われてみれば当たり前のことのようですが、忙しいビジネスパーソンほど食事を後回しにしがちです。
教員時代の自分を振り返って。イライラの原因は食事にあった!
私は前職で高校教員をしていましたが、まさにその典型でした。
思い返すと、教員時代の夕方の職員室は、なかなか“ピリピリ”していました。
高校って、生徒が帰ったあとの放課後がむしろ本番です。
会議・採点・授業準備・事務作業と、やることは山ほどあります。
でもよく考えれば、その時間帯、ほとんどの教員が昼食以降なにも口にしていないのです。
当然、血糖値は下がりきっている。
そんな状態で細かい議論をすれば、誰だってイライラもします。
なので職員室はなかなか「居づらい」空間だったのを覚えています。

栄養学的に見て「最悪」だった私の食生活
高校教員当時の私は「忙しさ」に追われ、食事の点で「最悪」な生活をしていました。
朝は食欲がない上 眠気が覚めないのでレッドブルを買って飲みながら地下鉄に向かっていました。
そのとき昼食用におにぎりを2個買っているのですが、忙しくて食べるのは授業後の夕方頃。
夜は残業後22:00ごろ駅前のラーメン屋でチャーハンを食べていました。
…この状態で仕事をしていると、だんだん自分のやる気も下がってきそうですね…(笑)
本書から言えるのはこういう食生活だと血糖値の欠乏状態が多くなり、体が危機的反応を常に出し続けるということ。
なおかつ一気に夕食を摂るので血糖値が乱高下することにもなります。
これでは血糖値が乱れるのも当然です。
実際、当時は慢性的に疲れていましたし、意味もなく落ち込むことも多くありました。
本書を読んで「あのときの経験は意志の問題ではなく、エネルギーの問題だったのか」と気づかされたのです。
「人に優しくできない」日もある――そんなときは血糖値を疑おう
本書を読んでいて思ったのは「他人の気分の背景に血糖値があるのではないか」と考えると生き方が変わるということです。
血糖値が下がった状態だと無意識的にイライラしてしまいます。
イライラしている相手と話すのはこっちにとっても苦痛です。
「あの人はいつもイライラしている人だ」と、その人の性格のせいにしてしまいます。
ですが、ひょっとしたらその人は単にいま血糖値が低くなっているだけかも知れません。
そう思うと、少し優しい目で見られるようになります。
イライラしている人と会う際は「手土産」として軽食を持参したり、一緒に食事に行ったりすると落ち着いて話をすることもできます。
つまり、血糖値という視点を持つことで、周囲といい人間関係を築けるようにもなるのです。
「意思」ではなく「仕組み」で整える
私たちはしばしば「もっと頑張らなきゃ」「気合で乗り切ろう」と言います。
ですけど大事なのは「頑張ること」よりも、「血糖値を安定させる仕組み」を作ること。
人間の体は、エネルギーが枯渇すると冷静な判断ができません。
つまり、どんなに意志が強くても、血糖値が乱れていれば思考も行動も不安定になります。
だからこそ、「意思の力に頼らない」「仕組みで整える」という発想が大事です。
本書の指摘を受けて早速行動しているのはカフェインを摂らないようにすること。
カフェインを摂ると脳が一時的に交感神経優位になり、それが体のバランスを崩してしまうのです。
まずはコーヒーをカフェインレスコーヒーに切り替える(本書的にはカフェインレスコーヒーにも微量のカフェインがあるので「ノンカフェイン」のほうが良いそうですが…)ことからはじめています。
他にも補食を意識し、血糖値欠乏の状態を長く続けないように心がけています。
せっかくなのでこれを習慣化していきたいと思います。
「気分の9割は血糖値」――生き方を変える視点
本書のタイトル「気分の9割は血糖値」という言葉。
非常によく出来たタイトルだと思います。
このタイトルは「人間の感情や気分の多くは血糖値で決まってくる」ことを教えてくれます。
自分や他者の「気分」の背景に血糖値がある。
それを知ると行動が変わってくるのです。
たとえば「なんとなくイライラする・・・」場合は血糖値欠乏が起きていないかを自分自身で振り返ることが出来ます。
そうすると人に対してキレてしまうことを事前に防ぐことができます。
「自分の機嫌は自分で取ろう」という言葉がありますが、自分の血糖値の状態を意識するようになると自分の機嫌を自分で取ることも可能となります。
同様に、不機嫌な人・イライラしている人に対しても「あの人の性格ではなく血糖値欠乏が原因ではないか」と考え、別の対応を取ることができるようになります。
なので忙しさの中で生きている現代人こそ、「気分の9割は血糖値」という言葉に自覚的になったほうが良いのではないか、と思うのです。
『気分の9割は血糖値』は仕事や人間関係、さらには人生も変えていくきっかけになることと思います!
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イライラや落ち込みの原因は「性格」ではなく「血糖値」かもしれません。小池雅美『気分の9割は血糖値』では、血糖値の乱高下が感情・集中力・人間関係に影響することを科学的に解説しています。空腹やカフェイン過多が心の不安定を招くため、少量の補食で血糖値を安定させることが大切です。意思ではなく「仕組み」で整える発想が、仕事も人間関係も変えていく鍵になりますよ!