目次
「大学院を出て研究者を目指す」際の落とし穴。
「大学院に行って大学教員を目指す!」
「大学教授になりたい!」
「研究者として生きていきたい!」
大学院を目指す方の中には「大学院に行って研究者・大学教員になりたい」という思いを持って挑む方も多くいらっしゃいます。

大学院に進学し、研究者を目指す。
これ、とても素晴らしい目標だと思います。
ですがこちら、かなり「茨の道」であることを知っておくべきです。
研究者・大学教員になるのって、かなりハードルが高いです。
ただでさえ少子化の今、定員割れの大学が6割を超えています。
潰れる大学も毎年発生しています。
明らかに大学が「過剰」になってきている今、大学教員を目指すのは非常に大変です。
物理的にポストが少ないだけでなく、せっかく大学教員の職を見つけても大抵は「非正規雇用」です。
毎年まいとし契約を更新していく不安定さがあるだけでなく、大学の都合で「雇い止め」も平気で起きています。
(北大でも今年問題になりました)
さらにはせっかく正規採用になっても、現在の国立大学は年々運営予算が削減されているため年々待遇が悪化しています。
国立大学でも削減されている以上、私立大学はもっとひどい状況です。
ポストの少なさ、不安定な雇用、雇用条件の年々悪化という現実を直視すると、「研究者になれなかったときのキャリアをどう確保しておくか」が大きな課題になってきます。
こんなとき、強い味方になるのが「教員免許」です。

本日は、大学院で研究者を目指す人こそ、教員免許を取っておいた方がいい理由についてお伝えしていきます。
教員免許があると、仕事の選択肢が広がる
大学院で学んだことを活かす道は、研究者だけではありません。
教育現場で知識を伝える「教員」という道もあります。

学校教員って、日々授業を担当しています。
自分がこれまで研究してきた専門性を活かせる機会もないわけではありません。
昨今は「教員不足」が問題になっているので、大学教員のポストは見つからなくても小学校・中学校・高校教員のポストは比較的容易に見つけられます。
特にいまは昔なら何十倍もの採用倍率になっていた「中学社会科」の教員採用も、倍率がかなり落ち着いた状態となっています。
試みに、2023年度実施の採用倍率を見てみましょう。
※( )は前年の倍率
| 項目 | 倍率 |
|---|---|
| 小学校全科 | 1.8倍(1.5倍) |
| 中学校国語 | 2.8倍(5.5倍) |
| 中学校社会 | 6.4倍(7.0倍) |
| 中学校数学 | 2.9倍(3.9倍) |
| 中学校理科 | 3.2倍(3.6倍) |
(出典:https://www.tac-school.co.jp/kouza_kyoin/kyoin_contents_tokyo.html)
高校はデータが非公表のためここでは述べられませんが、それでも以前に比べれば倍率が低くなっている事がわかります。
教員免許を持っていれば、もし研究職キャリアが見つからない場合でも教員として生計を立てる選択肢が見えてくるのです。
「でも、以前より倍率が低くなったとはいえ、いまだに狭き門では?」
そういう意見をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。
実際、採用試験は科目によってはまだまだ大変です。
ですが公立学校の採用においては意外と「臨時採用」なども多くあります。
産休・育休期間のみの教員募集も多くあります。
また、私立学校ではそもそも教員数が不足しているところを無理して回しているケースもあります。
教員になる気が本気であるなら、教員になるというキャリアは十分現実的なのです。
大学院からさきのキャリアに挫折して教員を目指した私
何を隠そう、このルート、私自身の経験そのままです。
私は塾を立ち上げるまで私立高校で教員をしていました。
もともと、私は早稲田大学大学院の教育学研究科修士課程を出たあと博士後期課程に進学、そのまま研究者になりたいと展望していました。
ですが修士課程在学中に鬱になり、「このまま研究者を目指すのは無理そう…」と痛感しました。
ちょうど教員免許を持っていたこともあり、修士課程2年の9月から教員採用試験を受け始めました。
こういう時期って、ほとんどの学校の採用試験も終わっていますし、民間就職もいい場所はほとんど残っていません。
そんな状態であっても、「本気」で目指したところ無事2校から内定を得ることができました。
もし私が教員免許を持っていなければ、あのとき進路選択で詰んでいた可能性があります。
教員免許を持っていて本当に良かった、と思った記憶があります。

(教員時代の写真)
失効した教員免許をもう一度復活させた件。
実は私が持っていた教員免許ですが、当時は教員免許更新制度があった関係上、2年前で失効してしまっていました。
そのため、東京都教育委員会などに教員免許の再発行申請を昨年行っています。
それは万が一 塾運営がうまく行かなくなった際も「教員」として勤務する道を残しておくためです。
私の場合、東京都教育委員会と北海道教育委員会どちらに申請するか手間取った(しかも担当者が意外と「適当」だったので何度も申請し直すことになった)ため、教員免許の再発行に【5ヶ月】かかることになりました。
コストも1万円くらいかかっています…。
ですが、何かあった際にも教員として勤務する選択肢を手に入れられたこと、とても良かったなあ、と思っています。
もしうまく行かなくても教員として生きていく道がある。
その安心感があるからこそ、独立して自分の塾を運営する勇気ややる気を得ることができているのです。
このことは研究職を目指す方にとっても、同様のことが言えます。
大学院で研究に打ち込む中、「この道で本当にやっていけるのか」という不安に直面することがあります。
そんな時、「教員免許を持っている」という事実が、選択肢を確保し、自分の背中を押してくれるのです。
教員として働きながら研究する道もある
実は、学会発表をたくさん行ったり論文を多数書いている研究者の中にも「現役の学校教員」(大学ではなく小中高の教員)という人がたくさんいます。
これは私の経験上でもありますが、特に郷土史の専門家ですと学校教員の人が多い印象があります。
「教員」という仕事は研究者の活動と必ずしも相反するものではありません。
むしろ両立可能な働き方の一つなのです。
私自身、これまで多くの知的な教員や研究成果を上げている教員と出会ってきました。
そうした方々の姿を見て、「教員であること」と「研究者であること」が結びついているという実感を持っています。
大学院で教員免許のランクアップも可能!
さらに注目しておきたいのが、大学院で取得できる教員免許の「ランクアップ制度」です。
通常、大学の学部4年間で取得できるのは「教育職員1種免許状」。
ですが、大学院修士課程で所定の単位を取ることでこれより格上の「専修免許状」を取得することができます。
これは、教員として勤務するうえでも、また採用試験を受ける際にも、確実にプラスに働きます。
私自身も、大学院を通じて中学・高校の公民、地歴、中学社会などの教科で専修免許状を取得しました。
これは大学院に行くからこそ得られるメリットであると言えるでしょう。
大学院進学と合わせて資格取得を検討しよう
実は大学院においても教員免許を取得することが可能です。
大学の学部の授業も履修する必要がありますが、教員免許を発行している大学であれば大学院生でも教員免許を取得できるケースが多いです。
(ただし、修士課程の2年間だけで全て取れないケースもあります)
研究者としてのキャリアを考えている方も、「保険」の意味も込めて教員免許を取っておくのがオススメです!
もし、当初の想定通り大学教員になれた際も、教員免許取得で培った授業スキルは大学の授業を運営する際にも役立ちます。
もし、大学教員になれなかった際も、「教員として仕事しながら研究する」道を確保することができるからです。

ちなみに、教員免許以外にも大学院在学中に取得できる資格は他にもあります。
学芸員資格や司書資格など、研究・教育に関係する多様な資格があります(必ずしもすべての大学院で取れるわけではありませんので要注意)。
このように、大学院という場所をただ研究だけの場にするのではなく、将来に備えた「選択肢を増やす場所」として捉えてみると、学びの幅がグッと広がります。
現役で大学院に進学した方だけでなく、社会人経験を経て大学院に進学した方も、ぜひ教員免許で選択肢を増やす意識を持ってみてはいかがでしょうか?
研究職はハイリスク。だからこそ備えを!
最後に強調したいのは、研究者という道は「リスクが高い」ことを前提として考えるべき、という点です。
夢を追いかけることは素晴らしいですが、「夢が叶わなかった時にどう生きるか」もまた、現実的なキャリア戦略の一部です。
教員免許は、そうしたときに「自分を守る選択肢」となり、かつ「研究を続ける手段」にもなります。
研究者一本で勝負するのではなく、教育現場も視野に入れたキャリア設計を。
それが、長期的に「研究を続けられる人生」を作るための第一歩となるのです。
まとめ!研究職を目指すなら教員免許取得も考えよう!
教員免許は、単なる資格ではありません。
それは「研究者になる夢を、もっと自由に追いかけるための保険」であり、「キャリアの選択肢を広げる鍵」でもあります。
将来的に研究者を目指している方こそぜひ「教員免許の取得」について一度真剣に考えてみてください。
あなた自身の生き方に「選択肢」を加えておくのがオススメですよ!

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大学院で研究者を目指す場合、教員免許の取得も視野に入れるのがおすすめです。研究職は狭き門で不安定なため、教員免許があればキャリアの選択肢が広がります。かくいう私も研究に挫折してキャリアに迷った際 教員免許を活かして高校教員になることができました。今後のため教員免許、取っておくのが良いですよ!