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起業しても、交渉スキルがなければ貧乏フリーランスに…!
「会社から独立したい!」
「自分の専門性を活かして起業したい!」
そう考えて起業する人が多くいらっしゃいます。
独立を目指すくらいですから、専門知識やスキルは豊富であり、その分野に自信を持っている方も多いことでしょう。
ですが、あるスキルがなければ「貧乏フリーランス」として苦労する道が見えてきてしまいます。

このスキルというのが「交渉術」です。
起業してフリーランスとして生計を立てるには、スキルや実績はもちろん重要ですが、それ以上に重要なのが「交渉術」なのです。
お客様・クライアントとの交渉を上手に行えるかどうかで、仕事の条件や報酬だけでなく、長期的な信頼関係の構築にも大きな影響を与えます。
この記事では、フリーランスが身につけるべき交渉の基本について解説します。
なお、この発想はなにもフリーランスのみに必要なスキルではありません。
キャリア形成を考える際、交渉術の知識がなければ大損をすることや信頼を損ねてしまうことも多いのです。
ぜひ、今後のあなたのキャリアのためにも交渉術の基本を学んでいきましょう!

交渉の基本!落としどころを考える
交渉において最も重要なのは、事前に「落としどころ」を明確にしておくことです。
相手の要求にただ従うだけでは、結果的に不利益を被ることが多くなります。
特に、フリーランスは「弱い立場」に陥ることも多いです。
先方の言いなりになると、大体は大損しか待っていません。
ぜひ「落としどころ」を事前に決めるようにしましょう!
その際は「上策-中策-下策」の3つを考えるのがおすすめです。
上策-中策-下策とは?
- 上策: 最大限うまく行ったときの理想の結果です。
これは「交渉を通じて得られる最良の条件」を指します。たとえば、追加の報酬や長期契約の締結など、最善の成果を目指します。 - 中策: こういう結果にしたいという現実的な目標です。
これは「自分が満足できる具体的な結果」を指し、たとえば、希望する報酬を得ることや納期を調整することなどです。 - 下策: 最低限妥協できるラインです。
これを下回る場合は、交渉を断る選択肢も考えなければなりません。
多くの場合、落としどころを決めていなければ相手の言いなりになってしまいます。
なので「自分としてはどうしたいか」を冷静に考えて交渉を行うのをおすすめします!
フリーランスとして経験が少ないと、すぐ「じゃあ半額にします」「その条件でいいです」と言ってしまいがちです。
本人としては「相手のため」に提案しているように見えますが、相手からするとちょっと不安になります。
「そんなすぐ値引きするなら、この金額は一体何なの?」
「自信がないの?」
そうやって思われてしまうと、信頼性が揺らいでしまうのです。
なのでこちらから金額や条件を提示する際は自信を持って提案をすることが必要です。
下策のように値引きをしたり条件を下げたりする場合も、即断せずに熟考する「そぶり」を示すことも必要となります。

たとえば、ある案件の見積もり交渉を行うとしましょう。
- 上策: クライアントがあなたの希望する単価を受け入れ、さらに将来的な追加案件の可能性についても前向きな姿勢を示す。
- 中策: 希望単価に近い金額で合意し、納期や作業量についても自分が満足できる条件でまとめる。
- 下策: 単価が低いが、納期や条件が負担にならない範囲で妥協して案件を受注する。
このように、交渉前にシナリオを描いておくことで、冷静かつ戦略的に対応することができます。

ポイントは交渉において「いい人でないといけない」と考えないことです。
弱肉強食のビジネスの世界では、必ずしも「いい人」である必要性はないのです。
むしろプロとして仕事をするのであれば正当な報酬を要求するのは当然のことでしょう。
(漫画『ゴルゴ13』の主人公は値下げなんてしませんよね)
Win-Winを目指す姿勢を忘れない
交渉において重要なのは、単なる自分の利益追求ではなく、相手にも利益がある「Win-Win」を目指す姿勢です。
相手が納得できない条件を押し付ければ、関係性が悪化するだけでなく、今後の仕事にも影響を及ぼす可能性があります。
まずは相手のニーズを理解するために相手の要望を聞き出す(ヒアリングする)ようにしていきましょう。
正しく理解した上で、自分としての提案を出していくのが重要です。
その上で大事なのは「ノーディール」(交渉打ち切り)の選択肢が常にあるという意識を持つことです。
Win-Winにならなければ、思い切って「今回はなかったことにしましょう」と交渉を打ち切ることも大事な発想となるのです。
なかには「こうやって何時間も話しているから、きょう結論を出さないとやばいかも」と焦ることもあります。
焦ってしまえば向こうの思うツボとなるのが交渉の世界。
思考力が落ちていたり、いま決められないと思ったりした場合は「今日のところは一旦修了とし、後日話し合いましょう」と別日に決めるのも大事です。
焦って話をまとめて得られることは何もありません。
冷静な判断をおこなうよう意識しましょう!
「決めない自由」を意識する!
交渉では「その場で決める必要はない」ということを常に意識するようにしましょう。
交渉中、特に報酬や条件に関する話では、焦って結論を出してしまうとあとあとトラブルになります。
交渉を即断せず、一旦持ち帰ることで、冷静に条件を精査するのも大事です。
時間を取って考えることで自分にとって最適な選択が可能になります。
契約書づくりもお忘れなく!
交渉がまとまった際、すぐに「覚書」などの形で書面に内容を整理しておくとあとあとのトラブルを防ぐことができます。
その上で「契約書」締結を行っておくと万全ですね。
実際、取引先とトラブルを経験したことがあるフリーランスは全体の約4割も存在しています。

(内閣官房による「フリーランス実態調査」より)
この要因として、口約束のみで契約を結んでいることも多いのです。
だからこそなるべく契約書を締結するようにしましょう!
(契約書作成を先方が拒む場合、「ノーディール」の選択肢があるのもお忘れなく!)
(契約書の雛形はネット上にあれこれ上がっていますので、探してみて文言を修正して使ってみるのをおすすめします!)
☆こちらも参考にしてみてください↓
フリーランスにとって交渉術が必要な理由
フリーランスの仕事は、クライアントとのコミュニケーションが中心です。
その中で、交渉力が不足していると、不利益を被ったり、理想の条件で仕事が進まなかったりするリスクが高まります。
交渉力は「自分の価値を正しく伝える力」でもあります。
「でも自分は交渉が苦手だから…」
人によってはそう考えている人もいるかも知れませんが、交渉力は(ある程度までは)勉強して高めることができます。
交渉術を身につけるのをお忘れなく!
フリーランスとして成功するためには、交渉力は欠かせないスキルです。
「上策-中策-下策」を考え、Win-Winを目指し、ノーディールを選ぶ自由も持つ。
これらの基本を押さえることで、交渉の場で自信を持って対応できるようになります。

あなたの価値を正しく伝え、理想の条件で仕事を進めるために、今日から交渉術を磨いていきましょう!
☆こちらも参考にしてみてください↓

起業しても交渉術を身に着けていないなら「貧乏フリーランス」に成り下がってしまうことも…!。成功するには、専門知識だけでなく交渉術が鍵となります。「上策-中策-下策」を事前に考え、Win-Winを目指すことで信頼関係を構築していきましょう。焦らず冷静に判断し、条件交渉を進めるのがポイントです!