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大学院で避けられないもの。それはグループワーク!
「グループワーク、マジで大変…」
社会人として大学院に進学する場合、仕事と学びの両立がまず大変です。
それに加え、もうひとつ避けて通れないものがあります。
それが「グループワーク」です。
大学院、特にMBA(経営管理修士)コースなどの専門職大学院ではグループワークを行う機会が多くあります。
MBAではリーダーシップやチームビルディングなど対人関係スキルを高めることがプログラムの中に含まれています。
そのため、大学院の課題を複数人で進めるというグループワークが異常なほど設定されています。
今回は大学院におけるグループワークの大変さと、だからこそ得られるメリットの大きさを解説します!
グループワークはひたすらハード。
複数人で取り組むグループワーク。
やってみるとわかりますがけっこう大変です(笑)
(私もいま北海道大学大学院に通っているので日々実感しています…)
グループワークの場合、個人で行う課題よりも高度な内容が求められることがあります。
たとえば、1対1大学院合格塾が合格実績No.1の小樽商科大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻(MBAコース)の例をみてみましょう。
小樽商科大学大学院(通称OBS)では「4〜5人のチームで起業するための事業計画書」作成する授業があります。
必修授業ですので、これを経験しないことには修了できません。
「こういうお客さんにこんな商品を提供します」というレベルの事業計画書ではなく、「現在のマーケットはどうなっているか」「どんな社会課題があるか」「実際に費用はいくらかかるか・この費用をどうやって捻出するか」「3年間の収支計画はどうなっているか」「人事をどうするか」などを事細かくまとめる必要があるのです。
(書いているだけでうんざりです…)
そもそも取り組むべき課題の量(レポートの枚数)が多いのですが、それ以上に大変なのはグループ内でのコンセンサス(同意)を取ることです。
先程の小樽商科大学大学院(OBS)の例でいいますと「どういう起業をするか」というアイデア出しの時点でまず合意を得る必要があります。
「私はこういうカフェを起業したい」
「いや、それだと将来性がないから〜〜のほうがいいのではないか」
…こういう形で、起業アイデアの合意を得ること自体大変なのです。
なんとかアイデアをグループ内で決めても、手分けして作業をするのがまた大変です。
締切までに皆が担当箇所をやりきってくれる必然性はありません。
そのためリーダーになっていると「●●さん、進捗状況はどうですか?」と進捗確認がマメに必要となるのです。
仕事もしているからこそ、話し合いと作業の時間が捻出できない…。
困るのは、グループワークをやっている仲間がみんな揃って忙しいということ。
社会人が多い大学院ですとみんな仕事を持っています。
じゃあ大学4年からそのまま大学院に進学した人がメンバーに多いと良いかというと、そのメンバーは就職活動(民間就職・公務員試験受験・教育実習など)のほかアルバイトに取り組んでいます。
結局みんな揃いも揃って多忙なのです。
結果、どうなるかというグループで話し合う時間が深夜になってしまいます(笑)
また、課題の難易度も高いためどうしても話し合いが深夜まで伸びてしまうこともしばしばあるのです。
実際、『人生を変えるMBA 「神戸方式」で学ぶ最先端の経営学』という神戸大学大学院MBAコースの学びをまとめた本では〈グループでの話し合いが深夜になっても終わらなかった〉という記述が出てきます。
大変な授業と並行して、ケースプロジェクトなどのグループ作業も容赦なく進行します。グループ作業では、毎週出される難しい課題にメンバーの皆さんと議論を繰り広げ、週末までに個人レポートをまとめ上げます。グループの議論は、平日の仕事が終わってから始まります。ほかの授業の課題レポートあり、朝になれば仕事があるのに、議論が白熱して深夜になっても誰も妥協しません。皆さんと真剣に議論を繰り返すうちに、知識だけでなく、物事に取り組む
姿勢など、多くのことを学ぶことができました。
自分と同じように仕事をこなしながら課題に取り組んでいるのに、週末の授業で鋭い切り口で問題をとらえ、自分と比較にならないクオリティの高いレポートをまとめあげてくる同級生の皆さんに触発され、しだいに自分の能力が限界を超えてストレッチされていくのを実感することができました。(Kindle版249/317頁)
インタビューの結果は当初想定した仮説と多く異なる部分もあり、 根拠(エビテンス) のある結論を導くべく、正月休暇返上でチームメンバーの企業の会議室を借りて深夜まで徹底的に議論し尽くし、 ジェネリック家電メーカー各社が優れサプライチェーンの仕組みを構築していること、そして総合家電メーカーが容易に模倣困難な品質とコストとの絶妙なバランスを苦労の末に見出していることが各社ビジネスモデルの特徴であると結論づけました。最終的にメンバー全員で合意に達することができたのは、本当に良い思い出となっています。(Kindle版285/317頁)
なかなか大変な様子が伝わってきますね…!
本書は2015年の本なのでおそらくは実際に集まって議論をしていたことが想定されますが、現在だとZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールが普及しています。
実際に集まらなくても議論ができるようになった点で、現在のほうがグループワークしやすくなったといえるでしょう。
このようにグループワークは大変です。
ですが、その分やりきったときの喜びも大きいですし、引用文にあったように「自分の能力が限界を超えてストレッチされていく」という成長の機会になるのです。
これが社会人大学院生にとって非常に貴重な財産となるのです。
大学院でのグループワークの特徴
なお、大学院によってはグループワークが存在しないケースもしばしばあります。
専門職大学院ではグループワークが多い傾向がみられますが、研究系大学院ですとグループワークは皆無、というケースもあります。
実際、私が1回目に通っていた早稲田大学大学院の教育学研究科修士課程ではグループワークは全くありませんでした。
ゼミや授業でも個別発表が主であり、誰かと協力して課題を仕上げるという機会はほとんどなかったのです。
ですが、いま私が通う北海道大学公共政策大学院は専門職大学院ということもあり、グループワークがたくさんあります。
正直大変ですが、グループワークがうまくいくと達成感もありますし、一人の課題よりやる気も高まりやすいです。
グループワークを通して他者の価値観・思考を知ることができ、そういう点でも学びを深めることができます。
グループワークの価値と重要性
グループワークは個人の学びにはないいくつもの価値があります。
- 多様な視点の共有:
グループワークでは、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まり、それぞれの視点や経験が反映された意見交換が行われます。
個々人が持つ知識やスキルをシェアすることで、新たな視点が生まれ深い学びが得られます。
これは個別学習や発表では得難い経験であり、自分の考え方や見識を広げる機会となります。 - 協力の重要性を学ぶ:
一つの目標を達成するために複数のメンバーが協力することは、仕事の現場でも不可欠なスキルです。
グループワークを通じて、個人の役割分担や責任感が重要であることを学びます。
仕事に直結するこの経験は、社会人大学院生にとって大きなメリットです。
(特に、私のようにふだん1人で仕事している人にとって自分のスキルを向上する機会になります) - コミュニケーションスキルの向上:
グループワークでは、意見の違いや意思疎通の難しさに直面することもあります。
自分の意見を主張するだけでなく、相手の意見を受け入れ、相互理解を深めるスキルが自然と身についていきます。
オンライングループワークの課題と対策
日中は仕事が忙しく、夜のグループワークでしかコミュニケーションが取れない状況もあります。
大学院でのグループワークは、オンラインで行われることも多くなり、特に夜間に開催されるケースも一般的です。
このような環境での学びは、対面よりも一層の調整力が求められます。
- 時間の調整:
夜の時間帯に行うことは全員の参加がしやすい反面、集中力が低下しがちです。
参加者の生活リズムに合わせてスケジュールを柔軟に調整することがスムーズなグルーうワークを行う上で必要です。
(まあ、みんな忙しいので深夜スタートになることも多いのですが…) - タスク管理:
オンラインでのやりとりは、対面に比べて進捗状況が把握しづらい点がデメリットです。
そのため、タスク管理ツールを活用し、各自の進行状況を明確にし、全員で共有することが求められます。
タスク管理を明確に行うことで、円滑なチームワークが期待できます。 - 積極的なコミュニケーション:
オンラインでは、直接会って話すよりも意見を述べるのに躊躇することがあります。
積極的に声をかけ合い、相手の意見を尊重する姿勢が重要です。
メンバー同士が安心して意見交換できる雰囲気を作り上げることが、グループワークの成功に繋がります。
(あまりないことですが、時折グループワーク中に「飛ぶ」人がいます。
グループワークが面倒なあまり、学習から逃げて誰も連絡が取れなくなる状況になってしまう人もいます…。
そういう場合でも笑って許せる度量の大きさが他のメンバーには必要ですね…)
このような工夫をしてグループワークを進めていけるといいですね!
グループワークが苦手な人へ
「そもそも人と協力するのが苦手…」
なかにはグループワークが得意でないと感じる方もいらっしゃると思います。
特に、個別作業に慣れている方にとっては他人と協力することが大きな負担になることもあります。
しかし、苦手だからこそ、その分野で成長するチャンスと考えてみるのがオススメです!
例えば、他のメンバーの進め方を観察したり、参考にしたりすることで新しいスキルやコツを学ぶことができます。
自分の役割を果たしながらも、周囲の助けを借りたり、逆に周囲を助けたりすることも成長のひとつです。
「苦手なことに挑戦することで、自分の可能性を広げられるはず!」
そんな気持ちで取り組んでみると、グループワークがやりがいのあるものに変わるはずです。
グループワークで成長できる!
大学院でのグループワークは、単に学ぶだけではなく、自分自身の成長にもつながります。
自分と異なる意見を持つ人々と一緒に作業を進める中で、柔軟性や協調性が育まれます。
また、他者からのフィードバックを受け入れる力も強くなります。
これらを通して自己認識を深めることもできるのです。
私自身、ふだん1人で仕事をしているのでグループワークはけっこう苦手です(笑)。
ですが大学院でのグループワークを通じて、視野が広がり、苦手なことにも自信を持って取り組む力が(多少は)ついたと感じています。
今まで避けていたものが成長を促す要素だったと気付けることもグループワークの大きな価値です。
どうせグループワークをやるなら成長の機会と捉えて主体的に!
社会人として大学院に進学する際、グループワークは学びの一環として重要な経験です。
中には苦手な人もいるかも知れませんが、どっちみち避けられないのであれば積極的に取り組んでいったほうがいいです。
他人と協力する力やコミュニケーション能力は、どの業界でも求められるスキルです。
オンラインであれ対面であれ、グループワークを通じて得られる経験は必ず将来のキャリアに役立つものとなります。
グループワークが苦手な人も、自分の苦手を克服する機会として、大学院でのグループワークに積極的に取り組んでいきましょう!
試行錯誤して取り組むうちに、自分にあったグループワークへの取り組み方も学べるはずですよ!
以前の記事にあるように「大学院は失敗するところ」と捉え、成長へのチャンスに変えていってくださいね!
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大学院進学で避けられないのがグループワークです。
MBAなど専門職大学院ではリーダーシップやチームビルディングのスキルが重視されるためグループワークが必要な授業がたくさんあります。
大変な分、多様な視点やチームワークが学べるチャンスです。
成長の機会と捉えて積極的に取り組むのがおすすめですよ!