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大学院修士課程とは?学びの深化とキャリアアップのチャンス
「大学院の修士課程ってどういう場所なんですか?」
社会人の方がキャリアアップを考える際に検討すべきなのが大学院進学です。
それは大学院進学によって最終学歴更新・専門性強化をする点で究極のキャリアアップが可能になるからです。
ただ、大学院がどういう場所かを知らないとそもそも目指すことができません。
今回は大学院修士課程がどういう場所かを解説していきます!
大学院修士課程とは?
大学院修士課程は、学士課程(大学4年間)を修了した後にさらに専門的な知識やスキルを深めるための2年間のプログラムです。
修士課程の概要
修士課程は、特定の分野に関する高度な知識とスキルを習得することが目的です。
研究活動が中心となり、最終的には修士論文やプロジェクトを通じて成果をまとめます。
修士課程には、大きく2つのタイプがあります。
(1)研究型大学院
研究に特化し、学術的な探求を深める大学院です。
大学教員や研究者を目指す方に向けたプログラムとなります(一般的に「大学院修士課程」という場合はこちらを意味します)。
例えば経済学や法学・社会学・工学などを専門的に研究するのがこのプログラムです。
研究型大学院に進学し大学教員や研究者を目指すときは修士課程修了後 博士後期課程への進学もセットで考えたほうがいいでしょう。
この場合は修士課程2年+博士後期3年の5年間の通学が必要になります。
(2)専門職大学院
MBA(経営管理修士)や法科大学院(ロースクール)のように、特定の職業分野に直結したスキルを養う大学院です。
専門職として活躍していくのに必要な専門性を身につけられる大学院となっています。
2003年の大学改革により誕生したのがこの「専門職大学院」となっています。
基本的に専門の職業分野に特化した人材育成を主たる目的とした大学院です。
基本的に専門職大学院は修士2年間で一応修了となります。
(専門職大学院修了後、博士後期課程に進学することも一応可能です)
MBAコースや法科大学院教職大学院・会計大学院・公共政策大学院などがこのカテゴリーに入ります。
社会人キャリアアップ、オススメは専門職大学院!
ここまで研究型大学院と専門職大学院の2つを見てきました。
社会人キャリアアップに断然オススメなのが「専門職大学院」です。
これは自身の職業上の経験や専門性を更に深めていけるからです。
具体的には次のパターンに専門職大学院進学が役立つと言えるでしょう。
パターン1 ビジネスパーソンがMBAコース進学
ビジネスパーソンとして活躍している方がMBA(経営管理修士)取得のため大学院進学をすると、自身の経営の知識・スキルを強化させることができます。
なお、この場合に進学する大学院をビジネススクールということがあります。
ビジネススクールでは一橋大学大学院や早稲田大学大学院・慶應義塾大学大学院・明治大学大学院・筑波大学大学院などが有名です。
札幌圏において小樽商科大学大学院が有名です。
なお、1対1大学院合格塾はこの小樽商科大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻(MBAコース)の合格実績No.1となっています。
パターン2 行政職員が公共政策大学院進学
中央省庁や都道府県・市町村役場で働いている公務員の方がキャリアアップする際にオススメなのが公共政策大学院進学です。
現在、「新しい公共」という枠組みで官民連携が注目されています。
新たな行政のあり方を理解し、行政のあり方を変えていける行政職員が現在求められています。
その専門性とスキルを身につけるのに公共政策大学院は最適です。
日本には北海道大学大学院・東北大学大学院・一橋大学大学院・東京大学大学院・早稲田大学大学院・明治大学大学院・京都大学大学院に公共政策大学院が設置されています。
行政組織においてはこういった大学院への進学を優遇する制度が設置されているケースもありますので、行政職員の方は検討してみてはいかがでしょうか?
なお、この記事を書いている私・フジモトは現在北海道大学の公共政策大学院に在学していますので、この分野にも強いです。
ケース3 現職看護師が専門看護師(CNS)取得のために看護大学院進学
看護師の方が専門看護師(CNS)を目指す場合、大学院のCNS養成コースに進学することになります。
専門看護師は医者も一目置く資格となっており、看護師資格の格を高め昇進・転職が有利になるだけでなく、自分の理想の看護を実現する上で役立つ資格です。
(厳密には大学院修了後、専門看護師の試験に合格することで資格取得が可能です)
なお、CNS取得ができる大学院は厳密には研究型大学院であって専門職大学院ではありません。
ですが、現職看護師の方を主体性としている点で専門職大学院の要素を持っていると言えるでしょう。
(大学院によっては同じ修士課程でも研究型大学院の要素が強い「論文コース」と「CNSコース」を分けているケースがあります)
このCNS養成を行っている大学院は全国に多数存在します。
北海道でCNS養成をしている大学院についてをこちらにまとめていますのでよろしければご覧ください↓
ちなみにCNSとナースプラクティショナー(診療看護師)を高度実践看護師と呼ぶことがあります。
このナースプラクティショナーも養成課程が設置されている大学院を修了することで資格取得が可能です。
1対1大学院合格塾は聖路加国際大学大学院・東京大学大学院・国際医療福祉大学大学院をはじめ、多数の看護師の方を看護大学院合格に導いてきています。
合格実績はこちらをご覧ください↓
ケース4 現職教員が教育職員専修免許状取得のために教職大学院進学
大学卒業をして教員になる場合、通常は教育職員1種免許状を取得しています。
ですが、もっと専門性を高めたいケースや校長・教頭などの管理職を目指す場合、大学院進学をして免許の格を上げておくことがキャリアアップに役立ちます。
そんなときに役立つのが教職大学院です。
教職大学院は教員としての専門性を高めるほか、教員に求められる専門スキル(カウンセリングマインド・進路指導・ダイバーシティ理解など)を高めるのに絶好の機会となっています。
一般的に教職大学院は現役教員の方が通いやすいように工夫されている他、公立学校教員の場合は進学のための優遇制度が用意されていることが多くあります。
まさに、現職教員のキャリアアップに教職大学院は最適なのです。
教職大学院は北海道教育大学大学院・早稲田大学大学院をはじめ全国に50校以上の大学院に設置されています。
なお、教職大学院でなく普通の研究型大学院に進学しても所定の単位を修得することで教育職員専修免許状を取得できます。
なお、私は大学4年生からそのまま早稲田大学大学院教育学研究科(研究型大学院)の修士課程に進学し、教育職員専修免許状を取得しています。
取れる学位が「修士号」
研究型大学院も専門職大学院も、どちらも修了後に「修士号」という学位を取得できます。
研究型大学院の場合は単に「修士」、専門職大学院の場合は「修士(専門職)」という学位を得ることが可能です。
この修士号という学位は万国共通です。
日本ではさほど重視されないかも知れませんが、海外に行くほど修士号の「重み」は大きくなります。
実際、日本の大学院にアジア圏から多く留学生が来ているのも、修士号を取ることが母国においてキャリアアップに直結することが大きな要因となっています。
(アメリカ・ヨーロッパに比べて近いことも理由です)
学士号・修士号・博士号の違い
大学4年間修了後に取れる学位は「学士号」(Bachelor’s degree:バチェラーズ・ディグリー)といいます。
修士号はこの学士号の1つ上の学位となります。
「修士号」を英語でいうとMaster’s Degree(マスターズ・ディグリー)といいます。
修士課程を「マスターコース」というのはマスターズ・ディグリーを取得できるためこのような言い方となります。
修士号の上の学位が「博士号」(Doctor’s degree:ドクターズ・ディグリー)と言っています。
博士号を持っている人のことを「ドクター◯◯」(◯◯は名字)と呼ぶのはこのためです。
なぜ哲学博士が博士号なのか?
なお、博士号を「Ph.D」(ピーエイチディー)と書くことがありますが、これは「Doctor of Philosophy」の略です。
これを直訳すると「哲学博士」という意味になります。
なぜ哲学博士が博士号を意味するのかというと、中世社会にその起源があります。
もともと中世においてあらゆる学問は「哲学」の一部とされていました。
1つの学問分野を極めた場合「哲学博士」(Ph.D)が授与されていたことから、未だに博士号のことをPh.Dと表現しています。
専門職大学院の中でも法科大学院は少し別の扱いとなります。
法科大学院は修士課程2年終えるだけで「法務博士(専門職)」という博士号を取得できます。
2. 修士課程の意義
修士課程は、キャリアアップやキャリアチェンジのための強力な手段となります。
専門的な知識やスキルを身につけることで、新たな職業や業界に挑戦するチャンスが広がるからです。
また、研究や技術職、教育職などの分野で求められる高い専門性を身につけ、リーダーシップを発揮できる人材として成長することが期待されます。
特に、研究型大学院でも専門職大学院でも、専門分野の知識だけでなく調査技法や研究技法を身につけられることがキャリアアップに大いに役立ちます。
今の時代、情報が大量に流通しています。
その中で何が正しいかを自分で判断することが求められます。
また反対に、自分自身でリサーチをし真理を追求することも現在求められています。
大学院修士課程進学はこの際に役立つ調査技法や研究技法を身につけられるチャンスなのです。
(理系分野では実験ですが、文系分野ではヒアリング調査やアンケート調査、フィールドワークなどが調査技法となります)
特に現在日本では、リスキリング(新たなスキルを習得すること)やリカレント教育(キャリアアップを目的とした再学習)が注目されています。
社会人が修士課程に進学するケースも増えているのです。
3. 修士課程の入試と進学の流れ
修士課程への進学には、まずは大学院の入試を突破する必要があります。
入試の内容は、大学院によって異なりますが、一般的には以下のような要素があります。
- 筆記試験:専門科目や英語などの試験。小論文なども出題される
- 面接:研究計画や学問への情熱を問われる
- 研究計画書:自分が取り組みたい研究テーマを明示する
4. 修士課程を活かしたキャリアアップ
修士課程を修了すると、学士卒に比べてより高度な職業やポジションに就くことが可能になります。
例えば、エンジニアやデータサイエンティスト、教育者、経営者など、専門職としてのキャリアを確立することができます。
さらに、修士課程で培った研究能力や問題解決力は、職場での評価を高め、昇進や転職の際にも有利に働くことが多いです。
5. 修士課程のデメリット
修士課程にはメリットが多い一方で、時間と費用の負担が大きいことも忘れてはいけません。
2年間の学費に加えて、学業に費やす時間や労力を考慮する必要があります。
そのため、進学前には自身のキャリアゴールと照らし合わせて、十分に計画を立てることが大切です。
ですが、日本には社会人の大学院進学をサポートする制度があれこれ存在しています。
社会人の大学院進学をサポートする諸制度を以下にまとめましたのでご覧ください。
まとめ。社会人こそ大学院、特に専門職大学院でキャリアアップを実現しよう!
修士課程は、専門的な知識とスキルを深め、キャリアアップのための重要なステップとなります。
自分の興味や目標に合わせたプログラムを選び、積極的に学びを深めることで、自身の今後のキャリアをより豊かにすることができるです。
ぜひあなたのキャリア形成に大学院修士課程進学を役立ててくださいね!
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大学院修士課程とは、学士課程(大学4年)を修了した後に専門知識を深める2年間のプログラムです。研究型と専門職型の2種類があります。特に社会人のキャリア向上には、MBAや公共政策などの専門職大学院がオススメ。修士課程修了後は、専門知識・スキルを持つ人材として多くのキャリアチャンスが広がりますよ!