ドラえもん解説動画に学ぶ、研究量産の極意!ネタ元を作ろう!

藤本研一
Digest!
いまドラえもんの解説動画「ゆっくりドラチャンネル」にハマっています。
ドラえもんの原作漫画や映画・アニメを網羅的に解説しているチャンネル。
 
「どうやってこれだけの分析ができるんだろう…」と思っていたところ、どうも著者は作品を自分でデータベース上に分析し、その内容を検索する形でつくっているようです。
 
動画を作る「ネタ元」を用意しているのですね。
この姿勢、研究にも通じますね!

ドラえもん解説動画にハマってます。



最近、私がついつい観てしまう
YouTubetチャンネルがあります。


それが
ゆっくりドラチャンネル」さん。

  ☆ゆっくりドラチャンネル
  

名前の通り、
ドラえもんの原作漫画・アニメ・映画などの内容をもとに

ドラえもんという作品の
知られざる秘密をテーマごとに解説する
チャンネルになっています。

ドラえもんのひみつ道具やキャラクターを網羅的に解説!

例えば
ドラえもんの出すひみつ道具に
「スモールライト」があります。

ライトを当てると
物や人・動物などを小さくできるという
便利なひみつ道具です。

(写真はイメージです)

このスモールライトですが、
実は作品に登場するごとに
見た目が大きく変化しているそうです。

それを「ゆっくりドラチャンネル」では
漫画・アニメ・映画の1シーンと一緒に
解説をしているのです。



スモールライトの効果自体も
登場する作品ごとに微妙に違っているので
その解説もしています。

要するに、『ドラえもん』という作品内から
「スモールライト」が出てくるシーンを
すべて検討することになるわけです。

ドラえもんは全45巻(全集20巻)・映画43本・アニメ3400話以上…!

ここで考えなければならないのは
『ドラえもん』という作品の膨大さです。

ドラえもんって
小学館の「てんとう虫コミックス」版で
全45巻あります。


これ以外に「てんとう虫コミックス」に掲載されていない作品が
さらに倍くらい存在しています。

(そういう作品は
 『藤子・F・不二雄 大全集』のうち
 「ドラえもん」1~20巻も参照する必要があります)

  ☆『藤子・F・不二雄大全集』「ドラえもん」
   

プラスして、
映画は今年公開のものを入れて43作品、

(こちらを参考にしました↓
 https://filmaga.filmarks.com/articles/3188/

アニメは
2019年時点で3400話以上存在しています。
(テレビ朝日版の数字です。日テレ版は全52話です)



これだけの作品の中から
「スモールライト」が登場する回を
ほぼすべて網羅して解説をしている…。

私からすると驚異的です。


(ぜひこちら↓から見てみてください。
 たいへん勉強になりました)

意外とドラえもんに詳しいです。

ちなみに私、子どもの頃に弟といっしょに『ドラえもん』の
てんとう虫コミックス版漫画を買い揃えていた経験があるため、
ドラえもんにはまあまあ詳しいです(笑)



なのでこの「ゆっくりドラチャンネル」、
ついつい見入ってしまいます。



「へ〜、このひみつ道具って
 この作品だと効果が違うんだ…」

「のび太の射撃の腕について
 こういう描写があったんだ…」

など、いちいち発見があります。

どうして、こんなに網羅的に解説できるのか?

さて、「ゆっくりドラチャンネル」を
ずっと観ていて気になってきたことがあります。

それは、

「どうしてこんなに膨大な作品の中から
 特定のひみつ道具や
 特定のシーンについて網羅的に解説できるのだろう?」

という疑問です。


ネットを探しても
たとえば「スモールライトが出てくるシーン」を
すべて見つけられるわけではありません。


細かなところも含め、
作品を研究していないと
これだけ網羅的には解説できないのです。


そんな疑問を解消する動画がありました。

それが
「2022年みんなありがとう!
 視聴者からの質問&リクエスト”ほぼ”全て答えます!」

という動画。

 


   

視聴者からの質問に投稿者(うp主)が答えるという
ファンサービス動画です。


「どうしてこんなに網羅的に
 ドラえもんについて解説できるのですか?」

という質問に対してこういう回答をしていました。



概要をいうと次のような形です。

・以前から、『ドラえもん』を作品ごとに分析した
 データベースを自分で作ってきた
 (エクセルのような形式でデータを保存しているそうです)

・このデータベースには、
 「てんとう虫コミックス●巻の●話には
 こういう道具が出たほか、
 こういう描写があった」という内容を書き込んでいる

・動画を作る際、例えば「スモールライト」の解説動画を作るときは
 データベースで「スモールライト」を検索し、
 出てきた箇所の漫画や映画のシーンをまとめて動画を作っている

・データベース以外にも、
 動画解説のネタになりそうなものをメモに大量に書き出している
 (ネタが大量にあるからこそネタ切れにならない)

・年に1度 ドラえもんの原作漫画や映画をすべて見返す時間を作っている

・ほか、ドラえもんの解説本や関連作品も都度読み込んでいる




こういう内容をけっこう簡単そうに説明していたのですが、
なかなか実践できないですよね…(笑)


まずは自分で作品研究のためのデータベースを作っている時点で
投稿者の熱意を感じますし、

毎年 漫画・映画などを読み直している時点で
「ドラえもん」愛を実感するのです。


観ていて
「なるほどな〜、
 だからこれだけ網羅的に動画が作れるんだな〜」
と感じました。

研究者のやり方もまったく同じ!

で、実はこのやり方というのは
研究者が論文を書くとき・
研究をするときと全く同じです。


わかりやすいように
歴史研究者をテーマにします。

たとえば政治史の研究者は

「●●年●月●日に、
 政治家の●●が誰と会っていたか」

を自分なりに年表にまとめつつ研究するのだそうです。



例えば私が大隈重信について研究する場合、
大隈重信の足跡を自分で年表にまとめていくことになります。


●●年●月●日、
大隈重信が誰と会い何をしたのか・
どこにいたのかを年表に書き込んでいくのです。

(ちなみに、大隈重信は早稲田大学の創設者です)


この年表を見ながら
論文を書く・学会発表をするなどの
研究を重ねていくことになります。



いうならば、
論文を書いたり学会発表をしたりするより前に
その「ネタ元」を自分で作っているわけです。

まずは研究の「ネタ元」を自分で作る!

論文を書いたり学会発表をしたり
本にまとめて出版したりする場合、
自分の知識を外に出す形になります。

ですが、
自分の研究の「ネタ元」である年表だけは
誰にも見せません。


だからこそ、いくら自分が研究成果を外で発表しても
自分オリジナルの研究を

いくらでも作っていけるわけです。

ネタ元を作る発想を!

研究をするにあたっては
「ゆっくりドラチャンネル」の投稿者や
歴史学研究者のように
「ネタ元」を作る姿勢が欠かせません。


自分が今後研究を量産するためには
「ネタ元」をどれだけ充実できるかが重要です。

それにより、
今後の研究成果が大きく左右されるのです。



…私も研究者の端くれとして、
この姿勢を大事にしたいと思っています。



今回のポイント


研究のポイントは自分だけの「ネタ元」を作ること!
日々の研究でネタ元を充実させよう!



今回は研究をするにあたっての
「ネタ元」について説明をしました。

「ネタ元」って、要するにデータベースを作ったり
年表を作ったりする形になるわけですが、
そんなに大げさに考えなくても構いません。


自分が読んだ本や論文のタイトルを
パソコンにメモしておいたり、

可能であればZoteroなどの
文献データベースソフトに書き込んだりするのも
いいでしょう。

パソコンにメモしていると
検索で該当箇所をすぐ見つけ出せるので
とても便利ですね!

なお文献データベースソフトというのは
本のタイトルや著者名・ページ番号などのほか
引用したい文言を書き込んでおけるデータベースのことです。



「ちょっと前に読んだあの論文、
 なんというタイトルだったかな…」

「●●について書かれた論文を以前読んだんだけど、
 どの論文だったっけ?」

と疑問を感じるときに
検索するだけで必要なデータが見つかる
便利なデータベースとなっています。


(うちの塾では文献データベースソフトZoteroの使い方も
 講義しています!)

研究をやり始めた初期から
こういう取り組みをしていると
自分の研究があとあとやりやすくなっていきます。


あとは「ネタ元」を日々充実させていけば
今後研究を行い続けることができますし、
なにより修士論文執筆も
研究計画書作成もラクになるのです。

ぜひ「ゆっくりドラチャンネル」や歴史学研究者の
「ネタ元」を作る姿勢、
マネてみてくださいね!



ではまた!


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