修士論文執筆!インタビュー調査では事前の同意をお忘れなく!足元をすくわれないための注意事項

藤本研一

Digest!
修士論文執筆の際、地味に大事なのが

インタビュー調査をする際などの調査同意です。

これを取っていなかったばかりに
あとあとトラブルになる事例が跡を絶ちません。

調査同意は事前に書面で取るほか、
論文に仕上げる際・別の箇所で
インタビュー内容を使いたい際には
必ず取るようにしたほうがいいですね!

でないと足元をすくわれることもあるので
要注意です!

「修士論文は意外とそのまま本になっている!」

昨日は
「修士論文は意外とそのまま本になっている!」
とのテーマで記事を書きました。


ありがたいことに、
反響があって嬉しい限りです

大学院で気合を入れて修士論文を書き切ると、
その内容がそのまま本として出版される可能性がある。


こう考えると
ちょっとだけ修士論文執筆への
思いが強まるかもしれませんね!


調査対象者への同意は必ず取る!!!

ただ、修士論文をそのまま本にする場合に
補足すべきことがありました。


それは

【調査対象者への
 同意をきちんと取ろう!】

ということです。



修士論文をそのまま書籍にする際、
インタビュー調査をした人から
クレームが来ることもあるからです。

修士論文への研究同意は、他の媒体への同意ではない!

修士論文って
残念ながら大学院に提出しても
基本的には誰も読みません。

(これでいいのかは別ですが…)

なので、インタビュー調査への協力や
インタビュー内容を論文に引用するのも
基本的には許可がもらいやすいです。

何しろ指導教員やゼミ生くらいしか読まないからです。

ですが、
いざ出版することになると
話が180度変わります。

なにしろリアル書店やネット書店で
誰もが買うことができますし、
場合によっては図書館に置かれることもあるため
誰もが容易に読めてしまいます。


なので
「修士論文にインタビュー内容を書くのはいいけど、
 一般の書籍に書くのはイヤ」
という人も当然出てきます。

修士論文の出版時に揉めた事例も…!

書名は出せませんが、
修士論文が本になる際、

インタビュー内容を書籍に載せていいかという許可を
取り切れなかったケースも存在しています。


それが後々問題となったケースも
実際に存在しています。

出版後に問題が生じると
けっこう困ってしまいますよね…。


事前の調査同意を必ず取る!

ここから言えるのは、
インタビュー調査をする場合、
調査同意をきちんと取っておくのが
本当に重要だ、ということです。

紙で説明して同意書にサインをもらうだけではなく、
電話番号やメールアドレスなどを聞いておき、
論文をまとめた際や
論文が本になる場合などに
きちんと許可を取ることが必要なのです。



特に医療系の場合、
この調査同意を適切に取ったかどうかが
論文の評価にも直結してきます。

研究倫理が問われる時代。

昔はインタビュー内容を
匿名にすることなく平気で各所に書く研究者も
しばしばいました。

ですが、いまはそういう時代ではありません。



インタビュー調査などで得た内容を
論文にするには
事前の許可が必要不可欠になっています。


修士論文執筆用に得た同意であっても、
一般の書籍にまとめたり
なにかの雑誌に論文として出したりする際には
再度同意を得ていく必要があるのです。

同意が取れないときは
残念ですがそのインタビュー内容は
論文から削除しなければならなくなります。

切ないですが、そういうルールが存在している以上
仕方ないのです。


まとめ!修士論文執筆時からきちんと許可を取る習慣を!



まとめをします。

「私も修士論文を本にしたい!」

という思いがある方は
インタビュー調査の際
きちんと書面で同意を取るだけでなく、
その人の連絡先もひかえておくようにしてくださいね…!

いざ書籍化する際は
「確実に」事前の許可を取っておきましょう!


今回のポイント


地味に大事な調査同意。
修士論文用のインタビュー内容を
ほかで使う場合はきちんと許可を取りましょう!

調査同意は各学会の指針を確認しましょう!

今回はインタビュー調査について
同意を得ていく重要性を書いていきました。

この調査同意について、
学術団体ごとに方針があれこれ定められています。

例えば、日本社会学会の指針はこちらとなります↓

 ☆日本社会学会倫理綱領にもとづく研究指針
  

ここを見てみますと、
インタビューなどで聞いた内容を
何の論文で使うか、
どのような形で引用するかも
同意を得ておく必要があるのがわかります。

どうやって同意を取ればいいの?

さて、ここで、

「同意っていうけど、
 どうやって同意を得たらいいの?」

という質問を持っている方もいらっしゃると思います。



調査同意は口頭だけではなく
書面でも説明する必要があります。

その上で、
同意の署名をもらっておきましょう。


調査同意書、事前に作っておきましょう!

この書面での説明の際に使うのが
「調査同意書」というものです。

参考例として、
名古屋市立大学における
調査同意書がネット上に公開されていました。


研究の際 参考になさるとよいかと思います。

名古屋市立大学 調査同意書

もちろん、所属する大学院によっては
調査同意書の型が共有されているケースもあるので
指導教員などに確認するといいですね!

調査同意を地道に取っていく!

繰り返しになりますが、
インタビューの際には
どのような形でインタビュー内容を使うのかを
示しておく必要があります。

論文に掲載する際にも
事前に内容を見てもらう必要もあります。

修士論文に活用することで同意を得た場合、
それ以外の論文にインタビュー内容を使う際は
また事前に同意を得ておく必要があります。

…こう書くと「めんどくさい」ことの連続ですが、
研究ってこういう「めんどくさい」ことを
1つひとつ丁寧に行っていく必要があります。

あとあと足元をすくわれないように、
インタビュー調査をする人への
調査同意、忘れず取るようにしてみてくださいね!



ではまた!


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