日本で起業が流行らない理由とは?『日本のコミュニケーションを診る』を読んでみて。

藤本研一

Digest!
パントー・フランチェスコさんの
『日本のコミュニケーションを診る』を読んでいると、
日本人がいかに所属を重視しているかが伝わってきます。

そこで気付いたのは日本で起業が流行らない理由です。

所属を完全に失う「起業」って、
本人からすると精神的負担も大きいのです。

だからこそ起業するなら
週末起業や複業などで所属を維持しなら行うのがいいですね!

『日本のコミュニケーションを診る』を読む。

先日、パントー・フランチェスコさんの
『日本のコミュニケーションを診る』という本を
読みました。


パントー・フランチェスコ
 『日本のコミュニケーションを診る~遠慮・建前・気疲れ社会 』(光文社新書)


 

ただ読んだだけでなく、
解説動画も撮りました!

ライターの沢田石誠さんとの動画です。

イタリアから日本にやってきた精神科医パントー・フランチェスコさん


この本の著者
イタリア出身の精神科医である
パントーフランチェスコさんは
以前より日本のアニメ文化に興味があり、

〈日本で精神科医として仕事をしたい!〉

と思っていらっしゃったそうです。

その思いを実現に移し、
実際に精神科医として日本で活躍なさっています。

この有言実行の姿、
本当にスゴイことだと思います。


日本のコミュニケーションの特異さ

イタリアから日本に来たからこそ、
日本のコミュニケーションの特異さに
気付いていかれたそうです。

例えば日本では自己紹介の際、

「私は●●株式会社で●●年働いています。
 現在は課長として部下を率いています。
 自宅では3人の子どもの父親として
 子どもたちの学費をなんとか工面しているところです」

などと話します。

会社名などの所属や役割を
必ずと言っていいほど話すことになります。

「日本社会の場で自己紹介をするときは、
 必ず自身の所属を述べることがマナーだろう。

 会社、職場、学校、部活などの名前を述べるのが
 常識的で無難だと思われる。
 
 

 この「所属」こそ、
日本社会において自己評価に不可欠な指標となる。

 それに依存して自己の価値が決められていると
 言っても過言ではない」
 (Kindle版37ページ/201ページ)

家族関係などもこの時話す対象になります。

「社会的な所属以外に「交際状況」も同様の役割を持つ。
 独身か既婚か、パートナーがいるか否かというステータスも
 自己評価の一つの柱だろう。

 「私は山田太郎です。 出身校は です。
  × ×部に所属していました。いまは▲▲社に勤めています。
 2年前に結婚して・・・・・」」
 (Kindle版37ページ/201ページ)
 

いずれにしても、
会社やサークルという公的な所属のほか、
家族というプライベートな所属も
自己紹介の際に話すことになるわけです。



所属なり肩書きなりというものを重視するのは
日本に顕著なのようです。


「もちろん、日本以外の文化圏でも
 このように肩書きを自己紹介に含めることはある。

 ただ、そのバランスは日本ほど偏っていない。
 状況特性的な自己記述それ自体が悪いわけではないが、
 それに偏りすぎると自分の価値が、自分にまつわる
 「状況」に依存してしまう。

 結婚していれば価値がある、
 いい学校を卒業できたら価値がある、
 人気のある部活を続けたら価値がある。
 それがない自分には、価値がない。

 日本社会は標準的な自己記述を避ける傾向があるゆえに、
 感情の表出がないがしろになりやすく、
 個人の自尊心は状況依存的になり、
 容易に剥奪されてしまう。

 健全な自尊心を保つことが難しいのである」
 (Kindle版37-38ページ/201ページ)

日本社会の自己紹介のように
「所属」「肩書」から始めなくても、
たとえば

「私は陽気な性格です」
「世界一周するのが私の夢です」

などと自己紹介してもいいわけです。


ですが、こういう自分自身の記述ではなく
周囲との関係に基づく内容だけを
話してしまうことが多いのですね。


日本人がいかに所属を気にしているかが
よく分かる事例だと言えるでしょう。

日本で起業がイマイチ流行らない理由!

こういう内容を読んでいて思ったのは
日本で起業がイマイチ流行らない理由です。

起業(脱サラ)というのは
所属を自ら放棄することになります。

転職は別コミュニティに入ることを意味しますが、
起業はコミュニティ自体から離脱することになります。


なので転職ではなく退職して起業するのは
精神的に負担が大きいと言えるのかもしれません。

だからこそ日本だと
いうほど起業が流行っていないのだと
実感しています。



パントーフランチェスコさんの本、
こういう意味でもたいへん面白いな、と感じています。

今回のポイント


日本で起業が流行らないのは
「所属」を失いたくないから?!
まずは週末起業・複業がオススメです!

所属を完全に失うタイプの起業は
日本だとちょっと躊躇されがちかもしれません。


私のように勢い余って
職場をやめて独立して
所属を完全に失ってしまうと
つらさを覚える人も多いことでしょう。

私自身、学校教員をやめて塾を一人で始めた時、
誰にも縛られない自由と同時に
とてつもない孤独を感じたのを覚えているからです。

週末起業・複業のススメ!

であればオススメなのは
週末起業や複業です。


組織に所属しつつ
土日だけ自分の仕事をする。

日中は会社で働き
夜は自分の事業をする。

こういうパターンだと
所属を離れずに済むので
精神的に楽になります。

いきなり所属を離れない。

それが日本における
起業成功の秘訣かもしれませんね!



(こういう週末起業・複業のアドバイス、
 行っていますので一度「体験授業」を受けてみてください)



ではまた!


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