【65歳以上就業者数1.5倍】は本当に深刻か？新聞記事に騙されるな！？電卓アプリで計算すると実際がよく分かる件

先日の新聞記事に
「65歳以上就業 10年で1.5倍　
　総務省調査　昨年912万人」
（2023年5月7日　北海道新聞朝刊）
というものがありました。

内容だけを見ると
65歳以上就業者数がめちゃくちゃ増えていて

「やはり年金だけでは生活できないのかも…」

と読み手に伝える意味合いがあるかもしれません。

でも、手元の電卓アプリで計算すると
実際の印象は大きく違ってきます。

自分で計算すると
新たな発見が見つかるのです。

今回はそんなお話です。

スマホの電卓アプリ、使っていますか？

突然ですが、
スマホの電卓アプリ、
活用なさっていますか？

電卓を持ち歩く機会は少なくても
いまや手元のスマホには必ず電卓アプリが
入っています。

資料を読む時や
新聞を読む時、
ぜひ電卓アプリを多用したほうがいいですよ！

「65歳以上就業 10年で1.5倍」のインパクト

…というのも、
最近こういう新聞記事を目にしたからです↓

「65歳以上就業 10年で1.5倍　
　総務省調査　昨年912万人」
（2023年5月7日　北海道新聞朝刊）

　　

記事によりますと、

「国内で働く65歳以上の就業者が、
　2022年平均で912万人と
　12年平均（596万人）の約1.5倍となったことが
　6日、総務省の労働力調査で分かった」

ということだそうです。

65歳以上の就業者数が
2012年に比べて1.5倍に増えているわけです。

こう聞くと

「ああ、めちゃくちゃ増えたんだな〜。
　やはり、年金だけだと厳しいから
　みんな働いているんだろうな〜」

と考える人も多いと思います。

人によっては
「だから日本の年金制度はダメなんだ！」
といい出す人もいらっしゃるかもしれません。

実際、健康寿命が伸びたから
就業し続けられる人も増えた反面、
「一方で年金だけでは生活が苦しく
　働かざるを得ない人もいる」
と記事では指摘しています。

「夫婦の年金を合わせても
　生活が厳しい場合がある」

などというコメントを引用しているので
そういった内容を伝えたい記事である
可能性もあります。

なにしろ
2012年に比べて
【1.5倍】になっているわけですから。

「10年1.5倍」はそんなに深刻か？

でも、この記事がいうことって
本当にそんなに深刻なのか
気になってきました。

なので手元のスマホの電卓アプリで
計算してみることにしたのです。

新聞記事の中にあったデータで
計算してみます。

新聞記事によると
2012年の65歳以上人口は3,079万人
（1万以下は計算のため切り捨てています）、
うち就業者数は596万人でした。

就業率を計算すると
596÷3623で0.193…

パーセントで表すと約19.3%となります。

一方、2022年の65歳以上人口は3,623万人
（65歳以上人口は増えています）、
うち就業者は912万人でした。

就業率を計算すると
912÷3623=0.251…

パーセントで表すと約25.1％となります。

就業率で見てみると。

就業率で比べると
2012年が約19.3%、
2022年が約25.1％なので
６ポイントほどしか差がありません。

たしかに65歳以上の就業している人の人口は
1.5倍に増えていますが、
それだけをもってなにか大きな問題が起きているとは
指摘できないはずなのです。

計算するとわりとすぐ出せる数字ですが、
記事の中では就業率の比較が出ていないのが
少し気になりました。

（出してしまうとイマイチインパクトが
　なくなってしまうようにも思います）

自分で電卓を叩いてみるだけで
ちょっとした発見が得られることを
実感した次第です。

今回のポイント

せっかくならスマホの電卓アプリを
学習に役立てよう！
手軽な計算で新たな発見が得られる！

電卓アプリを使いながら新聞・本を読もう！

電卓アプリを少し使うだけで
新聞記事ではわからなかった内容も
掘り下げて考えられるようになります。

たいして難しい計算をしなくても
構わないのです。

こうやって新聞や本の指摘する内容に、
自分で計算した結果を持って
ツッコミを入れられると面白いですね。

（クリティカルリーディングになります）

少なくとも自分の理解を
更に深めることも出来るのです。