気分が下がったときに読むべき本。アラン『幸福論』

今回のポイント

気持ちが下がったときに
切り替えられる本を持っていますか?

名著!アラン『幸福論』を読む。

いま、アランの『幸福論』を読んでいます。

  

☆以前、『100分de名著』にも紹介されていました。

フランスの哲学者であり、
高校で「哲学」の授業
(フランスではこういう授業があります)を
長年持ち続けたアラン
(本名エミール=オーギュスト・シャルティエ)




そのアランが
毎週日曜日
新聞に連載していた
プロポ(コラム記事のようなもの)を
集めて本にしたのが『幸福論』です。


このアランの『幸福論』、
私は学生時代から何度も読み返しています。



なんとなく気分が落ち込んだときや
壁にぶつかったときに読むと
解決のヒントを得られるのが
アラン『幸福論』のいいところです。

情念に流されると損をする!

アランの『幸福論』には特徴があります。

それは「情念」に流されないことの
重要性を何度も指摘しているところです。



情念とは心にふと浮かぶ感情のことです。

たとえば
「ああ、ちょっと寂しいな」と感じたり
「ああ、なんか疲れたな」と感じたりするのが
情念です。


この2つはマイナスの情念ですが、
「嬉しい」「楽しい」など
プラスの情念も存在します。

情念の中でも
マイナスの情念に流されないことが
幸福への第一歩であると
アランは主張します。


どういうことかと言うと、
「自分は不幸だ」「不安だ」というマイナスの情念を
感じていると、

次第に心も
「なぜ自分はこんなに不幸なのか」
「なぜ私はこんなにも苦しまないといけないのか」
とマイナスの思考がずっと続いていってしまうからです。

(こういうのを「自動思考」といいます)


そうではなく、
「自分は不幸だ」「不安だ」などと感じたら
まずは「微笑む」こと・身体を動かしていくことを
アランは主張するのです。


マイナスの情念は他人の迷惑に…!

マイナスの情念に流されると
他者にも迷惑をかけてしまうことがあります。

よく犯罪報道の中で
「カッとなって殴ってしまった」などという
セリフが出てきますよね。

あれは
相手に怒りという情念を感じ、
それをそのまま殴るという行動に移してしまった結果です。


カッとなって人を殴ってしまうと
損するのは自分です。


だからこそ、
カッと怒りを感じたときこそ落ち着いて
気持ちを切り替える。

あるいは心のなかでゆっくりと1から10まで
数を数える。

そうすると
怒りのまま殴ってしまうという行動を
防ぐことにもなります。




このように、
情念に流されるのは
たいへんもったいないのですね。


情念に振り回されないようにするという
アランの発想、

私が大学院修士課程在学中に
うつになったときも
回復する上で大いに役立ちました。



疲れたら伸びをしよう!

他にもアランは
「疲れたら伸びをしよう」
と言っています。


疲労を感じた時
「なぜ自分はこうも疲れ果てているのだろう…。
 この仕事、自分に向いていないのではないか…」
などと人間は余計なことを考え出します。

疲れを感じるという情念によって
次々にマイナスな思考・不幸な思考に
陥ってしまうのです。


そうではなく、
まずは腕を上げて伸びをすると
気持ちが一瞬で切り替わります。


こういう身体動作も用いることで
情念に流されるのを
防ぐことができるのですね。



「気分の善し悪しはすべて、
 一時的なからだの出来事によるものだが、
 それをわれわれは異様に拡大して、
 そのことに神託のような意味を
 与えてしまう」

(Kindle版5ページ/291ページ)

「なぜ自分はこんなに悲しんでいるのか」

「なぜ自分はこんなに不幸なのか」

こういう余計な考えのせいで
人は不幸に陥ってしまいます。




だからこそ
マイナスな情念が湧いたら
立ち上がって身体を動かしたり、
気分転換をしたりして
情念に流されないようにしたほうがいいのです。


一番いいのは微笑むことです。

「しあわせだから笑っているのではない。
 むしろぼくは、笑うからしあわせなのだ」

 Kindle版228ページ/291ページ

こういう名言を読んでいると、
だんだんと気持ちが前向きになってくるから
不思議です。


今回のポイント


気持ちが下がったときに
切り替えられる本を持っていますか?

自分の気分に無関心になる!


アランが『幸福論』で
何度も主張している、
情念に流されないことの大事さ。


言い換えるなら
「自分の気分に無関心になる」
ということでもあります。


「しあわせになる秘訣の一つは、
 自分の気分に無関心になるということだ。

 そのように軽蔑された気分は、
 犬が犬小屋に戻って行くように、
 動物的な生にもどる。

 それこそが、
 実践的倫理学のもっとも重要な章の一つであると、
 ぼくは考える。

 つまり自分のあやまち、自分の悔恨から、
 すなわち自己を責めるいっさいのみじめな反省から
 ほんとうの自分を切り離すことである。

 「この怒りだって、おさまりたくなれば
 おさまるさ」ということだ。

 相手にされない泣く子と同じようなもので、
 怒りはすぐにおさまるだろう」

 Kindle版198ページ/291ページ


アランの『幸福論』での指摘は
現在のアンガーマネジメントなどにも
通じる指摘が多く、大変役立つのです。

気持ちが落ち込んだときに読む本を決めておく!



私の場合、
ちょっと気持ちが塞いだり
落ち込んだりしたときに
アラン『幸福論』を読むようにしています。

こういう気持ちを切り替えるのに役立つ本を
何冊か手元においておくと
勉強・仕事を継続する上でも有益なので
参考にしてみてくださいね!

ではまた!


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