気持ちが下がったときに
切り替えられる本を持っていますか?
名著!アラン『幸福論』を読む。
いま、アランの『幸福論』を読んでいます。
☆以前、『100分de名著』にも紹介されていました。
フランスの哲学者であり、
高校で「哲学」の授業
(フランスではこういう授業があります)を
長年持ち続けたアラン。
(本名エミール=オーギュスト・シャルティエ)
そのアランが
毎週日曜日
新聞に連載していた
プロポ(コラム記事のようなもの)を
集めて本にしたのが『幸福論』です。
このアランの『幸福論』、
私は学生時代から何度も読み返しています。
なんとなく気分が落ち込んだときや
壁にぶつかったときに読むと
解決のヒントを得られるのが
アラン『幸福論』のいいところです。
情念に流されると損をする!
アランの『幸福論』には特徴があります。
それは「情念」に流されないことの
重要性を何度も指摘しているところです。
情念とは心にふと浮かぶ感情のことです。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2023/02/heart-1024x768.jpg)
たとえば
「ああ、ちょっと寂しいな」と感じたり
「ああ、なんか疲れたな」と感じたりするのが
情念です。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/04/sad1-683x1024.jpg)
この2つはマイナスの情念ですが、
「嬉しい」「楽しい」など
プラスの情念も存在します。
情念の中でも
マイナスの情念に流されないことが
幸福への第一歩であると
アランは主張します。
どういうことかと言うと、
「自分は不幸だ」「不安だ」というマイナスの情念を
感じていると、
次第に心も
「なぜ自分はこんなに不幸なのか」
「なぜ私はこんなにも苦しまないといけないのか」
とマイナスの思考がずっと続いていってしまうからです。
(こういうのを「自動思考」といいます)
そうではなく、
「自分は不幸だ」「不安だ」などと感じたら
まずは「微笑む」こと・身体を動かしていくことを
アランは主張するのです。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/05/smile_work-1024x683.jpg)
マイナスの情念は他人の迷惑に…!
マイナスの情念に流されると
他者にも迷惑をかけてしまうことがあります。
よく犯罪報道の中で
「カッとなって殴ってしまった」などという
セリフが出てきますよね。
あれは
相手に怒りという情念を感じ、
それをそのまま殴るという行動に移してしまった結果です。
カッとなって人を殴ってしまうと
損するのは自分です。
だからこそ、
カッと怒りを感じたときこそ落ち着いて
気持ちを切り替える。
あるいは心のなかでゆっくりと1から10まで
数を数える。
そうすると
怒りのまま殴ってしまうという行動を
防ぐことにもなります。
このように、
情念に流されるのは
たいへんもったいないのですね。
情念に振り回されないようにするという
アランの発想、
私が大学院修士課程在学中に
うつになったときも
回復する上で大いに役立ちました。
疲れたら伸びをしよう!
他にもアランは
「疲れたら伸びをしよう」
と言っています。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2023/02/heart-1-1024x768.jpg)
疲労を感じた時
「なぜ自分はこうも疲れ果てているのだろう…。
この仕事、自分に向いていないのではないか…」
などと人間は余計なことを考え出します。
疲れを感じるという情念によって
次々にマイナスな思考・不幸な思考に
陥ってしまうのです。
そうではなく、
まずは腕を上げて伸びをすると
気持ちが一瞬で切り替わります。
こういう身体動作も用いることで
情念に流されるのを
防ぐことができるのですね。
(Kindle版5ページ/291ページ)
「気分の善し悪しはすべて、
一時的なからだの出来事によるものだが、
それをわれわれは異様に拡大して、
そのことに神託のような意味を
与えてしまう」
「なぜ自分はこんなに悲しんでいるのか」
「なぜ自分はこんなに不幸なのか」
こういう余計な考えのせいで
人は不幸に陥ってしまいます。
だからこそ
マイナスな情念が湧いたら
立ち上がって身体を動かしたり、
気分転換をしたりして
情念に流されないようにしたほうがいいのです。
一番いいのは微笑むことです。
「しあわせだから笑っているのではない。
Kindle版228ページ/291ページ
むしろぼくは、笑うからしあわせなのだ」
こういう名言を読んでいると、
だんだんと気持ちが前向きになってくるから
不思議です。
今回のポイント
気持ちが下がったときに
切り替えられる本を持っていますか?
自分の気分に無関心になる!
アランが『幸福論』で
何度も主張している、
情念に流されないことの大事さ。
言い換えるなら
「自分の気分に無関心になる」
ということでもあります。
「しあわせになる秘訣の一つは、
自分の気分に無関心になるということだ。そのように軽蔑された気分は、
犬が犬小屋に戻って行くように、
動物的な生にもどる。それこそが、
実践的倫理学のもっとも重要な章の一つであると、
ぼくは考える。つまり自分のあやまち、自分の悔恨から、
すなわち自己を責めるいっさいのみじめな反省から
ほんとうの自分を切り離すことである。「この怒りだって、おさまりたくなれば
おさまるさ」ということだ。相手にされない泣く子と同じようなもので、
Kindle版198ページ/291ページ
怒りはすぐにおさまるだろう」
アランの『幸福論』での指摘は
現在のアンガーマネジメントなどにも
通じる指摘が多く、大変役立つのです。
気持ちが落ち込んだときに読む本を決めておく!
私の場合、
ちょっと気持ちが塞いだり
落ち込んだりしたときに
アラン『幸福論』を読むようにしています。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/11/read-1024x681.jpg)
こういう気持ちを切り替えるのに役立つ本を
何冊か手元においておくと
勉強・仕事を継続する上でも有益なので
参考にしてみてくださいね!
ではまた!
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